ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

米国ロースクールランキング(T14)

日本人はランキング好きと言われますが、アメリカ人も相当なランキング好きです。

アメリカにはABA (American Bar Association) 認可の204ものロースクールがありますが、毎年ランキングが発表されています。

一番有名なのはUS Newsが出しているものです。

Best Law School Rankings | Law Program Rankings | US News

 

学生がどこのローにアプライするか決めるとき、立地や校風、力を入れている分野など色々考慮要素はありますが、ランキングはかなり重視されるようです。アメリカには偏差値という概念がないので、その代わりとも言えます。

特に、自然科学みたいに新たな法則の発見とかがない法律という世界では「権威」が大事でしょうし、無理からぬことだとも言えます。大学側もこのランキングをかなり意識しており、それを上げるための努力をしてるんだとか。


ランキングは毎年若干変動しますが、上位14校は毎年決まってます。その中での変動はあれ、ここから下に落ちることはないようです。

その14校はT14(Top14)と呼ばれています。厨二心がくすぐられる名前だ…。

T14はどこも難関ですが、その分そこに入れば有名ローファームへの就職が約束されるらしいです。

*日本も司法試験前からサマークラーク等のリクルート活動はありますが、アメリカはバーを受ける一年くらい前に就職が決まってしまいます。友達のバークレーの子も某巨大ファームへの就職がかなり早くから決まっていました。


その気になるT14は以下の通り。
所在地(東海岸・西海岸・中部)と私立か州立かも付記しておきます。

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(画像はwikiより)

1  イェール(東・私立)
2  ハーバード(東・私立)
2  スタンフォード(西・私立)
4  コロンビア(東・私立)
4  シカゴ(中・私立)
6  ニューヨーク(NYU)(東・私立)
7  ペンシルベニア(東・私立)
8  UCバークレー(西・州立)
8  ミシガン(中・州立)
8  バージニア(東・州立)
11 デューク(東・私立)
12 ノースウェスタン(中・私立)
13 コーネル(東・私立)
14 ジョージタウン(東・私立)
(2016年11月追記:2016年度版のランキングを反映)
 
こうしてみると、東海岸の私立校がほとんどですね。
なお、T14についてはwiki英語版が詳しいので、興味のある方はどうぞ。

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以下、それぞれにコメントをしていきます。かなりミーハー的主観要素が入っておりますので、ご了承ください。
ちなみに、現時点で訪れたことがあるのは、ハーバード、スタンフォード、コロンビア、UCバークレー。それと下に書いてあるUCLAとボストン大です。

1 イェール (Yale Law School)
あれ、ハーバードじゃないの?と思われたかもしれませんが、法学の分野ではトップといえば昔からイェールだそうです。
アカデミックな校風で、LLMも学者志望しか取らないので有名。規模も小さい少数精鋭なため、普通にアプライして合格するのはほぼ不可能な模様。

2 ハーバード (Harvard Law School)
日本でもアメリカでも、圧倒的知名度とブランド力を誇る(アメリカの映画を見てるとわかる)。
日本人がLLMに応募する際、実質的なトップはこことなるでしょう。成績重視らしいのでなかなか合格は難しい模様。ただし大規模校なのでそれだけチャンスもあるのかも。キャンパスもいい感じだし(思ったよりは狭い)、ボストンは良い街。

2 スタンフォード (Stanford Law School)
西の名門。キャンパスが恐ろしく広く美しく、天候もよいので羨ましい。
LLMは超超少数なため、難易度は相当高い模様。絶対数が少ないので、スタンフォードLLMを出ている日本人はあまり見ません(その分、行けたらかっこいいよなぁ)。

4 コロンビア (Columbia Law School)
マンハッタンのど真ん中にあり、映画の撮影でも多く使われ、政治家で留学している人も多いため日本でも知名度は高い。日本からもLLMで行かれる人は非常に多い。
なお、コロンビアローの様子は、ダグラス・K・フリーマン先生の『リーガル・エリートたちの挑戦―コロンビア・ロースクールに学んで』に詳しい。 
リーガル・エリートたちの挑戦―コロンビア・ロースクールに学んで

リーガル・エリートたちの挑戦―コロンビア・ロースクールに学んで

 

 先生自身はJD課程に留学されてますが、この本はアメリカのローの生活や授業、試験の厳しさ、ローレビューなどについて詳細に、かつ面白く書かれており、LLM受験生必読の書だと思います。


4 シカゴ (University of Chicago Law School)
多くが東西海岸に集中している中、珍しく中部にある名門。その分近辺の優秀な学生が集まりそうである。大学自体は経済学で有名ですね。
ローは規模も小さく、日本人でLLMに行かれている方はあまり聞かない。大学の格としても、ここまでで5強という感じがする。
僕はSF、LA、NY、ボストン、DCなどの海岸沿いの大都市はだいたい行ったんですが、シカゴは未訪問です。留学中に行きたいところ。

6 ニューヨーク(NYU)(New York University School of Law)
NYCの三大ロー(コロンビア、NYU、フォーダム)の一つ。
大規模なマンモス校で(LLMはなんと約300人である)、LLMに日本人も多い。Taxのコースがあり、それを専門的に学びに行く人が多い印象。ちなみにビジネススクールのSternも有名なので、日本のビジネスマンの間で知名度・評価は高い。
他の大学がアイビーリーグだったりでいわゆる古い名門的なところが多い中、どちらかというと今どきの大学というイメージがある。マンハッタンにあるが、いわゆるビルキャン(ビルキャンパス)であり好みが分かれる。
なお、上述のフリーマン先生の本にもあるように、NYUは同じマンハッタンにあるコロンビアにランキングで勝つために有名教授を金で引き抜きまくっているらしい。まぁビジネスと言えばそれまでだが……。

