映画"The Intern"を観る

だいぶ寒くなってきた日曜の今日、センターシティで映画を観てきた。

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僕らが映画を観たその映画館は、繁華街を少し外れた静かな場所にあった。こじんまりとした感じのいい空間で、親密な空気がその中を支配していた。(村上春樹風)

 

"The Intern"(邦題:マイインターン)である。日本では公開されたばかりだが、こちらではもう1ヶ月くらいやってるのでだいぶ遅めの鑑賞。

アンハサウェイが好きなのと、「インターン」という学生の僕にも身近な題材、友達の勧め、などで観た。

勝手に真面目なヒューマンドラマ(成長ストーリー)だと思っていたが、それもそうだけどコメディ色が強い。いろいろなところで大笑いさせてもらった。そしてこっちの映画館は声をあげて笑うのが当たり前なところがあるので、気持ち良く笑えて良い(ロバートデニーロファンと思われるオバサンたちがバカみたいに大笑いしてた)。

 

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あのロバートデニーロでさえ、インターンという肩書きになると頼り甲斐がなく見える(そう見せる演技力がすごいが)。

そんな様子を見て、自分がかつて某法律事務所でちょっとやったインターンを思い出した。やる気に満ちて行くのはいいが、なかなか仕事を与えてもらえなくて席で手持ち無沙汰にしたり、対照的にキビキビと自分のやるべき仕事をこなしている周りの人を見て自己嫌悪になったり、かといっていざ仕事をもらってもたいした成果が出せなくてまた自己嫌悪に陥ったり……。

それでも、気を遣ってくれる優しい人がいて、そこから徐々に打ち解けていったり。ご飯に連れてってもらったり、酒を飲みに連れてってもらったり。多少なりとも成果が出せて褒めてもらったり。そんなことがある。

短いけれど学ぶべきものが多かった、そんなインターンだった。

 

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狙ってるんだろうけど、プラダを着た悪魔を思い出して、「こいつも成長したな」とか勝手に思ったりした(続編ということではないみたいだけど)。この映画はコメディ色が強かったけど、ファッション業界ってのは華やかな外見とは裏腹に地味な仕事内容とキツイ人間関係で大変そうだ。

ロバートデニーロがノースウェスタン大出身だったり、アンハサウェイが「あたしがハーバード出てないから?」と憤ったり、学歴社会風刺も多かった気がする。そして何より会社で働く従業員のベッキーはペン卒という設定で、「あたしはペンを出てこんなに頑張ってるのになんで仕事を頼んでもらえないの」というシーンもある。あらかじめ友達から聞いていたけど、ニンマリしてしまった。

また、会社のパソコンが見事に全てマックだったり(実際にファッション関係はそうかな?)、フェイスブックの使い方を教えるシーンが出たり、メールを打つシーンが頻繁に出たり、そういういかにも現代的な(ある意味で俗な)シーンが多く、共感を持てた。いわゆる日本でいうところの「等身大の人物」のというやつの演出だろう。同時にそういう現代文化の風刺でもある、と思う。

日本での広告は「働く女性の成長」みたいな煽りが強い気がするが、もっと「世代間の垣根を越えた交流」みたいのがテーマな気がする。面白かったのでオススメです。

 

どうでもいいのだが、映画を観たあとに街に出ると、まさに映画で見ていたような街並みが目の前に広がっていて気分が良かった(映画の舞台はニューヨークのブルックリンで、フィラデルフィアのリッテンハウススクエア北エリアとはわりと雰囲気が似てる)。海外で映画を見ることの特権ですね。

 

ちなみに海外で映画を見ること自体がなかなか面白い体験なので、また改めて書きたいと思う。