出題趣旨と評価の感想

出題趣旨も公表されたので、自分の答案の評価について感想。

左が予想してた評価で右が実際の評価です。

 

憲法 D→A

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(再現率は低いです)

まず「知る自由」(情報摂取の自由)と「営業の自由」という大枠は外さず良かったです。その上で、出題趣旨どおり明確性の原則は検討しています(したはず)。青少年については内容規制であることに触れ、表現の価値について触れ、受け手が青少年である特殊性にも触れており、概ね書けていると思います。出題趣旨の書きぶりからすると色々な検討の方法があったようで、思い浮かべば浮かぶほど全部書かなくてはならないと思ってしまいそうで、そこが難しいなぁと思いました。

営業の自由のほうは方向性は大丈夫ですがいかんせん論述が薄すぎる。一括して書けばよかったです。

試験後憲法のせいで落ちたんじゃないかと思ってたのにAでした。やはり過去問研究してきた人が焦るならみんなも焦ってできないということが言えると思われます。しかも行政法がBなのに公法系が130点もいってる(上位4.63%)ということは憲法がかなりできていたということです。憲法は好きだけど最後までよくわかんない科目でした。

 

 

行政法 A→B

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原告適格については指摘されている条文を摘示できているし、反論も書けており、概ねよさそうです。趣旨はEの利益は、「適切な環境の下で円滑に業務を行う利益」としていますが、僕は周辺住民の生活及び衛生としてしまったのでここが痛かったかもしれません。

許可処分の実体違法については①13条1項違反と権利濫用の観点、②名義貸し、③主張制限、について触れることができており、よく書けていると思います。

不許可処分の実体違法について、アは反対運動について触れるべきなのに植栽について論じてしまいました。イは墓地の経営上の安定について論じており趣旨に合致していると思います。

2ちゃんを見ているとそもそも設問1(2)と設問2を裁量の問題としていない人もけっこう多いみたいですしAだと思ったらBでした。行政法は得意のつもりだったのでショック。

 

民法 B→A

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設問1はだいたい書けていると思います。注意義務の軽減は悪意又は重過失でも間違いじゃないんですね。問題点を一つずつ分けて考えるというのがうまくできてよかった……

設問2は小問1はオーケーだと思います。そして肝心の小問2ですが、177条の第三者と同視するという僕のトンデモ理論(と思ってた)はなんと正解でした。タブーである現場での思い付きがあたってしまったパターンです。リーガルマインドが炸裂してしまいました。第三者に当たらないとした上で登記を保持している者には例外的に請求できるとちゃんと書けてるので、ここで結構差をつけることができたんじゃないかと思っています。

設問3の求償は事務管理を理由にする場合は100万円だけど法定相続分で承継したとする場合には150万円が正しいようです。このあたりは色々な説があり趣旨を読んでもよくわかりません……。ということでまぁまぁできているという感じでしょうか。

基本的だけどややこしい設問1ができたこと、設問2がラッキーだったこと、設問3も一応書けていたことによるAという感じです。民法できないマンだったので嬉しい。

 

会社法 D→D

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設問1は多少あてはめが薄いとはいえ、請求要件や理由開示のところを押さえた上で二つの拒絶事由について検討しており、良いと思います。

設問2は利益供与をまるまる落としたのでひどいでふ。趣旨は触れてませんが一応利益相反構成もないことはないようで、ある程度点数が入ったとは思います……。

設問3はプラスアルファの点は論じられていませんが、最後の設問であること、一応趣旨から論じられていることから、まぁまぁだと思います。

利益供与を落としたのが悔やまれますが、Fらなかっただけマシでしょうか。そこ以外は比較的できていると思うので、基本論点は一つでも落とすと大ダメージということを思い知らされます。

 

民訴 B→A

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設問1課題(1)は訴訟物を明示した上で二重起訴と反訴、そして共同訴訟に触れており、主観的追加的併合と反訴提起による訴えの利益の喪失の論点は落としているものの、まぁ良いと思います。課題(2)はやはりできなくても大丈夫だった模様。

設問2はよくできたと思います。趣旨の書きぶりからすると利益文書は検討していなくても問題なさそうです。自己利用文書については検討の必要がないと明示されていますね。

設問3は問題ないと思います。意外とみんな書けていないみたいなので差がついたかも。補助参加の利益は辰已模試でがっつり出たので受験していると有利でした。

 

刑法 B→A

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設問1は概ねよいと思いますが、故意の中身を間違えました(名誉毀損の意図は不要で丙の社会的評価を低下させるおそれのある事実を伝播させる認識があれば足りる)。正当行為はやっぱり検討しなくて正解でしたね。

設問2はまず問題文を読み間違えて自説の検討をしていませんが、逆にしている人が超少数だと思うので問題ないと思います。殺人未遂と保護責任者遺棄の区別については殺意の有無だけでなく危険の程度についても書けており(これもリーガルマインド炸裂の現場での思いつきでしたが結果オーライ)、ここはかなり浮いたと思います。

設問3は難しい……(相変わらずよくわからない)。

模試で振るわなかった刑法でAは嬉しいです。

 

刑訴 A→A

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設問1の捜査はよいでしょう。捜査②については強制処分としてもしなくてもどちらでもいいという書きぶりですが、こういう場合採点はどのようにしてるんでしょうね?もしマックスの点数が同じなら強制処分としたほうが論述量が少なくてよいので有利だけど……。かといって結論で点数を左右するのもマズイ気もするし。

設問2の証拠もよいと思います。

むしろ刑事系はもっと伸びてほしかったです。

 

 

 

国際私法 B相当→A相当(上位12%)

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第1問

設問1は先決問題と国際私法独自説、法定地国際私法説についてきちんと書けました。ここは結構国際私法の前提すぎて盲点的なところですね。

適用条文は28条が正しいところ29条にしちゃってますが、まぁここ自体は一応色々な条文を出して法性決定について検討しているので、そんなにマイナスにはならなかったと思います。

設問2は時際法の問題であるところ、公序の問題としており壮大に爆死しています。とはいえ時際法は過去問で一度も出ておらず、辰已の1冊本にも3行しか書いていないのでよほどの国私無双でなければ書けてないはずです。ということで無視します。

設問3は反対説である36条適用を批判して13条2項の適用を論じておりよいと思います。

 

第2問

設問1小問1は特別管轄も色々検討しましたが余事記載気味かもしれません。特別の事情は落としがちで、出題趣旨でも触れられているのでここをしっかり書けたかどうかで差がついたと思います。小問2は7条、11条、8条それぞれを検討し、趣旨の指摘やあてはめも丁寧にできたので完璧に近いのではと思います。

設問2は出題趣旨の分量がハンパなくてビビりました。まず13条1項としてしまったのは大きなミスです。まぁでも仕向地法とすることが書けていれば相対試験では十分だったというところです。

 

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まぁそんなこんなで、結構いくつかの科目で大きな間違いを書いております。他方で利益供与落としを除けば僕が間違えてるところは多くの人も間違えているところだと思います。

ということで、超上位を目指す場合を除いて総じて言えるのはやはり「みんなができるところを確実にする」「みんなができないところは無視してもよい」ということだと思います。その意味で相場観を養うために過去問と答練を解いて採点実感や再現答案を分析することが重要です。

全ての科目において、①条文解釈の姿勢を見せること、②三段論法をきっちりやること、③あてはめを充実させることはかなり気をつけたので、そこが評価されたのかなという印象です。勉強の成果が出て嬉しく思います。