いざバックパッカーの聖地インドへ

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すっかり司法試験ブログとなっていて突然なのですが、今から1ヶ月間インド(とネパールとバングラデシュ)に行ってきます🇮🇳

1ヶ月規模の旅行は東南アジア、ヨーロッパ、南米に続く4度目です。

前回の南米は留学中に友達と行ったので、1人で途上国は8年前の東南アジアぶりとなります。ワクワクするぅうううう

 

行き先はデリー→ジャイプル→アグラ→バラナシ→ブッダガヤ→コルカタの黄金ルートを軸に

西のジョードプルジャイサルメール

北のハリドワール、リシュケシュ

ネパールのカトマンズ、ナガルコット、ポカラ

バングラダッカ

あたりを様子を見つつ組み合わせる予定です。あと帰りに経由でクアラルンプールに寄ります。

 

今までの旅行を振り返ると、「せっかく遠いところまで来たんだからできるだけ色んなところに行きたい」とせわしないものでした。東南アジアは最後がキツキツになりカンボジアを2日で通り過ぎたり、ヨーロッパは30日間で14都市も行ったり、南米は6000キロも移動したり…

というわけで今回の目標は「ゆったり」です。せっかくゆったりした国で宗教の聖地を回ったりするのだがら、訪問都市を出来るだけ絞り、一つの都市の滞在期間を長くしたいと思います。とか言って、行きたいとこをたんまりあげてるわけですが…。

そして日和らず安宿に泊まりたいと思います。ガンジス川にも入ります。

 

インドというとバックパッカーの定番スポットですが、聖地だとか人生が変わるだとか言われてるために何だか先送りにしてしまっていました。今回インド初めてと友達にいうと驚かれます。

今後はなかなかこんな長期休みも取れないだろうし、若いうちじゃないとしんどいだろうし、司法試験にも受かって一つやり遂げた今、インドを堪能してきたいと思います。

 

というわけでしばらくは旅行ブログになりますがよければお付き合いください!行ってきます。

 

出題趣旨と評価の感想

出題趣旨も公表されたので、自分の答案の評価について感想。

左が予想してた評価で右が実際の評価です。

 

憲法 D→A

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(再現率は低いです)

まず「知る自由」(情報摂取の自由)と「営業の自由」という大枠は外さず良かったです。その上で、出題趣旨どおり明確性の原則は検討しています(したはず)。青少年については内容規制であることに触れ、表現の価値について触れ、受け手が青少年である特殊性にも触れており、概ね書けていると思います。出題趣旨の書きぶりからすると色々な検討の方法があったようで、思い浮かべば浮かぶほど全部書かなくてはならないと思ってしまいそうで、そこが難しいなぁと思いました。

営業の自由のほうは方向性は大丈夫ですがいかんせん論述が薄すぎる。一括して書けばよかったです。

試験後憲法のせいで落ちたんじゃないかと思ってたのにAでした。やはり過去問研究してきた人が焦るならみんなも焦ってできないということが言えると思われます。しかも行政法がBなのに公法系が130点もいってる(上位4.63%)ということは憲法がかなりできていたということです。憲法は好きだけど最後までよくわかんない科目でした。

 

 

行政法 A→B

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原告適格については指摘されている条文を摘示できているし、反論も書けており、概ねよさそうです。Eの利益は、「適切な環境の下で円滑に業務を行う利益」とされていますが、周辺住民の生活及び衛生としてしまったのが痛かったかもしれません。

許可処分の実体違法については①13条1項違反と権利濫用の観点、②名義貸し、③主張制限、について触れることができており、よく書けていると思います。

不許可処分の実体違法について、アは反対運動について触れるべきなのに植栽について論じてしまいました。イは墓地の経営上の安定について論じており趣旨に合致していると思います。

2ちゃんを見ているとそもそも設問1(2)と設問2を裁量の問題としていない人もけっこう多いみたいですしAだと思ったらBでした。行政法は得意のつもりだったのでショック。

 

民法 B→A

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設問1はだいたい書けていると思います。注意義務の軽減は悪意又は重過失でも間違いじゃないんですね。問題点を一つずつ分けて考えるというのがうまくできてよかった……

設問2は小問1はオーケーだと思います。そして肝心の小問2ですが、177条の第三者と同視するという僕のトンデモ理論(と思ってた)はなんと正解でした。タブーである現場での思い付きがあたってしまったパターンです。リーガルマインドが炸裂してしまいました。第三者に当たらないとした上で登記を保持している者には例外的に請求できるとちゃんと書けてるので、ここで結構差をつけることができたんじゃないかと思っています。

設問3の求償は事務管理を理由にする場合は100万円だけど法定相続分で承継したとする場合には150万円が正しいようです。このあたりは色々な説があり趣旨を読んでもよくわかりません……。ということでまぁまぁできているという感じでしょうか。

基本的だけどややこしい設問1ができたこと、設問2がラッキーだったこと、設問3も一応書けていたことによるAという感じです。民法できないマンだったので嬉しい。

 

会社法 D→D

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設問1は多少あてはめが薄いとはいえ、請求要件や理由開示のところを押さえた上で二つの拒絶事由について検討しており、良いと思います。

設問2は利益供与をまるまる落としたのでひどい出来だと思います。一応利益相反構成もないことはないようで、それである程度点数が入っているといいのですが……。

設問3はプラスアルファの点は論じられていませんが、最後の設問であること、一応趣旨から論じられていることから、まぁまぁだと思います。

利益供与を落としたのが悔やまれますが、Fらなかっただけ良かったでしょうか。やはり基本論点は一つでも落とすと大ダメージです。 

 

民訴 B→A

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設問1課題(1)は訴訟物を明示した上で二重起訴と反訴、そして共同訴訟に触れており、主観的追加的併合と反訴提起による訴えの利益の喪失の論点は落としているものの、まぁ良いと思います。課題(2)は多分できなくても平気なはずです。

設問2はよくできたと思います。趣旨の書きぶりからすると利益文書は検討していなくても問題なさそうです。自己利用文書については検討の必要がないと明示されていますね。

設問3は問題ないと思います。意外とみんな書けていないみたいなので差がつくかも。補助参加の利益は辰已模試でがっつり出たので受験していると有利でした。

 

刑法 B→A

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設問1は概ねよいと思いますが、故意の中身を間違えました(名誉毀損の意図は不要で丙の社会的評価を低下させるおそれのある事実を伝播させる認識があれば足りる)。正当行為はやっぱり検討しなくて正解でしたね。

設問2はまず問題文を読み間違えて自説の検討をしていませんが、逆にしている人が超少数だと思うので問題ないと思います。殺人未遂と保護責任者遺棄の区別については殺意の有無だけでなく危険の程度についても書けており(これもリーガルマインド炸裂の現場での思いつきでしたが結果オーライ)、ここはかなり浮いたと思います。

設問3は難しい……(相変わらずよくわからない)。

模試で振るわなかった刑法でAは嬉しいです。

 

刑訴 A→A

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設問1の捜査はよいでしょう。捜査②については強制処分としてもしなくてもどちらでもいいという書きぶりですが、こういう場合採点はどのようにしてるんでしょうね?もしマックスの点数が同じなら強制処分としたほうが論述量が少なくてよいので有利だけど……。かといって結論で点数を左右するのもマズイ気もするし。

設問2の証拠もよいと思います。

 

 

 

国際私法 B相当→A相当(上位12%)

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第1問

設問1は先決問題と国際私法独自説、法定地国際私法説についてきちんと書けました。ここは結構国際私法の前提すぎて盲点的なところですね。

適用条文は28条が正しいところ29条にしちゃってますが、まぁここ自体は一応色々な条文を出して法性決定について検討しているので、そんなにマイナスにはならなかったと思います。

設問2は時際法の問題であるところ、公序の問題としており壮大に爆死しています。とはいえ時際法は過去問で一度も出ておらず、辰已の1冊本にも3行しか書いていないのでよほどの国私無双でなければ書けてないはずです。ということで無視します。

設問3は反対説である36条適用を批判して13条2項の適用を論じておりよいと思います。

 

第2問

設問1小問1は特別管轄も色々検討しましたが余事記載気味かもしれません。特別の事情は落としがちで、出題趣旨でも触れられているのでここをしっかり書けたかどうかで差がついたと思います。小問2は7条、11条、8条それぞれを検討し、趣旨の指摘やあてはめも丁寧にできたので完璧に近いのではと思います。

設問2は出題趣旨の分量がハンパなくてビビりました。まず13条1項としてしまったのは大きなミスです。まぁでも仕向地法とすることが書けていれば相対試験では十分だったというところです。

 

*************** 

まぁそんなこんなで、結構いくつかの科目で大きな間違いを書いております。他方で利益供与落としを除けば僕が間違えてるところは多くの人も間違えているところだと思います。

ということで、超上位を目指す場合を除いて総じて言えるのはやはり「みんなができるところを確実にする」「みんなができないところは無視してもよい」ということだと思います。その意味で相場観を養うために過去問と答練を解いて採点実感や再現答案を分析することが重要です。

全ての科目において、①条文解釈の姿勢を見せること、②三段論法をきっちりやること、③あてはめを充実させることはかなり気をつけたので、そこが評価されたのかなという印象です。勉強の成果が出て嬉しく思います。

 

司法試験成績通知

というわけでやっと来たので約束通り晒します。

 

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ということで論文274位、総合307位でした。

自分としては500位くらいかな?と思っていたのでめちゃくちゃ嬉しいです(2ちゃんの予想までは届きませんでしたが…すみません)。

合格する前は順位なんてどうでもいいからとにかく受かればいい、と思っていましたが、合格した途端どうせなら上位がいいなぁと思い始めるあたり人間の欲は罪深いです。僕は就職も決まってるし任官任検の予定もないので何位でもいいんですが、成績通知が来るまでは緊張していました。

 

科目としは、大失敗した会社法がDで踏み止まっていてよかったです。そして試験後一番不安だった憲法がまさかのAでした。たぶんみんなできなかったんだろうと思います。

他方で模試も良くて自信もあった行政がBだったのは悔しいです。

あとはまぁ予想通りという感じです。国私の突貫工事も功を奏しました。

そしてなにより好きな科目だった憲法、刑法、刑訴、そして学部のときからずっと苦手だった民法と民訴でAが取れたのは感無量です。頑張ってよかった。

※民訴については美人弁護士S先生とイケメン弁護士S先生の指導のおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。

以上報告でした!

