(大阪・福島のおでん屋「花くじら」)
前回の続きです。
3 名詞
☆遠慮の塊
意味 お皿の上に残った最後の一個
例文 「この遠慮の塊、もらうで」
例えば飲み会で唐揚げが出て、みんなそれぞれとって皿に残った最後の一つ、それが遠慮の塊である。みんな遠慮して取らずそれが塊のように残っている、みんなの遠慮が具現化していて塊となっている、というかなり言い得て妙な表現である。
関西人はこれが関東では言わないことを知らない人が多く、それを伝えるとびっくりされることが多い。
「えぇ、遠慮の塊って関東では言わんの!?知らんかった!そんなら関東ではなんて言うん?」
「んー、普通に『最後の一個』かな?」
「まんまやん!おもんな!」
とひと笑い取ることができる。
☆あて
意味 つまみ
例文 「この店のあてうまいな」
天満の飲み屋は最高である。
☆つきだし
意味 お通し
例文 「なんやこれ?変わったつきだしやな」
関東と違ってつきだし拒否も普通にできる、と聞いたこともあるが、図々しい気がして言ったことはない。
どんつき どんづまり
意味 行き止まり。物事の最後。
例文「この筋をどんつきまでガーッと言ってな、右に曲がってちょっと歩いたら着くで」
引っ越した当初警備のおじさんに道を聞いたらこう言われて面食らったのを今でも覚えている。オッサン言葉なので若い人はあまり使わない。
関東弁
意味 標準語
例文 「標準語?標準てなんやねん?誰が関東弁を標準語って決めたん。それも関東の方言やろ」
普通の人は標準語というが、たしかに言われてみれば標準語というのも偉そうな表現である。関西弁と素直に対比するときは関東弁といったほうがベターなときもある。
意味 ものもらい
例文 「昨日めばちこできてん」
可愛い表現である。
モータープール
意味 駐車場
例文 「あっこのモータープール曲がったらおれんちや」
motorがpool(とどまる)ところでモータープールである。初めは戸惑うがすぐに慣れる。
4 その他の表現
☆「また行こう」
意味 また今度機会があったら行こう。
例文 「今日飲まん?あぁ、予定あんのか。そんならまた行こうや」
非常に勘違いしやすい表現。ここでの「また」とは「また今度」の略つまり"next time"の意味であり、"again"の意味ではない。
例えば今まで一度も一緒に飲んだことのない人に「また飲みいこ」と言われて「え?おれお前と飲んだことあったっけ?」となってしまう。
「あんじょうしいや」
意味 うまくやりや。具合良くやりや。
例文 「今日デートなん?あんじょうしいや」
独特の柔らかくて優しい雰囲気があり、好きな表現
5 おまけ・発音編
挙げるとキリがないが、代表的なところ抜粋。
特に土地の名前は発音も含めて固有名詞なわけで、関東弁で話していても関西のアクセントで言わないと通じないこともあるし、何より笑われかねないので押さえておこう。
難波
ナにアクセント。これは有名な駅名なので流石に間違える人は少ないはず。
☆天王寺
ノにアクセント。これは比較的間違えがち。「本能寺」の発音で読むと笑われる。
烏丸
→↗↘→。慣れるまでは言いにくい。
大宮(京都)
オにアクセント。関西人の友達が埼玉の大宮のことをこのアクセントで読んで思わず笑ってしまったが、アクセントの間違えはやはりそれくらい違和感をもたらす。
☆ユニバ
二にアクセント。関西人的にはユにアクセントやUSJ呼びは許されないと聞いていたが、こちらに合わせてくれてるのかそっちで話してくる人も多い。
就活
シュウにアクセント。修習でいうと「刑裁」「民裁」も同じようなアクセントになる。
お会計
カとケにアクセント。
話
ハにアクセント。ちなみに神戸弁だとナにアクセントが来る。
本人
ニンにアクセント。
ファミマ
ミにアクセント。なかなかいいにくい。
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いかがだったろうか?読者は英語を勉強している人も多いのでこれくらいは楽勝だろう。
やはりその土地に住むからには言葉もきちんと理解したいと思うのは留学を経験したおかげかもしれない(完)