ロックが好きなのに洋ロックを聴かずに邦ロックしか聴かない人って何なんだろうか?

今回はちょっと愚痴みたいになってしまうが、ロックが好きなのに洋楽ロックを聴かずに邦ロックしか聴かない人って何なんだろうか?

勿論日本語じゃないと歌詞がわからないから、とか、邦ロックの雰囲気が好きだから、とか、邦ロック好きというコミュニティに入れることが楽しい、と色々あると思うし他人の趣味にいちゃんもんつけるのもどうかと思うが、純粋に疑問である。

なぜならロックとはそもそも英米が発祥であり、たくさんいい音楽が眠っているのだ。あなたが聴いている邦ロックのバンドマンだって、大体が英米のロックを聴いて育ち、それをルーツとして今の音楽を作っている(邦ロックしか聴いてこなかった邦ロックのバンドマンっているのか?)。なぜそのルーツを探りたいと思わないのだろう?

例えば僕も好きでライブもよく行く[ALEXANDROS]なんかは、元々のバンド名だった[Champagne]は我らがOasisのChampagne Supernovaから取っているし、Forever Youngという曲はOasisの”I hope, I think, I know”のパクリとプチ炎上したりもしている。実際にOasis好きを公言しており、サウンド面でもOasisの影響を色濃く感じるのである。アレキサンドロスを聴くのにOasisを聴かないというのは、イタリアン大好き!といってサイゼリアしか行かないようなものだ。それは少し言いすぎか。

邦ロックには洋楽ロックにはない雰囲気があり、サイゼリアにはサイゼリアの良さがあるので、結果としてそれが好きだというのは別にいいのだが、聴きすらしない、興味すら持たないというのはかなりの疑問でしかない。例えばロック聴くのにビートルズ聴かないってどういうことなん?

今ちまたではやりのおしゃれバンド、羊文学なんか、かなりいい雰囲気で僕も好きなのだが、明らかにシューゲイザー(英語で「靴を見つめる人」の意味で、ギターを重ねまくった轟音サウンドを特徴とするジャンル。My Bloody Valentine, Jesus and Mary Chain等のバンドが代表的)の影響を受けている。しかし羊文学をライトに聴いている人たちがマイブラジザメリを聴いているとは思えない。

[ALEXANDROS]も、当初は英語歌詞が多い洋ロックよりのサウンドだったが、最近は日本語化しでJ-POP調の曲が増えてしまった。それはそれでキャッチ―でいいのだが、彼らの主なファン層は若い女性であり、もし彼らが商業的にそれに合わせてしまったのだとしたらかなり残念である。For Freedomみたいなガチガチなロックをもっと聴きたい。

 

日本の若者よ、もっと洋ロックを聴こう。

 

世界遺産検定の話②

試験

試験まで

さて、世界遺産検定2級。出題対象は、約1200の全世界遺産のうち300件である。

なんだ、全部出るわけじゃないのか、それくらいなら余裕だろう、僕は世界史選択だったし、結構海外に旅行に行って世界遺産にも触れている。

…と思ったが、そんなこともない。聞いたことない遺産ばかりである。というのも、タージマハルとかモンサンミッシェルとか、そういう日本人に有名な遺産は3級や4級の対象となっており、2級からは外されているのである。本当に行ったことのないところばかりだったし、国としても行ったことのないところは土地勘がないので、全く頭に入ってこない。

僕は完全に趣味で自主的に受けているし、一応司法試験という文系最難関の試験を通っているので、「落ちるわけにはいかない」と大変焦った。 修習後にカフェに行きひたすらテキストと問題集と格闘する日々が続いた。

 

いざ受験

2019年の七夕、起きると北浜から京阪電車に乗った。試験会場は遊びに行きがてら京都にしたのである。

まずは腹ごしらえということで、出町柳で下車し叡電に乗る。目指すはもちろんラーメン激戦区、一条寺である。関西では唯一の二郎、ラーメン二郎京都店へ向かう。東京ほどは並んでいない。味はそこそこと言ったところか。京都らしい九条ネギのトッピングが良かった。

 

話が逸れたが、二郎を完食した僕は電車を乗り継いで京都駅に向かう。試験会場は駅近くの専門学校だった。

わりと緊張していたが、簡単すぎて早々に問題を解き終える。知ってる問題ばかりだ。時間が余りすぎてやることがない。

試験が終わると何気に行ったことのなかった東寺に歩いていく。世界遺産検定を受け終わってすぐに世界遺産を見るというのも中々乙なものであった。京都はやはりいいなぁ。

 

試験結果

さて、肝心の結果だが、、、、無事に合格していた。

しかも、100点満点中60点以上で合格なのに95点というオーバーキル。司法試験合格者を舐めてもらっちゃ困る。流石に勉強をしすぎたようである。

とか言いつつ「こんな自分でわざわざ受けて不合格とか恥ずかしすぎる。絶対に落ちるわけにはいかない」とかなりビビっていたし、試験合格は司法試験以来だったので、かなり嬉しかったです。

 

試験対策

試験対策だが、とにかく「過去問を解く」これに尽きる。というのも、明らかに何度も出題されている問題が多くあるので、過去問を潰せば必然的に点が取れるようになっているのである。テキストを読んでいると膨大な知識量に圧倒され絶望するが、実際に出る箇所は決まっている。司法試験とおんなじですね。

なお、1級はそうではなく、テキストから満遍なく出るようでかなり難しい模様。「2級を簡単に合格させて1級に受験生を流動しそこで受験料を儲けている」とまで言われています。

まぁ、2級取ったら1級が欲しくなるのが人情ですからね。

でも、僕が1級を受けることはないでしょう。あくまで遊びなので、とりあえずは2級で十分です。

 

 

 

今まで行った世界遺産

さて、せっかくなので、今までぺんぎんが行った世界遺産を国別にまとめてみたい。果たして何個あるのか…。

 

アジア 19個

日本…姫路城、古都京都の文化財原爆ドーム厳島神社古都奈良の文化財日光の社寺琉球王国のグスク、紀伊山地の霊場と参詣道、富士山

タイ…古都アユタヤ、スコータイの歴史上の街と関連の歴史上の街

ベトナムフエの建造物群

カンボジア…アンコールの遺跡群

インド…タージマハル、アーグラ城塞、赤い城の建造物群、ジャイプルのジャンタル・マンタル、ラージャスターン州ジャイプル市街

ネパール…カトマンズ盆地

 

欧州 16個

英国…ロンドン塔、ウエストミンスター宮殿

フランス…パリのセーヌ河岸、ヴェルサイユの宮殿と庭園、ル・コルビュジエの建築作品

ドイツ…ケルン大聖堂ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群、ベルリンのムゼウムスインゼル

オランダ…アムステルダム

ベルギー…ブリュッセルのグランプラス

ポーランドアウシュヴィッツ・ビルケナウ、ワルシャワ歴史地区、ヴィエリチカの王立岩塩坑群、クラクフ歴史地区

チェコプラハ歴史地区

ロシア…モスクワのクレムリン赤の広場

 

中南米 8個

米国…自由の女神像、グランドキャニオン国立公園、独立記念館

ブラジル…イグアス国立公園

ペルー…マチュ・ピチュの歴史保護区、クスコ市街、リマ歴史地区

エクアドル…キトの市街

 

中東・アフリカ 7個

トルコ…イスタンブルの歴史地区、ギョレメ国立公園カッパドキアの岩窟群

パレスチナ…イエス生誕の地:ベツレヘムの生誕教会

イスラエル…テルアビブの白い都市

エルサレムの旧市街とその城壁群

ヨルダン…ペトラ遺跡

サウジアラビア…メッカの玄関にあたる歴史都市ジッダ

 

…ということで、ちょうど50個。世界偏らず色々行っており、中々じゃないだろうか。

見ていて思ったのは、やはり日本はもう少し頑張りたい、中国が0なのはもったいない、自然遺産が比較的少ない、というところだろうか。

世界遺産というのは様々な側面から考慮したその自然的・文化的価値によって決まるので、実はウユニ塩湖やナイアガラの滝は世界遺産じゃなかったり、必ずしも有名=世界遺産というわけではない。

なので、世界遺産を巡る旅!となると今後は結構マイナーな箇所に行くことになりそうである。

そもそもこれでようやく1199件中の50件、割合にすれば4.1%であり、死ぬまでに制覇どころか10%すら難しいだろう。そういう意味では世界遺産かどうかで旅行先を決めるのはどうかなと思う。

他方、聞いたこともない遺産の背景を調べてると意外と面白かったりとか、その国の新たな側面が見えてくるのが世界遺産の魅力だと思う。今後も折に触れて勉強したいもんである。

少なくとも日本の25個については死ぬまでに制覇したい。次の旅行先は長崎にしようかなと思っている今日この頃。

 

世界遺産検定の話①

修習生だった頃の話・・・

6月頃、暑い中大阪地裁でややこしい殺人事件の起案に四苦八苦していた僕は、修習が終わる17時以降の時間が暇すぎたのと、「進歩してる感」が無いから何か資格でも受けようかと思って探した。

そして、せっかくなら「バックパック旅行」という趣味と絡んで話のネタにでもなるものがいいなと世界遺産検定を受けることに。

というのも、修習してると自己紹介とかスピーチをする機会が多いが、そのときにキャラを立たせるためにも趣味の話をすることが多い。

大阪修習での友人には例えばラーメン食べ歩きが好きすぎてラーメン作りを趣味にしている人がいて、「ラーメンの◯◯君」みたいになる。裁判官が「〇〇君にラーメン以外の大阪グルメを食べさせる会」を企画してくれたこともあった。そういうぶっとんでる趣味があると羨ましい。

僕の趣味はあんまり公に言いにくいものもあるので(なんなんだ?)、だいたいバックパック旅行とか、無難にスポーツでフットサルとか言ってたが、バックパック旅行って大きな休みでもないとしないので、微妙だなと思ったのである。

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世界遺産検定は4級、3級、2級、1級、マイスターとある。世界遺産検定といえば鈴木亮平が有名だが、彼は1級保持者である。これは実は中々すごい。1級は2級に受かっていないと受けられず、しかも合格率は30%なので、結構ガチでやらないと受からない。

というわけで、初受験の最上位級は2級となる。4級は勿論、3級もかなり簡単みたいなので飛ばして2級を受けることにする。

 

ここで問題。現在世界全体で世界遺産は何個あるだろうか?