 

進路について

成績通知がまだ来ない、ぺんぎんです。

実は今年は官庁訪問も行い、無事に某省庁から内定を得ることができました。

以前書いたように官僚という進路は非常に魅力的でした。身分が保障されている、福利厚生が手厚いという面ももちろんそうですが、国という巨大な組織の内部に入れるのだから、外からでは見ることができない多くのことを見れるようになると思います。社会の問題点を解決するために政策自体を作れるというのは行政でしかできないことです。弁護士はあくまで民間人であり、意見をいうことはできても、あくまで既存の制度の枠内で議論をするのが仕事です。

しかし、やはり弁護士という職業は自分の中で幼少期の頃からの夢であります。遅くとも中学1年生の道徳の教科書の「心のノート」の「将来の夢」の欄に「弁護士」と書いていたので、10年以上夢見ていた仕事なわけです。

もしかしたら昔からの夢であるというのは選択の邪魔になっているかもしれません。大事なのは今まで何をしたのかではなくこれから何をするのだから、フラットに考えることが重要だと思います。

しかし、昔からの夢を叶えないモヤモヤ感は一生残ると思います。やはり自分の夢を叶えたいと思いました。少々青臭いですが。

そして、フラットに見ても、自分の実力、名前と専門性で仕事をできる弁護士という職業のほうが魅力的だと思いました。そして、純粋になりたい自分の姿を想像するとそれはやはり弁護士だろうなぁと思いました。結局僕の性格からすると官僚になってもいつかは弁護士に転身したいなと思うんだろうし、それなら最初からなろうと思いました。

 

ということで、省庁の内定は辞退させて頂き(お時間をとって頂いたので大変申し訳無い思いでいっぱいです)、都内の某企業法務の法律事務所で弁護士として働かせて頂くことにしました。

 

というわけで修習の書類も無事に提出しました。修習地をどこにするかギリギリまで悩み、結局提出締切日の18日の深夜に24時間営業の郵便局で出しました。本当に優柔不断ですね……。

希望地をどこにしたかは秘密です。

 

修習を経て来年の12月に弁護士登録をし、実際に働き出すのは2020年1月なのでまだまだですね。2回試験もあるし、まだ勉強していない色んな法律を勉強しなきゃいけないし、本当にやっとスタート地点に立ったにすぎないんだなぁと実感しています。

 

というわけで、これからも頑張りたいと思います。

修習地どこにしよう問題

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書類集めも順調に進み、残る問題は修習地をどこにするかということになりました。

それにしても、4ヶ月近くも待たせておいて書類提出までは1週間ってほんとにふざけてますよね?笑 一応書類関係は事前に最高裁のHPにあがっているという言い分もわかりますが、まぁ、発表まではなかなか本腰入れて取り組めないのが人間というものです……。

 

修習地として自分の中で候補に上がったのは以下の5つです。

  • 京都
  • 大阪
  • 神戸
  • 福岡
  • 沖縄

就職も決まり、東京出身ということもあり地方に行くことにしました。そして寒いところは苦手かつ東北地方は結構旅行で行ったことがあることから西にし、田舎すぎるところはカリフォルニア時代の経験から避け、上記5つが候補として浮かんでいます。

 

京都は初めての一人旅の場所で、昔から憧れがあり、大学受験などで行こうとしましたがあえなく撃沈しました。修学旅行を含めると5回ほど訪問しており、やはりいつか一度住んでみたいなぁと思っている場所です。

ただ、以前1週間滞在したときに田舎だなぁと思い少し退屈してしまったこと、受験のトラウマが蘇りそう、夏は熱く冬は寒いというのが若干マイナス面ですね。あと倍率も高く他のところに飛ばされるリスクが高いです。憧れも昔に比べれば薄くなったかもしれません。

 

大阪は同じく初めての一人旅の場所で、それから6回くらい訪問し、東京と違うクレイジーさに取り憑かれています。一人合宿で1週間程度滞在したりしたときも面白かったです。やはり関西文化にどっぷり浸かってみるのはいいなぁと思っています。

他方で、大阪の独特なところや大阪弁に馴染めるかという不安もあります。修習性も地元の人が多いらしく、東京人が馴染めるか……。あと大阪はこれからも行く機会がありそうですよね。

 

神戸は1度しか行ったことがないのですが、静かで綺麗な場所だなぁと大変好印象でした。女性もスラっとした綺麗な人が多かったように思います。あと明石焼きがめちゃくちゃ好きです。

神戸なら大阪までも近いし、海も近いし、バランスが取れてそうだなと思います。僕の大好きな村上春樹の出身地でもあります。

 

要するに関西圏に一回住んでみたいんですよね。関西弁女子は最高だしな……(これ)

思い入れという意味では京都>大阪>神戸ですが、倍率では大阪>神戸>京都で、遊びでは大阪>神戸>京都、のんびり度なら京都>神戸>大阪と、悩ましいところです。

 

福岡は実は一度も行ったことがないんですが……(海外にはやたら行っているわりに日本はそんなに旅行していない)、行った人みんなが最高だったというので心が動いています。メシと酒がうまい・女性が綺麗・適度な都会で適度な田舎、というのがその理由なようです。祖母も福岡出身なのですが激推しされました。

行ったら絶対楽しいとは思うのですが、一度も行ったことがないというのと、関西に対するような思い入れがないのと、倍率が高いというのがネックになっています。明太子は大好きですがもつ鍋はあんまり。

 

沖縄は楽しそうですよね。最近サーフィン始めたのもあり、海のある環境は魅力的です。ただ、やはり一度も行ったことがないこと、泡盛がたいして好きでないこと、前にシェアハウスにいた沖縄出身の奴が最低でイメージが悪化したこと、などのネックがあります。沖縄文化も独特ですしね。

 

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選考もあるものの「日本のどこでも1年住めるよ」というのは今後二度とないであろう贅沢な悩みだとは思うんですが、僕のような決断力のない人間にとっては選択肢が多すぎるというのはかなり苦痛ですね……。留学のときは全然悩まずペン一本だったのになぁ

残り時間もわずかですが、ネットや人の情報を元に決めたいと思います。

 

再現答案は書こう/2ちゃんありがとう

 

合格発表から早くも3日も経ってしまいました。

発表後朝まで飲みに行ったので、その疲れが未だに残り猛烈に眠く昼過ぎまで寝る生活をしています…(年齢的にオールがしんどくなってきました)。昨日は中学の同級生と武道館にリアムのライブに行きました。今年はノエルとリアム両方を見れてオアシス充な年でしたねぇ。

 

さて、実は発表のちょっと前くらいに友人に言われて僕の再現答案が2ちゃん(5ちゃんねる)に晒されていることを知りました。

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司法試験ブログではないし、2ちゃん登場は久々なのでビビりました。ついにぺんぎん、留学界隈だけでなく司法試験界隈でも名が知れてしまうとは…。

とはいえ、思いがけず高く評価されていて嬉しく思いました。流石に100番以内はないと自分でも思うのですが、ネットにあげられている再現答案10人中1番と評価されているなら流石に落ちることはないだろうと思い、発表直前の心の支えになっていました。ありがとうございます。

 

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このあたりとか普通に励まされました。どこの誰か知りませんがありがとうございます(968が僕のことです)。

 

再現を作るまでは合格可能性は模試通り7割くらいかな?と思っていましたが、2ちゃんの評価を見てからは9割方受かるだろうと安心できました(というか2ちゃんの威信?のためにも落ちるわけにはいかないな…と)。むしろもっと早く8科目作っておけばよかったです。

再現答案を作るのは身を削る思いでしんどいですが、自分の答案を客観視し、予備校の解答速報や他の再現答案と見比べればだいたいの合格可能性を探ることができます。どうせ結果は変わらないのだから意味はないという意見もありますが、①合格する場合でも精神状態を保つため、②不合格だった場合の翌年のため、③いずれにせよ自分が会場で真剣に書いた答案を残すという思い出づくりのため、再現答案は是非作ったほうがいいと思います。実際2ちゃんの予想は概ね当たっていたわけなので、何も指標がない状態よりは確実にいいだろうと思います。

 

再現答案について「全体的に文字数が多すぎて盛ってんじゃね?」という指摘がありました。たしかに会社法は4254字、刑訴にいたっては4505字となかなかの分量がありますが、日本語的にはともかく書いてある内容はほとんど盛ってないと思います(少なくとも最初にアップした5科目)。僕はほぼ毎日答案を書いていたことでだいぶ筆が早くなりましたし、特にこの2科目は本番ではほとんど悩まず猛スピードで書きまくったので。あと重要な論点の当てはめを厚くして点数を稼ぐというのは一つの戦略として取っていました(書きまくりマンさんことAikawaさんの答案を参考にしていました)。

たしかに重要でないところをわざと落として必要最小限を書くという戦略もあるでしょうが、内容が合っていることは前提としてやはり分量は重要だと個人的には思っています。2ちゃんの分析は分量が少なくても結構評価する傾向にありましたが、個人的にはボーダー付近とされていた方の答案について「この量ではさすがにマズイんじゃない?」と思っておりました(後出しジャンケンですが)。新司では事実の適示と評価が重要なのだから、最低限結論が導ける程度に書けばいいのではなく、あらゆる事実にできるだけ触れるべきだと考えています。

 

出題趣旨も公表されましたし、余裕があれば自分の答案の評価の予想とかもしてみたいと思います。あと、2ちゃんの皆さんのためにも順位と評価が通知されたら晒しますのでご安心ください。

