読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

Summer Programの授業②―Research

サマープログラムで受講した授業3つについて②

<US Legal Research>

 

1 概要

3つのSection(クラス)に別れて受ける。成績はPass/Fail。

 

2 内容

その名の通りリサーチ、つまり法律文献調査の授業。アメリカは日本のような法典を中心とするシビルロー国と違い、判例法を中心とし、またFederalとState、Stateごとと管轄(Jurisdiction)が異なる。そのため、わからないことがあれば検索サイトで判例(Cases)やローレビューなどの二次文献(Secondary Sources)を探すことになる。

検索サイトとは、もちろんGoogleも使うが、WestlawNext, Lexis Advance, Bloomberg Lawの3つのことである。

 

f:id:pennguin:20150831111533p:plain

f:id:pennguin:20150831105629p:plain

f:id:pennguin:20150831105635p:plain

 

授業では、これらのサイトの基本的操作法に始まり、具体的に課題を与えられ、それに相応しい文献を見つけることが求められる。

早稲田の留学準備講座で前者2つの使い方の基本は日本語で習ったため、だいぶ助かった。しかし、元々機械音痴なこともあり、アナログ人間で紙媒体が好きなこともあり、正直にいうとあんまり好きになれない授業。膨大な情報(それも一つ一つの文献もやたら長い)から必要十分なものを見つけるのは至難の技である。

しかし、リサーチは、上記の事情から、アメリカの法学生としては絶対的に必要な能力であり、アメリカの法律文書は引用(Citation)が重視されることからも、ライティングのペーパーの出来にも繋がってくる。そういう意味では無くてはならないかなり大切なスキルである。また、法律の勉強に限らず、この高度情報化社会では、必要十分な情報を短時間で的確に見つける、というのは一番求められる能力かもしれない。

 

3 教科書・課題

教科書は特に無し。

一方で、課題は多い。毎回Pre-Assingmentと称して何らかのリサーチの課題がある。大体、「○○のサイトを使って××についての有益な文献を選び、なぜそれを選んだか説明せよ」というようなもの。中々ハードである。

また、一度、ある具体的なケースについてグループでまとめ、教員の質問に対し答える、という課題があった。「あまり長くやっても仕方ないから、費やす時間は1時間でいい」とのことだったが、みんな妙にマジメで結局2時間くらいかけて調査し、それをまとめた。このときに高スペロイヤーとグループが一緒になり、完全にお荷物と化して落ち込んだのを覚えている。グループ課題は結構しんどい。

 

4 試験

試験は無く、課題でpass/failが決まる。もちろん普通にやっていれば落とすことはない。

 

5 まとめ

繰り返しになるが、一番苦手な授業だった。課題も何度か期限後に提出するなどしてしまった。完璧に習得したかったが、完璧だとは言い難いので、きちんと復習して次に使う時は特に問題がないようにしないとな、と思う。

しかし、何より強調したいのは、こういう直接の学問内容の前提としてのアカデミックな「技術」についてきちんとこうした授業が設けられていることである。早稲田ロースクールでも文献検索サイトの使い方のオリエンテーションはあったが、90分とかであり、こんな大仰な授業は無い。もちろん法体系が異なるのでアメリカほどリサーチが重要じゃないから、という背景はあるが、特にライティングにおける引用の仕方に顕著なように、日本の教育はこういう技術教育を無視する傾向があると思う。

そういうわけで、次はライティングについて。