 

 

 

・・・

 

 

 

答えは1199件である(2023年10月現在)。

 

そんなにあるの?と思われたと思うが、そんなにあるのである。よく飲み会とかでこの質問をするが、大体200とかの答えが返ってくることが多い。旅行で世界遺産を制覇したいな~とか思うが到底無理なのでやる気をなくしてしまう。

正直世界遺産はかなりインフレしていて、毎年数は増加している。大体毎年20~30件登録されている。

世界遺産には上限が無いこととなっているが、増えすぎても問題なため、近年では信義件数が減らされることとなり、紆余曲折を経て各国1件、審議総数35件までに落ち着いたようである。

 

ちなみに、日本の世界遺産は何件だろうか?

 

 

・・・

 

 

 

答えは、25件である。

25件くらいであれば制覇することも現実的だろう。僕の場合は9つしか行ってないので、まだまだこれからだ。

25件というのは、国別ランキングでは11位となかなか検討している(近年アメリカを抜いた模様。ちなみに1位イタリア、2位中国、3位ドイツ・フランス、5位スペインと流石にヨーロッパが強い)。

ちょうど、僕が大阪にいた頃、百舌鳥・古市古墳群が新たに登録され大阪の街は湧いていた。関西は兵庫・奈良・京都・和歌山と登録が多かったのに大阪は登録がなかったので、悲願の登録と言えるだろう。

2021年には「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)と「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森県岩手県秋田県)が新たに登録された。

世界遺産には文化遺産と自然遺産があるが、自然遺産の方がレアであり、その意味で自然遺産の奄美大島~はなかなかすごいと思う。日本の自然遺産は、屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島に次いで5件目。

なお、2021年に2件登録となったのは、その前の年の大会がコロナで中止となったためである。

 

 

 というわけで、次回は検定を受ける話。

大阪修習のいいところ・大阪でどこに住めばいいのか

僕は昔から関西に憧れがあり、修習は大阪で行った。大阪修習は不人気とか言われているが、それは大きく4つ、①人数が多いこと、②就活中の人・地元民・年齢層が高い人が多いこと、③都会(すぎる)こと、④大阪文化が濃すぎること、があると思う。

①人数が多いこと

120人程度で、一班30人程度なので、確かにやや多すぎであり、手厚い指導を受けづらいというのはある。一体感も出にくいので、もう少し少ないといいなーと思った。ただ、その分いろんな人がいるから面白い。

 

②就活中の人・地元民・年齢層が高い人が多いこと

これはどういうことかというと、大阪は大都市なので、就職が決まらず、大阪で就活をしながら修習をするという人が多い。また、大阪出身や近隣のロー出身の人が多く、就活で地元を離れないために大阪から出ないという人が多いので、地元民や所帯持ち等が多く、いわゆる「バカンス修習」の雰囲気が出にくいということがある。

ただ、個人的にはせっかくその土地に行くのだからその土地の人と仲良くなりたいし、いろんな年齢層の人が一つになって勉強するというのは非常に面白かった。兄貴のような存在もたくさんできた。また、もちろん東京組も一定数いて(少数なので、留学感がいい)、それが交わる感じも面白い。

 

③都会(すぎる)こと

大阪は東京までにはいかないにしてももちろん大都会である。せっかくの1年間の修習なら田舎に行きたいというニーズが多い。僕も日本では東京と大阪にしか住んだことがないので、未だに田舎・地方の生活というものへの純粋な憧憬みたいなものがある。

ただ、大体のことはできるのでストレスは少ない。それにしても、肥大化しすぎた東京に比べると大阪というのは本当にちょうどいい。ずっと住んでたら飽きるのかもしれないが、街がコンパクトにまとまっており、遊ぶのは梅田かミナミなので人が集まりやすいし、週末は京都、神戸にも行きやすく、和歌山や奈良などへの田舎にも足を延ばしやすい。ぺんぎんは東京でかなり疲弊しているので(だったら港区から出ればいいのだが…)、大阪に戻りたい欲は根強い。

 

④大阪文化が濃すぎること

これは完全に好き嫌いだが、僕は大阪のディープさ・カオスさが好きだった。

ただ、当時東京に残した彼女と遠距離恋愛をしていたのだが、せっかく東京から来てくれたのだからと鶴橋や天満などのディープ大阪を案内したら、「私は大阪に来たくて来てるんじゃなくて、ぺんぎんに会いに来てるの!」と言われてしまった。これ自体はまぁ嬉しいのだが、次回来たときは一緒に京都に行った…。やはり女性は京都の方が好きだろう。

 

そんなこんなで、色々言われているが、大阪修習はオススメである。戻れるものならば、またあの1年に戻りたい…。

 

さて、そんな大阪修習だが、どこに住むのがいいだろうか。完全な個人的偏見で書いていく。

西天満

大阪地裁近く。圧倒的人気ナンバーワンであり、一人暮らし組の7割くらいはこのあたりに住んでいる感覚だ。僕も住所でいうと西天満4丁目、裁判所徒歩2分の所に住んでいた。

ただ、西天満というところは、オフィス街であり、東京でいえば日本橋とか茅場町みたいな雰囲気がある。骨董品屋も多い、大人な町である。美味しいご飯屋さんが多く、平日ランチ等には困らないが、オフィス街ゆえ土日は閑散としており少し寂しい。

梅田へも歩いて15分くらいであり、飲み会の後は酔い覚ましに歩けばすぐなので便利。大通りを一本超えると太融寺などの風俗街もあり、猥雑な雰囲気が面白い。また、淀屋橋、北浜、南森町それぞれの駅が使えるメリットもあるがが、しいて言えばどの駅も10分弱歩くため、ミナミには少し行きづらい。個人的にはもう少し遠くに住んでも良かったかなと思っている。

 

南森町

南森町、通称「なんもり」は大阪住みたい街ランキングでも上位に位置する。商店街があり適度な賑やかさ。大阪地裁へも徒歩10分程度だし、南森町駅、大阪天満宮駅が使えるので他地域へのアクセスもいい。

 

③福島

大阪地検が近い。おでん屋「花くじら」を筆頭にのん兵衛の街と言われており、西天満より賑やか。JRの駅もあり、隠れたオススメ。

 

④ミナミ(難波・心斎橋)

元々、西天満とこっちのエリア両方を内見する予定だったが、西天満に好条件の物件があったため即決してしまった。

ただ、やはり「大阪らしさ」はミナミでありこっちに住めば良かったな~と思う機会が多かった。キタに住んでいると、飲み会もほぼそっちなので、ミナミに行く機会は多くない。修習後一人で特に意味もなくミナミに遊びに行ったものだが、活気に魅了された。月一の病院もあえて難波駅近辺にしたものである。

ただ、当たり前のことだが便利さとはトレードオフである。大阪地裁は北浜からも淀屋橋からも10分歩くので、通勤はやや面倒になる。東京の彼女と別れた僕は長堀橋のタワマンに住む年上の子と付き合って、週1でそっちから通勤したが、ドアドア20分ですら憂鬱だったのだから、やっぱり近くで良かったのかも。

 

大国町・新世界

ミナミ以上の「大阪らしさ」はこちらなので、どうせならこっちに住んでも良かったかも。大国町近くに行きつけの飲み屋があり、月2くらいで通っていたが、廃れた感じが心地いい。通天閣が見えるマンションとかも乙だよな~。

 

三条京阪祇園四条

あえての京都。京大出身で京都から引っ越さず通ってる人は結構いたし、かくいう指導担当も京都から梅田に通勤していた。平日は大阪で土日は京都というデュアルライフは面白かっただろうなと思う。北浜まで京阪で一本なので電車一時間が我慢できれば問題ない。鴨川沿いの落ち着いた空気は本当にホッとするものがある。

長堀橋タワマンの年上彼女と別れた僕はその後山科に住む福岡出身の放射線技師と付き合い、その後三条大橋に住んでいる山口出身の京大院の子と付き合っていたのもあり、特に後半は毎週のように京都に行ってた。山科の子は気性は荒いが可愛かった。京大の子はメガネが似合う才女だったが、最後まで敬語で「人前でみっともない」と手すら繋がせてくれなかった…。話が逸れた。

 

まぁそんなわけなので、もう一度選べるならやはりミナミに住んだかな~。堀江とかももうちょっと開拓してみたかったな…。

5月事務所の旅行で関西に行くので、久々に思い出の地を巡りたいものである。

80点をとることの重要性

"Done is better than nothing"というのはマークザッカーバーグの言葉だが、いかに完璧主義がよくないかと言うことでしみじみそうだなと思う。言いかえれば100点を目指さずに80点位を確実に取ると言うことである。

日常で例を挙げると、シャツがある。

僕は昔は「シャツは綿100%しか勝たん!」と言わんばかりに綿100のものだけを買っていた。しかし当然シワになる。アイロンが必須だが、週末ずっと出掛けていたりすると5枚のシャツにアイロンをかけるのは負担になる。クリーニングに出せばいいが、そんなに数を持ってなかったし、時間を気にしてクリーニング屋に行くのも結構面倒である。

そこで衣類スチーマーを買った。しかし全くシワが伸びない。ハンガーで壁にかけててと足を上手く使ってのばしながらやって何とか、というところである。スチーマーが安いのが悪いかと思ってパナソニックのものを買ったが、あまり変わらない。

結局、アイロンをかけるのが好きでそれが苦にならないとか、パートナーがクリーニングに出してくれるとか、そういう環境があればいいが、そうでないと綿100は心の負担になるのだ。ノルウェイの森のワタナベ君は週末に洗濯をしてアイロンがけをするのが楽しいと言ってた。確かにシワが伸びていく様子は気持ちいし、成果が目に見えるので満足感がある。僕もそこまで嫌いではない。しかし、疲れて帰ってきた日曜の夜にアイロンがけというタスクが残っているのは地味に辛い。

 

かと言ってポリエステル混合のものは明らかに質が落ちる。そこで色々探して辿り着いたのが鎌倉シャツのパルパーである。

shop.shirt.co.jp

これは目に見える部分は綿であり、安っぽさはない一方、中身はポリエステルでできており、洗濯後浴室乾燥して軽く霧吹などをして乾かせば、ほぼシワがなくなる。

もちろんこれだと綿100特有のパリっと感は出ないので、100点というわけにはいかない。ただ、アイロンのストレスは無くなるし、デスクで寝てしまいめちゃくちゃシワがついて30点になるというリスクも無くせる。汚れもつきにくいので、かえって清潔感は維持できるように思う。

というわけで、あまり無理をせず、確実に80点を取る。

なんだか鎌倉シャツの宣伝のようになってしまったが、、本当にモノがいいので、みなさんもぜひ試してみてください。

 

 