それにしても、修習地どこにしよう……。

H30司法試験再現答案ー憲法

第1 規制対象
1 条例72号の規制図書類の範囲は漠然不明確又は過度に広汎であり、憲法31条に反し違憲・違法ではないか。
(1) 規制範囲が漠然不明確であれば国民の予測可能性が担保されないし、あまりに広汎で違憲的に適用される法令はそれ自体が脅威となる。そこで、一般人が基準を読み取れ、かつ合憲的に限定解釈することができない限り、違憲無効となる。
(2)ア 本件で、「殊更に性的感情を刺激する画像又は図画に限る」という限定を付しており、規制対象とそうでないものの基準を読み取ることは可能であるから、漠然不明確とはいえない。
イ そして、たしかに条例7条は刑法上「わいせつ」とならない文書も対象としているほか、漫画・アニメ等も含んでいる。しかし、上記のような限定を付した上で、「衣服の全部又は一部を着けない者」という客観的基準を設け、その上で「卑わいな姿態」としているのだから、羞恥心や不快感を覚えるようなものに限定しているといえる。したがって、このように合憲的に解釈する限り、過度に広汎であるとはいえない。
(3) よって、31条には違反しない。
第2 図書類を購入する側の憲法上の自由
1 青少年
(1) 条例83項は青少年のわいせつな文書等を購入する自由(「本件自由1」という。)を侵害し、憲法211項に反し違憲ではないか。
(2) 思想・情報を発表し伝達するには、適切な情報や思想を知る機会が与えられなければならない。そこで、表現の自由の一環として、情報摂取の自由が同項により保障される。
 もっとも、性表現は価値が劣る言論であり、それを知る権利も憲法上保障されないとの反論が想定される。しかし、国家が表現の価値を判断し、保障の程度に差異を設けることは、表現の自由の基礎にある思想の自由市場原理に反するから認められない。
したがって、本件自由1211項により保障される。
(3) 条例83項は青少年に対する規制図書類の販売・貸与を禁止しており、本件自由1を制約している。なお、これに対して、A市の外に出れば購入できるから制約はないとの反論がありうるが、本件自由1はあくまでA市において購入する自由を問題にしているのだから、制約は肯定できる。
(4)ア 表現の自由は精神的自由の根幹である重要な権利であり、厚く保障される。そして、条例は青少年に対する規制図書類の販売等を一切禁止するものであり、さらに表現内容に着目した規制であるから、制約の態様は強い。
 もっとも、青少年は未熟で傷つきやすく、それを保護する必要性があるから、パターナリスティックな制約も一定程度は許されるべきである(有害図書販売事件)。これをもってあらゆる制約が許されるわけではないが、審査基準は緩められるべきである。
 そこで、規制目的が重要で、手段が目的と実質的関連性を有せば合憲である。
イ 規制目的について、青少年の未熟さやトラウマの残りやすさ等に鑑みれば、青少年の健全な育成は重要といえる。
 手段について、たしかに店舗での入手を不可能にすることで一定の目的は達成しうるが、隣接する市や通信販売等により容易に入手できるのだから、そもそも目的達成に効果的ということができない。
(5) よって、条例8条3項は違憲である。
2 18歳以上
(1) 条例81項及び2項は、18歳以上の者のわいせつな文書等を購入する自由(「本件自由2」という。)を侵害し、憲法211項に反し違憲である。
(2) 前述のように情報摂取の自由は同項により保障され、わいせつな文書であっても変わりないから、本件自由2は同項により保障される。
(3) 条例81項及び2項により、それぞれ日用品等を販売する店舗と規制区域において規制図書類が購入できなくなっており、本件自由2が制約されている。なお、これに対して、4項にいう事業者の店舗等から購入できるから制約が観念し得ないとの反論がありうるが、他店舗で購入ができるからといって制約自体がないということにはならない。
(4)ア 情報摂取の自由は前述のように重要である。
 制約につき、日用品等を販売する店舗での規制図書類の販売数は多くなく、需要もそこまで大きくないこと、そして、規制区域は学校の周辺200メートルで市全体の20%、商業地域の30%と狭い範囲に限られていることから、制約の態様はさほど強くない。
 したがって、規制目的が重要で、手段が目的と実質的関連性を有せば合憲となる。
イ 規制目的につき、1項は購入の意思のない者の目に触れることで羞恥心を与えることを防止することにあり、重要である。2項は青少年の健全な育成を目的としており、その傷つきやすさ、回復の困難さに鑑みれば重要である。
 手段につき、規制は規制図書類の販売を全面的に禁止するものではなく、書店等では従来通り購入することができるのだから、過剰な手段ではなく、目的と実質的関連性を有する。
(5) よって、条例81項及び2項は合憲である。
第2 図書類を販売等する店舗の憲法上の自由
1 スーパーマーケット・コンビニエンスストア
(1) 条例81項はこれらの店舗のわいせつ文書等を販売する自由(「本件自由3」という。)を侵害し、憲法221項に反し違憲ではないか。
(2) 同項は「職業選択の自由」を保障しているが、選択した職業を遂行する自由も保障しなければ同保障は無意味となるから、同項は職業遂行の自由としての営業の自由も保障している。したがって、本件自由3も同項により保障される。
(3) 販売が禁止されており制約がある。
(4) 営業の規制は様々なものがあるから、規制の目的や対象、規制の強度等を考慮して正当化基準を決めるべきである。本件の規制目的は購入意思のない者の目に触れることで羞恥心を与えることを防止することであり、個人の人格権に配慮したもので重要である。対象となる規制図書類を販売しているのは全体の25%にすぎず、さらに売上が全体の売上に占める割合は微々たるものにすぎない。そうすると規制の態様も強くない。
 そこで、規制目的が公共の福祉に合致しないことが明らかであるか、手段が必要性・合理性を欠いていることが明らかでなければ合憲である。そして、本件でこうした事情は見られない。
(5) よって、条例8条1項は本件自由3を侵害するものではなく、合憲である。
2 規制区域の店舗
(1) 条例8条2項は同店舗のわいせつ文書等を販売する自由(「本件自由4という。」)を侵害し、憲法22条1項に反し違憲ではないか。
(2) 前述同様同項により保障され、また、販売が禁止されており制約がある。
(3) 本件の規制目的は児童を含む青少年保護で、重要である。規制区域内の規制図書類販売店舗は150店舗あるところ、売上が全体の売上の20%を超えるのは10店舗にすぎない。そうすると、規制の態様も強くない。
 したがって前述と同一の基準で判断すると、そうした事情はない。
(4) よって合憲である。
3 書店・レンタルビデオ店
(1) 条例8条4項はわいせつ文書等を販売する(「本件自由5」)を侵害し憲法221項に反し違憲ではないか。
(2) 前述同様保障される。制約につき、販売自体はできるが営業活動としての陳列場所を強制されるのだからある。
(3) 本件の規制目的は見たくない者を守ることで重要である。規制についても、内装工事などは必要なものの陳列場所を変えれば済むのだから態様は弱い。
 そこで前述同様の基準で判断すると、そうした事情はない。
(4) よって合憲である。

以上

(2969字) 

 

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もはや今更感がすごすぎて再現答案とも呼べないと思うのですが、憲法だけ書かないのも収まりが悪いのでアップします。

憲法は形式を守ることを最優先課題としていたところ、問題文を開いた瞬間文字通り顔面蒼白になりました。三者間でないなら丁寧に論じたほうがいいと考えて購入側をきっちり書いた結果、時間がなくなり販売側がやっつけになりました(たしか1頁半も書いてないような……)。

しかも、わいせつ文書(要するにエロ本)規制については、アメリカのコンビニなどにはエロ本は売ってないので日本特有だよなぁ、オリンピックどうするんだろうなぁ、欧米は子供の権利に敏感だからなぁ、などと個人的に考えていたので、かえって問題文を素直に読むということが難しく感じました。

あとどこまでを常識として書いていいかもわからず……。そもそも、アマゾンで買えるから規制しても対して困らなくないですか?とか。今どきの子供は自分のスマホを持っててエロ動画を見るからエロ本なんか買わないし、規制したところで意味なくない?とか。というか、多少のエロ本はむしろ青少年の健全な育成に必要なんじゃないの?とか。もちろんそんなこと書けないのですが。

羞恥心を覚えるというのも、まぁ女性からするとそうだと思いますし、僕も普通にコンビニに飲み物買いに行くときに目に入るのは不快ですが、それがどれくらい深刻とすれば常識的なのかもイマイチわからず。身近すぎる話題も困りものです。

 

青少年、大人、3つの販売業態と全て分けて3段階審査を書いたのですが、重複する部分が多いので失敗したなと思ってます。保障と保障の程度、制約と制約の程度もまとめて書くべきでした。中身もスカスカで当てはめでの十分な議論ができず……。

ということで憲法は一番悔いが残るのですが、まぁこればかりは仕方ないです。他の科目でカバーしていることを祈ります。

H30司法試験再現答案―民事訴訟法

設問1
1 課題(1)
(1) AのBに対する訴えは適法か。既にBのAに対する訴えが提起されているため、民事訴訟法(以下略す。)142条に反さないか。
ア 同条が重複起訴を禁止する趣旨は、被告の応訴の煩、訴訟不経済、既判力の抵触による矛盾判断の防止にある。したがって、「裁判所に係属する事件について」か否かすなわち事件の同一性は、①当事者の同一性と②審判対象の同一性両者が満たされることをいうと解する。
イ 本件で、Bの訴えとAの訴えはいずれもAとBを当事者とする。原告と被告が逆になっていても当事者は同一であるといえるから、①は肯定できる。
 また、Bの訴えの訴訟物はBのAに対する不法行為に基づく損害賠償債務の150万円を超える部分の不存在であるところ、Aの訴えの訴訟物はB及びCの共同不法行為に基づく損害賠償債権の存在である。両者の訴訟物は同一ではないが、いずれも同一の不法行為に基づく債権債務の存否について争うものであり、一部重なり合うし、訴訟資料も同一のものである。そうすると、別訴で提起すると訴訟不経済や矛盾判断のおそれがあり、審判対象は同一といえるから、②も肯定できる。
ウ したがって、Aの訴えは142条に反し許されないといえそうである。
(2) もっとも、反訴(146条)であれば同一手続内で処理されるから142条に反さない。
ア 「本訴の目的である請求…と関連する請求」(同条柱書)とは、訴訟物たる権利の内容又は発生原因につき共通点を有する、すなわち訴訟資料が共通する請求をいう。前述のようにBの請求とAの請求は同一の交通事故に基づく損害賠償についてのもので訴訟資料が共通する。
 「口頭弁論の終結」(同)の前であり、Bの訴えは乙地裁に係属しているから、「本訴の継続する裁判所」(同)である。
 Aの訴えは乙地裁に管轄を有し、「他の裁判所の専属管轄に属する」(同条1号)とはいえないし、Bの訴えは提起されたばかりで、「著しく訴訟手続を遅滞させること」(同条2号)とならない。
 したがって、反訴の要件を満たす。
イ そして、同一の交通事故に基づく損害賠償請求だから、「訴訟の目的である権利…が…同一の事実上及び法律上の原因に基づく」(38条前段)といえ、CとBを共同被告として共同訴訟を提起することができる。
(3)  以上から、Aの訴えは適法である。
2 課題(2)
(1) 被告の住所地が管轄を有するところ(4条2項、1項)、共同訴訟においては一人の管轄があればよい(7条本文、ただし書)。
(2) 本件で、共同被告の一人であるCは甲市内に住所を有している。そして、甲地裁は土地管轄及び事物管轄を有している。
(3) よって、AがBとCを共同被告とする訴えを甲地裁に提起することはできる。

設問2
1 文書提出義務が認められるためには、221条に基づく申立てをしなければならない。
 「文書の表示」及び「文書の趣旨」はD病院でのAの診療記録全部、「文書の所持者」はD、「証明すべき事実」は本件事故と治療及び後遺症との因果関係、「文書の提出義務の原因」は400万円という損害額は多額であり上記因果関係の証明があること、とする。
2(1) ではDは文書の提出を拒むことができるか。本件は220条2号及び3号に当たるから、4号のいずれかに該当することを要する。そこで①「職務上知り得た事実」で②「黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書」(197条1項2号、220条4号ハ)に該当するか検討する。
(2) 法が上記文書の提出を拒むことができるとする趣旨は、医師等の専門職にある者は職務上患者の病歴などのセンシティブな秘匿情報を得ることが多く、拒めないとすると患者が医師を信頼できず虚偽の申告をする等して、業務に支障が生ずるからである。
 そうすると、その文書が含む秘匿情報の主体がその秘匿性を放棄している場合は、もはや黙秘の義務が免除されているということができる。
(3) 本件で、D病院におけるAの診療記録はDが診療という「職務上知り得た事実」である(①該当)。しかし、Aの診療記録にはAの症状や後遺症などのAにとっての秘匿情報が記載されていると考えられるところ、Aの訴えにおいてA自ら診断書等を提示しているのだから、Aは文書の秘匿性を放棄しているといえ、「黙秘の義務が免除されてい」るといえる(②非該当)。
(4) したがって、220条4号ハの拒絶事由はない。
3 以上から、DにはAの診療記録全部の文書提出義務がある。

