弁護士になるー勤務開始

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というわけで1月から都内の法律事務所で勤務を開始しました。

同期は30名以上いますし、弁護士は全体で500名近くいる大所帯の事務所です。普通の企業と異なり明確な部署の別もないので、あらゆる先生と仕事をする可能性があります。正直誰が誰やら、覚えるだけで一苦労です。また、これだけ数が多い中で、自分を認識してもらわなければなりません。自分をどういう人間として知ってもらうか、どう見せるか、つくづく難しいなと感じています。

 

研修と無力感

大手の一つである僕の事務所はまずは座学の研修です。企業法務の各分野について専門的にやられてるパートナーの先生方が概説します。司法試験や修習で扱ったものとは180度異なり、ビジネスマン・経済人になるための講義です。どのトピックもまさしく「こういう知識に精通すれば世界の動きがよく理解できるんだろうなぁ」というものです。

僕は修習中検事と進路を迷ったのですが(これについても改めて書きます)、検事になることのネックはやはり経済についての知見を得られないということにありました。社会を押し進める企業法務の方に夢と可能性を感じたのです。

というわけで、どの分野も非常に興味がそそられるものなのですが、「いったい自分に何ができるんだろう?どうやって役に立てるんだろう」という無力感に襲われています。

たしかに長い期間法律を勉強してきました。どの法律も私法の一般法である民法の基本思想を理解してることが大事になるんでしょう。司法試験論文試験のように長大な問題文を読み解いて短時間で意味のある文章を作る能力は必ず役に立つんでしょう。

でも、現状、7法+国際私法しかまともに勉強してこなかった自分にとって、知らない法律ばかりです。憲法行政法、刑事法などの多くの法律の知識は直接は役に立ちません。また、企業法務実務については、企業の法務部や金融機関で働いてきた人の方がずっと知ってます。「社会人」(僕はこの言葉が嫌いですけど)としても数年間のビハインドがあります。この中でどうやってバリュー出していけばいいのか。

結局、いい年だし、立派なデスクを与えられて秘書さんもついて「先生」などと呼ばれても、当然ながら1年目の右も左もわからないひよっこなのです。そこのギャップに新人弁護士は悩むんだろうなぁと思います。

 

弁護士であり、会社員ではない

他方で、「ひよっこだから」とも言ってられません。

僕の事務所は大規模ゆえ、若手のうちから営業をすることは求められていません。パートナーの仕事をもらってやることになります。そこで、先生方に何度も言われて肝に銘じなきゃな、と思ったのは「私たちは弁護士であり、会社員ではない」ということです。ともすれば仕事がパートナーから降ってくる事務所において、言われた仕事をやっていればいいや、となりがちだと思います。いきなりOJTで仕事をガンガンやり、早い段階で独り立ちが求められる小規模事務所の弁護士とはそこが違います。

でも、そうやって目的意識を持たず漫然と仕事をしていては、せっかくこんなに自由と独立が守られた弁護士になった意義はありません。我々は個人事業主であり、独立したプロフェッショナルの集合体なのです。そういうわけで、自分の専門をどうするのか、どういう弁護士になりたいのか、絶えず自分に問うていかなければならないな、と思いました。

 

悩んでいても仕方ない

もっとも、矛盾するようですが、最初のうちは悩んでいても仕方ありません。まずは与えられた仕事をがむしゃらにやる。好き嫌いをせずどんな仕事にも取り組む。やってみなければ向き不向きもわかりません。チャンスが山のようにある事務所に入れたことに感謝して、あらゆる案件に取り組みたいと思います。

 

というわけで、頑張っていきたいと思います。

弁護士になるー弁護士バッジ雑感

 

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だいぶ遅ればせながらですが、帰国とともに弁護士バッジを受け取りました(弁護士会は年末年始休暇に入っていたので友人に代わりに受け取ってもらってました)。

バッジを手にすれば弁護士になった実感が湧くかな?とも思っていましたが、なんともいえません。バッジも改めて手にとってみると結構ちゃちいし、桐の箱もなんか軽いし。これをつけて仕事に行くわけでもなし。

ひとまず、父がバッジを喜んでくれたのでそれが何より嬉しかったです。

 

バッジについては少し思うところがあります。東京の弁護士ってあまりつけてない気がするんですけど、大阪の弁護士って結構つけてるんですよね。法廷や弁準もそうですし、西天満を歩いていてもよく見かけます。弁護修習先の先生は普段はラフな格好をしていてバッジもつけていないものの、法廷に出るときはかならずバッジのついたジャケットを羽織って、「これは私の血と汗と涙の結晶や」と誇りを持っていて、かっこよかったです。どこかでぶつけたというひしゃげたバッジ。先生らしさが詰まっています。

 

ボスの85歳くらいのおじいちゃん先生もずっとつけていました。いぶし銀のバッジは先生の歴史と重ねてきた年月を象徴しているようでした。

対して東京は(というより企業法務は?)、つけてるとダサい風潮があります。これは「弁護士の象徴たるバッジに頼っているのはかっこ悪い。それに頼っているようじゃダメだ」という姿勢を表すものだと思います。弁護士であるだけで満足してはならず、様々な付加価値をつけていかないといけない、それはそれで一つの心意気です。

でも、すこし天の邪鬼でひねくれた感じがします。素直に真っ直ぐにバッジに誇りを持っている大阪の弁護士の姿が、古き良き弁護士を体現しているその姿が、僕にはとてもかっこよく思うのです。

昔大阪に旅行で行った時も、阪急電車かなんかでバッジをつけている若い弁護士の姿がいたのをよく思い出します。あの頃の僕には輝いて見えたものです。

 

とはいえ、実際に自分がつけてみると、街なかでバッジをつけているのはやはり気恥ずかしい、というのもよくわかりました。修習生バッジは世間的に知られていないから問題ないんですけど、弁護士バッジはよく知られているし、何より分厚くて金ピカでとても目立つのです。なんか弁護士であることをアピールしているようで、「趣がない」というのも少しわかってしまいました。それに弁護士がやたら批判されている昨今、変な人に絡まれないとも限りません。公の場で弁護士であることを言うとややこしくなるんだなぁ、というのがよくわかります。

でもそれは金ピカゆえ自分が成り立てであることを示しているからに他なりません。いぶし銀になればまた違うのだと思います。

 

では僕はこれからバッジをつけるのか?というと、僕は企業法務の弁護士で、さすがにオフィスでつけている人は文字通り皆無です。ここまで言っておいてなんですが、当面はバッジをつけて仕事をすることはなさそうです。東京の弁護士になってしまうのです。弁護士になるからには訴訟活動もしたいと考えており、そのときはバッジをつけて弁護士らしく振る舞ってみたいものです。

 

前掲の修習先の先生は、人数が多くて忙しそうな企業法務の大事務所に行く僕のことをいつも心配してくれていました。「何かあったらいつでも大阪に帰ってきなさいよ」という言葉とともに、「やってる仕事は違っても、つけてるバッジはおんなじやで」という言葉をくれました。

先生がやっている仕事と僕がやる予定の仕事は人権派と企業法務で全く違います。でも「弁護士」であるという面、その自負と矜持を持っているところはおんなじなはずです。大好きな言葉です。先生のところで学んだことを忘れずに頑張っていきたいです。

イスラムへの誘いー帰国報告

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帰国しました。

日記をのちのち書いてアップしていく予定ですが(といってインドのときも結局しなかったですね…)、ひとまず帰国してすぐ、思うところを書きたいと思います。

 

今回は通常1ヶ月以上はかけるだろうルートをわずか2週間で行こうとしたのでドタバタでした。結果的に、途中で「あれ、これどう見てもヨルダンからエジプトまで紅海渡って抜ける余裕なんてないわ…」と気付き、仕方なくヨルダンから飛行機でカイロに行こうとしたものの「あれ、これカイロ見る余裕すらなくないわ…」と気付き、カイロは諦めて経由だけして帰ることとしました。いやはや、いつもながら計画性がなさすぎる…。

 

ということで、結局ルートは

大阪

↓(空路)

韓国・ソウル

↓(空路)

トルコ・イスタンブール

↓(夜行バス)

トルコ・カッパドキア

↓(空路)

トルコ・イスタンブール

↓(空路、電車、バス)

エルサレム死海パレスチナベツレヘム

↓(バス)

イスラエル・テルアビブ

↓(バス、乗合タクシー

ヨルダン・アンマン

↓(乗合タクシー

ヨルダン・ペトラ遺跡

↓(乗合タクシー

ヨルダン・アンマン

↓(空路。ベイルートとカイロを経由)

エジプト・アジスアベバ

↓(空路)

東京

 

という感じでした。見るからに無茶ですね?笑

移動しまくりでかなり疲れました。トルコの夜行バスは寒くて狭くて本当にしんどかった。もう年齢的に夜行バスはきついですね……。イスタンブールへの帰りは飛行機にしましたが正解でした。

 

今回の悪かった点としては、短い期間で詰め込みすぎでのんびりする暇がなかったなぁということです(わかりきってはいましたが)。そして、そのわりに計画性がなく行きあたりばったりでした。短い期間のときは計画キッチリしてったほうがいいかもですね(とはいえ計画のなさこそがバックパック旅行のアイデンティティであるような気も……)。

 