7 ペンシルベニア (University of Pennsylvania Law School)
我らがペンである。バークレーと競ってるが、大体例年この位置の模様。
デラウェア州に近いという地の利を活かして、会社法の分野で著名。またウォートンの授業も取れる上、お金を出すとWharton Certificateというプログラムも同時に受講できるので、ビジネス畑の人には人気の大学。
T14の中ではコロンビア、NYU、ハーバードに次ぐ都市型大学である。NYC、DCへのアクセスも良好という好立地にある。
また、LLMは120人くらいと適正規模で、ダイバーシティに重きを置いていることから非常に多国籍です。まぁ、詳しくはまた。
……個人的には、NYUを抜かしてほしいなと思います。

8 UCバークレー (University of California Berkeley School of Law)
カリフォルニアにあり、日本の研究も盛んなことから(Berkeley Japan Prizeなるものもある。宮崎駿村上春樹等が受賞している)、日本での知名度も高いですね。
なお、UCというと大学スポーツの影響もありUCLAのほうが知名度はあると思うが、レベルはUCの本部でもあるバークレーのほうが高い。
シリコンバレーに近いという特性もあり、知財法で有名。キャンパスはザックリしており、バークレーの街はヒッピーが多くて楽しい。
 
8 ミシガン (University of Michigan Law School)
昔は法律の分野ではイェール、ハーバードと並ぶくらいだったらしい。そんなこともあり、日本での知名度は高い。ローの規模自体は大きいが、LLMが少数精鋭なため合格は非常に難しいとのこと。
ちなみに、ミシガン州のアナーバーという田舎の大学街にあるが、そこはとんでもなく寒いそうで。今留学中の先輩がメールで-25度だと言ってました。僕は寒いのが苦手なのでそんなところにいたら精神を病みそうです…。
とはいえ、アメリカの東海岸はどこも結構寒いですよね。フィリーもわりと寒いみたいなので、それを考えると憂鬱。

8 バージニア (University of Virginia School of Law)
大学自体の名前はあまり聞きませんが、ローの評価は高いです。うちのローからも最近派遣者が多く、今度も行く予定です。
LLMは50人くらいと小規模。それくらいのほうが目が行き届いた教育がされるはずなので、それで選ぶ人もいるらしい。
創立者がかのトマス・ジェファーソンであること、大学の象徴のドームで有名。

11 デューク (Duke University School of Law)
日本ではあまり聞きませんが、いわゆるヒドゥン・アイビーの一つである名門校。ノースカロライナのダーラムという田舎街にある。大学自体はバスケの強豪校として有名です。
キャンパスが綺麗らしい。規模はそこそこですが、出身者の方を比較的見かけます。

 

12 ノースウェスタン (Northwestern University School of Law)

ビジネススクールのKelloggでも有名なため、日本での知名度は結構高い。ちなみに、ケロッグというのはコーンフレークのあれである(出資者?が同じ)。シカゴにあるため、やはり寒い。

 

13 コーネル (Cornell Law School)
これでアイビーリーグロースクールが全部出そろうことになります(プリンストン、ブラウン、ダートマスにはロースクールが無い)。
ニューヨーク州にあるが、イサカというかなりの田舎町にある。やはり極寒とのことだが、キャンパスは広大で、「全米一美しい」と言われる。友達が留学するので、ぜひ訪問したい。
LLMは一昨年はなんと90人中60人くらいが中国人だったということ。それはどうなんだろうか笑。
アイビーであり、イメージもいいのか、交換留学選考でもかなりの人気校でした(僕もそうですが、だいたいの人が志望に入れていた。)

14 ジョージタウン (Georgetown University Law Center)
DCにあるため、政府系のインターンが豊富という特徴がある。Tax分野でも強い。
Law SchoolでもSchool of LawでもなくLaw Centerという名前も珍しい。また、個人的には、『アメリカン・ロイヤーの誕生―ジョージタウン・ロー・スクール留学記 』という本が非常に面白く、親近感が湧く学校の一つでもあります。 

 これもフリーマン先生の本に並び、LLM受験生必読の書だと思います。


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という感じですね。かなりミーハーですが、まぁイメージも学校選びでは大事なのかなと。

*注意点①
なお、このランキングはあくまでJDのもの(LLMではない)です。
例えば、JDではそこそこだけどLLMプログラムは評価が高くて有名(フォーダムとか)、とかその逆もあります。ですので、LLMにアプライする際はLLM自体の様子や評価も考慮することが必要です。
日本人でLLMに行く場合は、上記T14に加え、UCLA南カリフォルニア、テキサス、ボストン、フォーダム、UCヘイスティングスあたりにアプライするのが通例なようです。

LLM自体のランキングについては以下のリンクを参照してください。
*注意点②
選考に関して言うと、僕は通常の選考手続きを経験しているわけではありません。というのも、他の協定校の場合は、大学院側の交換留学選考通過を経た後に、自分で正規のLLM選考過程に乗り、はじめて合格するという流れです。しかし、ペンの場合は院の選考を通過するともう合格で、あとは担当者に個別にTOEFLやResumeをメールで送っただけで済んだのです(推薦状もいらない)。これには本当に助かりました。
 
*注意点③
ステートメントもペンしか書いてないので、難易度や学校の特徴等は、交換留学選考の様子や、ネットの書き込みなどを参考にしています。


今回はこんなところです。