ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

Fall Semester授業②(証拠法、契約法、刑事訴訟法)

今日は3つの授業に出席。

 

まずは履修している以下の2つの授業。

 

① Evidence(証拠法)

f:id:pennguin:20150902105943p:plain弁護士であり好々爺のRudovsky(ルドフスキー)教授の人気講座。毎年好評で、今年も事前登録の段階で満席になっていた。大教室での講義授業。週3回で4単位。

証拠法は以前も少し話したが、民事・刑事ほぼ共通であり、日本よりもかなり発展している。これはアメリカが陪審制を取っていることが関係している。例えば証拠能力を持たない証拠(inadmissible Evidence)が法廷に顕出されてしまった場合、あとでそれを排除したとしても、陪審員に影響が残る可能性がある。法律家たる裁判官ならきちんと峻別できるだろうが、法律の素人である陪審員は難しいだろう。そういうわけで、厳格に提出できる証拠を制限するべく、証拠法が発達しているのである(*今のところのぺんぎんの理解です)。

日本も近年裁判員制度を導入したため、米国証拠法に注目が集まっている。また、かの有名なディスカバリーという強力・広範な証拠開示制度があることが日本との大きな相違点である(ただし、ディスカバリーはEvidenceではなくCivil Procedureで扱う)。こうした事情と、元々証拠法が好きなこともあり、登録した。

授業は典型的なソクラテスメソッドであり、説明はわかりやすいが、少し難しい。内容は、今日はまだオリエン的な感じであるが、証拠法を広く概観するものだと思う。なお、議論形式の授業では学生の発言が増えるわけだが、彼らの英語は概して早く、教授のそれより聴き取りづらいため、難しくなる傾向がある。とりわけこの授業はスライドも使わないので、リスニング力がかなり問われる。LLM生もほとんどいない(もしかしたらぺんぎんだけかも)ため、孤独である。でもまぁ、厳しい環境で負荷をかけないと英語力も伸びないと思うので、頑張ろうと思う。

 

 

② Common Law Contracts for Civil Lawyers(シビルロー国の学生のためのコモンロー契約法)

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以前の記事でも紹介した、LLM生向けの契約法の授業。だいたい40名くらいいたので、3分の1程度が履修していることになる。先生はやはり弁護士であるベテランのMarvin(マービン)教授。週1回で2単位。

前評判通り、あまりわかりやすい授業ではなかった。どちらかというと教授が一方的に話す形式だが、一回目で学生があまり予習してこないと考えたからと予想されるので、今後は議論も多少増えるかもしれない。内容は、契約とは何か、というのをリステイトメントやUCCを使って説明する感じ。

また、そもそも"for Civil Lawyers"と銘打っているが、果たしてコモンロー国とシビルロー国でそんなに契約法は違うのだろうか?日本とカリフォルニアで少しかじった程度だが、今のところはconsideration(約因)の有無くらいではないかと思っている。

 

正直、昨日出た1L向けのContractsとどちらにするか迷っている。徹底的に契約法を勉強したいならそちらを取るべきだろう。しかし、既にCorporationsとEvidenceの履修を決めており、そしてこれはどちらもアメリカ法の重要科目であり、それぞれ4単位とハード。4月病で1Lの方を取るとオーバーワーク間違い無しなので、Common Law〜にしようかなと思案中。

*というか、今は4月病というより5月病なので、、というのもある。

 

これらに加え、次の授業を聴講。

 

③ Criminal Procedure: Prosecution and Adjudication(刑事訴訟法:起訴と判決)

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発展的な刑事訴訟法。週2回で3単位。先生はヒゲの量が半端無い検察官のBibas(ビーバス)教授。めっちゃイケメンの紳士。ペンでは珍しく学生をミスター・ミス+苗字で呼ぶ。

*なお、コロンビアローとかはほとんどの教授が苗字で呼ぶらしい。学校の性格が出る。

個人的に刑訴は好きな科目なので少し覗いてみたが、内容が結構マニアックであり、ハイレベル。今日は憲法修正6条の弁護人選任権についてだった。また、比較的少人数(20人程度)なのでよく当たる。

シラバスにも書いてある、「ロースクールの刑訴の授業は最高裁の理論に重きを起きすぎた。もっと現実世界で警察、検察、裁判官が州ごとに異なるルールをどのように用いてるかを説明するべきだ」ということを強調していた。そういう意味でも、先生の独自色が強い授業なのだろう。

LLMの友達であるイタリアの刑事弁護士が履修していたように(彼も難しいと言っていた)、刑事弁護、検察官を本格的に目指す学生が取るべき授業であり、僕みたいに単なる趣味で取るべきではないなと思った。上記のようにアメリカでは証拠法が別科目になっているため、刑訴法はすなわち捜査法ということになるはずである。それだけ内容も濃くなるのかなと。

そういうわけでこの授業の履修は見送る。ただ、先生はとてもいい人で説明もわかりやすいので、捜査法を集中的に勉強したい方にはオススメの授業。

 

 

何だか選べる授業が多すぎて本当に迷ってしまう。贅沢な悩みだけども。改めて、「自分はLLMで何を得たいのか」ということを考えさせられることになった。

基本科目を多く取る人、発展科目を多く取る人、様々だが、色々な意見を総合した感じでは、やはり「両方バランスよく」というのがいいようである。明日以降も色々な授業を聴講していきたい。