他の例としては、髪である。

僕は以前は単価9000円くらいのちょい高級理容室に通っていた。1時間で、シャンプー、顔剃り(ミストつき)、肩マッサージ、ドリンクなどの至れり尽くせりのサービスがつく。満足感はあるが、会話もしなければならず、それだけに面倒で、元々美容院が苦手なこともあり、ちょっとやる気を出さないと行く気にならない。そうこうしていると1ヶ月を経過する。我慢できなくなる5週間くらいで切りに行く。

しかし、男の短髪の場合、だいたい髪形の寿命は1カ月であり、それを過ぎるとぼさぼさ感が出てくる。つまり、切った当初は100点でも、30点の期間が1週間出来てしまうのである。

そんなこんなで麻布十番の街を歩いていると、2000円カットがあり行ってみる。余計な会話もなく、シャンプーもない。20分程度で終わる。しかし、安かろう悪かろうというわけでもなく、案外仕上がりは悪くない。9000円のところはサービス費、設備費や長時間ゆえの人件費に金がかかっているわけで、別に仕上がりにそこまで大きな違いがあるわけではないのだ。

ということで、今は2000円カットに通っているが、寿命が来る前の3週間スパンで切りに行き髪型をキープするようになった。これならば30点の髪を晒すことはない。100点はないかもしれないが、総合的にはずっといい(そしてもちろん財布にも優しい)。

 

僕は完璧主義だがいい加減といういわゆる「マジメ系クズ」であり、いっぱい勉強しようと教材をたんまり持って帰ったのに一切開かずにまた学校に持っていったタイプであった。旅行にも本を数冊持っていくが結局全てを読むことは絶対にない。

最初から諦める、というわけではないが、過信や過大評価をせず、合格ラインを確実に取ることの方が、人生あらゆる局面では有利である。

そういうことにもっと早く気づいていれば人生がうまくいったのにな、と思う不器用な人間である。

久しぶりに

かなりブログから遠ざかってしまった・・・。

弁護士になってからというもの、日々仕事に追われ、しかも一日中パソコンに向かっているので、オフのときまでパソコンを開いて何かを書きたいというモチベーションが下がってしまっている。

しかも、仕事のことは書きづらいし、大人になるにつれ?昔は持っていた無邪気さみたいなものが失われてしまった。

さらに、(以前、世の中にエンタメが溢れすぎていて〜ということを書いたが)世の中こんなにも情報に溢れているのに、さらに自分が何かを書いたところで意味がないのではないか、というかなりネガティブな思いもある。

さはさりながら、一応現代が2023年で日々新たなものが生まれているが、「そう言う発想もあったのか」というものは未だに日々生まれ続けているのだから、あんまり悲観することもないのかもしれない。もっとも、ウェブ2が始まってまだ数十年?くらいであり(さらにもうウェブ3になってしまった)、ここ数十年の情報生産の速度は過去と比ぶべくもないのだろうが・・・。

というか、別に自分が革新的な何かを生み出す必要性もなく(自分は弁護士という実務家なのだ)ブログで自分の思うことを垂れ流す権利くらいはあるだろう。

 

今も書いていて思うけど、やはり思ったことを文字にすることほどストレス解消になることもないし、ここ数年ずっと鬱屈した感じがするのはそれを欠いているからかもしれない。。上に「何かを書きたいというモチベーションが下がってしまっている」と書いたが、本質的にはそんなことはなく、日々色々と頭で考えていて発信したいなと思っていることはあるわけで、単にそれを実行に移す元気がないというだけなのだ。

 

というわけで、また更新を復活してきますので、よろしくお願いします。

2020年振り返りーエンタメ

去年はとにかくコロナ禍である。

そして、時間ができたことによる各種エンタメへの傾倒である。

緊急事態宣言のときはリモートワークになり家に引きこもったが、ちょうど友人と住んでいたため寂しいということはなかった。二人でそれぞれ仕事をして終わったら軽く飲んで、友人が作ってくれるご飯を食べる。なんだかんだ楽しい毎日だった。

前に、「エンタメは作品が山のようにあってやる気をなくしてしまう」といったことを書いた。仕事(研修)が始まったばかりで色々と絶望していた1月のことである。あのときは何もやる気がしなかったし、何を見てもあまり楽しいと思えなかった。まだコロナもなかったのに、研修が終わった夕方も、土日も、何もせず家でダラダラしていた。今考えてみると鬱の兆候があったのかもしれない。

しかし海外研修を経て本格的に仕事が始まると、忙殺されたこともあるが、そういった精神状態は回復した。エンタメにも向き合う心の余裕ができたし、「別にすべて見なければならないわけではない」という当然のことに気づいたし、むしろ色々と見たい、体験したいという前向きな気持ちが生まれた。

そのきっかけにもなったのがテラスハウスである。僕はこれまで、テラハは自分の夢を追うイケてる美男美女がワイワイしている話、というように斜に構えており(要は嫉妬しており)、あまり見たことがなかったのだが、僕もいい年になり殆どの参加者より年長の存在になり、自分の弁護士という夢も一応叶えたという満足もあってか、一歩引いて普通に楽しめるようになった。テラハは悲しい事件もあったわけだが、自分の生き方を考える良い教科書だと思う。

テラハのことについては話すと長くなるので別稿にしたいと思う(以下同じ)。

テラハ東京編を見た僕は、鬼滅のアニメを見た。1月に少し見たときは自分の暗い精神状態にあの残酷な物語が肌に合わずすぐに辞めてしまったのだが、4月くらいに友達と一気に見て、ハマった。マンガも全巻買い、朝までぶっ続けで読んだことをよく覚えている。ハマりすぎて普段買わないグッズなんかも買ってしまった。アニメ派の皆さん、本当に面白いのはここからなので、楽しみにしておいてください。

 

そして、梨泰院クラスである。愛の不時着とともに第4次韓流ブームを形成したパク・ソジュン主演の連続ドラマである。これがとにかく面白い。このドラマは他の韓流ドラマと一線を画し、恋愛要素だけでなく、半沢直樹のような復讐劇、仲間との青春、そしてビジネスでの成功を目指すという様々な要素がある。白い巨塔のような成り上がりドラマが好きな僕にこれは刺さった。パク・セロイのひたむきで実直な生き方に心が打たれた。絶望の中でも信念を持って人生に向き合う姿に感銘した。これほど元気が出るドラマが他にあるだろうか。

対象的な二人のヒロインも良かった。正統派美人で優しい幼馴染のスアと、可愛くて聡明で皮肉屋のビジネスパートナーのイソ。イソは単なる恋の相手としてではなく一緒に事業を行うパートナーとして描かれるがこれがなかなか新しい。古くは寡黙な綾波ツンデレのアスカのような二人ではあるが、イソは単なるツンデレでは終わらないキャラクターであった。ちなみに僕は断然イソ派である。

梨泰院クラスは白い巨塔を超えて自分史上最高のドラマかもしれない。

 

それからキングダムのマンガにハマった。鬼滅も面白かったが、キングダムの面白さはそれを軽く凌駕する。というか、今まで読んだマンガの中で圧倒的に一番面白かった。梨泰院と並ぶと自分史上最高のバーゲンセールかもしれないが、とにかく読み出すと本当にやめられない。既刊の50数巻まで大人買いしてから読み始めたが、すぐに全部読んでしまった。リーダシップについて考えさせられるという意味でビジネスマンにも進められており、たしかにその意味でも学べるが、何よりとにかく面白いので、読んでない皆さんもぜひ読んでみてはどうだろうか。

 

そして次にハマったのがNizi Projectである。少女たちがアイドルを目指すオーディション番組。これもパク・ジニョンのアドバイスが勉強になるみたいな触れ込みで見始めたが、ハマってしまった。娘を応援する親の気持ちというのはこのようなものなのだろうか。NiziUも応援しようとファンクラブに入ってしまったくらいである。元々BLACKPINK、twice、などK-POPは好きだが、自分の中で再度ブームが来た。

 

その他にも、これも面白さではピカイチであったNetflixオリジナルドラマの今際の国のアリス、高校生ぶりに見直したエヴァ、テラハのハワイ編と軽井沢編、マンガでいうと呪術廻戦チェンソーマン、などなどいろんなエンタメに触れ、ハマった一年だった。

今までもエンタメは好きだったが、テラハの古いものを除いてこれほど「流行りのもの」に乗った一年はそうなかったような気がする。その原因は色々あり、コロナで家にいる時間が増えたからとか、デカイTVを買ったからとか(一人暮らしなのに55型)、単純に面白いものが増えたからとかもあるが、何より「流行りもの」の重要性を今更ながらに感じたことにあると思う。

僕はずっと厨二病だったので音楽は古い洋楽ばかり、本は古い小説ばかり、映画も古いものばかりだった。時代の風雪に耐え残ったもののほうが普遍的な価値があるのだろうという考えがあるのだと思う。しかしそもそもビートルズもオアシスも最初は同じく流行りものだったわけだし、流行りものにはその時代を映すという絶対的な価値がある。あとになってその作品とともに時代を振り返ることができる。三島由紀夫石原裕次郎について同じようなことを書いていたが、花はやがて枯れるように、流行り廃りこそが美しい。

故に流行り物はその次代の共通言語となる。コミュニケーションを円滑にしてくれる。その「社会」の中に含まれているという安心感を与えてくれる。「流行りものは、それを通して会話に参加するという権利を与えてくれる」といった言葉があるらしいが、なるほどと思った。女子高生が流行に敏感なのはこういう理由だと納得がいった。そうでないと会話ひいては「社会」から取り残されるのだと思うと可哀想ではあるが。

そういう意味では流行に追い立てられるのも疲れるし、「キメハラ」などの言葉に代表されるように「遅れないようにチェックしなきゃ…」…となるとエンタメを追うことに義務感を感じる。ただ、プロモーションの努力もあるにせよ、やはり流行るからには相応のクオリティのものばかりである。どれも面白い。試してみて後悔したことはあまりない。そう思うと、斜に構えて卑屈になっていくよりも、素直に流行りに乗って、作品を楽しみ、会話も楽しんだほうが何倍もお得である。

そういうわけで、このように僕が会話や「社会」への参加を希求しているのは、初対面の人と話す機会が増えたとか、大人になって丸くなったとかもあるのだろうが、やはりコロナという共通の敵を前にして一つになりたいという気持ちがあるのだろう(最近はコロナこそが分断を生んでいるが)。鬼滅の異例のヒットもやはりコロナとは無縁ではないと思う。みんなで共通して楽しみ、語れる物が必要だったのだろう。

 