設問3
1 理由(ア)について
(1) 補助参加人は独立して一切の行為をすることができ、上訴をすることもできる(独立性。45条1項本文)。そして、「補助参加の申出は、補助参加人としてすることができる訴訟行為とともにすることができる」(43条2項)のだから、第一審で補助参加をしていなくても、上訴提起とともに補助参加することができる。ただし、あくまで被参加人の補助をする立場であるから、被参加人の訴訟行為と抵触するときはその効力を有しない(従属性。同条2項)。
(2) 本件で、Bは上訴をしてCの過失の存否について争おうとしているところ、これ自体はAも一審で主張しているし、認められてもAの不利益とはならないのだから、被参加人Aの行為と抵触するとはいえない。
(3) よって、理由(ア)は失当である。
2 理由(イ)について
(1) 補助参加するには、補助参加の利益があること、すなわち「訴訟の結果について利害関係を有する」(42条)ことが必要である。
(2) 「訴訟の結果」につき,直接第三者に不利益を与えるのは理由中の判断であることが多いから、参加の利益を実質的にみて、理由中の判断も含まれ、訴訟物の前提をなす場合でも足りると解する。
 また、「利害関係」とは、訴訟の錯雑化防止の観点から法律上の利害関係を有する場合、すなわち当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に事実上ないし法律上不利益な影響を及ぼす関係をいう。
(3) 本件で、訴訟物はAのB及びCに対する不法行為の基づく損害賠償請求権であるところ、判決はBに対する請求の限度でこれを認める一方、Cは過失がないとしてCに対する請求を棄却している。すなわち、理由中においてCに過失がなく、不法行為責任がないことを判断している。
 そして、もしCに過失がありB及びCの共同不法行為と認定されれば、損害賠償債務は不真正連帯債務になるから、BはCにCの負担部分を求償することができた。
 そうすると、Cに過失がないという判断によって、BはCに対する求償権を失っており、事実上不利益な影響がある。
 したがって、「訴訟の結果」につき法律上の「利害関係」があるから、Bに補助参加の利益がある。
(4) よって、理由(イ)も失当である。
3 結論
 以上のように、Bは補助参加することができる。Aには控訴の利益も認められる。
 以上から、控訴は適法である。
以上

(2446字)

 

 

 

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民法と同じく再現率は低いです(おそらく盛ってます)。

 

設問1課題(1)

どう見ても重複起訴に当たるのにどうやって適法にすればいいんだ……と頭をひねって反訴を絞り出しました。こんなんでいいのかよと思いながら書きましたが一応これもありな模様。

給付の訴えを提起すると確認の訴えは訴えの利益を欠いて不適法となるというのはなるほどという感じですが聞いたことがなく思い浮かばなかった…。

主観的追加的併合は落としました……。言われてみればそうなんですけどね。

あとは重複起訴の当てはめを丁寧にやりすぎた気がします。他方で訴訟物については問題文で要求されているのだからもっと書くべきだったかも。

 

設問1課題(2)

小問(1)に紙幅を割きすぎたことと管轄というマイナー分野で途方に暮れたことからあとでやろうと飛ばしたのですが、結局時間がなくなりやっつけになりました。

国際私法選択として管轄は多少有利だったはずなので、もったいなかったです。とはいえ、みんなができるところをしっかり書ききるというコンセプト的にはここができなくても問題ないと思います。

 

設問2

典型論点である自己専利用文書に飛びつかなかったのは我ながら良かったと思います。ただ利益文書というのはまったく知らずまるまる落としました。さらに220条の構造自体をよくわかってなかっていないことが露呈しています(2号を認定しつつ4号ハを検討している点)。

職業上知り得た事実のほうについてはこんなもんだろうと思います。

 

設問3(ア)

パッと見設問が何を聞きたいのかわからず焦りましたが、落ち着いて条文を見ると上訴もできるということがわかったので事なきを得ました。さらにそれをしながら補助参加ができるということも条文に書いてありました。結構アクロバティックな気がするんですがこんなのもありなんですね……。

ただ、これだけでいいかは自信がないです。

 

設問3(イ)

ここは模試でもやったし無難に処理できたと思います。

 

民訴は民法と並んで今年克服を目指した科目です。結果的に弁論主義も既判力も出ず肩透かしでしたが、文提はある程度予想していたし、重複起訴や補助参加も何度か書いていたし、なんだかんだ勉強の成果は出たと思います。

上記のように色々と抜けがあるのですが、今年の問題は難易度が高かったようなのでこの程度でも合格ラインに乗っていることを祈ります。

 

なお、再現答案を掲載しているのは自信があるからではなくこうでもしないと書く気が起きなかったからです。色々と間違っていると思いますがあしからず。

H30司法試験再現答案―民法

設問1
1 Bの主張
 Bは本件売買契約(民法(以下略す。)555条)に基づき50万円の代金支払請求をする。
 同契約は目的物引渡しの合意と代金支払いの合意により成立するところ、平成29年9月21日において、目的物松茸5キログラムの引渡しの合意と代金50万円支払いの合意がなされているから、成立している。
2 Aの反論
(1) 同時履行の抗弁権
ア Aは、Bが目的物松茸5キロをAに引き渡しておらず、同時履行の抗弁権(533条)により代金支払義務はないと反論する。そこでBが「履行を提供」したといえるか問題となる。
イ 法が不特定物の履行につき特定を要求した趣旨は、債務者に課される無限の調達義務を軽減し債務者を保護する点にあるから、履行対象が確定されている必要がある。そこで,「履行を提供」とは、不特定物の場合、「必要な行為を完了」(401条2項)することで目的物を特定することを要する。
 したがって、債務者の住所で履行を行う取立債務の場合は、①目的物を分離及び準備をして、②債権者に通知することが必要である。
ウ 本件で、Bは松茸を収穫し、乙倉庫に運び入れた上で、5キロ分の箱詰めをしている(①)。さらに、債権者Aに引渡準備が整った旨を電話で連絡し通知している(②)。
 したがって、「必要な行為を完了」しており、「履行を提供」したといえる。
エ よって同時履行の抗弁権に基づき代金支払いを拒むことはできない。
 (2) 危険負担
ア 本件では目的物である松茸5キロが盗難により滅失している。そこで、それと牽連関係にある反対債務である代金50万円の支払債務も消滅したのではないか。
イ 原則として、債務の牽連性から、反対債務も消滅する(債務者主義。536条1項)。もっとも、当事者の公平の観点から、目的物の滅失が債務者の責めに帰することのできない事由による場合は、反対債務は存続する(債権者主義。534条1項)。
ウ そこで、本件で特定され「特定物」となった松茸の盗難が債務者Bの責めに帰することのできない事由によるといえるか。
(ア) 債務者は目的物の保存につき善管注意義務を負う(400条)。もっとも、債権者に受領遅滞(413条)があれば、公平の観点から債務者の注意義務は軽減され、悪意または重過失がある場合にのみ義務違反となると解する。
 Aは受領遅滞に陥っているか。債権は権利であって義務ではなく、受領遅滞は公平の観点から不利益を債権者に負担させる法定責任であると解する。したがって、債権者に原則として受領義務はなく、受領遅滞に陥るのに過失は不要である。
 したがって、本件で21日午後8時の時点でAは受領遅滞に陥っている。
(イ) ではBに松茸の盗難につき悪意又は重過失があるか。悪意はないので重過失につき検討する。
 たしかに、警察から近隣で農作物の盗難が相次いでおり注意喚起すべきとの情報を受け、倉庫をしっかりと施錠すべきだったのに、Bが手足として使用し、その過失につきBが責任を負う履行補助者であるCは、Bの指示を失念し倉庫を普段どおりの簡易な錠のみで施錠しているという過失がある。しかし、盗難の危険が高いであろう深夜は強力な倉庫錠で二重に施錠していること、翌朝も施錠自体はなされていること、二重に施錠されていなかったのはわずか3時間にすぎないことからすると、松茸の保管義務につき一定の注意は果たしており、重過失があるとまではいえない。
 したがって、Bに松茸の盗難につき悪意及び重過失はない。
(ウ)よって、松茸の盗難は債務者Bの責めに帰することのできない事由によるといえる。
3 結論
 以上より、反対債務である代金支払債務は存続するから、BのAに対する上記請求は認められる。

設問2
1 小問(1)
(1) Eの請求は、丙土地所有権に基づく妨害排除請求権としての丙土地明渡請求である(206条、202条1項参照)。
 上記請求が認容されるには、①Eの丙土地所有と②Dの丙土地占有が認められることを要する。①は認められるから、②について、所有権留保売買契約の性質が問題となる。
(2) 所有権留保売買契約とは、売主が目的物の引渡しを終えつつ、代金が完済されるまで目的物の所有権を留保することをいう。その法的構成については、当事者に担保権として留保している意思があるかにより判断する。
(3) 本件で、約定③より甲トラックを担保として支払いを強制するものであることが見て取れ、さらに約定⑤により返却時はトラックを売却しそれをもって債務弁済に充当するとされていることから、実質的に担保権として使われている。したがって、売主である留保所有権者Dは残債務弁済期までは当該動産の交換価値を把握するという担保権を有するにすぎないと解する。
 そして、たしかに、甲トラックにつき盗難届けが出ており、またDもこれを知っている。しかし、あくまで残債務弁済期である平成32年11月9日はまた経過しておらず、Aから売買代金も支払われているのだから、Dは甲トラックにつき担保権を有するにとどまり、占有・使用権限を有しない。
 したがって、②は認められない。
(4) よって、Dの発言は、Eの請求の請求原因であるDの丙土地占有を否定する理由となるものであり、正当である。
2 小問(2)
(1)Dに甲トラックの登録名義があることを理由にDの丙土地占有が認められるか。
(2)ア 道路運送車両法5条1項が、不動産の登記同様(177条)、登録を受けた自動車につき登録を受けなければその所有権の特喪を第三者に対抗できないとした趣旨は、自動車は価値が高く、また取引が通常の動産と比してそこまで頻繁といえないことから、登記類似の公示制度を設け、第三者保護を図ることにある。
 そうすると、「第三者」は177条の第三者と同様に解し、当事者及びその承継人以外の者で、登録の不存在を主張するにつき正当な利益を有する者をいうと解する。
 本件で、Eは甲トラックにより土地を不法占拠されている者であり、取引関係等に入ったわけではないから、「第三者」には当たらない。
イ もっとも、自らあえて登記を保持し、さらにそこから利益を得ているような事情があり、さらに現実の侵害者が見当たらないなどの事情がある場合は、公平の観点及び請求の便宜の観点から、信義則上(1条2項)、登録保持者への請求を認めるべきである。
 本件で、本件契約は所有権留保だから、Dは登録抹消を懈怠していたわけではないが、甲トラックの盗難届が出ていることを知っているにもかかわらず、依然登録を保持し、毎月4万円の代金支払いを受けるという利益を得ている。また、現実の侵害者であるAの所在は不明である。
 したがって、信義則上登録保持者であるDへの請求を認めるべきである。
(3) 以上より、Dの発言は失当であり、Eの請求は認められる。

