ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

【歌詞和訳4】 Muse -"Madness"

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久々に歌詞和訳。

今回は、先日ライブに行ったミューズのMadness。


Muse - Madness - Live At Rome Olympic Stadium

 

苦悩しつつも答えを探そうとするラブソングである。邦題は「マッドネス~狂おしい愛」

前にカリフォルニアに留学した頃にリリースされて、その時よく聴いてて、そしてまたアメリカに戻ってきて、再びよく聴いてる。歩いてる時とかによく口ずさむ。

初めて聞いた時の感想は、「なんだこれ?」という感じだった。ママママママママと繰り返す謎なイントロ、全体的に暗くて地味な印象。

しかし、数回聴くとガラリと印象が変わった。癖になるんですよね、このゆったりとしたビートと覚えやすい歌詞。そして、独特のパネルを使ったベースと、打ち込みっぽいドラム。そしてキレのあるギターソロにラストの壮大な美しさ。サウンド的にも新しい曲だった。

多くの名曲があるミューズの中でも、個人的にはベスト3に入れたい曲です。

 

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"Madness"

I, I can't get these memories out of my mind
And some kind of madness has started to evolve, yeah
I, I tried so hard to let you go
But some kind of madness is swallowing me whole, yeah

どうしても君との思い出が頭から離れないんだ

忘れようとすると、ある種の狂気みたいなものが噴き出してくる

君を手放そうと努力してみたけど、うまくいかない

ある種の狂気みたいなものが僕を飲み込んでいくんだ


I have finally seen the light
And I have finally realized what you mean

やっと光が見えたよ

そしてやっと気づいた。君が言いたかったことを

And now, I need to know is this real love or is it just madness keeping us afloat?
And when I look back at all the crazy fights we had
Like some kind of madness was taking control

今こそ確かめなきゃいけない。これは本当の愛なのか、それとも単に、狂気が僕たちをフワフワさせていただけなのか

僕らがしてきたバカバカしいケンカを一つ一つを思い返してみると、気づくんだ

ある種の狂気みたいなものがそれを支配していたってことに

And now I have finally seen the light
And I have finally realized what you need
やっと光が見えたよ

そしてやっと気づいた。君が必要としていることを

And now I have finally seen the end (Finally seen the end)
And I'm not expecting you to care (Expecting you to care)
But I have finally seen the light (Finally seen the light)
I have finally realized (Realized)
I need to love
I need to love

やっと終わりが見えたよ。もう君は気にする必要はない

でもやっと光が見えたよ。そしてやっと気づいたんだ

僕は愛が必要なんだ

Come to me. Trust in your dream
Come on and rescue me
Yes I have known, I can be wrong
Maybe I'm too headstrong

Our love is madness

こっちに来てよ。君の思うことを信じて

こっちに来て、僕を救ってよ。わかってるよ、僕がわがままなのは

でも、狂気こそが僕らの愛そのものなんだよ

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この曲の解釈はいくつかに分かれる気がする。

 

①Real Love≠Madness説

僕らの愛を支配していたのは単なる狂気で、それは本当の愛ではなかった。僕は単に恋していたかっただけだった。だからもう君に好きになってもらう必要はない。

②Real Love=Madness説

僕らの愛を支配していたのは狂気だった。しかし、狂気こそが恋(愛)の本質なんだ。だから、もう悩む必要はない。君の感情に従って、僕の元に戻ってきてほしい。わがままなのはわかってるけど、でも恋ってのはそもそも狂気なんだからいいじゃないか。

 

どちらが正しい解釈か、以下で考察。

 

歌詞は非常にシンプル。マットは小難しい単語を使いがちだけど、この曲ではそういうのを一切排している。直球さが伝わってくる。

しかし、言いたいことは初見ではちょっとわかりにくい。

そこで、時制に注目してみる。

まず、"I have finally realized I need to love"というのはどうか。

ここでのneedは動詞だから、恋が必要だったと後から気づいたのならば、"I have finally realized I had needed to love"にしなければならない。

しかし、恋が必要なのが、自分にとってなお続いてる状態や真理を表す場合は、時制の一致の適用を受けないから、現在形でよいことになる。

ということは、「恋が必要」なのは主人公にとって普遍の事柄なんだろう。

ただ、loveが一般的なものなのか(つまり自分のエゴで誰かを愛していたいのか)、あるいは彼女への特定の愛なのかは少しわからない。

 

あと、"what you mean"と"what you need"が現在形なのも引っかかる。

君が言ってたことや君が欲していたことをあとから「あ、そういうことだったのか」と気づいたのならばここは大過去になるはず。

ここが現在形になっているということは、今現在の彼女の言動を理解した、ということになるのかな。あるいは、言動自体は過去だったけど、その言動をする感情は現在も彼女の中に残っていると。