あと、トルコからイスラエルはシリアが間にあるため原始的に陸路が不能なため仕方ないですが、全体として飛行機使いまくりでした。乗り換えも含めると実に全部で9回も乗りました。飛行機使い出すともうなんでもありになってしまう(陸路の制約の中でルートを考えるのが面白い)し、空港でトラブルになることも多くて、僕は飛行機はあまり好きじゃないんですよね。

反面、夜行バスはしんどいし、そもそも昔ほど「移動」を楽しめなくなっている自分がいることに気付きました。陸路国境越えはバックパック旅行の醍醐味で、今回もイスラエルからヨルダンと越えたときはやはり「これよ、これこれ」とテンションが上ったのですが、「移動」それ自体へのロマンはかなり失われてしまったなぁと思います。

今でも思い出すのは、大学一年生のときの、タイのピッサヌロークという駅からチェンマイへの夜行列車に乗って、デッキに出て、どこかもよくわからない真っ暗なところを猛スピードで進んでいることにものすごく興奮して「あぁ、人生にこんなに楽しいことがあったんだなぁ」と思ったあのときです。あの興奮はもうないなぁ、、、悲しいけれど。

列車・電車はまだ好きですが、バスは普通にしんどいです。揺れるし狭いし。南米のとき30時間連続とかありましたが、あのときは友達と一緒だったから耐えられたような気がします。

 

まぁ仕方ないのもありますね。渡航国の数を数えてみたら、今回で33カ国になりました。どこ行ってもn番煎じになるのはやむを得ないことです。

あと年齢的にも普通に不衛生なのが嫌になってきたし

「頑張って弁護士になったのになんでこんなボロい汚い宿でチョロチョロとしか出ないシャワーで体洗ってるんや……なんで暖房もない部屋でギシギシいうベッドで凍えながら寝てるんや……」

……とか思ってしまいました(我ながら嫌なヤツだな…でもエルサレムとアンマンの宿は本当に酷かったんです)。

あと

「ロロピアーナのオーダースーツとイタルスタイルのツイルのシャツとジャランの靴でかっこ良く決めたいのに、なんで着替えもろくに持たず手洗いしたパンツ履いてジーパン履いてダウン着て、ボサボサの頭で歩いてるんや…」

とも思ってしまいました(マジで嫌なヤツですね…でもこんな格好だとレストランとか入るの躊躇するし、アジア人でただでさえ童顔だから学生と思われて舐められるんですよね…)。

僕も反体制の気持ちを忘れて体制側に行ってしまったのか???いや、弁護士はやはり反体制であるべきだろうが……云々。

 

こんなこと言ってるわけだし、そろそろバックパッカーも引退かな?とか思ってしまいました。まぁ、どうせ長期間の旅行はできないでしょうけども。

 

 

************** 

なんかマイナスなことばかり言ってますが、今回の旅行はアカンかったのかというと、そこは、実はやっぱりそうでもないのです。ものすごく充実した旅行でした。簡単にまとめます。

 

1 パレスチナ問題・宗教問題

まず、現在でも続いているパレスチナ問題の舞台であり、ユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地であるエルサレム、ここを訪れることができて本当に良かったです。逆に、もっと早く行っておくべきだったと後悔しています。

世界史を勉強してても、この辺って難しいんですよね。中東って遠くの世界の、自分とは関係のないところの話に聞こえてしまいます。ニュースでエルサレムとか聞いても、歴史上の地名としか思えない。

でも、自分で行ってみて、エルサレムの空気を吸って、そこにいる人と話してみる。エルサレム旧市街に住んでいる人がいること、普通に日常生活を送っている人がいること、そういうことが肌身を持ってわかる。もう遠い世界の話ではありません。テルアビブやエルサレム新市街でイスラエル人に話を聞く。ベツレヘムやヨルダンでパレスチナ人に話を聞く。両方の側からパレスチナ問題を考えてみる。こういう体験ができて本当に良かったです。

 

そして、(エジプトには行けませんでしたが)、中東・ムスリム・アラブの世界に入り込むことができたこと、が何より貴重でした。ベツレヘムやアンマンでアラブ・ムスリムの世界に触れて、彼らの人懐っこさと親切さに触れること。美味しいアラブ料理を食べること。

どうしてもアメリカ側・キリスト教的世界からアラブ・ムスリムを見てしまっていましたが、中から見る景色は全然違いました。シリアへこそは行けないものの、シリアに行って殺害された香田氏がアンマンで泊まったホテルを訪問して、彼を追悼して建てられた「コーダホテル」に泊まりました。

 

それから、ムスリムとクリスチャンが普通に共存している様子を、パレスチナ人、エチオピア人、レバノン人と話したり、街を見たりして考えたことです。元来2つの宗教はパレスチナの地でも共存していたのです。イエス生誕の地ベツレヘムムスリムの方が多い。

 

2 文化・街並み等

そして、世界で唯一の「アジアとヨーロッパの架け橋」である国際都市イスタンブールで、文化の交わりを感じたこと。

人類の起源といえるアフリカに踏み込めたこと。

新興都市テルアビブや、中東の大都市アンマン、アフリカの大都市アジスアベバ等で、新しい高層ビルが立ち並ぶエリアと廃墟だらけのエリアを見て、街の発展やら格差やらについて考えたこと。

 

3 自然

世界遺産カッパドキアとペトラで自然の奇跡ともいえる景色を見たこと。特にペトラの地層は圧巻でした。

 

 

 

 

と、得るものが多い旅行でした。

 

そもそも、仏教を除く主要三宗教が生まれたのも、三大文明の一つであるメソポタミア文明が生まれたのも、すべてこの肥沃な三日月地帯なのです。歴史の起源がここにあると言っても過言でありません。

そう思うにつけても、大学のときに行っておくべきだったなぁ、と強く思うのです。

 

うーん、どうしてもマジメになってしまいましたが、終わってみればしんどいながらも普通に楽しい旅行でした。

 

 

***************

今までの旅行を振り返ってみると、北米、中南米、東アジア、東南アジア、南アジア、東欧、西欧、中東、東アフリカ、を少しずつ齧ることができました。だいぶ世界全体がぼんやりとつかめてきた、そんな気がします、

それでも行ってないところはたくさんありますね。カリブ海オセアニア西アジア、北欧、南欧北アフリカ、西アフリカ、南アフリカ、、、世界は広い。

 

ということで次に行きたいところについて簡単に。

 

イタリア

大学一年のヨーロッパのときに、「見どころが多そうだから行くならガッツリ行きたい」とあえて外し、それ以来結局行けてない。スーツとかファッションを見たいし、やはりローマ帝国があったここの文化は最強だと思う。あとジョジョ5部が好きなので一番行きたい。

 

スペイン

同上の理由で行ってない。ご飯美味しいだろうし、ラテンは肌に合うから楽しそう。

 

ギリシア

村上春樹が好きだから。地中海をのんびり味わいたい。

 

ロッコ

イスラムとキリストの融合。ジブラルタル海峡渡りたい。

 

ポルトガル

おすすめする人が多い。西の果て。深夜特急

 

イラン

おすすめする人が多い。人の親切がすごいらしい。イスラムは不完全燃焼。

 

エジプト

今回のリベンジ。ピラミッド見てガッカリしたい。

 

うーん、こう書いてるとまだバックパッカー引退するわけにはいかないかなぁ?でもイタリアとかは普通に友達と行くのが楽しそうや……

 

というわけで、帰国報告でした。シュクラン、マアッサラーマ!(ありがとう、さようなら!(アラビア語))

イスラムへの誘い

さて、家探しは優柔不断を発揮しまくって諦めました……。

しばらくは東京で友達の家に居候しようかなと思います^^: またホームレスやるとか、弁護士になっても全く成長してないな?

 

 

そして、お約束のバックパック旅行に行ってきます!!

 

今回、行き先でだいぶ悩みまして(そのせいで出発がだいぶ遅れました)、①トルコからギリシアを通ってイタリアルート、②チュニジアからモロッコを通ってスペインルートも有力だったんですが、、

やはり、「新しいものに触れる」という僕の旅行の姿勢的にも、まだ見ぬ中東とアフリカにして

 

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トルコ・イスラエルパレスチナ・ヨルダン・エジプトの旅

 

にしました!

さらに、近いのに実は行ったことのなかった韓国、チケットの都合で経由できることになったエチオピア

を加えて

ルートは

大阪

韓国(ソウル)

トルコin(イスタンブールカッパドキア

イスラエル(テルアビブ・エルサレム)・パレスチナベツレヘム

ヨルダン(アンマン・ペトラ)

エジプトout(カイロ)

エチオピアアジスアベバ

→東京

 

を予定しています。

今回は2週間なので日程的にはかなりタイトですが、前回のインドがゆったりしすぎて途中で飽きたのもあるので、短い期間で色々と見てくる旅にしようと思います。

 

旅行のハイライトとなりそうなのは、

アヤソフィアとブルーモスク(イスタンブール

カッパドキア

死海ペトラ遺跡(ヨルダン)

・ピラミッド(エジプト)

いやー、強すぎます。オールスターです。

そして何より

・聖地エルサレム

去年はヒンドゥーと仏教の聖地インドに行き、今年はユダヤイスラム・キリストの聖地エルサレム。なんともスピリチュアル、かつ為になる旅行をしているなと思います。

しかも予定ではクリスマスをイエス生誕の地ベツレヘムで迎えることができそうです。全然キリスト教徒じゃないのに、なんか申し訳ないです。

 

そして今回の旅行は初めて尽くしでもあります。

イスラム圏はインドのデリーやアグラのムスリム居住区を除けば、実は初めてです。

そしてアフリカ大陸も初めてです。

さらに、近くて遠い国、韓国も実は初めてです。K-POPファンとしては素直に楽しみです。

なんと初めて尽くし!!!