設問3
1 前提
(1) 定期預金
ア まず、前提として、Cが有していた遺言①の定期預金は遺産分割の対象となるか。
イ 金銭のように遺産分割の調整に資する財産も遺産分割の対象とすべきであること、そして、仮に当然に分割されるとすると口座に新たに入金が行われた際の計算が煩雑となることから、定期預金債権は当然には分割されず、不可分債権として遺産分割の対象となると解する。
ウ したがって、2000万円が積極的相続財産となる。また、Cが有していた300万円の債務が消極的相続財産となる。これも不可分債務として遺産分割の対象となる。
(2) 相続人
 HはCの子であるから相続人となりうるが(887条)、廃除の審判がされており(892条)、遺言でも「廃除の意思を変えるものではない」とされているから、廃除の取消し(894条1項)もない。したがって、Hは相続人から廃除され、F・GのみがCの相続人となる。
2 遺言の解釈
(1)「相続させる」の意義
ア 本件遺言②及び③の「相続させる」の意義が問題となる。
イ 遺言は遺言者の最期の意思表明であるから、遺言者の意思を合理的に解釈すべきである。法定相続人に対して「相続させる」旨の文言がある場合、当該相続人も他の共同相続人とともに当然に当該遺産を相続するのだから、当該遺産を当該相続人に単独で相続させる趣旨と解釈すべきである。
 すなわち、遺贈と解すべき特段の事情がない場合は、遺産分割方法の指定(908条)とすべきである。したがって、相続財産は直ちに当該相続人に帰属する。
(2) 遺言④について
 遺言④は、Hが相続人から廃除されていることから、遺贈と解することができる。したがって、Hは200万円の定期預金を得る。
(3) 遺言②、③及び300万円について
ア 遺言②及び③については遺贈と解すべき特段の事情はないから、遺産分割方法の指定と解し、Cの死亡により、各々に2対1の割合で分割される。消極財産である300万円についても同様である。
 積極財産として、Fは1200万円の定期預金、Gは600万円の定期預金を得る。300万円の債務についてはFが200万円、Gが100万円を負担する。
イ したがって、FはGに対して余分に支払った100万円につき、不当利得(703条)として返還請求をすることができる。
以上

 (3601字)

 

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発表も近いですが、少し前に書いたので投稿します。答案構成に従って書きましたが、他の5科目に比べると当時の記憶はほとんどないので再現率は低いです。

設問1について

同時履行と危険負担という大筋は書けたと思いますが、履行を継続しないと抗弁権を消滅させられないというのは抜けてしまいました。

あと、同時履行の「履行の提供」と不特定物の特定のための「必要な行為を完了」をごっちゃにしてしまいました。

あと、受領遅滞があったときの注意義務の軽減は自己の財産に対するのと同一の注意義務とすべきですが悪意重過失以外としてしまいました。まぁ同じようなものだと思いますが……。

あと答案構成用紙のメモに、「Aが受領しないとBに著しい損害が生じるか」のについての事実が書いてあるのですが、これは受領遅滞に基づいて損害賠償請求ができるかという話なので、本問とは関係ないですよね?おそらく書かなかったかと思うのですが……。

 

本番では結構できたと思った問題なんですけど、色々とボロが出てますね……。

 

設問2小問(1)について

所有権留保は担保権的構成にしました。判例の残債務弁済期についてちゃんと書いたか怪しいですが概ね良いと思います。

所有権留保の法的構成については約定を参考にする必要があると思うのですが、どの程度引用したかは不明です。③と⑤に丸がついていたのでおそらくこれは引用したかと思います。

 

設問2小問(2)について

完全にやらかしました。平成6年判例の射程が及ぶかどうかの問題ですよね。何を思ったか177条の第三者と同視するとかいうトンデモ理論を書いてしまいました…。やはり現場での思いつきは100%死です。

一応信義則でむりやり修正したので結論自体はかろうじて守れたと思います。

 

設問3

答練で何回もやった相続させる旨の遺言が出て笑いました。しかし時間がないので焦ったのか、金銭債務を誤って不可分債務としてしまった……。致命的である。

100万円請求できるという結論について、金銭債務は可分債権なのだから遺産分割の対象にはならないはずで、法定相続分に従い150万円請求できるとするのが正しかったと思います。結論の間違いは痛い……

あと、きちんと三段論法ができた記憶がないのですが、最後の設問で時間もないしまぁこんなものではないでしょうか。

  

民法は苦手でしたが、①条文を解釈するという姿勢を見せる、②結論の妥当性に意識を向ける、ということに気をつけるようにしてから比較的点が伸びるようにはなったと思います。この答案にもそこそこの点数がつくことを期待します。

この夏のライブを振り返る。

就活も終わって夏休みを満喫しています、ぺんぎんです。

この1ヶ月は何をしていたかというと、タイ旅行に加えて……

・ライブとフェス

・サーフィンと海

・打ちっぱなし

・祭り

・勉強道具の片付け

・司法試験予備校でのバイト

・家で映画を見まくる

・BBQ

・飲み会

・合コン

 

悠々自適すぎます……。

果たしてこんな暮らしに慣れてしまって社会人生活に適応できるでしょうか???まったく自信がありません。

 

ライブはワンマン2つとフェス2つ(ロッキンとサマソニ)に行きました。フジロックはなぜか今年も行けませんでした……。

なんでだろう。大学・大学院のときは7月の終わりというとちょうど試験期間でずっと行けなかったんですよね。今年はやっと初めて時間的に行けたのですが、遠いのに加え一回も行ったことがないというのが心理的ハードルになっているようです。兄が毎年行っているので羨ましい限りです。

今回は今年の夏に見たアーティストについて一言ずつコメントしていこうと思います。もはや留学と何も関係がないですが……。

 

【洋楽】

Noel Gallaghers High Flying Birds

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今年はノエル御大がサマソニのトリを勤めてくれました。ノエルは終始期限がよく、セットリストもオアシス曲5曲とサービス精神旺盛。逆にソロ曲が少なくて残念でもありましたが……。オアシスの曲をやってくれるのはもちろん嬉しいんですが、やっぱりノエルソロはオアシスではなくあくまでカバーなので。それはノエルがボーカルを取る曲をとっても同じです。なんだかもどかしい気分になってしまう。

大のオアシスファンの友達は「ノエルはワンマンで見たいから今回はあえて行かない」とテームインパラの方に行ってしまいました。すごいですね、ファン根性。確かに僕もノエル愛がそんなにない奴らと見て「いや、もっと盛り上がれよ…。てかちゃんとアルバム聴いてる?」となってしまったので、気持ちはわかります。

最後の曲がビートルズのAll you need is loveでした。いいですね、泣けます。最近ライブですぐ泣くのですが、この曲は個人的に思い出深く泣いてしまいました(高校生のときに当時の彼女とイヤホンを片方ずつ耳に入れて聴いてました。青春ですね……)。

ちなみに"I'll see you next year"的なことを言っていたので来年日本に来るようですね。友達の予想的中、流石である。

 

The Charlatans


The Charlatans - Weirdo, Isle Of Wight Festival 2009

往年のシャーラタンズはWeridoが最高にかっこよかったですね。あのグルーヴとキーボード、たまりません。

全体的には僕が普段聴いている曲と乖離があって満足感はイマイチです。ライブの醍醐味かもしれませんが、普段聴いてる曲が演奏されないもどかしさがすごい。ティムバージェスは年をとってもイケメンだった。

 

Tame Impala


Tame Impala The Less I Know The Better (no intro) Optional Subs

テームインパラはノエル終わりにちょこっと見たのですが、サイケでかっこいい。

酔っ払って見れたら最高でしたね…(風邪を引いていたのでビール1杯しか飲めなかった)

 

Mastodon

僕はメタルは全然聴かず、ライブも初めて見たのですが革命が起きそうでした。ロックのライブと違った異様な空気に包まれているし、モッシュは始まるし…。音楽やモチーフはかっこいいとは思わないのですが、そういうのがどうでも良くなる独特のパワーがあります。

サークルでめちゃガタイのいい外国人が体当りしあっていて死の危険を感じました。僕も入ったのですが楽しかったです。

 

 

【邦楽】

[Alexandros](ワンマン)

ここ数年ハマっているバンドなんですが、死ぬほど感動しました…。初っ端のワタリドリ〜For Freedom〜cityの流れでなぜか猛烈に号泣。歌詞が本当に突き刺さるんですよね。このあたりは似た感性を持つ日本人バンドの良さだと思います。感情移入しやすい。

ワタリドリがやたらと有名ですが他にもいい曲が山のようにあります。最近は邦ロックよりの曲が多いですが、ゴリゴリのロックもあり、洋楽好きの人でも気にいるかと思います。下の2曲なんかがそうです。


[Alexandros] - For Freedom (MV)

 


[Alexandros] - Kill Me If You Can (MV)

それにしても、ゾゾマリンを埋める集客力、デカイバンドになったものです。また改めて感想を書きたいです。

 

パスピエ(ワンマン)

メチャクチャ演奏力が高い。曲のクオリティがものすごい。最近は録音技術がすごくてライブに行くと音の悪さにショックを受けることが多いのですが、パスピエはむしろCDの音を上回る素晴らしい演奏でした。

東京事変とかが好きなら気にいると思うのでみなさんも是非聴いてみてください。司法試験の勉強のときに鬼リピしていました。


パスピエ- S.S  Music Video

サブカル臭がすごくて敬遠される方が多いと思うんですけど、声は慣れます。僕も最初は正直苦手でしたが。この曲は一番好きなのですがアンコールでやってくれて最高でした。

 


パスピエ - スーパーカー, PASSEPIED - SUPERCAR

この曲は何回も聴いてるとハマって抜け出せなくなります。

 

フレデリック

ボーカルの声が若干キモいですがやはりノリは良いです。オドループ聴けてよかった。あとギターはめちゃくちゃうまいと思います。

オドループの一発屋感がありましたが、最近の曲はベース中心なロックにシフトしていっており、なかなか良いです。キッズのファンが離れないか心配です。

 

Ivy to Fraudulent Game

友人の勧めでここ半年聴いているバンド。ボーカルがV系ぽくイマイチなのですが曲のクオリティは非常に良いです。dulcetというマイブラそのものの曲があるのですが、ライブのSEもマイブラのSometimesでした。