2020年を振り返ろうと思ったらほとんどエンタメの話で終わってしまった。その他のものについても次回書きたいと思う。

2020年振り返りー仕事面

あけましておめでとうございます。

去年はあまり更新できませんでしたが、お世話になりました。今年も細々と更新していきたいと思います。

 

早いもので弁護士生活を始めて一年が経った。毎日来る仕事を処理していくことに必死で、気づいたら一年も経ってしまったという感じである。仕事のやり方を完全に覚えたとはいえないし、もう後輩が入ってきてしまう、すなわち一年目の「何でも質問できる」という特権も失われてしまうのだと思うと恐怖でしかない。

仕事が楽しいかといわれればそんなことはなく、成果物を出したときの達成感や、依頼人から感謝されて満足感を覚えることもあるが、基本的には地味で難しい仕事である。そんなことをパートナーの先生に相談したら「まぁ、仕事なんて基本的にはしんどいものでしょう。少しでも楽しいときがあればいいんじゃない」と言っていただき、なんだか肩の荷が下りた。

 

仕事はこの一年色々とやったが、主にはコーポレートとIP業務である。色々な契約書をレビューして、多少なりとも各々の契約類型で見るべきところはわかってきたようにも思う。英語の契約書にもだいぶ慣れてきた。不正調査案件や仲裁(になりそうな事案)にも携わることができた。また、(もちろん共著であるが)会社法関係の書籍の執筆にも携わることができた。

他方で、自分が何を専門とすべきかが相変わらず見えてこず、モヤモヤした感じは続いている。大学の学部を決めるときも(昔から弁護士になるのが夢だったが、実は文学部と迷っていた)、修習地を決めるときも、本当に直前まで悩むのは悪い癖である。

結局、決断というのは他のものを捨てるということだが、それをやるだけの勇気がないから先延ばしにして選択肢を残しているということであり、これが僕自身一番問題に思っている性格である。30年経っても変わらないのだからうまく付き合うしかないのだろうが、やはり(少なくともビジネスで)成功している人の多くは即決家が多いというから、変えなければいけない部分だと思っている。

 

仕事は色々やったが、実は一番楽しかったのは専門とは全く関係のない国選弁護であった。

元々刑事事件が好きで弁護士を目指したわけだし、検事とも進路を迷ったのだから当然なのだが、とてもやりがいがあった。何より案件の方針を考え、接見し、書面を起案し、検察官等と連絡をし、というのをすべて自分一人でやったのだ。大阪の修習の指導担当に相談したり、秘書に校正はしてもらったものの、あとは誰の指示も受けず、自分で考えて作業し、自分が起案した書面がそのまま出る。達成感がないわけがない。普段の仕事では上の先生のチェックが入り、自分一人で案件を行うことはまずないのだから…(もっとも、他の案件でも書面の出来が良ければあまり修正が入らずに最終盤になりうるので、そこは僕の力不足でしかないのだが……)。

じっくり一対一で話をするのが好きということもあり、接見も全く苦ではなかった。被疑者がたまたま同い年だったということもあり、共感する部分も多かったし、私生活や趣味の映画(キューブリックである)のことについても色々話した。頼ってもらっているという感覚もあり、それが何より嬉しい。

さらに、成果も出た。たしかに雑な勾留請求ではあったのだが、勾留の裁判に対する準抗告が通ったのである。申立てをした即日被疑者は身柄を解かれた。初めての刑事事件で中々通らない準抗告が通ったわけで、思わず大阪の先生に電話してしまった。

その後、示談を成立させ、終局処分に対する意見書も起案し、無事に不起訴となった。被疑者にもそのお母さんにも喜んでもらえた。なんだか自分が弁護士になった実感がようやくあった。

多分この事件のことはこれからずっと忘れないんだろうなぁ。

 

 

裁判はようやく一つだけやっている。揉めている案件は気苦労も多いのだが、どちらかといえばドタバタしている方が好きな僕にとって、裁判案件に一つしか関われなかったのは残念である。来年は裁判の件数を増やし、一般民事の案件にも取り組んでいきたい。

また、目の前の案件をただこなすだけではなく、そこから何を学び、次に繋げていけるかを考えるようにしたい。

2年目は1年目のような甘いことも言っていられないだろうし、仕事量も増えると聞いているので戦々恐々ではあるが、体には気をつけつつ頑張りたいと思う。

 

「弁護士は食えない」は本当なのか問題

僕が大学生くらいの時から「弁護士は食えない」というメディア報道が過熱となり、就職難であるとか、給与水準が低くなったとかが盛んに叫ばれるようになった。実際、そういった報道に接して弁護士になるのを辞めた人も多いように思う。

しかし、データからも、体感からも、これは(少なくとも現在では)嘘だと思う。心配して弁護士という進路を辞める必要は全くない。

そこで、大きく1就職 2弁護士の需要 3給与水準に分けて書いていきたいと思う。

 

1 就職

司法制度改革により弁護士の数は大幅に増加し、就職が難しくなったと言われた。せっかく司法試験に合格しても就職が無いだとか、即独(事務所に就職せずいきなり独立すること)をするしかないだとか、事務所を借りる金がなくケータイ一つで活動せざるを得ないとか、酷い言われようである。

これについて友人がお世話にもなっている坂尾先生が大変わかりやすい記事を書かれていたので、参考にしてほしい。

ginzalibrary.com

辛辣なことも書かれているが、非常にわかりやすくかつ正確な指摘だと思う。

これによると、新65期前後は(就職難というのは)真実で、60期後半以後は嘘、ということである。

すなわち、今から8年前の2012年前後はたしかに就職は難しかったが、その後改善され、むしろ就職は比較的簡単になったということである。

この理由としては合格者数の減少大手事務所の採用数の増加が挙げられている。

 

合格者数の減少

すなわち、65期前後は合格者数が一番多く2000名以上いたが、その後減少し、現在は1500名前後となっている。

毎年供給される新人の数が4分の3にも減れば、当然売り手市場に傾く。

 

大手事務所の採用数の増加

そして、大手事務所は採用数を年々伸ばしている。具体的に、五大事務所と言われるところに話を限っても、65期は合計98名の採用だがその数は年々増加し、72期では214名となっている*1

すなわち、72期についていうと、修習修了者は1487名なので、およそ7人に1人が五大に就職する

さらに、東京の弁護士に限ると、東京三弁護士会の登録数は596名なので*2東京で登録する弁護士のおよそ3人に1人は五大に就職するということになるのである。僕も調べてみてこんなに多いのかと驚いた。

さらに、五大に加え、いわゆる新興系と言われる事務所も年々採用を伸ばしており、例えば72期の採用はアディーレは19名、ベリーベストは42名である。

このように、企業法務の拡大によって弁護士の採用数は年々増加しており(しばらくこの傾向は続くと思われる)、受け口は確実に広くなっている。

 

このように7年前と比べれば合格者数は4分の3に減少し、採用数は増えているのだから(五大だけでも2倍)、当然就職は容易になっているといえる。

 

2 弁護士の需要

弁護士の数が増えて仕事が無い…と言われる根拠の一つに、裁判件数の減少がある。

司法制度改革は「法の支配」をあまねくいきわたらせる、との理念のもとに始まり、裁判件数が増加することを見込んだが、思うように数は増えなかった。

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*弁護士白書2018年版(https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2018/3-1-2_tokei_2018.pdf)より。むしろ減少している。


まぁ日本人が元来争いを好まない性格であることを考えれば当然かもしれない。

では、裁判を飯のタネとする弁護士の仕事は減ったのか?

そんなことはない。弁護士の仕事は何も裁判・訴訟だけではないのである。

企業法務のメインの仕事はいわゆる予防法務、すなわち、紛争にならないように未然に法的リスクを指摘し、アドバイスする業務である。あるいは業務を進めるために新たな契約書を作成したり、交渉したりする業務である。裁判まで発展するケースというのはかなり少ない。

実際僕も弁護士になって9か月経つがあまり訴訟には関与していない(これはこれで弁護士として問題だと思っているが……)。日常の業務は、NDA(秘密保持契約)や売買契約等の各種契約書のチェック、SPA(株式譲渡契約)や利用規約の作成等、その他企業からの相談に対応するための判例や文献のリサーチ等である。

むしろ、新たなサービスが日々増え、M&A等が盛んに行われる今の経済情勢にあって、こういう仕事の需要は益々増加しているのである。

 

街弁に代表されるような昔ながらの弁護士像、すなわち市民が相談に来て裁判に行って、、、というのはたしかに少なくなっているかもしれないが、他方で上記のような企業法務の需要は増加しているのである。

最近はドラマSUITSの影響で企業法務弁護士の姿も知られるようになってきたと思うが、僕が初対面の人と話している限りはまだまだ十分に認識されていない。かつての弁護士ドラマで企業法務を扱うものは少なかったし、仕事で企業法務弁護士と接する人も事業会社の法務部等限られているから、仕方ないのもあるだろう。

それなのにイメージだけで「裁判が減ってるから弁護士の仕事も減っている!」とか言われるのは正直たまったものではない。よく調べてからモノは言ってほしい。

 

3 給与水準

「所得」

給与水準が下がったという例としてよく持ち出されるのは、国税庁の統計である*3

これによれば弁護士の半数の所得は600万円以下であり、たしかにあまり高くない。

しかし、まず注意しなければならないのは、これは「課税所得」だということである。弁護士は基本的に個人事業主なので経費が使える。節税した上での所得なので、通常の会社員の額面給料とは意味が違う。

また、これは地域差を考慮していないので、東京に限ればもっと高いと思う。

さらに、表の見方を変えれば1000万円以上が3割だし、2000万円以上は14%もいる。これはやはり通常の会社員に比べれば高い水準といえる。

 

 

所感

ここからは主に友人から聞いた話だが、周りの友人などを見ていると、給与水準は全然これより高い。

*ただし、東京と大阪(主に東京)しか知らないので、そこは割り引いてください。

まず、大手事務所や外資系事務所の初任給は1000万を超える(あまり詳しくは書くべきではないだろうけど、これくらいは書いてもいいのではないかと思うので書いています)。東京の新卒弁護士の3分の1以上は1000万円以上からスタートしているのである。

その他の事務所はかなり差はあり、確かに600万円くらいのところもある。しかし、前述のように大手の数が圧倒していることを考えれば、大体東京の事務所の初任給の平均は700〜900万といったところではないだろうか。ちなみに、大阪だとおそらくその-100〜200万というところだろう。

弁護士になるために費用と時間を要することを考えても、この水準は依然として高い。もちろん一部の金融やコンサルもかなり高い給与水準にあるが、普通の企業に入れば10年位働いてようやく到達できるであろう額に、1年目からいきなり乗れるというのは夢がある。

 

というわけで、きちんと勉強して司法試験に受かれば(まぁそれが大変なのだが)、きちんと稼げる環境にあると思う。弁護士という人種はひねくれ者が多いのか、Twitterを見ていても自嘲的な人が多いが、もっと魅力を発信してもいいのではないかと思う。 

麻布十番②

 

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麻布十番という街……皆さんは来たことがあるだろうか?