長かったモラトリアムの締めくくり、そして弁護士になって初めての旅行にまさに相応しいと思います。

 

この1年ほとんど使っておらず錆びついた英語が不安ですし、結構緊張の方が強いんですが、まぁ行けばなんとかなるのがいつものことです。

 

存分に楽しんで、学んできたいと思います。

さっきソウルの仁川空港に着いたので、これから明洞で韓国グルメを満喫してきます!

二回試験合格・修習終了・弁護士登録

すっかり投稿しそびれていてご心配かけたかもしれませんが

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二回試験、無事に合格しておりました。

大丈夫だろうとは思っていましたが、やはり直前になると嫌な緊張感があったので、ホッと一息です。同期と合格をお祝いし、両親や指導担当弁護士に合格を報告しました。今年は不合格者数も少なくて良かったです。

 

そして、修習を終えた証明をもらい、12日に弁護士登録され、晴れて弁護士になったようです。

「弁護士……の卵(研修中)です」と自己紹介することもなくなり、「弁護士です」とようやく言い切れるようになりました。

日弁連のサイトで検索すると僕の名前も出てきます。感無量です。

 

……といっても、弁護士バッジもまだもらってませんし、勤務も年明けからなので、まだ全然実感はありません。

今は大阪でのんびり過ごすとともに、引越し等の準備をしています(遅いんですけどね…)。 

ひとまずご報告でした。

最期の関門・二回試験②

さて、各科目簡単に振り返ってみます。

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(初日終わりにみんなで食べに行った、大阪福島のラーメン人生JET)

 

1日目 民事裁判

いちばん苦手な民裁が初っ端。

訴訟物と要件事実は単純で簡単でしたが、事実認定で途中で泣きそうになりました。事実認定って難しいよぉ……

終わった後に数人でラーメン屋に行ったときに禁断の答え合わせをしてしまったのですが、そこで判断枠組(証拠構造)を間違えていることが発覚。ラーメンの味がしなくなる。

しかし後日友人に聞いたところ、判断枠組間違えても(結局書くことは同じなので)Aがついたりもするらしい。致命的かもしれないと思ったので良かった…。

量はあくまで量にすぎないけど、集合では15頁くらいしか書けなかったのに27頁書けたので、成長を感じました。

 

2日目 刑事弁護

指導担当弁護士に「弁護科目はちゃんと弁護士の立場で書くんやで〜」と送り出されたので、その言葉を肝に銘じて臨む。

あまり問題の内容は言えないですが、間接事実が強力すぎてどう見ても有罪な事案で、「え、これを無罪弁論するの?」と暗澹たる思いになりました。何の非も無いのにボコボコにされためっちゃ可哀想な被害者の揚げ足を取るようにその供述の信用性について検討していたら、嫌な気持ちになってきました。僕はどうやら刑事弁護は向いてなさそうである……

「第1 結論

被告人は無罪。犯人ではない」

と書きながら「あぁ、これうっかり情状弁護しちゃうやついるんじゃないだろうか……」と思った(実際友人の一人は午前中情状弁護するつもりだったらしい)。

被告人が無罪主張するのに情状弁護するのは絶対にやってはいけないタブーである。こういう一発アウトがあるのは二回試験の本当に恐ろしいところ。

 

3日目 刑事裁判

苦手でしたが意味合い重みを徹底対策して克服した?と刑裁に臨む。3日目ともなると良くも悪くも試験慣れしてくる。

設問1は集合や実務修習では出題されていないタイプの問題が出て、面食らいました。小問については出ると思って対策した分野が出たので完璧に回答。

事実認定は集合や模擬裁判でやった事項が出たので、「君たち、ちゃんと復習したよね??」という教官の声が聞こえてきそうでした。

 

3日目終わって福島で焼き鳥を食べる。土日が間に入るのは嬉しい。

土日は友達と茶屋町のスタバで勉強するが、疲労が溜まってあんまり捗らない。手も痛くて腱鞘炎になりそう。

 

4日目 検察

比較的得意な科目。一時期検事とも迷っていたので実務修習中に唯一ガッツリ勉強した。

犯罪事実があまりに悲惨で(家族をめった刺し)読んでていて胸が痛くなった。

送致罪名での起訴が難しそうで一つ落として公訴事実を書いたんですが、「被告人供述鵜呑みにしてええんか?」との某指導担当検事の声が聞こえてきて思い直し、送致罪名でいくことにして、公訴事実を書き直す。

送致罪名変えてかつそれが軽い罪で間違えだったら致命的だし(過去にそれで落ちた人がいたと聞いていた)、検察マインド的にはいけそうなら重い罪でいくんじゃない…?と思ったのである。

が、終わった後友人と話していると6〜7割送致罪名で書いたようである。まじか!?

あとで検事任官予定の同期とかと話したところでは、①認定落ちは検事の恥、②最後の検面調書での検察官と被疑者の問答からすると、検察官は送致罪名での立証が難しそうと考えていることがわかるし、証拠関係からも実際に難しい、とのことで罪名を落とすべきだったようである。なるほど……。

 

ただ、今回は3〜4割くらいは送致罪名で起訴しているほど微妙な事案であるし、その他の犯罪の成否できちんと迷ったことを示していれば大丈夫だろうということなので、大丈夫だと思う(結論)。

*ちなみに、思ったより罪名を変えた人が多いことには理由がある。集合のときに窃盗で送致されたが業務上横領で起訴するのが正しい事案が出されたところ、「とりあえず送致罪名でいけばいいやろ」と窃盗で書いた人が続出し、教官にだいぶ怒られた。これによって「あ、ちゃんと変えなあかんのや」となって、今回もそれに引っぱられたのでは?と思う(ま、正解してるんですけど…)

 

5日目 民事弁護

民弁は69期の大量虐殺事件(民弁のみで41人が不合格)の恐怖が大きかったので、緊張感もひとしおでした。

とにかく準備書面等から主張を落とさないことに気をつけて、ここは守れたようです。

民弁は教官からは「小見出しをつけて読みやすくしろ」と口を酸っぱくして言われたのですが、優秀起案を読んでるとそんなに小見出しをつけてないことに気付きました。要は、多少読みやすくなくても事実が書いてあれば点を上げざるを得ないんですよね。なるほど……

その作戦通り小見出しは適当にしてとにかく事実を書きまくって、結果的によく書けたと思います。

 

 

********************** 

二回試験が難しいのは、5日間で裁判官→弁護人→裁判官→検察官→代理人、とマインドを毎回変えなきゃいけないとこにあったなと思います。意識して変えないと、ついつい弁護士の立場なのに「〜だから、認められる。」とか第三者的立場で書いてしまいがちです。 

弁護修習の序盤に刑事事件の弁論要旨と被告人質問事項を起案したのですが、それを指導担当に見せたところ、

おまえは検察官か!?!?被告人の味方しないでどうすんねん!!

とこっぴどく叱られました。

接見してても、被疑者にあれこれ尋ねたくなってしまい

お前は取調官か!?弁護人の仕事ちゃうやろ」

と怒られました。

民事の準備書面起案でも

なんでそんな裁判官みたいな書き方すんねん?あんた当事者の代理人やろ?

ともよく言われました。

司法試験は基本的に裁判官目線ですし、弁護修習のときは裁判修習と検察修習を終えて来たので、完全にそっちのマインドになってたんですよねぇ。

 

ちなみに、二回試験についてのよくあるアドバイスとして「閃くな」「ホームランを狙うな」というのがありますが、これは優秀で集合の成績もいい人にのみ当てはまります。

というのも、そもそもそんな優秀じゃない人にとっては「自分が閃いているかどうかもわからない」んですね……悲しいぞ……。

そういう意味では、白表紙とか定番参考書をしっかり読んでおくのはもちろん、やはり周りの人がどれくらい書けているかを把握するかというのが一番重要なので、友人から優秀起案をコピーして読ませてもらったり、起案についてあれこれ話し合うのが一番勉強になりました。

 

思えばここに来るまで、大学入試、ロー入試、期末試験4回、司法試験、と長い道のりでした(僕は留学も挟んだのでやたら長かったです)。まさに最後の関門という感じの試験でしたね。二度と受けたくない……。

 

まぁとにかく終わってよかったです。流石にこれで落としてたらキリがないので落ちてはいないはずですが、それでも発表までは緊張しますね……。

 

さて、京都に遊びに行ってきます\(^o^)/

 

最後の関門・二回試験①

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二回試験関西組会場・新梅田研修センター)

 

二回試験が無事に(?)終わりました。

 

*二回試験とは、司法修習修了のための国家試験で、これに受からないと弁護士になれないのです。正式名称は、「司法修習生考試」。5科目で合格率は99%と高いが、一つでも不可になると不合格になる。

 