非常に小さいハコで見れたので満足。これから有名になれるのか楽しみですね。

 

ZAZEN BOYS

ゆるい。よい。これぞロックって感じです。

あんまり古い邦楽は詳しくないんですが、勉強していきたいもんです。

 

KANA-BOON

やはり演奏とかは単調ですが、すごい人気。ファーストの曲が好きなんですがあまりやってくれない。シルエットは流石の盛り上がり。

 

NICO Touches the Walls

完全なオワコンバンドだと思っていたのですが(すみません)、今でもこんなに人気あるんですね。ボーカルがマジでイケメン。ホログラムが聴きたかった……。

 

Yogee New Waves

最近良く聴いているバンドです、こういうジャンルは何ていうんでしょうか?シティポップ?古き良き日本のポップスって感じがしてとても良いです。

できたらビーチステージで寝転んで聴きたかったところですが、満足。


Yogee New Waves / CLIMAX NIGHT (New Version - Official MV)

この曲は残念ながら聴けませんでしたが……。

 

 

never young beach

元々ヨギーと被りがちな感じなんですが、同じ日に聴いて余計セット感が増しました……。ヨギーに比べるとより昭和感が増して、よりリラックスした感じです。

ビーチステージで聴くネバーヤングビーチは最高でした。これほど最高のステージはないでしょうね。


never young beach -あまり行かない喫茶店で(official video)

 

 

MAN WITH A MISSION

僕は洋楽も邦楽もロックは何でも聴くんですが、マンウィズとワンオクはなぜそんなに人気があるのがイマイチ腑に落ちません。いや、十分かっこいいんですが、リンキンとか昔のティーン向け洋楽の焼き直し感がすごいですし、そっちを聴けばいいやんと思ってしまいます。

ただ実際に生で見ると演奏が力強く迫力に圧倒されました。ライブを見て彼らが人気な理由が少しわかったような気がします。

 

(以下1曲だけ)

グッドモーニングアメリカ

ダサいがパワーがある。

 

ポルカドットスティングレイ

サブカル感満載だが結構好き。

 

神様、僕は気づいてしまった

某有名曲が聴けたので満足。覆面バンドは得である。

 

あいみょん

あー歌詞抜けたぁ!と言っていて可愛かった。

 

 

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フェスはいいですよね、色んなバンドが見れるので得ですし、あんまり聴いてなかったけど意外といいなと思うアーティストもいたりして自分の興味の幅が広がります。

思えば高校のときは突っ張ってほとんどUKのロックしか聴いてなかったのですが、なんでも聴くようになりました。変な角がとれたということでしょうか?あるいはこだわりがなくなってつまらない人間になったのかもしれません。

 

 

8年ぶりの……

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 バンコックは雨期だった。空気はいつも軽い雨滴を含んでいた。強い日差しの中にも、しばしば雨滴が舞っていた。しかし空のどこかには必ず青空が覗かれ、雲はともすると日のまわりに厚く、雲の外周の空は燦爛とかがやいていた。

 驟雨の来る前の空の深い予兆にみちた灰黒色は凄かった。その暗示を孕んだ黒は、いちめんの緑のところどころにヤシの木を点綴した低い街並みを覆うた。

 

 三島由紀夫暁の寺豊饒の海・第三巻―』より 

先日、友人とタイに行ってきました。

タイは僕にとって特別な国です。というのも、初めて行った海外の国がタイでした。今から8年も前のことです。

僕は大学に入るまで海外に行ったことがなく、大学1年の夏休み、一人で1ヶ月ほどかけて東南アジアを旅行したのですが、最初に降り立った国がタイだったのです。

その旅行はバンコクから始まり、チェンマイまで北上し、ラオスに入って、フエからベトナムに入り、ホーチミンまで南下して、カンボジアに入り、またバンコクに戻るというものでした。バスや電車のみを使ってインドシナ半島を一周するというものです。

 

タイの中でも最初の街であるバンコクは一際特別です。今でも色々な記憶が鮮明に蘇ります。僕が仮にアナザースカイに出ることがあればバンコクを選ぶでしょう(フィラデルフィアかな?)

スワンナプーム空港に降り立ち、初めて外国の貨幣を使い、英語を話し、海外に来たんだと実感してものすごく興奮したこと

しかし、すぐに自分の英語力の無さを痛感し、この先やっていけるのかと不安になったこと

バックパッカーの聖地であるカオサン通りに宿を取ったものの、部屋に窓が無く毎日こんなところに泊まるのかと絶望したこと

食事をしに近くのレストランに入ったら、客が自分しかおらず、これから1ヶ月ひとりぼっちなのかと絶望したこと

しかし、その店でジョーと名乗る店員が話しかけてきてくれて、そうか、こうやって周りの人とコミュニケーションを取れば自分は一人では無いじゃないか、と気分が明るくなったこと。

 

タイにはまた来たいと思いながら、特別な場所であるだけになかなか気が向かず、結局8年間一度も再訪せずじまいでした。

本当はまた来るなら一人で来て思い出に浸りたいところでしたが(友達と来ると自分の清き思い出が汚れてしまうかな…とかしょうもないことを思いながら)、この機会を逃したらまたしばらく来ないだろうな、と思いローの友達と3人で来たわけです。

 

 

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今回はナナ駅近くのわりといいホテルに泊まり、伊勢丹で買い物したりと前回の貧乏旅行とはまた違いましたが、やはりバンコクはいいですね…。8年経ってだいぶ洗練されてきたとは思うのですが、やはり汚いところはそのままだし、街全体に溢れる活気は変わってないなぁと思いました。

そしてもちろん行ってきました。

 

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すべての始まり、カオサン通りです。

やっぱりこの場所は別格ですね……。ワット・アルンとかワット・ポーとか観光地に行っても特になんとも思えない僕ですが、カオサンに来たときはありえないほどテンションが上りました。本当に懐かしい。

 

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大好物のパッタイも食べました。僕はパクチーも辛いものも苦手なので、タイにいた10日間は毎日バカみたいにパッタイばかり食べていたものです……。

 

 

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ガイドブックオススメの店でカオマンガイも食べてきました。ここの店のカオマンガイ、本当にありえないほど美味しいです。

実は日本にも上陸していて渋谷にお店があるようです。読者のみなさんもぜひ行ってみてください。ガイトーンというお店です。本当に美味しいです。

 

 

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8年前も行ったアユタヤも行ってきました。

タイの古都というとスコータイとアユタヤがあります。スコータイは遺跡群と街が完全に別れてしまっていてイマイチ面白みに欠けるのですが、アユタヤは街の中に遺跡が点在しており、街と遺跡が調和しています。前回は自転車で巡りましたが今回は原付きを借りました。原付きでアユタヤの街をかっ飛ばすのはなんとも言えないものがあります。

 

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思い出に浸ってみると、8年前に比べると法律の知識もついて、アメリカ留学を経験して英語もだいぶ上達したし、社交性もついたように思います。そこは喜ばしい。

他方で当時のほうが本を読んでいたし、何より当時の瑞々しい感性みたいなものは失われてしまったかな……と。太宰の斜陽で直治が「快楽のインポテンツ」という言葉を使っていましたが近いものがあるかもしれません。まぁ、当時ははじめての海外だったのに対して、今回は2回の留学と25カ国の渡航を経てなのだから当たり前ではあるのですが。若い頃は経験するものすべてが新しく、強烈な感動を与えてくれてよかったなぁ、と思ってしまうわけであります。

今でも 鮮明に覚えているんですが、スコータイ近くのピッサヌロークからチェンマイまで夜行電車に乗ったとき、深夜に一人で電車のデッキのところに出て、「あぁ、人生にこんなにも楽しいことがあったんだ」と興奮したことがあります。あの冒険感、全く見知らぬ土地を一人で進む高揚感、ものすごいものがありました。多分、あのときの気持ちをまた味わえることはもう無いのかなぁ。

 

……なんか、バー受験のあとタイムズスクエアに行ったときについてもおんなじようなことを書いていましたね?笑 そこでも書いたけれども、何年経っても自分の根本的なところは変わっていないわけで、それはどこに行っても自分は自分である、ということなわけで、ある意味安心でもあります。そんなしょっちゅう変化をしているようでは逆に不安になる。

 

ともかく、8年ぶりのタイ、色々なことがフラッシュバックして、全てに既視感を感じて、とてもいい旅行ができました。また折に触れてタイには訪れたいものです。

内定と就活終了のご報告

ブログ読者の方への説明義務を果たすためにもご報告をと思うのですが、先日無事に希望していたところから内定を頂き、就職活動を終えました。

就職については試験が二度目であったこと、年齢的な問題などもあり非常に不安だったので、一安心です。本当に安心しました……。

就活は試験とは違って何がどう評価されるかわからず、内定を得るまでは自分がどの程度までいけるかとにかく不安で、「全部ダメだったらどうしよう」という独特の怖さがあったと思います。その意味で紙でしか評価されない試験というのは極めてフェアだなぁなどと思いました(その分、どんな人間でも試験対策さえすれば通ってしまう問題もありますが)。

他方で、就活も何だかんだで内定を貰えそうな人はすぐに貰えたり、貰えなさそうな人はなかなか貰えなかったり、運も大きいですが比較的実力が如実に出る勝負であるのかもしれません。

などと偉そうに言ってますが、僕も就活は大変苦労しました。就活セミナーに出たり、友人と何時間も自己分析をしたり、色々なところの説明会に足を運んだり、ああだこうだ言いながらESを練ったり……。最終的に内定が貰えたのは、そうした努力が実を結んだことに加え、面接官の人とフィットしたとか、話がたまたま合ったとか、運にも救われたなと思う次第です。留学経験や英語力も活きた(と思う)ので、今まで自分が力を入れていたことが評価をされて素直に嬉しく思っています。

大学院生は学部生に比べると経験が多く面接で話すネタは多いですが、その分それに一貫性をもたせるのが大変ですし、未熟前提の学部卒に比べてある程度の成長を見せなければならないので、学部卒の就活とはまた違った難しさがあるのかなと感じました。

 

大学院に行ったり、留学したりして色んな経験は積んだものの、就職が決まるまでは、「このままいわゆる高学歴ワーキングプアになったらどうしよう」などととにかく先が見えず落ち着かない日々を大学卒業から過ごしていましたが、やっと一つヤマを超えたような気がします。