 

 

結論から言うと、僕としては、Real Love=Madness説が正しい解釈だと思う

まず、最後が"Our love is madness"と現在形で締められていることもそう

そして、確かに、"real love"と"madness"がorで繋がっていることからも、madnessとは単なる一過性の狂気にすぎなくて、real loveではないとも取れる

歌詞の意味について議論している以下のサイトでも、そういう意見はある。

Muse - Madness Lyrics | SongMeanings

The opening verse describes a period of time after a breakup that this person has had time to reflect on everything. Trying to let go. And in the pain of heartbreak you question everything that you've done and think about everything you did wrong. He crys out "I need to love" and it sounds like letting go.

This song isn't necessarily only about realising your faults and hoping that your love returns to you. When I listen to this I think there is a possibility that it means that he's come to terms with the relationship ending ( "now, I have finally seen the end" ), accepted that their love is "madness" or not healthy, and is hopeful for the future - asking for new love to come to him. "Trust in the dream", the dream being a more fulfilling love.

確かに、"end"を文字通り取ればこういう解釈もできそうだ。 

 

しかし、"I have finally seen the light"とか"I have finally seen the end"と自分の中で心境の変化があることが見て取れるから、

「その二項対立は誤りで、結局すべての愛は狂気だった」

というのが結論(=light, end)ということなんではないだろうか。

 

上記のサイトでも、僕と同じ解釈の方が多い。

以下印象的なコメントを少し引用。訳は面倒なのでつけないが、要するに、

「彼女と一度別れてその関係についてよく考えてみて、自分がいかに彼女を必要としてるかわかった」

という解釈が展開されている(マット自身もインタビューでそう語ってた模様)。

"You've had a fight with your girlfriend and she goes off to her mum's house for the day and you're on your own going: 'What did I say?'" says Matt, describing the song's inspiration. "I'm sure a lot of blokes have that experience in the early stages of relationships where you go, 'Yeah, she's right, isn't she?'"

he said that he wrote this song after getting in some sort of argument with his fiancee, Kate Hudson, and she left him some time to think about their relationship and so in that time period he wrote this song.

So, I guess to me the song is talking about him finally realizing that she is what he needs and that he needs to show that he loves her. I love this song, the lyrics are very personal and have a lot of emotion in them.

 

そして歌詞の一部("I need to love")について

As a quick note, I read the lyrics on Muse's official site and instead of Matt singing "I need to love", he actually says "I need YOUR love". I know it doesn't seem like that big a change, but to me changing the word "to" to "your" kind of gives the song a different meaning at the end where he is still longing for this person he's with.

これはその通りで、"I need YOUR love"と歌っているライブもある(カラオケでもそうなってた気がする)。I need your loveだとしたら直球であなたの愛が欲しいということになるが、好きなのは君だけなんだから、言わずもがなloveは君への愛に他ならない、とも取れるので、"I need to love"と結局そんなに違いはないかもしれない。

 

さらに歌詞の一部("Maybe I'm too headstrong")について

The lyrics at the end of the song should read... "Come to me Just in a dream Come on a rescue me Yes I know I can't be wrong and baby you're too headstrong, our love is madness"

The song is about being able to put arguments and our own personal ego aside for love. He can't be wrong and she is too headstrong basically say the same thing. We are stubborn as people but putting aside our egos help us love and realize the love we need

そう、baybe you're too headstrongと言ってる(ように聞こえる)ライブもあるのだ。

これは主語が変わってるので大きな違いがあるようにもとれるが、「結局おれらお互い強情だったよね」ということが言いたいなら、主語がどっちでも結局は同じということになる。

 

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長くなってしまったのでここらで終わりにしたいが、シンプルだけど非常に深く本質的なことを語っている名曲だと思う。真の愛とは何かを考えさせてくれる。

僕としては、Our love is madnessというこの曲の主題にはひどく共感する。

だいたい、恋はもちろん、愛というのもある種の狂気に決まってるんではないだろうか。理屈や理性では解釈できないことが多すぎるから。

しかし、その説明しがたい狂気を生み出す魔力みたいなものこそが、恋(愛)の魅力だと思う。本当に大切なことは目に見えないというが、本当に大切なことは説明できない、と僕は思う。

もちろん「いや狂気に操られてちゃダメでしょ」という人もいると思うので、意見があればぜひ聞いてみたい。

ともかくは、Madness、ぜひ聴いてみてください。