とにかくしんどい試験でした……。受験した皆さん、本当にお疲れ様です。

 

修習をしていると、弁護士は数が多く、玉石混交だなとつくづく思う。裁判修習中は大量の弁護士の仕事振りを見て比較もできてしまうので、修習生から見ても「この人大丈夫か?」という人も多いことを知る。

そもそも人格が破綻していても試験さえ受かれば弁護士にはなれるし、癖のある人も、感じの悪い人も(良くも悪くも)やはり多い。

世間的には見ればまだ弁護士は希少価値が高いだろうが、修習してれば毎日会うし、裁判所周辺(つまり自宅周辺)を歩いていても弁護士がそこら中にいるので、全くありがたい存在ではなくなってくる。

だから、修習をしていると弁護士に対する憧れは少なくなってくる。

 

司法試験も、もちろん高い関門でありとても辛かったわけなんだけど、喉元過ぎれば熱さを忘れる。さらに、修習生は当然全員これに合格している。そして何より、修習生になってまで司法試験の話をしているのは、過去にすがっているようで大変にダサい。そういうわけで、司法試験に合格したことへの自信も次第に無くなってくるのである。

 

そこで二回試験である。

一日6時間45分、いや昼食も席で問題を解きながら摂るので実質7時間45分(10:20〜17:45)、それを5日間、という狂気じみた二回試験である。

それぞれ100ページ近い時間記録を読んで、手書きで約6,000〜9,000字を書き上げなければいけない二回試験である。

「99%受かる、1%しか落ちない」が、数年前にはもっと落ちてた時もあったし、5科目中1科目でも落とせば不合格である。

しかも、完全に加点方式ではなく、致命的なミスをすればそこで不合格決定である。

不合格になれば、同期がみんな弁護士になっていく中、1年ニート生活をやるのである。

 

ストレス、尋常じゃなかったよ……

 

そんなストレスが尋常じゃない二回試験の辛さを味わうと、

「あの弁護士たちはみんなこの試験に通ったんだ…」

と思って、尊敬の念が湧いてくるのである。

 

 

やっぱり、弁護士ってカッコいい!!!!

めっちゃなりたいぞ、弁護士!!!!!!

 

なんだか……、二回試験は弁護士になることのありがたみと司法試験の勉強を始めた頃の気持ちを思い出させるためにあるのかもしれませんね???

 

それにしては、苦痛が多すぎると思うけど…

 

そもそも、この時代に相変わらず手書き、しかも検索不可能な紙媒体資料って、おかしいですよね。ストレス耐性試すための嫌がらせか?

現代版科挙とか言われてますが、本当それです。

 

次回は内容に触れない程度に試験内容を振り返ってみます。

 

Penn LawがCarey Lawに改称

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今日、卒業生向けのメール、及び後輩からのLINEで衝撃のニュースが届きました。

我が母校Penn Lawが、Carey財団から1億2500万ドルの寄付を受けて、名前をCarey Lawに改称するとのことらしい。

 

 

 

えーーーーー?

 

 

 

まじですか😅

 

 

www.law.upenn.edu

 

( 公式ホームページのロゴも変わってるよ……)

 

 

 

 

pennguin.hateblo.jp

たしかに、前にも記事でロースクールビジネススクールみたいに名前があればいいのに、といったことは書いたんですが、実現してしまうとは。

しかも、馴染みのある名前ならともかく、全く聞いたこともない名前。なんだか、母校が母校じゃなくなるような気がして寂しい。

ちょうど大阪でも堀江にある大阪市立中央図書館に辰巳商会中央図書館という変な名前がついて残念がってたんですが、今回は比にならないショックであります。この図書館は期間限定の愛称どまりなのですが、Penn Lawは正式名称が未来永劫変わるのです。

 

しかも、

そうなんですよ、すでにメリーランドにCarey Lawがあるみたいです。めちゃくちゃややこしいです。

さらにアリゾナ州立大学のビジネススクールもCareyだそうです。チェーン店か。

ただでさえPennはPenn Stateとの混同という宿命を負っているのに、余計にややこしくなりましたね。

 

救いがあるとすれば、CareyさんはPenn Lawの出身の弁護士であり、家族にもPenn出身者が多く、関係ないわけではないみたい。

でも、CareyってMariah Careyマライア・キャリー)のCareyと一緒でキャリーって読むみたいですが、あんまり響きがかっこよくないんだよなぁ?響きってかなり大事じゃないですか?やっぱりSilvermanにしておくべきだったのだよ……。

キャリーで思い出すのってジム・キャリー (Jim Carrey) かホラー映画のキャリー (Carrie)で、いずれにせよかっこいいイメージはないなぁ……。

 

スポーツスタジアムや公的施設の命名権とかは最近日本でも普及してきて、まぁそれは良いと思うんですが、学校というのは私立とはいえそもそも経済合理性から距離を置いているべきだし、もっとセンチメンタルなものです。文字通り命名権を金で売ったんだから、批判は免れないと思います。

 

ていうか、改めてこの大検索時代に他と名前が被ってるって致命的じゃないでしょうか?僕、芸人の名前とか見てても思うんですけど、「和牛」とか「祗園」とかってそれ自体が別のものを指す名詞であり、すごいややこしいと思うんですよね。

その点「霜降り明星」とかっていいですよね。それしかないですから。そして音楽でいえば、椎名林檎無罪モラトリアムとか勝訴ストリップとか、やはり天才だなと思うのである。

 

「CareyといえばPenn!!」みたいに、この名前が新たなブランドとして認知されるまでにどれくらいかかるのでしょうか?

 

以上、卒業生として苦言を呈しました。

 

 

 

***************

(11月28日追記)

その後再びローの学長からOBにメールが来たのですが、周囲からの反応を受けて、以下のようにするようです。

①正式名称はあくまで"University of Pennsylvania Carey Law School"とする

②略称につき、向こう4年間は"Penn Law"を維持する

③略称につき、それ以降は"Penn Carey Law"とする

よほどの反感の声があったんでしょうね……。学生やOBの声を受けてすぐにこういう対応を打てるなら初めから聞いておけ、とは思いますが、真摯に周りの声を受け入れて折衷案をとったことは評価できると思います。

僕としてもPennの名前が残る分にはいいと思います。寄付金を活かしてPenn Lawが更に発展すればいいなぁ、と思います(まとめ)

 

 

スーツを語る。


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twitter.com

twitterではスーツ警察というアカウントが話題です。スーツ男子(笑)のダサいスーツ姿を摘発する人です。

僕は偉そうにオシャレを語れるほどオシャレでもないのですが、「弁護士になっていいスーツを着る」というのが勉強のモチベーションになってきたこともあり、スーツについてはちょっと齧っております。スーツ警察の指摘に概ね賛成です。

そんな私から見て、ちまたのスーツの着こなしがダサすぎると思っているので、今回はちょっと偉そうにダメ出ししてみます

 

1 スーツ

(1)色:黒はやめる。ネイビーかグレーにしよう

なぜか黒スーツが多い日本人。そもそもスーツ発祥の地である欧米で一番スタンダードなスーツはネイビーであり、黒はタキシードとかモーニングとかでしか着ないそうです(久々の欧米かぶれネタ)。日本でも基本的には礼服の色ですよね。

日本では、スーツ量販店がスーツを売るために、黒いリクルートスーツを開発し、黒スーツがメジャーになったと聞いたことがあります。その影響で就活が終わっても黒いスーツを着ているなら悲しいことです。ボストンキャリアフォーラムで黒いスーツの大群がボストンの町を歩いている光景の異様さはよく覚えています。

 

ブラウンとかもオシャレですが、少し難しい。

というわけで、まずはネイビーかグレーにしましょう。

ネイビー

色の明るさは様々ですが、あんまり青々としすぎるとタクシーの運転手か芸人の銀シャリプルゴリにしか見えなくなります。ある程度抑えた方がいいでしょう。

*プルゴリ=プルデンシャルゴリラ。知らない人は検索してみて下さい

 

グレー

特に明るいグレー(ライトグレー)は欧米では(また欧米か)ある程度の地位にある人が着るというイメージがあるそうです。日本でも、若手がライトグレーを着るのはどうなん?という議論もあります。確かに目立つし、どちらかといえば渋いイケオジによく似合います。

余談ですが……

僕はコラテラルというトム・クルーズが殺し屋を演じる映画が大好きです。初めて一人で映画館に行った思い出深い映画。

彼が着るライトグレー(シルバー)のスーツに憧れていました。よし、大人になったらこんな色のスーツを着よう、と。

コラテラル (字幕版)

コラテラル (字幕版)

 

 

そして、去年、奮発して麻布テーラーでオーダーしちゃいました。

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カノニコというイタリア製の光沢ある生地にしたので、かなーーーーりカッコいいです。

かなりカッコいいんですが、、、やはり目立つし、ちょっとまだまだ年が追い付いていない感じがします。

 

というわけで、グレーを買う場合も色は抑えめにしておいた方がいいでしょう。

 

(2)柄:基本無地がいい

ストライプは定番ですが、下手をするとヤクザかホストみたいになってしまったり、意外と難しいです。

格子柄も濃い柄にするとチャラいですが(リーガルハイの羽生くんみたいな)、薄っすらだとカッコいいと思います。

*僕のネイビーのスーツも薄っすら格子柄が入っています。気に入ってます。

 

(3)フラップ:基本しまおう

スーツのポケットについているヒラヒラをフラップと呼びますが、あれはもともと雨やほこりがポケット内に入ることを防ぐものであり、「屋外では出して、屋内ではしまう」というのが正しいそうです。

つまり……、例えば人の家にお邪魔してフラップを外に出していると

「アカン、お前の家、死ぬほどホコリ舞ってるわ」

というメッセージになるようです。京都人もビックリ。

ではどうすればいいか?正式にはわざわざ出したり入れたりした方がいいわけですが、さすがに面倒くさいし、ポケットに何か入れたはずみで片方だけしまわれたりしているのもみっともないですよね?

