ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

国際結婚

僕は付き合うだけなら(英語か日本語で最低限のコミュニケーションが取れる限り)どこの人でも別に気にしない。しかし、結婚となるとやはり話が違うと思うのである

まず、やはり相手の国のこともきちんと理解して好きにならなければならないと思うのだが、気にしすぎでしょうか?あくまで結婚が二人の問題であるならそれこそ国籍は関係ないのかもしれない。国籍なんてその人の個性の一つにすぎない。しかし、相手の親戚や友人と関わることも多いだろうし、その時は相手の文化に合わせなきゃいけない。できれば言語も話せたほうがいいだろう。それから、その国へ渡航する機会も多くなるだろうし、もしかしたら住むことになるかもしれない。「国籍」というより、育った国の文化の存在はやはり大きい。

 

彼女に「あなたは自分が私より優れていると思っているでしょう?」と言われてしまって少し考えてしまった。そういうつもりは無かったのだけど、相手がそう感じているなら少なからずそういう素振りがあったのだろう。確かに考えてみると、①僕のほうが5つも年上、②一応よりよい学校に通ってた(ことによる相手からの期待に答えたいとのプレッシャー)、③「賢い人が好き」と言われたから知識をアピールしがちだった、④相手から強いアプローチを受けて付き合った、⑤元々すぐ人を見下しがちな悪癖がある、ということもあると思う。違う人に同じようなことを言われたことがあるのでこれは僕自身の内在的な問題だろう。

しかしそれに加えて、今回は⑥日本人であることへのねじ曲がった自負?があったように思う

正直に言って僕は日本がアジアで一番優れている国だと思っている。「優れている(superior)」というのは言葉のチョイスが良くないな。客観的に見ても少なくとも一番「発展している」「洗練されている」と思っている。そして、中国に対しては正直あまりいいイメージがなかった。日本人の多くが抱いているであろう「パクりなどのいい加減な文化」「マナーの悪さ」が主なところである。下に見ている向きがあったのは否定できない

しかしこれは先入観が多分に入っており、彼女と付き合ってから改めてきちんと中国文化に触れると印象はガラリと変わった。いい加減なところもあるが悪意はなく愛すべき性格だし、マナーが悪いのも、日本のように変なマナーを押し付けたりしないのびのびした寛容さ、他人は他人で自分は自分というサッパリした個人責任の文化がある。中国の文化や彼女の友達たちと触れていると自分が自然体でいられる感覚があった。そして、中国の人は身内には情が厚い国民性があるようで、一度仲良くなるとものすごく良くしてくれた。そんな彼らは建前を良しとするアメリカで張り詰めていた心の緊張をほどくような優しさと率直さで溢れていた

そんな思いで行った上海はものすごく楽しかった。思ったよりずっと洗練されていたし、屋台は自分の家のような安心感があった。人はみんなフランクで親切で、日本のような他人行儀さがなかった(日本では大阪に近い感じがした)。上海に住むのも悪くないなと思った。むしろ住みたいとすら思った

僕は尖閣を始めとした政治的問題についてはそこまで強い関心があるわけでなく、別にそこで中国と張り合おうとは思わない。経済成長には少し危機感も感じるが、できるだけ平和にやりたいと思っており、日中の摩擦や反日運動を見てると心が痛む。そして、たぶん僕がそうだったように、みんなきちんと理解したりコミュニケーションしたりせず、お隣への単純な反感とアジアにおけるプライドのために、メディアが伝える印象を利用して無責任に語っている面が大きいと思う。どこぞの団体のように「一緒に飲めば全部分かり合える」とは言わないが、話し合えば分かり合える部分は多いだろう。

一方で、彼女の強い政治的主張や愛国心をはばからない面に辟易することも時折あった。仲はかなり良かったつもりだが、若干険悪なムードになることもなくはなかった。仲が良かったからこそそうしたことも話せたわけだが、一定の緊張感は存在していた。

一度Uberに乗った時、アメリカ人の運転手に、どこから来たかと尋ねられた。僕は日本で彼女は中国だと言った。そうすると、運転手に「なんだって?でもお前らの国は仲悪いんだろ?付き合ってるのか?ユダヤ人とドイツ人が付き合ってたらどう思う?」と言われて驚いたことがある。そんな風に思われていたとは考えもしなかった。僕自身は別にそんな険悪だとは思っていなかったし、多分に偏見というのはどこにでもあるものである。

 

僕はこのUberの件はへーとしか思わなかったし、不快に思ったわけでもない。僕が言いたいのは、中国やある特定の国の人と結婚するのに否定的ということではなく、あくまで、その国のことをよく知らないで結婚するのは躊躇する、ということである。そういうことを考えるにつけても、結婚となると相手の国籍はやはり重要になってくるのでは、と思う。

といっても別にものすごく好きな国があるわけでもないし、国籍で相手を選ぶつもりもないが(それは最悪だし相手に対してとんでもなく失礼だと思う)、これからもしまた外国の人と付き合うことがあるとしたら、将来的にその人の国を好きになれるか、というのを考えてしまうかもしれない

アメリカはどうだろう。僕は別にアメリカがとりわけ好きというわけでもないが、一応1年半住んだし、英語だし、他の国よりはやりやすいかもしれない。しかし、僕は政治的にアメリカに敵意があるわけではないけど、相手の周りにそういう人がいるかもしれないし、相手との間でも全く無関係というわけにはならないと思う

そうすると、国際結婚でみんながハッピーということには中々ならないのだろうか。……いや、「みんながハッピー」とか言ってる時点で甘い気もする。そんなことは日本人同士の結婚でさえ簡単に適うわけでもない。そもそも、二人が本当に愛し合っていればそういう障害も乗り越えていける(むしろその障害が愛を深くする)だろうから、所詮は言い訳にすぎないのだろう。すぐ言い訳してしまうところも僕の悪癖の一つである

 

ただ、いかんせん僕と彼女はお互いのことを知らなさすぎたとしかいうほかない。彼女は日本のアニメや映画が好きでよく観ているけど、日本には2回来ただけだ。僕に至っては中国の映画なんて少林サッカーくらいしか観たことがないし、上海に1日行っただけである。ほとんど何も知らないに等しい。お互いの文化は尊重しようとはしてたが、お互い妙にナショナリスティックで自己主張が強いところがあった。日本で油そばに連れてったとき、せっかく少しは日本語を勉強してるのだからと"Why don't you say gochisosama when you leave?"と言ったらあとで"Why you force me to use Japanese?"と言われてしまった具合である。そんなつもりはなかったんだけど……

加えて、知り合ってわりとすぐ遠距離である。英語もお互いネイティブレベルとは言えない。やはりどちらかが相手の国に留学経験とかがあるのがいいのかなぁと思う。男女が分かり合えること自体困難なのに文化が違うとその難易度はより高まるのかもしれない。以上ダラダラと述べました。