80点をとることの重要性

"Done is better than nothing"というのはマークザッカーバーグの言葉だが、いかに完璧主義がよくないかと言うことでしみじみそうだなと思う。言いかえれば100点を目指さずに80点位を確実に取ると言うことである。

日常で例を挙げると、シャツがある。

僕は昔は「シャツは綿100%しか勝たん!」と言わんばかりに綿100のものだけを買っていた。しかし当然シワになる。アイロンが必須だが、週末ずっと出掛けていたりすると5枚のシャツにアイロンをかけるのは負担になる。クリーニングに出せばいいが、そんなに数を持ってなかったし、時間を気にしてクリーニング屋に行くのも結構面倒である。

そこで衣類スチーマーを買った。しかし全くシワが伸びない。ハンガーで壁にかけててと足を上手く使ってのばしながらやって何とか、というところである。スチーマーが安いのが悪いかと思ってパナソニックのものを買ったが、あまり変わらない。

結局、アイロンをかけるのが好きでそれが苦にならないとか、パートナーがクリーニングに出してくれるとか、そういう環境があればいいが、そうでないと綿100は心の負担になるのだ。ノルウェイの森のワタナベ君は週末に洗濯をしてアイロンがけをするのが楽しいと言ってた。確かにシワが伸びていく様子は気持ちいし、成果が目に見えるので満足感がある。僕もそこまで嫌いではない。しかし、疲れて帰ってきた日曜の夜にアイロンがけというタスクが残っているのは地味に辛い。

 

かと言ってポリエステル混合のものは明らかに質が落ちる。そこで色々探して辿り着いたのが鎌倉シャツのパルパーである。

shop.shirt.co.jp

これは目に見える部分は綿であり、安っぽさはない一方、中身はポリエステルでできており、洗濯後浴室乾燥して軽く霧吹などをして乾かせば、ほぼシワがなくなる。

もちろんこれだと綿100特有のパリっと感は出ないので、100点というわけにはいかない。ただ、アイロンのストレスは無くなるし、デスクで寝てしまいめちゃくちゃシワがついて30点になるというリスクも無くせる。汚れもつきにくいので、かえって清潔感は維持できるように思う。

というわけで、あまり無理をせず、確実に80点を取る。

なんだか鎌倉シャツの宣伝のようになってしまったが、、本当にモノがいいので、みなさんもぜひ試してみてください。

 

 

他の例としては、髪である。

僕は以前は単価9000円くらいのちょい高級理容室に通っていた。1時間で、シャンプー、顔剃り(ミストつき)、肩マッサージ、ドリンクなどの至れり尽くせりのサービスがつく。満足感はあるが、会話もしなければならず、それだけに面倒で、元々美容院が苦手なこともあり、ちょっとやる気を出さないと行く気にならない。そうこうしていると1ヶ月を経過する。我慢できなくなる5週間くらいで切りに行く。

しかし、男の短髪の場合、だいたい髪形の寿命は1カ月であり、それを過ぎるとぼさぼさ感が出てくる。つまり、切った当初は100点でも、30点の期間が1週間出来てしまうのである。

そんなこんなで麻布十番の街を歩いていると、2000円カットがあり行ってみる。余計な会話もなく、シャンプーもない。20分程度で終わる。しかし、安かろう悪かろうというわけでもなく、案外仕上がりは悪くない。9000円のところはサービス費、設備費や長時間ゆえの人件費に金がかかっているわけで、別に仕上がりにそこまで大きな違いがあるわけではないのだ。

ということで、今は2000円カットに通っているが、寿命が来る前の3週間スパンで切りに行き髪型をキープするようになった。これならば30点の髪を晒すことはない。100点はないかもしれないが、総合的にはずっといい(そしてもちろん財布にも優しい)。

 

僕は完璧主義だがいい加減といういわゆる「マジメ系クズ」であり、いっぱい勉強しようと教材をたんまり持って帰ったのに一切開かずにまた学校に持っていったタイプであった。旅行にも本を数冊持っていくが結局全てを読むことは絶対にない。

最初から諦める、というわけではないが、過信や過大評価をせず、合格ラインを確実に取ることの方が、人生あらゆる局面では有利である。

そういうことにもっと早く気づいていれば人生がうまくいったのにな、と思う不器用な人間である。