僕にとっては「大人な街」であり、住み始めるまでは夏祭りくらいでしか来たことがなかった。まさかあのときには自分がこんなとこに住むことになるとは全く想像すらしていなかった。

しかし、いざ住んでみるとなかなかに良い。

 

名前

まずなんといっても()名前がかっこいい。麻布十番。京都の街もそうだが、数字が入った地名ってかっこいい。麻布十番駅祇園四条駅には負けるがかなりかっこいい駅名である。十番と略すところも乙である。

なお、アザジュウとは略さないらしいので注意されたい。

名前の由来には諸説あるが、港区のHPによるとこんな感じらしい。

この町名の由来はいくつか説があります。江戸時代に古川の改修工事のため「第10番目の工夫を出した地域」とか、「10番目の土置き場だったから」、「10番目の工区だったから」などの説が有力です。特に最後の説は、土置き場を示す杭が後に残っていたという記録があったことからも、信憑性が高いと思われていますが、はっきりしていません。

いずれにせよ10番という区切りの良さで縁起が良さそうである。

 

雰囲気・グルメ

都会でありながら落ち着いている。六本木の喧騒が嘘のような上品な町である。石畳みの素敵な大通り。神楽坂や京都を思わせるような独特の雰囲気がある。実際に盆地にあることと、坂が多く暗いことからも、街自体が一つの隠れ家を形成している。

そもそも麻布十番は、六本木六丁目、鳥居坂、飯倉片町あたりにあった武家屋敷の坂の下、そしてそれ以後は高級住宅街南麻布の台所として発展した下町である。下町というと江東区台東区葛飾区等東京の東側のイメージだが、山の手の港区のど真ん中に下町があるというのは面白い。そんなわけで、浪花家総本店(たい焼き屋)をはじめとする老舗の名店、昔ながらの花屋、本屋、おもちゃ屋、パン屋といった商店等が現在も残っている。これが、今風のオシャレなレストランやカフェと同居している。これがまた面白い。

グルメは東京の中でも群を抜いているのではないだろうか。とにかくどこに行っても美味しい(値段は張るけど…)。和食のお店が多いが、大使館が集中し外国人が多いことからも多彩で、イタリアン、アジア料理、韓国料理等々、麻布十番で食べられないものはあまり見当たらない。

デート向けの上品な店が多いが、意外と一人でも入りやすいうどん屋や中華料理屋もあるので、一人暮らしでも困らない充実した食ライフを送ることができる。

他方で、やはり大人な街だからだろうか、ラーメンに関しては残念である。そんなに数が無いし、その少ない店もそんなにパっとしない。油そば屋がないのが個人的には辛い。泣きながら麻布ラーメンをすすっている。

 

アクセス

六本木まで徒歩圏内ということを除いて、他の街へのアクセスは正直にいって微妙である。そもそも麻布十番駅の歴史は浅く、2000年にようやく地下鉄が開業した。それまでは「陸の孤島」と呼ばれていたようだが、今でもその感は拭えないところがある(元々麻布十番の隣の南麻布は高級住宅街で車移動が多く、電車が無くても不便でなかったというのもあるらしい)。

現在、南北線大江戸線が通っている。ユーザーには申し訳ないが、南北線は特に行きたいと思える駅がない。大江戸線は新宿に行くには重宝するが、とにかく深くて乗るまでが億劫である。

僕が休日によく行くのは銀座・有楽町・新橋、新宿、渋谷あたりだ。新宿は一本で行けるものの、新宿駅に着いてから地上に上がるまでが大変で遠く感じる(しかも南口に出るので東口まではさらに遠い)。その他の場所は乗り換えがいるし、乗り換えでかなり歩く。やはり日比谷線か銀座線が通っていてほしかった、、、どこでも一本で行ける中目黒にすればよかったと思うことが結構多い。

というのも、麻布十番は生活をするには便利だが、大規模商業施設があるわけではないので休日の買い物にはどこかに行く必要があるのである。じゃあ六本木まで歩けばいいじゃん、ということだが、休日くらい違うところに行きたいし、六本木は意外と店が無い。ビックカメラセレクトがオープンして多少は便利になったようには思う。

ただし、である。バス網は意外と発達している。港区はバスが便利なのである。例えば新橋駅までは駅前からバスで18分。渋谷駅までは駅前からバスで23分。ちょっと時間がかかるが、そう考えればそんなに不便ではないかもしれない。電車を使うのは辞めよう。

 

カルチャー

僕は全く知らなかったが、麻布十番セーラームーンの舞台であり(主人公たちの通う中学校が十番中学校)、現在では駅の近くにショーレストランまである。セーラームーンはお嬢様だったのか……。

それから、新一の橋交差点の西辺りにクラブがある。商店街・住宅街の近くにクラブがあるというのも面白い。ちょうど僕が引っ越す前くらいにELEは閉店し、現在はけやき坂下の1OAKが移転し再オープンしている。今はコロナの影響で閑散としているが、またこのあたりも賑やかになるんだろうなぁ

 

見るからに金持ちそうな人が多い。マダム、金持ちそうな若夫婦、イケてる若いカップル、等が主である。芸能人もやはりチラホラ見かける。僕の生まれ故郷とは雲泥の差である。そのためちょっと気を張ってしまう(職場の同僚も多い)。

 

生活環境

以外にもスーパーは充実しており、成城石井ダイエー、けやき坂の方まで行けばリンコスもある。前述のように一人で入れるご飯屋もチラホラある(牛丼屋はないが…)。あとドラックストアもやたらと多い。マッサージ屋も多い。カフェももちろん多い。そんなわけで一通りのモノ・コトは揃うので、住みやすい街である。

 

やっぱり河原町が大好きな僕だが、十番の街並みや雰囲気は京都に近いところもあるし、なんせ古い街なので、東京の深い歴史を感じることができる。なんだか東京のこともちょっぴり好きになれそうである。

皆さんも是非麻布十番に遊びにきてください。いずれ大阪みたいな麻布十番グルメガイドも作成したいと思う。

麻布十番①ーコンクリート・ロフト・東京タワー

そろそろ2ヶ月になりますが、ようやく引っ越しました。

ここ一年半は、2年間住んだ東京 早稲田のボロシェアハウス(家賃3.4万…)を出てからドタバタでした。

 

①大阪 淀屋橋 自宅 7ヶ月半(実務修習)

②埼玉 和光 いずみ寮 1ヶ月半(集合修習)

③大阪 淀屋橋 自宅   1週間(休み)

④沖縄 宮古島 ゲストハウス 2週間 (選択型実務修習)

⑤大阪 淀屋橋 自宅  2ヶ月(選択型実務修習)

⑥韓国・中東・アフリカ ボロドミトリーを渡り歩く 2週間(一人旅)

⑦東京 芝公園 友人宅 1ヶ月  (弁護士1ヶ月目)

⑧フィリピン セブ  3人部屋寮  1ヶ月(海外語学研修)

⑨東京 芝公園 友人宅 3ヶ月 (弁護士2〜4ヶ月目)

 

と、大阪の家を軸にしながらも、和光の寮に入ったり、宮古島のゲストハウスで過ごしたり、東京に戻っても友人の家に居候したり、研修でセブに行ったり、と場所的にも生活環境的にもドタバタしました。

大阪から家を決めず退去もせぬまま関空から中東に逃亡し、そのまま成田に到着するというアクロバット帰省を成し遂げました。大阪が居心地が良すぎて引っ越す気が起きなかったんですよね。

1月に2回大阪に行ってようやく退去を終えましたが、でもなんだか寂しいので、住民票はまだ大阪のままです。

 

旅行好きとしては色々行けるのは楽しいし、飽き性の僕には最適なのですが、モノとかも買いにくいし、とにかく精神的に落ち着かないところもありました。

 

しかし!ようやくここ麻布十番に定住できたのです。大阪から数えて10個めの住処で麻布十番というのも気が利いています。

まさに、全集中移動の呼吸拾ノ型・麻布十番です(鬼滅の刃ネタです)。

 

******

 

さて、というわけで住む場所は散々迷った末に麻布十番にしました。

職場に近すぎるし大人すぎるし暗そうだしアクセスも微妙だしどうかな?と思い中目黒で探していたのですが、中目黒の超絶オサレ物件が埋まってしまったこと(これが悔やんでも悔やみきれず家探しは難航)、最初は近いほうが色々いいだろうというのと、若いときしかこんなところ住めないだろうということ、最初は都会のど真ん中で頑張ろう(フィリーのときもそんな感じでしたね!)、ということで、選びました。

 

あと、とても素敵な「変な家」が見つかりそれが決め手となりました。

こだわりポイントは

 

①コンクリート打ちっぱなし

②広いロフト付き

③東京タワーが見える

です。

①打ちっぱなしは冬は寒く夏は暑くて光熱費が高くつくとか、寒々しいとか、色々言われてますが、実際住んでみるととにかくカッコいいの一言に尽きます

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最高の気分になれます。光熱費とかはもはやどうでもいいです。やらない理由を探すのはやめたい。

とにかく最高です。空間というのはやはり大事だなぁと日々思います。おすすめです。

※ただ、色んな打ちっぱなしの家を見たんですが、狭くて全面打ちっぱなしだと流石に閉塞感を感じるので、ここらへんは部屋によります。

 

②ロフトは秘密基地感がありテンションが昇り炎天です。高さもそこそこあり7畳あるので普通に部屋として使えます。

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さらにこれにより天井が高くなり下の部屋も広く感じるので言うことなしです。下で寝ているのですが、朝目覚めたときの開放感が素晴らしい。

生活空間が2つあると気分も変わっていいですよね。ロフトを素敵な書斎にする予定です。

 

③そして東京タワー。

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あぁ東京に住んでるなぁと浸れます。東京タワー、何度見ても飽きないんですよね、不思議な魅力があります。

仕事終わりにベランダに出て光り輝く東京タワーを眺めながら飲むビール、最高です。こんな夜景を毎日独占できる、贅沢なもんです。たまに遅く帰るとすでに消えていてシュンとします。

 