ということで、基本しまっておけばいいのではと思います。

 

(4)パンツの裾:だらしなくならないよう、ハーフクッションとかにしよう

裾がだるだるの人が多すぎませんか?だらしないし、足も短く見えます。

裾の長さですが、若干カジュアルになりますが、若い人であればハーフクッション(裾が靴にかかるかかからないかくらい)がスッキリ見えてよいと思います。ノークッション(かからない)は少し攻めすぎているような。いずれにせよ、短めなのが流行していると思います。

あとは裾をダブル仕上げにするとオシャレ度がグッと増します

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パンツは太すぎると野暮ったいですが、細すぎるとホストっぽくなります。何事もやりすぎないのが大事です。

 

2 シャツ

(1)襟:ワイドカラーかホリゾンタルにしよう

襟のことをカラーと言いますが、近年は少し開き目のセミワイドカラーワイドカラーや、180度開いているホリゾンタル(カッタウェイ )が流行りです。首元がスッキリ見えます。

カラーが狭いと、それだけでやぼったい印象を与えます(特にナローカラー)。

逆に言えば誠実さ・堅実さが増すという効果もありますが、せめてセミワイドくらいにした方がいいでしょう。

イタリアンなホリゾンタルは僕は好きですが、若干チャラい印象になります。

こればっかりは職場の雰囲気や個人のキャラクター次第でしょうか。まずはワイドカラーとかで様子を見ましょう。

 

(2)ボタンダウンにネクタイはやめないか?

ボタンダウンが好きな人、やたらと多いです。

襟をボタンで止めないと死ぬのか?というくらいにボタンダウンが氾濫しています。

ボタンがついていてなんとなくオシャレに見えるのでしょう。安い量販店に行くとほとんどがボタンダウンです。

ボタンダウンは、元々はネクタイをしていない時にカラーがひっくり返ることを防止するものであり、ネクタイをするのはおかしいそうです。オックスフォード生地の私服用のシャツとかにこそ似合います。

ビジネスでもノーネクタイのクールビズ用ではいいですね。ボタンダウンにネクタイはやめるのがベターです。

 *あえてボタンダウンにネクタイを合わせるコーディネートもありますが、上級者向きです。

 

(3)裏地柄、色付きボタンもやめないか?

特に夏用のシャツに多いのが襟や袖の裏地にチェックなどの柄を施したり、ボタンを黒くしていたりと装飾がついているものです。

この装飾、いりますか?

何もついていないとシンプルすぎて不安なんですか?

やはりオシャレは引き算だと思うのですよ(一回言ってみたかった)。とりわけ、スーツはフォーマルな格好なんだから、こういうゴチャゴチャしたものは不要だと思います。しかも、ちょい見せ・チラ見せというのがいかにも中二病くさいです(ディスりすぎてごめんなさい。個人の感想です(逃げ))。

ちょっとした遊びがほしいならクレリックはどうですか?めちゃくちゃ可愛いです。ブリティッシュな香りが知的です。ラウンドカラーとか可愛くて死にます。

 クレリックはこれは由緒正しいシャツの形であり、ゴチャゴチャとは違うのです。

 

(4)最凶最悪・一発退場のドゥエボットーニ 

(うわぁああああああ)

2つボタンがついた襟高のシャツ。

なんなんだろうか、これは。本当にダサいの一言に尽きる。これを着て合コンに行くのはワンピースでいえば覇気無しでロギアに挑むくらい、鬼滅でいえば呼吸無しで上弦に挑むくらい無謀です。 

 

3 ネクタイ

(1)太さ:ナロータイはダサい。大剣幅とラペル幅を合わせよう

弁護士ドラマSUITSで、ハーヴィーがマイクの細いネクタイにダメ出ししていたシーンがありました。

細いネクタイ(ナロータイ)はモードっぽさ、フェミニンぽさを演出できて、バンドマンの衣装とかだと最高にカッコいいのですが(あとバチェラーの坂東さんとかね)、カジュアルすぎてビジネスの場には合いません。

そもそもネクタイの大剣(太い方)の太さはスーツのラペル(襟の一番太い部分)の太さと合わせるのが基本です。

最近はクラシック回帰なので一番多く出回っているネクタイは8センチのものだと思います。高いブランドものとかだと9.5とかめちゃ太いのもあるので気をつけましょう。いずれにせよ、自分のスーツのラペル幅をチェックしよう。

 

(2)柄:無地(ソリッド)か小紋柄がよい。レジメンタル、チェックは難しい

やたら多く見るのがレジメンタル(ストライプ)。

別にレジメンタルがダメというわけではなく、ブルックスブラザーズに代表されるようなトラッドなアイビースタイルで着こなせればかっこいいのですが、本来これは難しい柄で、何も考えずに選ぶと就活生のように見えてダサくなることうけあいです。

レジメンタルにするなら個人的には模様の太いもののほうがかっこいいと思います。細すぎるとカジュアルになります。

 

また、多いのがチェック。

チェックは間違うと一気に子供っぽくなる難しい柄です。学芸会か??これも着こなせるまでは避けた方が無難でしょう。

 

無地で少し厚みのあるキチンとしたものはそれだけでかっこいい。色は落ち着いたネイビー、ブラウンとかがイケてます(ちなみに、ネイビーとブラウンの組み合わせはイタリアでは鉄板で、アズーロ・エ・マローネと呼ばれています。ネイビースーツにブラウンネクタイは最強です)。

 

あと、実は一番フォーマルとされているのは小紋です(水玉とは違います)。

柄が小さければ小さいほどフォーマルになります。小紋柄は大人っぽさが出てかっこいいですし、華やかでこなれた印象になります。 

 

(3)結び方1:プレーンノットが基本

結び方は色々ありますし、ここは個性や好みを出していいところだと思いますが、僕が見ていると変に丸っこくて野暮ったい結び方の人が多いです(ウィンザーノットかしら)。

基本的にはシンプルなプレーンノットが良いと思います(ただし、ある程度厚みのあるキチンとしたネクタイ。安っぽい薄手のものだと貧相になってしまう。薄いものならダブルにしたりセミウィンザーにしたりするとよい)。

 

(4)結び方2:ディンプルを作ろう

葬式の時を除いてはネクタイはディンプル(えくぼ)を作るのが正しいです。

ディンプルを作るだけでVゾーンに立体感が生まれます。

10年20年スーツを着てネクタイを締めてきてディンプルを作っていない人を見ると、素直に「なんで?」という疑問が浮かびます。義務教育で教えるべきでしょう。

 

(5)結び方3:過ぎたるは猶、なんとやら。長さはベルトにかかる程度

ネクタイの長さが長すぎ、あるいは短すぎる人が多いです。

長すぎるとダラしないし「おまえはトランプか?」となります。逆に短すぎると、フザケているように見えます。

適切な長さに結びましょう。

 

 

******************

まとめると

ネイビーかグレーの無地のスーツで

ダブル裾のパンツをハーフクッションで履き

シャツは裏地やボタンの柄なしのワイドカラーかホリゾンタルにし

ラペル幅にあったソリッドか小紋柄のネクタイを、シングルノットでディンプルを作って、丁度いい長さに結ぶ

これだけである。これだけやれば誰でもかっこよくなるのだ。なぜそれができないのか!!????

******************

いかがでしょうか。今回はちょっとふざけてディスり多めにしたので、気を悪くされた方はごめんなさい。

でもスーツの着方って教えて貰う機会がないので、自分で調べないとなかなかわからず、わからないままなんとなく着てる人が多い気がするんですよね。非常にもったいないです。

どうせ仕事で着るなら、義務感で着るのではなく、楽しく着たいものです。上に書いたことを守るだけでもかなりカッコよくなるかと思います。

みなさんも楽しいスーツライフを!!

 

東京戻ってどこ住むか問題

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1年前には修習地どこにしよう問題がありました。そして今回、和光から大阪に戻り、次は全国プログラムの地に行き、やっと大阪に戻って一息ですが、大阪での生活も残りわずか。次は入所して暮らす東京の家を探さなければいけません

 

さて、どこに住もうか。

 

家探しって本来新生活に向けたもので楽しいはずなんですが、僕はなんといっても極度の優柔不断ですからね。フィラデルフィアのときなんて2ヶ月近くホームレスになってまで決められませんでしたから。

pennguin.hateblo.jp

 

大阪の家は実は半日で決まりました。

裁判所の近くで築浅で、と条件が固まっていたところ、ピッタリの物件が見つかったからです。大阪に1泊2日で行ってそこで決めるぞ、と時間制限があったのもよかった。

 

*********

東京は広いので、まずエリア選びが大変です。

事務所は六本木にあるので近場がいいですね。ということで候補の1つは六本木・麻布エリア。他方で、少し離れたところの方が気分も変わっていいかもしれません。日比谷線を使うことを考えると恵比寿、中目黒、その2つの駅近くで代官山、というオシャンティエリアが浮かびます。

ということで和光にいる時の休日を利用して麻布十番〜六本木〜西麻布〜広尾〜恵比寿〜代官山〜中目黒と散歩しながらどこに住もうかなぁと考えておりました。広尾とかリアルに初めて行った…(←お前は本当に東京出身か??)

