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ぺんぎんぺーぱーちぇーす -PennLawLL.M.留学記-

University of Pennsylvania Law School LL.M.(ペンシルベニア州フィラデルフィア)を修了し、日本に帰ってきました。留学時代のことやアメリカのことなどを細々と書いていきます。

Fall Semester授業③(マーケティング)

無事(と言えるかわからないが笑)最初の一週間が終わりました。ということで、今日も出席した授業について。

 

Marketing Management(マーケティングマネジメント)

ウォートンのMBA生向けの授業。週2回だが、半期で終わる。

なぜマーケティング?と思われるかもしれない。実は最近経営学に対する興味が強いのだ。とりわけマーケティングというのは一言で言えば「いかにしてしょぼいものを良く見せて買わせるか」というある意味虚飾に満ちた世界であり、規制を主とする法律とは対極に位置する。正直胡散臭くて嫌いなのだが、食わず嫌いも良くないし、かえってその嫌いな学問に足を突っ込んでみたら新しいモノが得られるかも、と思ったのである。そして何より、単純に面白そうだ。

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先生は消費者行動や、インターネット世界とリアル世界の関係、等を専門とするベル教授。このホームページの写真もモデルみたいだが、実際めちゃくちゃかっこいい。流石マーケティングの教授…自分のブランディングに成功している…。

しかもめちゃくちゃ親切だった。ロー生がウォートンの授業を取るには教授のサインが必要なのだが、それを頼むと快くやってくれ、「マーケティングの素人なんだけど…」と言うと、

「大丈夫!おすすめの本あるから紹介するよ。わからなかったらオフィスアワーに来て。というかとりあえずメール頂戴。まぁ確かにMBA生向けの授業だけど別に実務経験が無くても大丈夫だよ。授業の準備しっかりすれば大丈夫だって法律の授業と一緒だろハハハ」

とのこと。フレンドリー。

内容は、ターゲティングなどに始まり、ブランディング、価格設定、等マーケティングを概観するものだと思う(素人なのでよくわからないが)。実際の企業の商品等をモデルに説明されるので、面白い。MBA生向けであり、若干背景知識を必要とはするので素人にはキツいが、一応院の中ではベーシックなコースだと思う。

 

何より驚いたのは学生の挙手率の高さ。

理論中心で準備が必要な法律の授業と異なり、より常識的なこと(体験談や純粋な思いつきなど)を問う質問で答えやすい、という相違はある。しかし、ビジネススクールはホントもう小学校かよってくらいの積極性で手が挙がる。「なんでもいいから言ってみる」という姿勢がある。教授の受け応えも見事である(ExcellentとかFantastic等の大げさな単語を連発する)。

実は隣の教室のBerger(バーガー)先生の授業に出席しようと思ってたのだが、間違って違う教室に入ってしまった。ベル先生も有名だと思うが、バーガー先生は若手の新進気鋭の学者という感じで、著書の"Contagious"は大ヒットし、日本語にも翻訳されている。オフィスに頼んでバーガー先生の授業のビデオを見させてもらったところ、テンポよく、英語も聴き取りやすく(ベル先生はニュージーランドの方で若干僕にはキツい)、いいなと思った。しかし、教授のサインをもらったペーパーの提出期限が今日金曜で、バーガー先生のサインをもらうことは難しいだろうということと、ベル先生は面倒見が良さそうということで、ベル先生の授業に出ることにした。

 

そもそも経営学とは何なのだろう、と思っている。最近の意識高い系ブームに乗り、経営学も流行っている気がするが、ファイナンスなどはともかく、マーケティングやリーダーシップは、学問的分析というよりはもっと純粋なコミュニケーションやビジネスアイディア、という気がしてならない。若い学問だから、というのもあるのだろう。

法学徒からすると、正直「胡散臭いな」という感じではあるが、同時に「楽しそうでいいな」という羨ましさもある。例えばリーダーシップではディスカッションが多く、コミュニケーションスキルが養われるし、それはそのまま日常の友人関係や恋愛などにも生きる。マーケティングの知識も、自分を良く見せることで人間関係を円滑にすることが出来るだろうし、日頃の生活で見るCMは広告などがそのまま研究対象になるのである。その、「日常と学問の相互作用」みたいなのは、法律にはあまり無い。法律はもっと純粋たる学問であり、確かに人間や法人の活動を規律するルールではあるが、俗世間からは一歩引いている。経営学では人間的コミュニケーションスキルや常識的感覚が無いとやっていけないだろうが、別に法学部では(少なくとも試験で点を取るためには)そんなものはいらない。ガリ勉した者勝ちだ。

そもそも経営学はビジネスを扱うが、それはいわゆるサラリーマン全てに関わるものだ。要するにビジネス書(≒自己啓発書)の世界であって、別に専門家や専攻の学生だけの世界ではない。一方で、法曹や法学部生でも無いのに法律書を買う人は少ないだろう。買うにしても、専門書ではなく、よりポップな本だったりする。法律も全ての人に関わるものだが、別に勉強しなくても社会ではやっていける。

 

まぁそういうわけで、「留学生活興味あることは何でもやってみよう」モットーで履修することにする。楽しみだな。