さらに駅チカ、築浅、バスタブ付きという絶対に譲れない条件も満たせて、しかも追い焚き機能なんて贅沢なものまで付いていて、最高です。バカ高い家賃を払う価値もあると思っています。

 

次回は麻布十番という街について書きます。

 

 

30

 

私事ではありますが、先日30歳になった。

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(誕生日プレゼントにもらった30年物のバランタイン

 

30歳というといよいよもう若いとは言ってられない。節目の年だなぁという感じである。

しかし、30になったからといって何かが急に変わるわけではなく、「何かしら変わらなければならない」という強迫観念に近いものがあるだけである。

僕はこの年にしては精神的に幼いと思うが、それは大きく二つ理由があると思う。

一つは小説が好きで現実的な思考よりも理想論を語るのが好きなことだ(6年いた早稲田の校風もあるのだろう)。簡単に言えば、社会に対するアンチテーゼや人間的に大切なものの追求である。これは社会のしがらみの中で失われてしまうものの代表格だろうけど、「社会はそういうもんだから」の一言であきらめず、そういう理想を追う心は常に持ち続けたいと思う。

もう一つはやはりいわゆる社会生活が短いからだろう。日本のように「学生」と「社会人」で分断する文化は良くないと思っているが、やはり「社会」に出て揉まれていくことで人は大人になるのだと思う。不条理を受け入れなければならない面が増えるのもそうだし、利害関係はあるが今まで関わったことのない人と関わることも増えるし、そういう中では自分を押し殺して社会的に求められる姿に自分を合わせる必要がある。特に僕のように大きい組織で働いている場合は(弁護士という自由業であったとしても)ある程度はやむを得ない。

普通に現役で大学に行き、ローの既修に行き、現役で司法試験に合格した場合は27の歳であるが、僕は二回の浪人と留学により+3である。予備試験ルートの人は下手したら5歳下とかである。そういう年下の人が先輩にたくさんいたりするわけで、だいぶ先に行かれちゃったなぁ、とへこむこともある。そして、働き出せば経済的にも自立し、ある程度の余裕が出てくる。今までのように生活がやっとという状態ではない。欲しいものも色々買えるようになり、身の回りの物のレベルなんかも上がってくる。お金をどこに使うか、どういうライフスタイルを希求するかということも重要になってくる。次のステップとして結婚等の将来設計へも意識が向くようになる。通常であれば23~24くらいの歳で経験するべきことをこんな遅くに経験しているわけで、その点はなんというか、若いときの振る舞い方にだいぶ違いが出てくるだろう。僕は芸人みたいなもので長い下積みがあり、ようやく芽が出たというところなのだ。もっとも、弁護士としてはこれからようやくまた下積みなのではあるが。

この業界はまだまだ「若いうちに受かるのがなんぼ」という風習があり、実際「期」というものですべてが決まるある意味縦社会である。最終的には実力主義だが、しばらくはこの「期」が付きまとう。司法試験の勉強と実務に開きがあることからもすると、早く弁護士になって実務家として様々な経験をする方がいいという意味で理にかなった考え方だとは思う。

僕はジョブズスタンフォードのスピーチが大好きだが、そこでconnecting dotsという話がある。要は、色々と重ねてきた経験である点が、将来どのような形でつながるのか(役に立つのか)というのは振り返ってみなければわからないという話だ。とても好きである。端的に行ってしまえば出たとこ勝負であるが、その時の自分のやりたいこと(inner voice)に耳を傾けろというものである。

思えば僕も司法試験合格という一つの確固たる目標のためにこれまで頑張ってきたわけだが、その間にたくさんの寄り道をした。色々な国に旅行に行ったり、たくさんの小説を読んだり、様々なバイトをしたり、二回の留学をしたり、ペンでビジネスの講義を取ったり、官僚の就活をしたり、色々である。たしかにいわゆる最短ルートとは程遠く、一心不乱に直線的に来たわけではない。そうやって直線的に来たら弁護士人生がより長いものになり、成長もできたのかもしれない、と思うこともある。しかし僕はやはり、その点がいつか繋がってより良い人生になることを信じている。色々なことがあったけど、それが役に立ったり、あるいは自分でも気付かない形でも何らかの影響を与えてくれていることを信じている。

そんな意味で、人よりは一歩も二歩も遅く人生を生きている気がするのだが、だからこそここまででき得ることはたくさんできたんじゃないかと。そしてだからこそこれからは弁護士としてでき得ることをたくさん楽しむことができるんじゃないかと。そんな気がしています。

 

僕が子供の時に見ていた30歳の大人と比べると、相変わらずどうしようもない人間な気がする。まぁ誰しもそんなものでしょうか。でも、色々過去の行動や決断を振り返って考えてみれば、今の自分ならそんなことはしないだろうな、という恥ずかしいようなこともたくさんしてきたような気がする。社会や街や人を見る目も変わってきたような気がする。そういう意味では多少は成長しているんだろう。

30代の抱負としては、仕事がある程度できるようになり、自分の考えを持ち、自分の好きな物に囲まれた「カッコいい大人」になることである。こだわりを持って生きていきたい。でもこだわりに囚れた「つまらない大人」にはなりたくないし、変化を恐れない柔軟性も持ちたいと思う。でも自分らしさや自分の芯も大切にしたい。

昔は到底手の出なかった、初めてのボーナスで買ったチャーチのディプロマットを履きながら、でも14歳のときから聴いていたoasisを聴きながら、そんなことを思います。

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官庁訪問という時代錯誤な採用制度

「まさか。大体はアホだよ、アホじゃなきゃ変質者だ。官僚になろうなんて人間の九五%までは屑だもんなあ。これ嘘じゃないぜ。あいつら字だってロクに読めないんだ」

村上春樹ノルウェイの森』)

 

今年も官庁訪問の季節がやってきました。

僕は司法試験と並行して国家総合職試験に合格し、官庁訪問を経て某省庁の内定を得たわけですが、官庁訪問は時代錯誤な採用制度としか思えません。

そこで前に書いていた官庁訪問批判記事を投稿します。

*なお、当然ですがこれは各省庁自体への批判ではなく、官庁訪問という制度自体やそれを運営している人事院への批判です。私が訪問した省庁の職員の方は皆さん学生のために丁寧な業務説明を行ってくださいましたし、学生に気を遣って採用活動を進めてくださいました。その点は改めて感謝申し上げる次第です。

 

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1  なぜ事前予約制にしないのか

官庁訪問は事前予約制ではなく、総合職試験に合格して採用名簿に名前が記載されている限り(総合職の場合は合格から三年間)アポなしで行える。面接カードすら、持参せずとも当日に待合室で書いてもよい。そのため、一応直前・当日まで訪問官庁を選ぶことができる点で学生にとりメリットとなっている。

しかし、説明会参加人数等である程度は予想できるとしても、おかげで官庁側は何人来るかを事前に把握できない。学生が希望する原課面接(*1対1の業務説明)の分野もわからない。その結果、膨大な待ち時間を学生に課すことになる。

待ち時間の間は一応雑談や読書等何をしてもいいことになっている。しかし、職員の方と会話したりしなければならないことも多いし、しかもいつ呼ばれるかわからない緊張のためものすごく疲れる。事前予約制にして人数と原課の希望を事前に把握しておけば当日に慌てて手配する必要もなく、こんな待ち時間は発生しないはずである。

 

2 拘束時間が長すぎる

拘束時間も無駄に長い。一応人事院の建前としては「受験者を早期に帰宅させるよう最大限配慮する。 午後10時以降にわたって受験者を拘束しない。」としている。これ自体も長すぎると思うが、さらにこれは建前にすぎない。終電までの拘束は日常茶飯事であり、実際に僕も終電で帰ったこともある。

何より、朝の段階で霞が関から最寄り駅までの終電時間を申告させられる。これには閉口した。

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(字が汚いのはご容赦あれ)

8時半から24時過ぎと16時間近く拘束され、実際に原課・面接等が行われるのはそのうち4時間程度であり、それ以外はいつ呼ばれるかわからない状態で待合室でずっと待機させられる。待合室は環境省が決めた謎の28度設定のせいでものすごく暑い。非効率だし人権無視以外の何物でもない。

確かに、その間も職員の方が声をかけてくれたり、飲み物とお菓子が振る舞われたりという配慮はある。また、学生が終電まで残っているということは職員の方もそれ以上に残っているということである。

しかしそんなのは上に書いたように事前予約制を取ったり、日程を工夫すれば簡単に解消できる。こんな拷問のようなことをする必要はまったくない。

 

3  本音と建前の乖離

官庁訪問では、各クールごとに、2〜3回の原課と、入口、出口を含めた3回程度の人事面接が行われる。

原課は各省庁で現役に働かれている課長補佐級の方と1対1でお話することができる。業務内容について懇切丁寧に説明してくださり、最新の法改正等のトピック等を含め、あらゆる質問に応えてくださる。これはかなり貴重かつ魅力的な時間である。

しかし、建前上は原課はあくまで「説明会の延長としての業務説明」ということになっており、採用の評価へは響かないとされている。実際に明確にそのように言われた。

しかし、そんなわけがあるだろうか?人事の面接自体は非常に短いものであり、原課担当者からのフィードバックがないわけがない。採用には関係ないと言っておいてそれを行っているならば不意打ちであり卑怯と言わざるを得ない(本当に何も関係が無いならばごめんなさい)。

また、原課で業務説明があることからも、官庁訪問に際して事前の知識は不要とされている。しかし、原課がないうちから人事面接が入ることもあるし、知識が不要なわけはない。もちろん訪問している時点で興味があるわけだから必然的に知識も集めてきているはずであるし、何より志望しておいて何も知りませんという就活生はどうかと思うが、こうやってハードルを低くして学生を集めるやり方はあまり綺麗とはいえないだろう。

 

4  とにかく意味が分からないことが多い/人権無視

前述のように拘束時間が長いだけでなく、訪問中は事実上の軟禁状態であり、コンビニなどにも勝手に行ってはいけない。食事のときはゾロゾロと職員と一緒に食堂なりコンビニなりに行ったりする。勝手に建物のどこかに行かれてはならないというセキュリティ上の問題があるとしても、そこは立入り禁止区域を設けたり警備員を配したりすることで対処可能である(また、とある省庁では原課に個人で行かされたのでその理由は通らないと思われる)。

 

 

某省庁で実際にあったことである。

まず僕ともう一人が呼ばれる。面接ですか?と訊くと、「さきほど(すなわち原課)と同じようにお話を聴いてもらいます」と返ってくる。そして連れて行かれたのは面接室である。勘違いなのだろうか?嘘をつく意味がわからないし、答えられないならば答えられないと言えばいい。

