ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

NY Barの反省会と、今後受験される方へのアドバイス

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ということで、少し冷静になって、敗因を検討してみる。実はだいぶ前に書いていたが、大統領選とかがあり投稿が遅れてしまった

 

思うに、バーの受験に際して合否を分ける要素としては、以下のものが挙げられると思う

  1. 勉強を始める時期
  2. LLMでのバー科目の履修
  3. 勉強時間(勉強量)
  4. 勉強の方法や効率(時間配分)
  5. 問題演習量
  6. 地頭
  7. 英語力
  8. 実務経験の有無

考えてみれば僕は半分以上が欠けていたな、と思う。以下それぞれについて書いていく

 

1. 勉強を始める時期

バーの勉強は卒業後のバーブリの開始時期から始めるのが通常と言われるが、そうすると正味2ヶ月しかない。これで足りる人もいるだろうが、僕は足りなかった

僕はファイナル終了後もエッセイを書いていたし、卒業アルバム編集の仕事があったり、友達とラスベガスに行ったり、卒業式後は父とNYに行ったりで、結局、勉強開始はバーブリ開始と同時だった。遅くともファイナル終了後、できれば在学中からこつこつやっておくべきだった

 

2. LLMでのバー科目の履修

ローの勉強とバーの勉強は異なるとはいえ、ローでやっておくに越したことはない。例えば、中国の若手はバー科目で履修を固めたりする

バー受験の要件は、①米国法基礎、②リサーチ・ライティング、③法曹倫理、に加えて、④試験科目6単位、である

僕はCorportions, Evidence, Contractsで合計10単位取っており、比較的多いほうだったとは思うが、難解なCivil ProcedureやReal Property、あるいはConstitutional Lawを履修しておくべきだった

 

3. 勉強時間(勉強量)

試験勉強を始めてからは、コンスタントに10〜11時間くらいは勉強していたので、勉強時間はまぁ足りていたと思う。メシ・シャワー・トイレ・犬の散歩以外は勉強する、という生活だった

 

4. 勉強の方法や効率

勉強の方法

僕が取った方法は、基本的に、

  1. アウトラインを読む
  2. 講義を聴く
  3. Assessment問題を解く
  4. 自分でアウトラインをまとめる・MBE問題とエッセイを解く・MEE用の論証をまとめる・適宜アウトラインや先輩から貰ったレジュメを暗記

という感じである。オーソドックスだし、特に問題があったとは思わない

自分でアウトラインを作るのは時間を食うので賛否あるだろうけど、自分でまとめないと頭に入らないタイプだったので、個人的には役に立ったと思っている

Smart Bar PrepのHighの論証を中心にMEE用の論証をまとめたのも個人的には良い勉強だったと思っている。やはり、覚えるべきことをまとめて何度も繰り返せるようにするのは大事だと思う。エッセイに関しては、知識量はこれでほぼ足りていたと考える

ただ、バーブリのAssessment問題は解かなくてよかった。認知心理学だかなんだかに基づいて記憶に定着しやすいように作られたらしいが、難しいし、調べながらだとやたら時間がかかる。「バーブリの要求にきちんと応える」ということを最低基準にしていたのでできるだけやるようにしたけど、ここは飛ばしてよかった

 

効率(時間配分)

日本人の人の多くは、「バーブリのMBE模試まではほぼMBEのみやり、それからエッセイに着手する」という方法を取られていた

僕は、エッセイに不安要素があり(何も思いつかずに何も書けなかったらどうしよう、という不安。かといってMBEが大丈夫というわけではないのだが)、エッセイにも結構時間を使っていた。もちろん、エッセイは配点の50%を占めるし、MPTも準備の有無で差が出るのでやるのにこしたことはない

しかし、MBEの方がやった分だけ得点に反映されやすいし、自習していても得点が出るため、モチベーションへの影響が多い。そもそも、MBEで最低130〜140点は無いと合格はおぼつかない

そういう意味では、もう少しMBE中心にやるべきだったかもしれない

 

5. 問題演習量

MBEは結局1400問程度しか解けなかった。結果、MBEは120点台だったので、ここは明らかに勉強量が少なかったと思う。やはり「2000問解く」というのは一つの目標としては基準になるな、と思った

Assessmentの時間をこちらに回すべきだったろうし、前述したように、エッセイよりMBEにもっと時間を割くべきだった

 

6. 地頭

地頭はあまり良くない。高校まで公立校でのほほんとしていたのもあるし、大学受験の戦績からしても、地頭が良いとは言えない

 

7. 英語力

英語力が決定的に足りていなかったと思う

一応スピーキングについては日本人の中ではそこそこできる自信があったしリスニングについても、バーブリの講義は聴き取りやすく、授業がわからないということはなかった

しかし問題はリーディング・ライティングである。特にリーディング

元々帰国子女ではなく、留学時のTOEFL103点というのが低いというのもあるが、留学先で改めて英語の勉強をすることをしなかった。リーディングも結構サボっていた。初めは、「これは訓練だと思ってケースブックもしっかり読もう」と思っていたが、内容の難しさから、ケースブリーフとかに逃げていた。これが良くなかった

日本人は読み書きは得意、とは言われるが、やはりアメリカ人には遠く及ばない。特に読む能力が欠けていた。MBEでは短時間で大量の英文を読み、理解しなければならない

 

8. 実務経験の有無

これは知識面というよりも、「法律英語に触れた量」の違いという意味である

夏に某外資系事務所でインターン的なものをしたのだが、契約書の和訳や英訳をした。内容は難しかったが、先生方は「これくらいはさっと読めるようにならなきゃだめだよ」とおっしゃっていた

大体弁護士5年目くらいで留学に行くというから、弁護士の人はこういう業務を毎日のように5年間もやっているわけである。英語で法律文書を読んで、書くということを5年もやっているのと、1年大学院で勉強しただけでは、やはり差があると思う

 

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もちろん他にも色々な要因があるし、上の要因の割合も違うだろうけど、実はバー対策の2ヶ月での違いは8つ中3つしか無い。とすれば(こんなことを言っては元も子もないが)、 対策を始める前に半分以上勝負は決まっている、とも言える

というわけで、「2ヶ月でやる」というのは、はじめから英語力などが備わっている人向けで、そうでない人は、LLM在学中からできることをやっておくことを勧める

 

具体的なアドバイは、

  • LLMでできるだけバー科目を履修する(出来たら、難解なProperty, Civ Pro)
  • 英語の読解力を上げる(ケースブックなり新聞なりを頑張って読む)
  • 英語の書く能力を上げる(練習)
  • バーの勉強を早めに始める
  • とにかくMBEの問題演習をこなす

こうしてみると、「何で僕も早くやらなかったんだろう」と思うんだけど、あのときは精神的に色々参っていたのでどうせできなかったと思う。なので、これは言い訳という意味ではなくて、今後受験する人のためのアドバイス、という趣旨です

 

さて、他にも思いついたらまた書きます。今後受験される方の参考になりましたら幸いです