白い巨塔と財前五郎

皆様ご無沙汰しております。

すっかりブログを放置していました、ぺんぎんです。

 

東京を離れ、関西の某都市での実務修習が始まり早4ヶ月半。

(そうそう、修習地は悩んだ末に関西某都市にして、無事配属されました)

 

新しい土地での新しい生活、民裁修習、検察修習、そして現在の刑裁修習、、、と、日々が目まぐるしく過ぎてあっという間の日々でした。

修習は大変なことも多いですが、日々新しいことが学べ、夢だった関西に住めて、同期とも仲良くでき、間違いなく今が人生で一番楽しいと言えます(ごめんね、フィリー)。ほんとに毎日が楽しいです。

書きたいことはヤマのようにあるのですが、修習生という立場ゆえブログから離れてしまいました。今後は色々と更新していきたいです。

 

そんな中今回お伝えするのは、修習とは何の関係もないタイトルの件です!笑

 

 

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 https://www.tv-asahi.co.jp/shiroikyotou/

 

なんと、実に16年ぶりに白い巨塔がドラマ化されます!

白い巨塔といえば、伝説の田宮二郎版を代表に、前回の唐沢版などなど多くの映像化がされた山崎豊子の不朽の名作であります。

僕は中学生のときに唐沢版を見てドハマリし、田宮版、映画版も見て、小説も読みました。唐沢版は10回くらいは見ていると思います。フィリーで落ち込んでたときもこれを見て元気を出してました。

 

白い巨塔は、大阪大学医学部をモデルとする国立浪速大学医学部第一外科助教授の財前五郎を主人公とする(そして同期で第一内科助教授の里見脩二をもうひとりの主人公とする)ドラマです。

白い巨塔」とは医局制度を主とした旧態依然として権威的・官僚的な大学医学部を表しています。

2部構成となっており、前半は主人公財前が教授を目指す学内政治闘争、後半はその後財前が医療過誤で訴えられた法廷闘争となっています。

主人公の財前は目的のためには手段を選ばない狡猾かつ冷徹な人間です。自分が教授にのし上がるために平気で金をバラ撒き、人を利用します。

しかし、父を亡くして必死に勉強し田舎から出てきた苦学生であり、自分を見守ってくれた母親に孝行するという優しい側面も持ち合わせています。 

もう一人の主人公里見は人間味に溢れ、弱い者に親身になって手を差し伸べる優しい人間です。

一見すると財前と正反対に見えますが、実は結果的に「患者のため」になっているという点では財前と同じです。財前は利己的、里見は利他的ですけどね。この二人がお互いの理想と現実の狭間で葛藤する姿が面白いです。

 

僕は財前が大好きなんですけど、理由はたぶん以下の2つです。

まず何より努力して自分の技術を磨き、上を目指す姿がカッコいい。傍観的で消極的な里見に対して、財前は徹底的に積極的・行動的です。一流になるためにやれることはなんでもやる。

流石に医者は目指しませんでしたが、弁護士になりたいと思ったのは財前みたいに一流のプロフェッショナルになりたいと思ったところも大きいです。

 

もう一つは人間臭さに溢れているところです。

里見はいい人なんですけど、ともするとただのお人好しです。じれったいですし。感情表現もコミュニケーションも下手です。そういう意味ではすごく人間味を感じます。

しかし、人前では弱みを見せないのに愛人のケイ子の前では弱音を吐いたり、自分のプライドのために周囲と軋轢を生じさせたりと、実は財前もとにかく不器用で人間味に溢れているのです。里見はあまりに現実とかけ離れて美しすぎて共感できないところがあります。

財前は決して綺麗事を言わず、人間としての本音の姿を汚いまでにさらけ出すことを厭わない。一見完璧を気取ってても、実はとても弱い人間である。財前のそういう人間らしい姿に、自然と心惹かれるんだろうと思います。

 

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唐沢版での僕の財前の好きなセリフを紹介します。

 

里見に対して

「3日考える…ふりをしただろうな」

ワルシャワ行を前にして、たばこを持ちながら、ケイ子に対して

「あっちのやつらは総じて不器用だ。僕の手技を見て度肝を抜かしてやる」

アラジンで東に対して

「私のすべてが腹立たしい、ですね?」

関口弁護士に対して

「それは、実際に生と死の狭間に立ったことのない方の、幼稚な詭弁ですよ」

 

カッコよすぎます。シビレます。

財前と里見、どっちが自分に似てるのか、どっちが自分の理想なのか、ってことを考えながら見ると面白いと思います。 

 

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修習には関係ないと言いましたが、後半の法廷闘争では(少なくとも唐沢版では)、証拠開示のシーンがあったり対質のシーンもあったりで、法律の勉強にもなると思います笑。

二人の弁護士も、熱血人権派の関口とクールなやり手の国平、と対照的で面白いです(この二人も結果のために全力を尽くすという点ではやはり似ています)。

 

あと、白い巨塔の舞台は山崎豊子の出身地でもある大阪です。旧阪大病院は現在の大阪地検近くの中之島にあり、財前の愛人ケイ子は北新地のママですし、財前が住んでいるのは兵庫の苦楽園、東が住んでいるのは芦屋です。

そういうわけで皆さん僕の住む関西に浸りましょう!笑 

 

岡田准一は財前を演じるには少し若すぎる気もしますが、新たなカッコいい財前が見られると思うと嬉しいです。期待です。

というわけでみなさんもぜひ、本日5月22日(水)の21時から5夜連続の白い巨塔、見てください!