面接室の前の椅子に座らされ、待つように言われる。すでに5人くらいが待機している。徐々に呼ばれて中に入っていくが、その呼ばれる順番はバラバラで、中には2時間待たされた人もいた。2時間である。僕の隣の女性の学生はあがり症らしく、2時間ずっと緊張していて相当疲労していた。扇子でいくら仰いでも汗が止まらない。いつ面接に呼ばれるかわからない状態で待たされる苦痛は読者の皆さんも想像できるだろう。なぜ面接の直前に待合室から呼ばないのだろうか?全く本当に意味がわからない。

終わるとまた椅子で待つように言われる。数人が集まるまでそこで待たされる。別にそのまま待合室に各々帰らせればいいのではないだろうか?理解不能な非効率さである。

 

こういう人権を無視した取扱いの理由をあえて考えるとすれば、こういう理不尽にも耐えられる人材、長時間の拘束にも耐えられる人材を求めており、そのテストということだろうか。アメリカの大学のファイナルクラブでも今時そんなことはないんじゃないだろうか。

仮にそうだとするならば、そんな理不尽がまかり通る官庁の仕事はどうかね?と言わざるを得ないし、日本人お得意の我慢大会でしかないと思う。

 

5 おわりに

官庁訪問という制度は昔から行われているんだろうが、日本の非効率さと理不尽さ、苦労を美徳とする悪習の象徴であるように思えてならない。優秀であるはずの官僚の人たちがこんなことを何の疑問も覚えずにやっているとは考えられないが、悪しき伝統として認知されているのだろうか。俺も苦労したんだからおまえらも頑張れ、ということだろうか。

そして日本の中央省庁がこんなことをやっているようでは国力の低下もむべなるかな、といったところである。優秀な学生が官僚という進路を選ばずに民間を選ぶようになってきたというのも納得ができる。公務員はオワ〇ン等と揶揄されても文句は言えまい。

民間でも怪しい企業は怪しい採用活動や怪しい新人研修をやっているところもあるだろうが、中央省庁にはコンプライアンスの意識とプライドを持ってほしいところである。

 

官庁訪問は騙し合いでとにかく疲弊する。僕も内定を得て終わってみれば「まぁなんだかんだあったけど内定取れたし、大変だったけどいい経験だったかな」とも思ったが、それはあくまで結果論であり、普通に考えて異常な採用制度である。

もちろん国の制度を変えるというのは大変な努力が必要だろうが、より良い人材を得るためにも採用制度の変更を強く望む次第である。

学生の皆さんは暑い中大変ですが、頑張ってください。

業務/コロナ禍/四条木屋町・三条木屋町

 

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ご無沙汰しております。ぺんぎんです。

弁護士になり4か月が過ぎました、、、が、2月は研修で海外におり、1月は以前書いたように座学の研修がメインだったので、実際に弁護士として働いて2か月半というところです。

3月は本当に忙しく、、、全てが不慣れなことの連続で、事務所のシステムに慣れるのに時間がかかり、レビューやドラフトも予想しているより大幅に時間がかかり、やっと終わって提出したと思ったら真っ赤になって返ってきて、その修正が数個重なり、、、と、毎日がむしゃらに働いておりました。深夜になっても全然終わらず「あ、これ無理だ」と絶望しかけた機会も結構な回数ありました。こんな生活をしていては寿命が縮みますね。

とはいえ、毎日締め切りに追われる生活は、目の前のことに必死になっていればよく、その点は余計なことを悩まずに済むので、ある意味助かります。どうにかこうにか成果物を提出できた時の達成感は得難いものがあります。

1月は以前書いたようにこれからやっていけるか不安で、家に帰ってきて何をやっても楽しくないというちょっとした鬱状態でした。映画・ドラマ・アニメ・漫画等で気晴らししようと思っても、むしろ膨大なコンテンツ量にうんざりしてしまい、「こんなに色々あるのに新しくモノを作る意味、ひいては仕事の意味ってあるのか?」等と思っていました。迷惑をかけながらも少しは人の役に立てている3月のほうが精神衛生は良かったです。

一応英語ができるという体で入所しているので、英語の仕事を振ってもらえる機会も多く、嬉しいことです。LLMで学んだのはアカデミックな判例解釈等ですが、実務では契約書のレビューやドラフトが中心であり、契約書の授業等を履修していなかった自分にとっては特殊な契約英語は大変難しく、自分が情けなくなる思いもあります。しかしこれは慣れの部分が多く、回数を重ねるにつれて徐々に表現が頭に入ってくる実感があります。成長を感じられる分野なので楽しいです。

難しいことには変わりがないですが、そんなに抵抗なく英語で業務ができているのはやはり留学のおかげであり、留学頑張って良かったなぁ、と思っております。

 

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さて、世の中はコロナで大変です。僕もリモートワークを初めて1か月経ちました。優柔不断を発揮しまくって全然家が決まらず、未だに友人の家に居候させてもらっているのですが、こんな状態だとかえって話し相手がいて助かっています。ありがとう友よ。おかげさまで毎日楽しく生活しております。

ちなみに、家は10数軒に及ぶ内見を経てようやく決まったのですが、コロナのせいで審査がストップしてしまいさらに延び延びになりました。こんなとこにもコロナの影響が……。ようやく来週引っ越しすることになります。

 

コロナで働き方や、仕事それ自体の価値観も変化していますよね。一番問われているのは、「出社する意味」です。別にパソコンでやれる仕事なら出社する意味はそんなに無いということが露呈されてしまいました。実際、僕もリサーチなどは書籍が少なく困るものの、ディスプレイやキーボードも揃っておりそんなに不都合は感じていません。

僕は昔から出張の意味がよくわかりませんでした。確かに顔を突き合わせて話す意味はあるし、最初の顔合わせとかは大事でしょうが、毎回の会議を高い交通費や宿泊費を払ってまでやる意味はあるのか、そこの費用対効果を考えると絶対無駄だと思うんですよね。多分、出張は従業員へのちょっとしたサービスの意味もあるんだろうと思っていますが……。

そして、上で僕が感じたことと少し関連するのですが、「多くの仕事の意味や存在意義」が問われています。別にみんな家でできるなら、不要となる仕事は残念ながらたくさんあるわけですよね。というか、そもそもそんなに必要性の無い仕事・人は無くても困らないということが今回で露呈されてしまったわけです。みんな気付いてはいたけど失礼だから言わなかったようなことが。

言ってしまえば、大半の仕事は機械に取って代わられて不要になります。コンビニのレジは自動になり、インフォメーションセンターは高輪ゲートウェイのようにAIになり、警備員は防犯カメラやゲートで多くが代替できるし、家電量販店の販売員はアマゾンレビューがあればいい。

 

……とまぁこういう風に思ってしまうわけですが、「味気ない」……ですよね?全部が全部効率で考えるのは「味気ない」と思いませんか(ジョルノ風)。

数週間ならともかくずっとリモートだと精神的にも辛くなるだろうし、同僚とのふとした会話から学ぶこととか、先輩の仕事ぶりを見て学ぶこととか、ふとした立ち話で元気が出るとか、そういうのがなくなってしまうのはかなり残念です。やはり対面で顔を突き合わせないとわからないことも多いでしょう。人間はそれこそ機械じゃないんだから、そう効率だけで済む話じゃないと思うんですよね。

そういう意味では、出張も、費用対効果は悪いにしても、気分転換になってモチベーションも上がるだろうし、見えないところで学べることも多いはずです。

そんなわけで、アフターコロナがどうなるかは注目ですが、また出所してコミュニケーションを取りながら仕事をするのが楽しみではあります。

 

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ところで、コロナが隆盛を極める前の3月上旬に、修習同期の結婚式で大阪に行ってきました。

金曜夜に新幹線で来阪し、御堂筋線本町駅で降り、夜風の気持ちいい本町通りを歩くと、たった2か月ぶりなのになんとも懐かしい思いになりました。引越しを手伝ってくれた友人と堺筋本町で落ち合い、炉端焼きの美味しい居酒屋で、東京での面白おかしい話をアテに飲みました。

翌日懐かしの御堂筋線に乗ると、隣に座ったおばちゃんに「あんた、彼女はおらんのか?勿体ないなぁ。ええ神社紹介するから行ってき。いい人見つけてや」と話しかけられ大阪を全身で感じました。梅田で降りて最近できたリンクスに寄り、少し歩いて馴染みのにしむら珈琲で修習で一番仲の良かった友人と落ち合いました。大阪で初めて二人で飲んだ修習生もお前だったな、と感慨に浸りました。

いざインターコンチネンタルの結婚式、修習同期の面々と久々に会い、弁護士としてのお互いの生活の様子について話しました。大半は大阪で働いており、あの僕の中では止まった大阪の時間が彼らの中では弁護士という形で続いているんだと思うと羨ましい気持ちでいっぱいになりました。ずっと一緒に飲み回っていた同期の悪友は立派な新郎として、綺麗な新婦さんとともに輝いて見えました。この同期二人は僕の大阪の一生の「ツレ」です。

梅田のワインバーで簡単な二次会をしたあと、僕は難波に住む友人に会いにミナミに行き、宗右衛門町の老舗バー・マスダで夜中まで飲みました。旅先で行くバーはいい。

翌日、道頓堀のアメリカンでコーヒーを飲んで二日酔いを覚ますと、京都在住の修習指導担当の先生に会いに京都へ向かいました。

JRで京都駅に着き、荷物をロッカーに入れ、清水五条までバスに乗り、人気のまばらな清水坂を歩いて、改修工事が終わったばかりの清水寺でのんびりしました。

そこから懐かしい三年坂、二年坂円山公園、八坂神社を抜けて祇園まで散歩しました。ここは以前付き合っていた彼女と歩きに来た場所でなんとも言えない気分になりました。

それから四条木屋町で先生と落ち合い久闊を叙し、少し下ったところの先生行きつけのバーに行きました。ひたすら瓶ビールを飲みながら東京での生活の様子や弁護士になってからの仕事の悩みなどを聴いてもらいました。先生にバッジを見せて名刺を渡せたのが何より嬉しかったです(本当に喜んでくれました)。先生の事務所で71期が辞めてしまった話も聞き、改めて先生の仕事への情熱の高さと仕事のクオリティの高さを思い出しました。