とはいえこれからやっとスタートラインに立てるわけでもあるので、改めて気を引き締めて頑張らなきゃなぁ、と思う所存です。

H30司法試験再現答案―刑法

設問1
1 乙がA高校の役員会において「2年生の数学を担当する教員がうちの子の顔を殴った」と発言したことにつき、丙に対する名誉毀損罪(刑法(以下略す。)230条)が成立しないか。
(1) ア「公然と」とは不特定又は多数人が認識しうる状態をいう。もっとも、同罪の保護法益が人の名誉に関する外部的社会的評価であるところ、これは特定少数に対するものでもそれを通じて不特定又は多数の者に伝播する可能性がある場合は害されるから、その場合はなお「公然と」に当たる(伝播性の理論)。
 本件ではA高校の保護者と校長と特定され、かつ4人という少数に対して発言が行われており(判例は8人で少数としている)、この要件を満たさないとも思える。
 しかし乙が上記発言をした際特に口外しない旨告げていないし、役員会にそのような規定は見られない。実際に、乙の「徹底的に調査すべきである」との発言に基づき校長が丙や他の教員に対する聴き取りを行い、A高校の教員25名全員という多数人(判例は25名で多数としている)に噂が広まっている。
 したがって、多数の者に伝播するおそれがあったから、「公然と」の要件を満たす。
イ「事実を摘示し」とは事実が真実か虚偽かは問わない。
 本件で乙は上記のように暴行の「事実を摘示し」ている。
ウ 「人の名誉を毀損した」とは、特定人の外部的社会的評価が低下するおそれを生じさせることをいい、実際に低下したことは要しない。
 本件で、「2年生の数学を担当する教員」と言っており特定の人に対するものであるか問題となるが、A高校2年生の数学を担当する教員は丙だけであり、保護者や教員は発言が丙を指していると容易に特定できるから特定性には欠かない。
 そして、教員にとり体罰をふるったという事実はその生徒を監督する立場としての丙の外部的社会的評価を低下させるものであるから、上記発言により「名誉を毀損」している。
 したがって、「人の名誉を毀損した」といえる。
(2) また、乙は上記事実を真実と信じていたものの、丙に対する恨みを晴らすために事実を摘示しており、同罪の故意が認められる。
(3) また、乙には「公益を図る」目的はないから230条の2第1項の適用はない。
(4) 以上より、同罪が成立する。
2 上記行為に丙に対する信用毀損罪(233条)が成立するかにつき、同罪にいう「信用」とは人の経済的側面での信用をいうから、これに当たらず、成立しない。
3 よって、乙には丙に対する名誉毀損罪一罪が成立する。
設問2
1 小問(1)
(1) 甲が乙の救助を行わず去ったところ、乙は意識を取り戻し崖に向かって歩いたことで転落し重症を置負い、そのまま放置されれば死亡する危険があった。
 そこで、甲が乙を救助しなかったことにつき殺人未遂罪(203条、199条)が成立しないか。
(2) ア 殺人罪(199条)の実行行為は、人の死亡結果を発生させる危険を有する行為をいう。これは原則作為によって行われるが、不作為によっても実現できる。もっとも、罪刑法定主義の見地から、不作為が作為と同価値といえる程度に限定される必要がある。
 そこで、①法令・条理・先行行為・排他的支配・危険の引受け等から作為義務が認められ、かつ②作為の容易性・履行可能性があるときにのみ、不作為が殺人罪の実行行為に当たると解する。
イ ①について
 まず、甲と乙は他人ではなく同居の親族である以上一定の条理上の義務は肯定しうる。そして、乙の死亡結果の危険が生じたのは甲が崖近くで意識を再び喪失し、更にそこで起き上がろうとして転落したことによるところ、乙が崖近くまで歩いたのは甲が「親父。大丈夫か」と声をかけた行為によるのだから、乙に危険発生の先行行為が認められる。
 そして、現場は町外れの山道脇の駐車場で、時間も午後10時30分と夜間で、車や人の出入りはほとんどなかった。仮に出入りがあったとしても、乙が転倒した場所は草木に覆われた死角となっており、山道・駐車場からは乙が見えなかったこと、そして駐車場には街灯がなく深夜で暗かったことからすれば、第三者が乙を発見する可能性は極めて低い。そうすると、乙を救助できたのは甲だけであり、一定の排他的支配が認められる。
 以上から、甲に、乙の自動車に乙を連れて行く作為義務が認められる。
 ②について
 甲が乙の自動車に乙を連れて行くことは容易であり、かつそれによって乙が崖下に転落することが確実に防止できたのだから、作為の容易性・履行可能性が認められる。
ウ したがって、甲の不作為は殺人罪の実行行為に当たる。
(3) 殺人における故意(殺意)とは、死の結果発生を認識・認容していることをいうところ、甲は、乙が点灯した場所のすぐ側が崖となっており、崖下の岩場に転落する危険があることを認識した上で、殴られたことを思い出し助けるのをやめているのであるから、崖下転落による死亡の結果発生を認識し、のみならず認容していたといえる。
 したがって殺意が認められる。
(4) 乙は一命を取り留めて死亡しておらず、「未遂」に終わっている。
(5) 以上より、甲に乙に対する不作為による殺人未遂罪が成立する。
2 小問(2)
(1) 保護責任者遺棄等罪(不保護罪。218条)は「保護する責任のある者」が「生存に必要な保護をしなかった」ことにより成立する。
 不作為による殺人とは、①作為義務の程度と死亡結果発生の危険の程度による実行行為性の有無、及び②殺意の有無により区別される。
(2) ①について
ア 親が子の監護義務を有するのに対して(民法820条)子にはなく、また乙の意識喪失は丙との話し合い中に発生しており甲は関与しておらず、法令や先行行為から作為義務を肯定することは困難である。
 そして、たしかに乙が崖の方に10メートル歩いたのは甲の声掛けによるが、これ自体は乙の安否を憂慮して行ったものであり違法な先行行為ではないし、危険状態に置くことを意図したわけでもない。
 そして、たしかに第三者が乙を発見する可能性は低く一定の甲による排他的支配は認められる。しかし、乙の怪我自体は軽傷であり、そのまま意識を回復して自力で自動車に戻ることも考えられるのだから、甲が乙の危険をコントロールできたわけではない。

 そして、乙は甲自身の声掛けに対して甲がいることすら気づかず、意識がハッキリとせず自動車と反対方向に歩いたりしているのだから、再び意識を回復し崖下の方向に歩いて転落する危険はあるが、あくまで一定の危険というレベルに留まり、落下の蓋然性は必ずしも高くない。仮に落下したとしても、5メートルの高さであれば必ず死亡するわけでもない。
 そうすると、甲が乙を排他的に支配し死亡結果発生の危険を創出したとはいえない。
イ 以上より、乙死亡の危険は低く、不作為の殺人罪における作為義務は肯定できず、同罪の実行行為はない。
(3)②について
ア 殺意に必要な死の結果発生の認容とは「死ぬかもしれないが死んでも構わない」というレベルのものが必要である。
イ たしかに、甲には乙から顔を殴られ叱責されたという動機があるし、乙が転倒した場所のすぐそばが崖となっており崖下の岩場に転落する危険があることを認識していた。
 しかし、上記動機は強いものではないし、乙は「助けるのをやめようと考え」ただけであることからも、死んでも構わないとまで思っていたわけではない。
ウ したがって、死の結果発生の認容はなく、殺意は肯定できない。
(4) 甲は、乙と同居の親族であること、自ら声をかけたこと、乙の危険を認識していたことなどにより「保護する責任のある者」には当たる。そして、乙を自動車に運ぶという「生存に必要な保護をしなかった」。
(5) よって、保護責任者遺棄等罪が成立するにとどまる。
設問3
(1) 甲に丁に対する殺人未遂罪は成立するか。まず実行行為該当性を①作為義務の有無と②作為の容易性・履行可能性から検討する。
ア ①について
 たしかに、丁は甲と無関係の他人であり、何らの先行行為もないのだから、丁を救助する作為義務は存在しない。しかし、乙については、親に生じた危難について子は親を救助する義務を負うとの立場に立ち、設問2(1)のように考えると、救助する作為義務が認められる。
 そして、甲の認識では丁が乙であったのだから、甲が乙(実際は丁)を救助をするためにこれに近づけば救助することができた。
 そして、乙と丁はともに人であるからそれを救護する義務は構成要件内で符合しており、さらに、甲と同じ立場にいる一般人でも丁を乙と誤認する可能性が十分に存在したのだから、甲に丁を救助する作為義務も認めることができる。
イ ②について
 そして、携帯電話で119番通報を行い手術を受けさせることは容易であった。
ウ したがって殺人罪の実行行為に当たる。
(2) 殺意につき、甲は「乙が死んでも構わない」と思っており、死亡結果発生の認識・認容が認められる。
(3) 丁は一命を取り留めており、「未遂」に終わっている。
(4) 以上より、丁に対する殺人未遂罪が成立する。
以上

(3590字) 

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憲法会社法の次にやらかした感が強い科目です。問題文を開いたときの驚きは今でも忘れられません……。

設問1

名誉毀損はもちろん抽象的危険犯ということはわかっていたのですが、伝播性のところで若干現実的ぽく書いてしまったように思います。もしかしたらうっかり「25人という多数に広まったから『公然と』といえる』」と書いてしまったかもしれません……。

あと特定性は「事実を摘示し」の構成要件で論じるべきでした。一見簡単そうな問題でしたが確実・正確に構成要件に当てはめることの難しさを知りましたね…。

正当行為とか違法性阻却とかは色々頭に浮かんだのですがぐちゃぐちゃしそうなので思い切って捨てました。結果的には犯罪は成立するのだからそこまで大きなマイナスでないといいのですが。

信用毀損はつい心配で書いてしまいましたが余事記載だったと思います。

 

設問2

保護責任者遺棄との違いについて、殺意以外は知らなかったのですが、流石にそれだけではないだろうと問題文の事情等から考えて書きました。

生命に対する危険のレベルで分ける学説があるようで、それっぽいことは途中で思いついて書いたのですが、作為義務のレベルでもわけるとして書いていたところに付け加える感じになり、ぐちゃっとしてしまったと思います。とはいえここは典型論点ではないので、この程度書ければ良かったかな?と考えています。

 

設問3

何が何やらわからず混乱したのを覚えています。再現はおそらく盛っていて、本番はもっとぐちゃっとしたことを書いたように記憶しています。因果関係とかも書いてしまったような……。難しい問題でした。

 

再現を楽しみにしている方がいらっしゃるかもしれませんが(いるのか…?)少し忙しくなってきたので残り3科目はしばらくアップしないと思います。よろしくおねがいします。