西麻布、南麻布とかは少し寂しい感じもあり、今のところの候補駅は以下の4つです。

 

麻布十番

都心にありながら閑静な住宅街。商店街もあるし、おしゃれなレストランもある。事務所へも徒歩ですぐ。六本木を中心とした生活になる。他方で、南北線は最弱、かつ地下鉄ゆえ駅に商業施設とかはない。

 

中目黒

昔からなんとなく家族に言っていた「おれは将来目黒区に住むから家は兄貴にあげるよ(^o^)/」を体現するならここである。目黒川があって静かでおしゃれ。高架下の店も楽しい。強いていえばターミナル駅というわけではなく、買物は渋谷とかまで出なきゃいけないかも。

 

恵比寿

山手線と日比谷線が通っていてアクセス抜群。駅ビルもあるし買い物が便利。飲み屋も多い。文句を言うならば、JRは馴染みがありすぎて私鉄のほうが良い。

 

代官山

おしゃれの殿堂。休日を蔦谷で過ごすの、いいよね~(でも代官山で生活するって想像できないな?)

 

えー、おわかりかと思いますが、ぺんぎんは田舎者ゆえ、ミーハーなのです。「ここに住んだらカッコいいなぁ」というところに住みたいのです。

こんなことなら都内のこういう場所にももっと遊びに行っとけば良かったのですが、田舎者ゆえほとんど行ったことないんですよね。

僕にとっての都会って未だに新宿渋谷池袋の副都心なのですよ。でもそろそろいい大人なんだから今回の候補地みたいなもっと「色気のある街」に拠点を移したいものです。何年か前に少し気難しい彼女と新宿に遊びに行ったところ「私こんなうるさい街キライ!!」と怒られてショックを受けたことを思い出します(ひどくないですか…?)。

個人的には下町とかの方が落ち着くし、どちらかというとスカした奴をバカにする方の生き方をしてきました。でもやっぱり僕の理想像は都会のカッコいいイカした生活なので、そうも言ってられないのが辛いところです。背伸びしたいですね。ポジショントークというのもあるので、弁護士になったら僕もスカした奴になりそうな気がします(そうなったら止めてください)。

 

12月に東京に戻った時までにある程度目星をつけておきたいと思います。どこに住むか、悩んじゃうな~(うれしい悩み)

ここがしんどい集合修習②ー生活編

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和光市駅近くにある二郎系、通称ジャンガレ。結構うまいし店員さんも親切。もう一つの二郎系である豚レンジャーはあまり美味しくないのでオススメしない)

 

前回の記事では集合修習の内容自体にフォーカスしましたが、今回は1ヶ月半の寮生活について書きたいと思います。

 

ここがしんどい1 寮の部屋が最悪

導入のときはキャパの関係で断念し、今回満を持して入寮したいずみ寮であるが……、とにかく環境が悪い

・狭い

・ユニットバスが最悪すぎる

・排水口がすぐ詰まる

・汚い、空気が悪い(我慢できず実家から空気清浄機を持ってきた)

・殺風景で監獄のよう

自慢みたいになるようですが、ぺんぎんは大阪では新築マンションの15階に住んでおり、まぁ1Kの8畳と広さはそこそこなものの良い暮らしをしておりました。そんな自分にとって寮の部屋はしんどすぎました…。

シェアハウスのときは部屋すらなかったのでその時よりはかなりいいはずなんですが、やはり一度生活のクオリティを上げるとそれ以上下げることはできないみたいですね?

 

ここがしんどい2 みんないるようで、かえって疲れるし孤独を感じる

寮には修習生約700人が住んでいるわけで、よくいえば友達がたくさんいていつでも会える環境にいるわけです。しかし、逆に言うと誰とも会えないというか、色々なコミュニティもあったりで、ソーシャルライフはとにかく疲れました。

まぁそもそも集合修習はみっちり勉強をする期間なわけですが、二回試験直前のB班と違って、A班はしばし集まっての合宿みたいな雰囲気で、どちらかといえば飲もうぜ!という雰囲気があります。

別にそんな雰囲気放っておけばいいのですが、どちらかというと繊細な性格のぺんぎんは、例えば何の予定もないとソワソワしたりしてしまうわけです。

もちろん一緒に和光市駅のほうに飲みに行ったり、寮の談話室で飲んだりゲームをしたり、とそういうこと自体はすごく楽しかったんですが、、、僕は大阪では毎日飲み歩いていたんですけど、集合のときは本当に気分が落ち込んで飲むのも面倒やなぁみたいな感じになってしまってました。

 

ここがしんどい3 寮があるところが田舎すぎる

和光市駅東武東上線の準急に乗れば池袋までわずか14分であり、副都心線有楽町線も通っているため交通の便が悪いというわけでもないです。が、なによりそこから寮までは2キロも離れており、徒歩では20分以上かかります。バスに乗らなければならないため都心への体感の遠さはなかなかのものがあります。

何より僕は大阪では大阪地裁から徒歩2分、つまり梅田へも歩いて15分という大都会に住んでたので、それとのギャップのせいもあるかもしれません。ほんと、大阪だと梅田へは歩いてすぐだし、ミナミも淀屋橋から電車に乗ればすぐ出し、便利さが尋常じゃなかったんですよね。

僕は東京の果ての生まれですが、周りが騒がしくないと寂しくなるたちなので、田舎暮らしはそれだけでしんどかったです。

  

ここがしんどい4 寮の周りが何もない。食生活も最悪

3にも通じるんですが、寮の周りが本当に何もないです。一番近いコンビニさえも、樹林公園を抜けて歩いていかなければならず、フラッと行く感じではないです。

食事に関しても、とんでんも微妙に遠い場所にあるし(しかも高い)、ファーナウというレストランも値段が高いし、飲み屋的なものもありません。まともなものを食べるには駅まで出なければならず、面倒です。

食堂は味はそんなに悪くないですが、殺風景であまり食欲が湧く感じではありません。

昼は松屋の牛丼と弁当の購買があります。弁当はおそろしくまずい。牛丼は美味しいですが、野菜もついていないので毎日これでは栄養的には問題です。ファミマに行くしかありません。

自炊はといえば、キッチンが無いので難しい。IHとかを持ち込んでいる人もいましたが(これはルール的にはどうだったかな?)、シンクとかは部屋になく、給湯室まで行かなければいけないことを考えるとかなり面倒です。

大阪地裁と大阪地検、それから僕の弁護修習先の大阪駅前ビル周辺の食環境は最高だったので、それと比較するとショックは大きいです。

寮の周りは巨大な樹林公園と幹線道路。延々と広がる団地。各種国の施設。ものすごく殺風景で寂しいです。 何というか土地に全く魅力を感じません。いるだけで元気がなくなってきます。

寮は近くて通勤という観点では申し分ないんですけど、やっぱり生活環境と昼の時間の環境が近すぎるのも考えものです。土日に寮にいても全然気分が晴れない。かと言って街に出るのも面倒くさい。

 

 

実務修習は、修習自体も充実しているし大阪での暮らしも素晴らしく毎日楽しかったんですが、集合修習は勉強はしんどいし寮生活はしんどいし、でとにかく辛い1ヶ月半だったなぁという感じです。

それでも、班が違って大阪ではそんなに話せなかったクラスの友達と仲良くなったり、和光のお店を開拓してみたり、寮の談話室でゲームをしたり、東京の友達と久々に会ったり、楽しいことも多かったです。なんだろうか、大阪へのホームシックが強すぎたのかな??

東京の実家が全く好きではないこともあり大阪来てから東京へのホームシックはほぼゼロでしたが、大阪来てからたくさん友達ができたりマンションも気に入ってたりで、地元でもないのに大阪へのホームシックがものすごかったのです。これは本格的に東京に戻るときは寂しくなるだろうなぁ。



 

ここがしんどい集合修習①ー修習内容編

 

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(和光でのぺんぎん、ならぬ神戸・王子動物園のパンダ旦旦)

民裁、検察、刑裁、弁護の4つの実務修習について書く前に、直近で記憶の新しい集合修習から書きたいと思います。

 

約8ヶ月の各修習地での実務修習を終えたあと、A班の修習生は和光の司法研修所で1ヶ月半の集合修習を受けます。

*A班とは関西と関東の修習生のことで、B班はそれ以外。研修所のキャパの面から半分ずつ集合修習を受ける。

 

集合修習の日程は公表されているのでここにリンクを貼っておきます。

http://yamanaka-bengoshi.jp/saibankan/wp-content/uploads/2019/04/%EF%BC%97%EF%BC%92%E6%9C%9F%E9%9B%86%E5%90%88%E4%BF%AE%E7%BF%92%E6%97%A5%E7%A8%8B%E4%BA%88%E5%AE%9A%E8%A1%A8.pdf

 

かいつまんで言うと、集合修習でやるのは

1 即日起案とその講評

2 民事刑事それぞれの模擬裁判

3 問題研究と演習(ゼミ的なもの)

 

の3つです。

 

1 即日起案とその講評

二回試験と同じように9:50〜16:35の時間で民裁・刑裁・検察・民弁・刑弁の5科目を2回ずつやります。

そうです、つまり集合修習の30日間のうち丸10日間は丸1日をかけての試験なわけです。もうこの時点で憂鬱な気分になります。

起案は司法試験のように時間制限が厳しい試験ではないですが、大量の資料を読みこなさなければならず、なかなかハードです。

さらに講評も長い。特に民裁は丸1日かけて行う。研修所の意向なのか、民弁以外はレジュメやパワポのコピーが配られないので、ひたすらパワポを写さなければならずしんどい。これ、普通にコピーを配布すればいいと思うんですけど、そうするとみんなサボるからですかね?

