(和光でのぺんぎん、ならぬ神戸・王子動物園のパンダ旦旦)
民裁、検察、刑裁、弁護の4つの実務修習について書く前に、直近で記憶の新しい集合修習から書きたいと思います。
約8ヶ月の各修習地での実務修習を終えたあと、A班の修習生は和光の司法研修所で1ヶ月半の集合修習を受けます。
*A班とは関西と関東の修習生のことで、B班はそれ以外。研修所のキャパの面から半分ずつ集合修習を受ける。
集合修習の日程は公表されているのでここにリンクを貼っておきます。
かいつまんで言うと、集合修習でやるのは
1 即日起案とその講評
2 民事刑事それぞれの模擬裁判
3 問題研究と演習(ゼミ的なもの)
の3つです。
1 即日起案とその講評
二回試験と同じように9:50〜16:35の時間で民裁・刑裁・検察・民弁・刑弁の5科目を2回ずつやります。
そうです、つまり集合修習の30日間のうち丸10日間は丸1日をかけての試験なわけです。もうこの時点で憂鬱な気分になります。
起案は司法試験のように時間制限が厳しい試験ではないですが、大量の資料を読みこなさなければならず、なかなかハードです。
さらに講評も長い。特に民裁は丸1日かけて行う。研修所の意向なのか、民弁以外はレジュメやパワポのコピーが配られないので、ひたすらパワポを写さなければならずしんどい。これ、普通にコピーを配布すればいいと思うんですけど、そうするとみんなサボるからですかね?
2 民事刑事それぞれの模擬裁判
実際の事件を題材にした記録を配られ、何らかの配役を与えられ、判決までの一連の裁判手続きを行う。
民事は僕は証人役だったので、証人の言い分の資料を読み、それを頭に入れて、弁護士役の人の準備書面作成や陳述書作成、尋問事項書作成のための聞き取りをし、それから尋問に出廷。僕は主尋問担当だったので思わぬ質問への対応はしなくて済みましたが、質問と答えを頭に入れて尋問に答えるのは結構骨が折れました。しかも自分が実際に体験していることならともかく、書面を読んでいるだけなので、理解して記憶していないと普通に忘れます(ここが模擬裁判の限界ですね)。弁護人役の人がうまく答えを引き出すように質問をしてくれたので助かりました。
刑事は僕は検察官役で、被告人への反対質問を担当しました。これ、被告人役の人には「言い分」が渡されているわけですが、当然あらゆる事項を網羅しているわけではない。そして検察官役が気になるところは言い分に記載がないところだったりする。結果的に被告人役をかなり困らせてしまいました。尋問全体を通して弁護人役が異議を出しまくったりして結構白熱しました。ほしい答えを引き出せるような質問内容を頭を絞って考えたり、やっぱり尋問は楽しい。
民事も刑事も記録はかなり重厚で、各期日が設けられ、それに応じて各種書類の提出が求められ、、と、かなり実際の裁判に近いものではあるのですが、いかんせん役が与えられるのは一部だけで、全体をきちんとやることはできない(例えば、検察官役の中でも、証明予定事実記載書担当、証人尋問担当、被告人質問担当等と担当が別れる)。
刑裁修習のときの模擬裁判は裁判官役としてすべての過程を自分でやって手続を体感できたので、そちらのほうが良かったです。いかんせん69人で一クラスって、多すぎるんですよね……。
3 問題研究と演習(ゼミ的なもの)
要はゼミ付きの講義みたいなもので、刑事の量刑とか被害者保護、民事の模擬法律相談や和解などを行った。法律相談はわりと面白かった。
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実務修習は夕方5時に終わって基本的に仕事を持ち帰りはしないわけですよ。だから起案の前とか以外は5時以降は好きにしてられるわけです(最高)。
でも集合修習は5時に終わっても起案の勉強や予習やら模擬裁判の準備とかで結構忙しい。書類も大量に配られて管理も大変である。
なんか普通に働いてる人に聞かせたらぶっ飛ばされそうなことを言ってる気がします笑
実務修習は修習とはいえ一応スーツを着て裁判所や検察庁、法律事務所に行って「仕事」的な感じがしてやる気が出るんですが、集合修習は完全に「学校」な感じがしてなんとも…。
死ぬほど学校行ったのにまた学校行くんかい?ととにかく毎日憂鬱な気分でありました。
次回は生活編をお送りします。