それから先生の男前な旦那さんを紹介してもらい三条御幸町でおばんざいを食べました。男前すぎて緊張しましたし、先生も何故か妙に僕に優しくしてくれました。

そして、三条木屋町で別れの挨拶をしようとすると、不覚にも少し泣いてしまいました。多分東京での仕事がうまく行かないこととか、大阪や京都での生活の楽しい思い出とが綯い交ぜになったのだと思います。先生もそれは察知して「あんたがわざわざ私と会おうなんて、なんか悩みでもあるんやと思ったわ」と言ってましたが、その通りだったのでした。先生には大阪地裁、大阪拘置所、府警本部、大阪家裁京都家裁、堺支部、下京の更生施設、吹田や西成の救護施設、天満の更生保護施設、西成や桜川や寺田町の居宅保護のマンション、住吉や和泉の病院、大阪ダルク、富田林、楠葉、高槻市役所、少年鑑別所、などなど、本当に色んなところに連れて行ってもらい、本当にいい経験をさせてもらえました。新地のちょっといい店でご馳走になると決まって二次会は新地のママさんの店で、先生がカラオケで熱唱して酔いつぶれて大阪駅まで肩組んで送ったりとか、新世界のカラオケ屋で飲んでたら知らない間にタクシーで京都まで帰ってたりとか、先生が調停委員にブチ切れたと思ったら僕もブチ切れて挙句依頼者もブチ切れたりとか、京都線で法テラスの悪口を散々聞いたりだとか、先生が検事がほんま偉そうでむかつくねんと言って僕がまぁまぁと宥めたりとか、先生が酔っ払って散々東京と僕のことをディスりまくったりとか、二人で裁判所の文句を言いながら暑い中タバコ吸ったりとか、短期の刑で済んで依頼者と裁判所の地下で三人で喜びを分かち合ったりとか、、全てが楽しい思い出です。本当に充実していて楽しかったなぁ。

そんなあったかい思いを胸にしまいつつ、木屋町通りと四条通りを一人で散歩して酔いと興奮を覚まし、烏丸でタクシーを捕まえ京都駅まで行き終電に飛び乗り、色んなことを考えながら東京に戻りました。とてもいい夜、とてもいい二日間でした。

それにしても本当に修習は楽しかった……。間違いなく人生で一番楽しい一年だったし、関西に戻りたい気持ちでいっぱいですが、辛いときも頑張る糧になる良き思いでであります。

コロナが早く落ち着いてまた関西に行けたらいいなぁ、と思っております。

 

大阪グルメガイドー飲み屋編ー

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 (道頓堀の味乃家)

 

大阪で毎日のように飲み歩いていたぺんぎんが実際に行って良かったお店を紹介します!!!大阪でお店を探してる人は是非参考にしてみてください。

大阪らしさを味わえるお店には◯をつけています。

*ちなみに、「大阪らしさ」と「デートによいお店」はほぼトレードオフの関係にあると思われますので、ちょっとオシャレなデートをしたいときは◯がついていないお店を選んでください!!

また、特に自信をもっておすすめできるお店には☆をつけています。

*大阪は予約不可で並ぶしかない店も多いので気をつけましょう。

 

 

1 梅田エリア

大阪最大の駅にして、神戸・京都への拠点ともなる梅田駅。比較的大衆的なチェーン店が多いが、少し探すと色んな店がある。

 

(1) 赤白(こうはく)

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☆ カジュアルなオシャレフレンチ。大阪の超有名店。ポルチーニ茸のフレンチおでん大根、フォアグラの茶碗蒸し、フレンチお好み焼きは絶品。大阪に来たらぜひ行ってほしい。予約不可のため平日夕方でも1時間くらい並ぶが、絶対に後悔はしない。ルクアのほかにもホワイティ、阪急、新大阪にも店舗がある。

 

(2) ルコントワ

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赤白よりはもう少し高級感があるが、それでもカジュアルなフレンチ。

梅田の商店街はあまり色気がないが、ここお初天神裏参道は良さげなお店が並ぶ。フォアグラサンドが絶品

 

(3) ポポンペット

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お初の商店街にある立ち飲みワイン屋。二軒目に困ったらとりあえず行こう。大阪といえば立ち飲み

 

(4) 大塩
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おしゃれ天ぷら屋。一つ一つが凝ってて美味しい。大阪駅前ビルは食のジャングル、色々開拓すると楽しい。

 

(5) ふじ子

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◯☆ ルクアの地下にある行列の耐えない店。海鮮が本当に美味しくて、そして安い(「安くて美味しい」は大阪では最高の褒め言葉である)。絶対的なおすすめの店。予約不可のため1時間は並ぶことを覚悟しよう。

 

(6) ゆかり

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◯ 数あるお好み焼きチェーンの中でも一番と呼び声の高いゆかり。並ぶ価値あり。大阪でお好み焼きを食べるならここを選べば間違いなし。梅田に数店舗のほか、難波、天王寺南森町にもある。

 

 

2 天満エリア

大阪駅から環状線で一駅、「はしご酒の聖地」天満。日本最大の商店街である天神橋筋商店街の脇の通りにありとあらゆる飲み屋が並ぶ。

(1) れもんや

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地中海イタリアン。美味しくてオシャレなのになぜかいつも空いているから予約しなくても入れる。広いので団体も可能。気に入りすぎて5回くらい行った。

 

(2) 春駒

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◯☆ 言わずとしれた超有名店。店内は狭く小汚いが、味は絶品で安い(大阪の人曰く、汚いのに潰れないってことは美味しい証拠なのである)。ネタも厚くて大ぶり。ハケで醤油をつけるスタイル。

 

(3) てぃーあんだ

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☆ 本当にうまい沖縄料理。本当にうまい。大阪一の沖縄料理はここ(知らんけど)。

 

(4) アレグロ

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ピザがめちゃくちゃ美味しい。水牛モッツァレラチーズマルゲリータマルゲリータの頂点

 

(5) ゴメンネJIRO

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〇 超有名洋食店。店内は狭い洋食屋だが、飲みながら最高の洋食のつまみが味わえる。

 

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(6) 田なか

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◯ 天満っぽいビニールに囲まれた店。天満のメインストリートにある。なめろうがうまい。

 

(7) ラブワイン

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田なかの向かいにあるワインバル。雰囲気が良くてデート向け。カップルシートもある。

 

 

3 福島エリア

大阪駅から環状線で東に一駅行けば天満、西に一駅行けばここ、福島。天満に続く飲み屋のメッカである。

(1) 花くじら

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◯☆ 大阪で知らない人はいない超有名おでん屋。団体(6名以上?)を除いては予約不可なので頑張って並ぼう。ものすごく美味しいので大阪に来たらぜひ行ってほしい。近くにはなれもある。

 

 (2) かちがらす

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本格派の焼き鳥屋。一本一本が本当においしい。修習の飲み会で幹事として利用したが好評だった。

 

(3) 梅田Beer's倶楽部

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高架下のかなりわかりにくいところにある。内装がおしゃれ。燻製の盛り合わせがめちゃくちゃ美味しい。

 

 

 

4 ミナミ(難波・心斎橋)エリア

大阪の二大繁華街、キタの梅田に対するはここ、ミナミ。基本的には若者の街で、大阪らしいお店が多いが、裏難波を中心に大人の店もある。

(1) DININGあじ

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☆どの料理もおいしい。特にぶり大根が絶品。レトロな内装はデートにもイケる。日本酒飲み比べで酔っ払おう。

 

(2) 味穂

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◯ 老舗のたこ焼き居酒屋。芸能人も多数訪問する超有名店。ダシで食べるたこ焼きは好みが分かれるかも。

 

(3) 一芳亭

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◯ シュウマイが絶品の有名店。修習終わりにみんなで行った思い出の店。

 

 (4) 味乃家

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〇☆ 道頓堀の超有名お好み焼き屋。休日は行列必至。今まで食べたお好み焼きの中で一番おいしかった。思わず声が出る最強のお好み焼き。

 

(5) やき然

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◯ 観光地でもある法善寺横丁にあるお好み焼き屋。店主が一枚一枚しっかり焼いてくれる。「お好み焼き屋行きたいけどチェーンはなぁ」という人にはおすすめ。

 

(6) KONOMU

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難波から少し歩いた南堀江エリアにある、色んな創作お好み焼きが食べれるお店。テレビで紹介されていたので行ってみた。南森町にもある。そんなに混んでないので入りやすく、お好み焼き屋にしては上品なのでデートにも使える。

 

(7) さくら

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◯ 衣が軽くてサクサクの串カツ屋。ミナミで串カツを食べるならここがおすすめ。

 

(8) 串の坊

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ちょっと上品な串揚げ屋。いいお値段なだけあり、美味しい。もっとも、チェーン店で東京にも店がある模様。

 

(9) ムグニ

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西心斎橋にあるオムライス屋さん。人生で食べたオムライスで一番うまかった。狭い店かつ閉店が早い。長居はできないが、サクッとビールかシャンパンを飲みながら夕飯には最高。

 

(10) アルベーロヴィラッジオ

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長堀橋駅近くにある、感じの良いオーナーが一人で切り盛りする小さなイタリアン。前菜の盛り合わせがボリューミーで美味しかった。

 

 

5 淀屋橋・北浜エリア

大阪市役所、大阪地裁、大阪取引所、日銀大阪支店、大手法律事務所、などなど、大阪の行政や司法、金融を支える街、淀屋橋・北浜。川沿いの静かな雰囲気にオシャレな大人向けの店が並ぶ。

(1) アンドアイランド

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☆ 昼はカフェ。夜はバー。夜のテラス席は美しい公会堂が目の前にあり景色・雰囲気抜群。キャッシュオンスタイルなのでカジュアルにいける。ぺんぎんの行きつけ。

 

(2) GARB weeks

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土佐堀川に面したところにあるリバーサイドレストラン。テラスは雰囲気抜群。味はまぁまぁ。広いので合コンなどにもいいと思われる。

 

(3) 中之島ソーシャルイートアウェイク

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重要文化財である中央公会堂の地下一階にあるレストラン。入るときにテンションが上がる。食後は中之島の川沿いを散歩すれば雰囲気ばっちりである。

 

(4) RIVE GAUCHE

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かなり上品で美味しいベトナム料理。文化財指定の古風な建物の地下にある。

 

 

6 その他のエリア

コリアンタウン鶴橋、下町新世界など。

(1) 焼き肉の吉田

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〇 焼肉のメッカ鶴橋の有名店。お値段もそこそこなわりに、肉は最高にうまい。

 

(2) 八重勝

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◯☆ 新世界のじゃんじゃん横丁の超有名店。行列が絶えない。ホンモノの大阪の串カツを食べたいならここに行こう。

 

 

以上です。みなさんも食い倒れの街大阪を堪能してください!!