前回の記事で、「おれはホームシックにはなっていない!!」と豪語したが、実際恋しいものはある。何が一番恋しいかと言えば、海外生活で言葉に次いで一番変わるもの、食事である。日本食が恋しくて恋しくて、自分はやはり日本人なんだなということを思い知らされる。
1 日本料理屋
もちろんこちらにも日本料理屋は多くあり、近くにも数店ある。しかし、他のアジア料理に比べると、日本食は高級品であり、きちんとしたレストランというような場所が多く、手軽にはいけない。
(Fuji Mountainの天ぷら)
日本料理屋はFuji Mountainというところとpodというところに行った。どちらもかなりオーセンティックで、めちゃくちゃおいしい(値段は高い)。これはきちんと味の研究がなされているなと思う。
ただ、不思議なのは、どちらでも寿司と天ぷらを食べたということ。寿司なんて、日本にいた時は年に片手で数えるほどしか行かなかったと思うけど、留学前に思い出したかのように家族で寿司屋に行ったりもした。やはり、「海外の人が思う和食」にかなり影響を受けている。天ぷらもそうである。てんや以外でてんぷらを食べること等そうない。
2 スーパー・フードトラック
一方、比較的手軽なスーパーで買える寿司やフードトラックの弁当はホンモノとは言い難い。手軽に5ドルくらいでおいしい牛丼でも売っていれば最高なのだが。
普段行ってる中華のフードトラックの裏に日本料理のフードトラックを見つけ、期待に胸膨らませて行ったのだが、残念な味だった。作ってるおっちゃんは日本人ではないのだが、激マズ料理を「JAPANESE BENTO」と称して売るのは正直腹が立つ。イタリアの人もサイゼに腹が立ってるかもしれない。別に何人が作ったっていいが、JAPANESEを名乗るからにはきちんと日本に行ってホンモノの味を研究してこい、と言いたい。こいつにしらいし(*早稲田近くの弁当屋。安くておいしい)のハンバーグ弁当を食べさせたら自分の料理のダメっぷりに気付くとともに、あまりのうまさに涙を流すはずである。
3 ラーメン
ラーメンは比較的手軽に食べられるが、結構高いし、味が微妙である。
Nom Nom Ramenという店のShoyuラーメン(たまごプラス)である。9ドル強。悪くはないが、レベル的にはサービスエリアで食べるような可もなく不可もなくという感じ。日本なら、600円でこれでもブチ切れそうになるレベルだが、こちらでは1000円以上かかる。しかし、近いし他にあまりないのでついつい行ってしまう。
確かに最近の東京のラーメン屋はレベルが上がってきているのもあるのだろう。このラーメンは5年前なら東京でも通用したかもしれない。できるなら最近のトレンド(二郎系、一蘭系豚骨、家系、魚介系等)を取り入れてもらいたいが、そこまで言わないにしても、少なくとも醤油ラーメンにキクラゲと紅ショウガを入れるのはやめてほしい。店主には是非日本で本当のうまいラーメンを食べてきてもらいたい。
実は、今回の留学はなるべく日本食に頼らないように、と決めていた。せっかく海外にいるのに現地のものを楽しまないのは損だし、この国に馴染もうとする気があまりせず、感じが良くない。前回の記事で日本文化と即座にバイバイするのはキツいと書いたが、食事はなんとかなるんじゃないかと思っていた。どうせなら、食生活も含めてこちらの文化にどっぷり浸かるべきである。
しかし、やっぱり食事は体に入るものな以上、そういきなり変えられるものでもないと気付いた。25年をかけて培ったものには簡単には抗えない。
そんなわけで、この1ヶ月で、日本料理屋に2回、ラーメン屋に4回は行っている。まぁ、これでも他の人よりはセーブしている方だとは思う。
4 一番食べたいもの
今一番食べたいものは何か…そう訊かれて、改めて自分が日本で毎日どんなものを食べていたのかが意識できる。
<ワセメシ>
やよいけんのすき焼き定食
フェニックスカフェのドライカレー
南海のカツカレーとメンチショー
しらいしのハンバーグ弁当大盛り・レンコン・唐揚げ追加・塩
学会の油そば
麺爺の油そば大盛りと餃子
メルシーのもや大メンマ抜き
てんや大盛り
松屋の牛丼ねぎだく
武道家
王将の野菜炒め定食
丼丸の穴子ネギトロ丼
ウルカフェ、キューン、ごんべえ、一条、やまぐち、、、
<自炊>
パスタ(カルボナーラ、ペペロンチーノ)
ハンバーグ(デミグラス、和風)
カレー、ハヤシライス
チャーハン
焼うどん
<その他>
二郎小アブラカラメ
青葉大盛りメンマ抜き
そしてれもん屋の肉玉イカ天そば…
(馬場の広島風お好み焼き屋・れもん屋の肉玉イカ天そば。おいしいのでみんな行ってみよう)
辛うじて寿司(海鮮丼)とてんぷら(天丼)はあるものの、主に食べていたのは①脂っこいラーメン・油そば、②カレー、③定食・弁当、なんだなと。
特に二郎は対して行ってたわけではなく、渡米直前に三田を初挑戦してきたくらいの体たらくなのだが、無性に食べたくて仕方が無い。あの味はこちらには存在しえないものだと思う。
(二郎三田本店。小豚ヤサイニンニク少なめアブラカラメ)
NYには一風堂が出店しているということだし、確かシリコンバレーでは吉野家を見かけた。しかし、流石にフィラデルフィアにはない。
どうだろう、二郎フィラデルフィア店ができたら絶対流行ると思うのだけど。外国人が考える偽りのJAPANESE FOODや伝統的WASHOKUではなく、日本の今の若者が実際に食べているMESHIをこちらの人にもわかってもらいたいと思う今日この頃である。アメリカの皆さん日本の料理はもっとうまいのだよ。