 

 

2 民事刑事それぞれの模擬裁判

実際の事件を題材にした記録を配られ、何らかの配役を与えられ、判決までの一連の裁判手続きを行う。

民事は僕は証人役だったので、証人の言い分の資料を読み、それを頭に入れて、弁護士役の人の準備書面作成や陳述書作成、尋問事項書作成のための聞き取りをし、それから尋問に出廷。僕は主尋問担当だったので思わぬ質問への対応はしなくて済みましたが、質問と答えを頭に入れて尋問に答えるのは結構骨が折れました。しかも自分が実際に体験していることならともかく、書面を読んでいるだけなので、理解して記憶していないと普通に忘れます(ここが模擬裁判の限界ですね)。弁護人役の人がうまく答えを引き出すように質問をしてくれたので助かりました。

刑事は僕は検察官役で、被告人への反対質問を担当しました。これ、被告人役の人には「言い分」が渡されているわけですが、当然あらゆる事項を網羅しているわけではない。そして検察官役が気になるところは言い分に記載がないところだったりする。結果的に被告人役をかなり困らせてしまいました。尋問全体を通して弁護人役が異議を出しまくったりして結構白熱しました。ほしい答えを引き出せるような質問内容を頭を絞って考えたり、やっぱり尋問は楽しい。

 

民事も刑事も記録はかなり重厚で、各期日が設けられ、それに応じて各種書類の提出が求められ、、と、かなり実際の裁判に近いものではあるのですが、いかんせん役が与えられるのは一部だけで、全体をきちんとやることはできない(例えば、検察官役の中でも、証明予定事実記載書担当、証人尋問担当、被告人質問担当等と担当が別れる)。

刑裁修習のときの模擬裁判は裁判官役としてすべての過程を自分でやって手続を体感できたので、そちらのほうが良かったです。いかんせん69人で一クラスって、多すぎるんですよね……。

 

3 問題研究と演習(ゼミ的なもの)

要はゼミ付きの講義みたいなもので、刑事の量刑とか被害者保護、民事の模擬法律相談や和解などを行った。法律相談はわりと面白かった。

 

**************

実務修習は夕方5時に終わって基本的に仕事を持ち帰りはしないわけですよ。だから起案の前とか以外は5時以降は好きにしてられるわけです(最高)。

でも集合修習は5時に終わっても起案の勉強や予習やら模擬裁判の準備とかで結構忙しい。書類も大量に配られて管理も大変である。

なんか普通に働いてる人に聞かせたらぶっ飛ばされそうなことを言ってる気がします笑

 

実務修習は修習とはいえ一応スーツを着て裁判所や検察庁、法律事務所に行って「仕事」的な感じがしてやる気が出るんですが、集合修習は完全に「学校」な感じがしてなんとも…。

死ぬほど学校行ったのにまた学校行くんかい?ととにかく毎日憂鬱な気分でありました。

 

次回は生活編をお送りします。

関東人のための関西弁講座②

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(大阪・福島のおでん屋「花くじら」)

 

前回の続きです。

 

3 名詞

☆遠慮の塊

意味 お皿の上に残った最後の一個

例文 「この遠慮の塊、もらうで」

例えば飲み会で唐揚げが出て、みんなそれぞれとって皿に残った最後の一つ、それが遠慮の塊である。みんな遠慮して取らずそれが塊のように残っている、みんなの遠慮が具現化していて塊となっている、というかなり言い得て妙な表現である。

関西人はこれが関東では言わないことを知らない人が多く、それを伝えるとびっくりされることが多い。

「えぇ、遠慮の塊って関東では言わんの!?知らんかった!そんなら関東ではなんて言うん?」

「んー、普通に『最後の一個』かな?」

「まんまやん!おもんな!」

とひと笑い取ることができる。

 

☆あて

意味 つまみ

例文 「この店のあてうまいな」

天満の飲み屋は最高である。

 

☆つきだし

意味 お通し

例文 「なんやこれ?変わったつきだしやな」

関東と違ってつきだし拒否も普通にできる、と聞いたこともあるが、図々しい気がして言ったことはない。

 

どんつき どんづまり

意味 行き止まり。物事の最後。

例文「この筋をどんつきまでガーッと言ってな、右に曲がってちょっと歩いたら着くで」

引っ越した当初警備のおじさんに道を聞いたらこう言われて面食らったのを今でも覚えている。オッサン言葉なので若い人はあまり使わない。

 

関東弁

意味 標準語

例文 「標準語?標準てなんやねん?誰が関東弁を標準語って決めたん。それも関東の方言やろ」

普通の人は標準語というが、たしかに言われてみれば標準語というのも偉そうな表現である。関西弁と素直に対比するときは関東弁といったほうがベターなときもある。

 

めばちこ

意味 ものもらい

例文 「昨日めばちこできてん」

可愛い表現である。

 

モータープール

意味 駐車場

例文 「あっこのモータープール曲がったらおれんちや」

motorがpool(とどまる)ところでモータープールである。初めは戸惑うがすぐに慣れる。

 

 

 

4 その他の表現

☆「また行こう」

意味 また今度機会があったら行こう。

例文 「今日飲まん?あぁ、予定あんのか。そんならまた行こうや」

非常に勘違いしやすい表現。ここでの「また」とは「また今度」の略つまり"next time"の意味であり、"again"の意味ではない。

例えば今まで一度も一緒に飲んだことのない人に「また飲みいこ」と言われて「え?おれお前と飲んだことあったっけ?」となってしまう。

 

「あんじょうしいや」

意味 うまくやりや。具合良くやりや。

例文 「今日デートなん?あんじょうしいや」

独特の柔らかくて優しい雰囲気があり、好きな表現

 

 

 

5 おまけ・発音編

挙げるとキリがないが、代表的なところ抜粋。

特に土地の名前は発音も含めて固有名詞なわけで、関東弁で話していても関西のアクセントで言わないと通じないこともあるし、何より笑われかねないので押さえておこう。

 

難波

ナにアクセント。これは有名な駅名なので流石に間違える人は少ないはず。

 

天王寺

ノにアクセント。これは比較的間違えがち。「本能寺」の発音で読むと笑われる。

 

烏丸

→↗↘→。慣れるまでは言いにくい。

 

大宮(京都)

オにアクセント。関西人の友達が埼玉の大宮のことをこのアクセントで読んで思わず笑ってしまったが、アクセントの間違えはやはりそれくらい違和感をもたらす。

 

☆ユニバ

二にアクセント。関西人的にはユにアクセントやUSJ呼びは許されないと聞いていたが、こちらに合わせてくれてるのかそっちで話してくる人も多い。

 

就活

シュウにアクセント。修習でいうと「刑裁」「民裁」も同じようなアクセントになる。

 

お会計

カとケにアクセント。

 

ハにアクセント。ちなみに神戸弁だとナにアクセントが来る。

 

本人

ニンにアクセント。

 

ファミマ

ミにアクセント。なかなかいいにくい。

 

 

**************

いかがだったろうか?読者は英語を勉強している人も多いのでこれくらいは楽勝だろう。

やはりその土地に住むからには言葉もきちんと理解したいと思うのは留学を経験したおかげかもしれない(完)

 

関東人のための関西弁講座①

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関東人が関西で突き当たる文化の壁は色々とあるが、やはりなんと言っても違うのは言葉だろう。イントネーションはもちろん、語彙も結構違う。特に語彙は理解していないと誤解を生じる恐れもある。

そこでぺんぎん厳選の関西弁語彙を紹介する。関東人のあなたもこれだけ押さえておけば関西でも生きていける…かも。

巷には関西弁に関する本もあるが、イマイチ現状に即していない。そこで、日々関西弁に浸かるぺんぎんが実際によく聞く関西弁をまとめる。

特に重要なのには☆をつけたので忙しい人はそれだけチェックしよう。

 

1 動詞 

☆ちょける

意味 ふざける。おどける。

例文 「あいつすぐちょけるやん」「ようこの雰囲気でちょけられるな」

非常によく使う。関西人はすぐにちょける愉快な人が多い。

 

☆なおす

意味 片付ける。元の場所に戻す。

例文 「この椅子なおしとこか」「この本どこになおしたらええ?」

関東人が間違える関西弁の代表格。非常によく使う。

コナンで、服部が焼死体についていた黒焦げの腕時計をコナンに渡しながら「この時計、なおしといて」と言ったところ、コナンが意味がわからなかったシーンは有名である。

 