H30司法試験再現答案―会社法

設問1
1 Dの請求
(1)Dは会社法(以下略す。)433条1項1号に基づき甲社に対して総勘定元帳及び補助簿のうち仕入れ取引に関する部分の閲覧請求を行う。
(2)ア Dは甲社発行株式1000株の五分の一に当たる200株を有する「発行済株式の百分の三以上の数の株式を有する株主」(同項柱書)である。
イ 「会計帳簿又はこれに関する資料」(同項1号)とは、閲覧請求の趣旨が株主に対する会社の情報提供を図ることにあるから広く解すべきところ、総勘定元帳及び補助簿のうち仕入れ取引に関する部分はこれに当たる。
ウ 「請求の理由を明らかにして」とは、株主による濫用的閲覧請求を防止し、株主の権利と会社の経営の保護のバランスを図るために求められていることから、濫用でないことが分かる程度に対象文書が特定でき、また拒絶事由の判断ができる程度に具体的に記載されていることを要する。
 本件で、Aが仕入先からリベートを受け取っている疑いがあり、Aの取締役としての損害賠償責任の有無を検討するためという理由を明らかにしている。これにより濫用的でないことがわかるし、上記具体性を満たしているといえる。
(3)したがってDの請求は認められそうである。
2 甲社の主張
 これに対し、甲者は同条2項の拒絶事由の存在を主張する。
(1) 3号
ア 拒絶が認められている趣旨は、会社の機密情報の漏洩を防ぎ、もって会社に損害が生ずることを防ぐことにある。
 そこで、「実質的に競争関係にある事業を営み」とは、製品や市場を考慮して、両者の事業が実質的に競合しているか、あるいは近い将来競業することが明らかである客観的事実を証明すれば足り、主観的意図の証明は要しない。
イ 本件で、たしかに、甲社とDが100%株主であり実質的な経営権を有する乙社はともにハンバーガーショップを営んでおり製品は競合している。しかし、甲社は関東地方のP県で事業を行っているに対し、乙社は近畿地方のQ県で行っており、市場の競合はない。また、甲社が近畿地方に出店する予定もなく、将来的な競合もない。
 したがって、「実質的に競争関係にある事業を営」んでいる客観的事実はない。
ウ よって同号の拒絶事由はない。
(2) 1号
ア 上記趣旨から、Dが「その権利の確保又は行使に関する調査以外の目的」を有している客観的事実を証明すればよい。
イ 本件で、Dは前述のようにAの取締役としての損害賠償責任の有無を検討するために必要と一応Aに伝えている。しかし、その後、甲社に対して興味を失い、Aがリベートを受け取っているかどうかは本当はどうでもいいと述べ、AにD保有株式の買い取りを重ねて求めている。すなわち、Dの請求の真の目的はAを脅迫し、請求撤回と引き換えに株式買取りを求めるという調査と関係ない不当なものである。
 そうすると、上記事実から、Dが取締役の責任追及という株主の「権利の…行使に関する調査以外の目的」を有していることが証明できる。
ウ よって同号の拒絶事由がある。
(3)  以上より、甲社の閲覧拒絶の主張は認められる。
設問2
1 小問(1)
  Cは本件決議1及び2の取消しの訴え(831条1項)を提起する。Cは甲社の「株主」であり、決議日である平成27年3月25日から「三箇月以内」であるから訴訟要件は満たす。
(1) 本件決議1について
ア まず、AがDの議決権を代理行使していることは、議決権の代理行使は一般に法律上認められていること(310条1項)、甲社の定款に代理人を限定する旨の定めもないことから、適法である。
イ Cを取締役から解任する旨の議案につきCが議決権を行使しているが、Cは「特別の利害関係を有する者」に当たり、同項831条1項3号の取消事由がないか。
 「特別の利害関係を有する者」とは、議決権行使により他の株主と共通しない特別の利益を得、又は不利益を免れる株主をいう。
 本件で、Cは反対票により取締役という強大な権限を有する地位の喪失を防ぐという他の株主と共通しない特別の利益を得るから、「特別の利害関係を有する者」に当たる。
 もっとも、A、B、Dの代理人としてのAの投票でC解任案は可決されており、「著しく不当な決議がされた」とはいえない。
 したがって取消事由にはならない。
ウ よって、本件決議1につき取消事由はない。
(2) 本件決議2について
ア Cの株主提案は314条1項に基づくものとして有効だが、議長Aは、Cが提案理由としてのAの不正なリベート受取について説明しようとしたところこれを打ち切っている。「決議の方法が法令…に違反」(831条1項1号)したといえないか。
(ア)314条は取締役が説明を要求された時に発生する説明義務についての規定であり、本件には適用できない。そこで議長Aに議事整理権(315条1項)の違反があったといえないか。
(イ)議事整理権の趣旨は、株主の経営参与の重要な機会たる株主総会を適正に運営し、もって株主の権利を確保することにある。他方で、時間的制約等も無視できない。
 そこで、株主総会を適正に運営する必要性が認められ、相当なものであれば、説明打ち切りも議事整理権の範囲内として認められると解する。
(ウ)本件株主総会に出席したのはA、B、Cのわずか三名であり、説明に時間的制約があったとはいえない。また、CはA解任議案の提案の理由としてAが違法行為をしていたことを説明しようとしており、その説明は議案に関連し、議決権行使の判断に必須のものである。にもかかわらず、AはCの説明は議案と関連がないとし制止し、直ちに裁決に移っている。
 したがって、上記必要性・相当性は認められないから、議事整理権の範囲内と認められない。
(エ)したがって、上記違法事由がある。
イ 裁量棄却(831条2項)の有無につき、Aの行為は自らの解任議案について自らの違法行為が曝露されることを防ぎ、株主が議決権行使に必要な情報を遮断し、強行採決に移るものであり、「違反する事実が重大」といえる。
 したがって裁量棄却はされない。
ウ 以上より、本件決議2は取り消される。
2 小問(2)
(1) Aに対する請求
ア 甲社の「株主」(847条2項)であるCは、株主代表訴訟(同条1項)によりCの任務懈怠責任(423条1項)を追及する。
イ 「任務を怠った」とは会社を名宛人とする法令に違反すること及び善管注意義務(360条、民法644条)、忠実義務(355条)に違反することをいうが、利益相反取引(356条1項2号3号)を行っていれば取締役会による承認(365条1項)の有無を問わずこれが推定されるので(423条3項柱書)、当該取引該当性を検討する。
(ア)直接取引(2号)
 利益相反取引が規制される趣旨は、取締役が会社の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を得る行為を規制し、取締役の忠実義務違反を防ぎ、もって会社ひいては株主への不測の損害を防止することにある。そして、実質的に利益が衝突するものは間接取引で検討すればいいから、同号の「ために」とは「契約当事者としての名義で」の意味と解する。
 本件で、連帯保証契約はあくまで甲社と丙銀行の間で行われているから、取締役Cが自己又は第三者の名義で行ったとはいえない。
 したがって直接取引には該当しない。
(イ)間接取引(3号)
 利益相反取引を規制する趣旨は前述のとおりだが、他方で、間接取引は外部からわかりにくく、取引に入った第三者の取引安全を確保する必要性もある。
 そこで、間接取引に当たるか否かは、外形的・客観的に見て会社の犠牲で取締役が利益を得る関係にあるかにより判断する。
 本件で、たしかに甲社が保証したのは甲社の取締役ではないGの債務である。しかし、Gが丙銀行から借り入れた800万円はD保有株式の買取資金であり、そして、それはAにD保有株式買取りを頼まれたことに起因する。そして、Aがこの買取りをGに頼んだのは、C解任の議案についてDが反対し否決されることを恐れ、買取りを対価としてDから議決権の代理権を得ることにある(本件契約(3))。そうすると、甲社がGの丙銀行に対する800万円の債務を連帯保証することは、AがDの議決権を得ることに繋がり、Aの利益となる。
 他方で、仮に甲社が保証料の支払を受けて連帯保証をする場合には保証料は60万円を下回らないものであったのに、甲社はGに保証料の支払いを求めないとされている(本件契約(2))。これは明らかに甲社の不利益といえ、実際、甲社は丙銀行に保証債務を800万円全額弁済し、Gが求償に応じないことで800万円の損失が生じ甲社の不利益となっている。
 そうすると、外形的・客観的に見て甲社の犠牲で取締役Aが利益を得ているといえるから、間接取引に当たる。
 したがってAが「任務を怠った」ことが推定され、さらにこれを否定するに足りる事情はない。
ウ 上記間接取引という任務懈怠「によって」、甲社に800万円の「損害」が生じている。
エ 以上より、Aは800万円の損害賠償責任を負う。
(2) Gに対する請求
 Gは、甲社からの求償に応じないという「過失」「によって」甲社に800万円の債務を負わせるという「損害」を与えているから、民法709条により不法行為に基づく同額の損害賠償責任を負う。
設問3
1 本件請求の効力を否定するBの主張が認められるか。174条が株式を相続により取得した者に対する株式売渡請求権を定款で定めることができるとしている趣旨が問題となる。
2 法が、株式は譲渡が自由であるのが原則であるとしながら(127条)株式に譲渡制限(107条1項1号)を設けることで非公開会社(2条5号参照)となることを認めているのは、会社が好ましくない者を株主とすることを防ぎ、もって会社や株主の利益を守る必要性を認めるべき場合があることによる。
 そうすると、174条の趣旨は、相続により好ましくない者が株主となることがあるから、この場合に会社に売渡請求を認めることで、上記利益保護を徹底することにある。
  したがって、請求が認められるのは、当該株主を排除するのが会社経営上会社や株主の利益となる場合に限られると解すべきである。
3 本件で、Cは、自らが代表取締役社長の地位にとどまりたいとの自己保身という不当な目的で、自らが議決権の過半数を確保するために最低限必要な401株についてのみ上記請求を行っている。そして、BはA及びCとの合意に基づき代表取締役社長として職務を行うことになっており、またそもそもBはもとから甲社株式を有していたのだから、Bを排除することが会社や株主の会社や株主の利益となるとはいえない。
4 したがって、本件請求は方の趣旨に反するから認められず、Bの主張が認められる。
以上

(4254字)

 

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設問1の競業は判例があったようであっさり否定すべきでなかったようです(とはいえマイナーなので出来なくても良かったと思います)。典型論点である競業の3号に引っ張られず見慣れぬ1号もきちんと検討できたのは良かったと思います。

設問2は否決決議の訴えの利益をすっかり忘れました……。特別利害関係人はこれでなるのか?と思いつつも他に書くことが思い浮かばなかったこと、論点として落としがちで気をつけろと散々言われていたので書く選択をとりました。とはいえ判例の結論はならない模様で、厚く論じるべきではなかったかもしれません。

また、利益相反を予想しすぎてかなり対策をしていたのですが、それに引っ張られて利益供与を丸々落とすという失態をやらかしました…。

本番でもあれ…ほんとに間接取引になるのか…?とは思ったのですが…。冷静になって考えてみると外形的客観的に判断するなら今回みたいに連なりあってめぐりめぐって結果的に取締役と会社の利益が衝突するような場合は外からわからないから当たらないだろうなぁと思います。実質的に判断するとかの規範立てたならあたりうるんだろうけど…。

利益供与は苦手な論点で落としがちだったのですが、今回は利益相反で決め打ちしてしまったのでそこまで頭が回りませんでした。まぁやむを得ないかな。

設問2は難問だったようですし、一応間接取引もあり得る筋のようで、致命傷となっていないことを期待します。

設問3は株式の数に突っ込めませんでしたが、現場思考問題なのでこれくらい書ければいいのでは?と思っています。

途中答案にならず最後まで書き切ることが会社法では課題だったので、その点は良かったです。