☆ほる ほかす

意味 捨てる

例文 「このゴミどこにほったらいい?」「これもう使えんやろ。ほかしといて」

これも非常によく使う。「放る」が転じたものと思われるので、「放り投げて捨てる」という意味では同じである。

そういう意味でティッシュのゴミとかなら違和感を感じず対応できるのだが、比較的大きなものを「ほっといて」と言われると思わず投げそうになるので注意が必要である。

あと関東人的には「ほうっておく(放置しておく)」という意味にも取りうるが、うっかりそのまま置いといてしまうと「いや、ほっといってって言ったやん?」と怒られるので注意しよう。

 

のく

意味 どく

例文 「ほら、のいてのいて」「道の真ん中で人がのかんとしばいたろうかと思うわ」

「退く」という意味であり、「のいたのいた!」とは江戸弁?でも言うような気がするが、「のいて」だとパッとは漢字が出てこない。「のいて」と言われて数秒意味がわからず固まってしまったことがある。

 

おかまほる

意味 車で後ろから追突する

例文 「昨日運転しとったらおかまほられてん。ほんま最悪やわ」

要は「男のケ◯に後ろからぶち込む」という非常に下品な表現であるが、車を運転していると会話の中でわりと出てくる表現である。

「え、これ言わんの?関東弁でなんて言うん?」

「え、普通に『後ろから突っ込まれた』かな…」

「そのまんまやん。おもんな」

と関西人の興を削ぐことにもなる。

 

顔をさす

意味 顔が割れている

例文 「このへんは顔がさすから悪いことできひん」

道端のおばちゃんと話してて言われて意味がわからず聞いたのだが、友人に聞いたところみんなしらなかった。どうやら少し古い京都の言葉なようである。

 

いもる

意味:ビビる

例文:あいつほんまいもってるな

普通に「ビビる」も言うので、そこまでは使わない気がする。

 

いわす

意味 傷める。痛めつける。

例文 「膝いわしてもうたわ」「あぁん?なんやおまえ、いわすぞ?」

傷めるのほうの意味ではよく使う。膝をいわす、首をいわす、などなど、グキッと痛めたというニュアンス。痛めつけるのほうの意味はガラが悪すぎるのでほとんど使わない。

 

 

2 形容詞・副詞

☆いける

意味 大丈夫

例文 「あのー、予約してないんですけどいけます?」「調子悪そうやん。いける?」

英語でいうと"fine"とか"ok"の意味である。関東弁でも"good"的に「このお菓子いけるね!」とはいうが、関西弁ではかなり広い意味があり、何でも使える便利表現である。

引っ越してきた当初、ガス開栓の業者さんが来て色々とぺんぎんに説明したあと「いけます?」と言われて「え、いけるって何が?」と固まってしまったのをよく覚えている。ここでは「わかりましたか?理解できましたか?」という意味である。

 

ふてこい

意味 愛想がない。可愛げがない。

例文 「あの子、顔は可愛いけどふてこいよな」「あいつなんであんなふてこいん?」

「ふてぶてしい」が転じたものと思われるが、関西人に聞くとそれとは少しニュアンスが違い、なんか愛想がなくてブスッとしてるとかそんな感じの意味らしい。もっぱら女性に使われる言葉である。

男女平等の観点からは問題だが、関西ではまだ「女は愛嬌」的な文化が残っているので、ふてこい人は嫌われる印象。

 

しらこい

意味 ずるい。白々しい。わざとらしい。

例文 「あいつ絶対知ってるくせに知らんていうねん。ほんましらこいわ」「何話してもはっきりせんし、しらこいやつやわ」

これもニュアンスが掴みづらい表現。知ってるくせに話さなかったり人を出し抜いたりするような人を悪く言う表現である。

 

おぼこい

意味 幼い。子供っぽい。世間知らずな。

例文 「おまえはほんまにおぼこい子が好きやな」

英語でいうとchildish, naiveという意味の言葉。

 

男前

意味 イケメン。男らしい。

例文 「あいつバリ男前やな」

「男らしい」という意味では関東でも使う気がするが、関西では「(顔が)イケメン」という意味で使われることが多い。

 

ぬくい

意味 あったかい

例文 「今日はぬくいなぁ。春やなぁ」

関東でも部屋の中などで「ぬくぬくしてる」というが「ぬくい」は室内外問わず「暖かい」「温かい」ことを指す。女子の「ぬくい」は大変に可愛い。

 

ゲラ

意味 笑い上戸

例文 「ゲラやからしょうもないことでもすぐ笑ってまうねん」

そこまで使わないと思う。

 

ぽんこつ

意味 アホ。落ちこぼれ。使えないやつ。

例文 「おまえどんだけぽんこつやねん」「あいつ刑裁もCとったん?ほんまぽんこつやな」

ぽんこつは関東でも使うような気もするが、こちらに来てからかなりの頻度で聞くようになった。「頭が悪い」とかちょっとシビアな意味も持ちうるが、基本的には「アホ」と同じような軽いニュアンスである。

 

しゅんでる

意味 染みてる

例文 「このおでん、味がしゅんでて美味しいなぁ」

関西は和食が美味しいお店が多く、おでんや煮物を食べる機会も多い。手料理に感想を求められたらこれを使おう。

  

☆キショい

意味 キモい 

例文 「あいつバリキショいな」「キッしょ!!!」

関東での「キモイ」がこれである。関東人的には「キモイ」はカジュアルな感じがするが、「キショい」は「気色悪い」に通じるかなりヘビーな印象があり、最初は無駄にへこんでしまったものである(ちょうど、アホとバカのニュアンスが反対なのと似たようなものか)。

「キッショ!!!」は「気持ち悪いことを平気でやるくらいすごい」という褒め言葉的な意味もあるので、言われてもショックを受けないようにしよう。(ただし、「キショいキショいキショい」とか連続になるとかなりガチめに引かれてることが多いので気をつけよう)

 

☆イラチ

意味 イライラしやすくすぐ怒る人

例文 「あいつなんであんなキレてるん?イラチすぎやろ」

発音に注意(ラにアクセント)。関西人はイラチが多い。

 

サラ サラピン

意味 新しい

例文 「このコップ、サラやから割らんといてな」

有名であるが、そこまで聞く機会はない気がする

 

こしょばい

意味 くすぐったい

例文 「やめて!ほんまにこしょばい」

めちゃくちゃ可愛い。言われるとますますくすぐりたくなってしまう(←キッショ!)

 

☆バリ

意味 めっちゃ。くそ。

例文 「え、バリやばない?」

「めっちゃ」も使うが、「バリ」はよりカジュアルである。関東弁の「クソ」よりは上品である。

 

正味(しょーみ)

意味 正直なところ。ぶっちゃけ。(または意味のない強調)

例文 「おまえしょーみあいつのことどう思ってるん?」「しょーみ不味いな、ここ」

「ぶっちゃけ」とほぼ同じ意味で使われている気がするが、リズムを整えるために意味なく使う場面も多い。

 

☆言ったら(ゆったら)

意味 言い換えれば。言ってみれば。

例文 「修習生っていうんは、まぁゆったら弁護士のことやな」

かなり飛躍があることもある。

 

☆まーまー

意味 (意味のない強調表現)

例文 「まーまーやばいな」

「しばしば」とか「かなり」とかの意味も持ちうるが、基本的には意味なくつけてリズムを出すための表現である。

関東弁だと「そこそこ」という意味に感じるが、どちらかといえばプラス的ニュアンスがある。

 

いうてるまに

意味 すぐに

例文 「あいつ遅いな。ま、いうてるまに来るやろ」「ゆーてるまやで」

「そうこう言っている間に」の意味であり、語感がいいのでよく使う。

 

 

次回に続く

 

修習もあとわずか。ぺんぎんの修習地は……

ご無沙汰しています、ぺんぎんです。

ブログにうっかり修習内容を書いてしまって罷免の危機に晒されるのは嫌だ…(実際友人でSNS関係で若干問題になった修習生もいる)と思っていたら完全にブログから遠のいてしまっていたのですが、やはり書くことは楽しいのでまた少し更新を再開したいと思います。

 

さて、ひたすらに辛かった集合修習も終えて、いよいよ残りは選択型実務修習と二回試験を残すのみとなりました。

集合修習では久々に地元の東京に戻って、シェアハウスぶりの共同生活で楽しいかな?と思ってましたが、とにかくしんどかったです。起案の勉強や模擬裁判の準備に負われ、不衛生な寮の環境に辟易する毎日。

今は1ヶ月半ぶりに関西の自分のマンションに戻りのんびりしています。最高です。

 

今まで修習地は特定を避けるために「関西」としか言っていませんでしたが、もう言っっちゃってもいいよね??

僕の修習地は……

 

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そう、大阪です!!!

 

大阪とにかく楽しいです。大阪修習になって本当に良かったなと思ってます。

僕は就職は東京なんですけど、ずっとこっちで暮らせたらな…と思ってます。大阪の気質が自分に合ってて、地元じゃないのに不思議とホッとする。大阪の人は(怒ると怖いが)優しくて親切で、ヨソモンも温かく迎えてくれる懐の広さがあります。

 

というわけで少し修習や大阪について書いていきたいと思います。