イスラムへの誘いー帰国報告

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帰国しました。

日記をのちのち書いてアップしていく予定ですが(といってインドのときも結局しなかったですね…)、ひとまず帰国してすぐ、思うところを書きたいと思います。

 

今回は通常1ヶ月以上はかけるだろうルートをわずか2週間で行こうとしたのでドタバタでした。結果的に、途中で「あれ、これどう見てもヨルダンからエジプトまで紅海渡って抜ける余裕なんてないわ…」と気付き、仕方なくヨルダンから飛行機でカイロに行こうとしたものの「あれ、これカイロ見る余裕すらなくないわ…」と気付き、カイロは諦めて経由だけして帰ることとしました。いやはや、いつもながら計画性がなさすぎる…。

 

ということで、結局ルートは

大阪

↓(空路)

韓国・ソウル

↓(空路)

トルコ・イスタンブール

↓(夜行バス)

トルコ・カッパドキア

↓(空路)

トルコ・イスタンブール

↓(空路、電車、バス)

エルサレム死海パレスチナベツレヘム

↓(バス)

イスラエル・テルアビブ

↓(バス、乗合タクシー

ヨルダン・アンマン

↓(乗合タクシー

ヨルダン・ペトラ遺跡

↓(乗合タクシー

ヨルダン・アンマン

↓(空路。ベイルートとカイロを経由)

エジプト・アジスアベバ

↓(空路)

東京

 

という感じでした。見るからに無茶ですね?笑

移動しまくりでかなり疲れました。トルコの夜行バスは寒くて狭くて本当にしんどかった。もう年齢的に夜行バスはきついですね……。イスタンブールへの帰りは飛行機にしましたが正解でした。

 

今回の悪かった点としては、短い期間で詰め込みすぎでのんびりする暇がなかったなぁということです(わかりきってはいましたが)。そして、そのわりに計画性がなく行きあたりばったりでした。短い期間のときは計画キッチリしてったほうがいいかもですね(とはいえ計画のなさこそがバックパック旅行のアイデンティティであるような気も……)。

 

あと、トルコからイスラエルはシリアが間にあるため原始的に陸路が不能なため仕方ないですが、全体として飛行機使いまくりでした。乗り換えも含めると実に全部で9回も乗りました。飛行機使い出すともうなんでもありになってしまう(陸路の制約の中でルートを考えるのが面白い)し、空港でトラブルになることも多くて、僕は飛行機はあまり好きじゃないんですよね。

反面、夜行バスはしんどいし、そもそも昔ほど「移動」を楽しめなくなっている自分がいることに気付きました。陸路国境越えはバックパック旅行の醍醐味で、今回もイスラエルからヨルダンと越えたときはやはり「これよ、これこれ」とテンションが上ったのですが、「移動」それ自体へのロマンはかなり失われてしまったなぁと思います。

今でも思い出すのは、大学一年生のときの、タイのピッサヌロークという駅からチェンマイへの夜行列車に乗って、デッキに出て、どこかもよくわからない真っ暗なところを猛スピードで進んでいることにものすごく興奮して「あぁ、人生にこんなに楽しいことがあったんだなぁ」と思ったあのときです。あの興奮はもうないなぁ、、、悲しいけれど。

列車・電車はまだ好きですが、バスは普通にしんどいです。揺れるし狭いし。南米のとき30時間連続とかありましたが、あのときは友達と一緒だったから耐えられたような気がします。

 

まぁ仕方ないのもありますね。渡航国の数を数えてみたら、今回で33カ国になりました。どこ行ってもn番煎じになるのはやむを得ないことです。

あと年齢的にも普通に不衛生なのが嫌になってきたし

「頑張って弁護士になったのになんでこんなボロい汚い宿でチョロチョロとしか出ないシャワーで体洗ってるんや……なんで暖房もない部屋でギシギシいうベッドで凍えながら寝てるんや……」

……とか思ってしまいました(我ながら嫌なヤツだな…でもエルサレムとアンマンの宿は本当に酷かったんです)。

あと

「ロロピアーナのオーダースーツとイタルスタイルのツイルのシャツとジャランの靴でかっこ良く決めたいのに、なんで着替えもろくに持たず手洗いしたパンツ履いてジーパン履いてダウン着て、ボサボサの頭で歩いてるんや…」

とも思ってしまいました(マジで嫌なヤツですね…でもこんな格好だとレストランとか入るの躊躇するし、アジア人でただでさえ童顔だから学生と思われて舐められるんですよね…)。

僕も反体制の気持ちを忘れて体制側に行ってしまったのか???いや、弁護士はやはり反体制であるべきだろうが……云々。

 

こんなこと言ってるわけだし、そろそろバックパッカーも引退かな?とか思ってしまいました。まぁ、どうせ長期間の旅行はできないでしょうけども。

 

 

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なんかマイナスなことばかり言ってますが、今回の旅行はアカンかったのかというと、そこは、実はやっぱりそうでもないのです。ものすごく充実した旅行でした。簡単にまとめます。

 

1 パレスチナ問題・宗教問題

まず、現在でも続いているパレスチナ問題の舞台であり、ユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地であるエルサレム、ここを訪れることができて本当に良かったです。逆に、もっと早く行っておくべきだったと後悔しています。

世界史を勉強してても、この辺って難しいんですよね。中東って遠くの世界の、自分とは関係のないところの話に聞こえてしまいます。ニュースでエルサレムとか聞いても、歴史上の地名としか思えない。

でも、自分で行ってみて、エルサレムの空気を吸って、そこにいる人と話してみる。エルサレム旧市街に住んでいる人がいること、普通に日常生活を送っている人がいること、そういうことが肌身を持ってわかる。もう遠い世界の話ではありません。テルアビブやエルサレム新市街でイスラエル人に話を聞く。ベツレヘムやヨルダンでパレスチナ人に話を聞く。両方の側からパレスチナ問題を考えてみる。こういう体験ができて本当に良かったです。

 

そして、(エジプトには行けませんでしたが)、中東・ムスリム・アラブの世界に入り込むことができたこと、が何より貴重でした。ベツレヘムやアンマンでアラブ・ムスリムの世界に触れて、彼らの人懐っこさと親切さに触れること。美味しいアラブ料理を食べること。

どうしてもアメリカ側・キリスト教的世界からアラブ・ムスリムを見てしまっていましたが、中から見る景色は全然違いました。シリアへこそは行けないものの、シリアに行って殺害された香田氏がアンマンで泊まったホテルを訪問して、彼を追悼して建てられた「コーダホテル」に泊まりました。

 

それから、ムスリムとクリスチャンが普通に共存している様子を、パレスチナ人、エチオピア人、レバノン人と話したり、街を見たりして考えたことです。元来2つの宗教はパレスチナの地でも共存していたのです。イエス生誕の地ベツレヘムムスリムの方が多い。

 

2 文化・街並み等

そして、世界で唯一の「アジアとヨーロッパの架け橋」である国際都市イスタンブールで、文化の交わりを感じたこと。

人類の起源といえるアフリカに踏み込めたこと。

新興都市テルアビブや、中東の大都市アンマン、アフリカの大都市アジスアベバ等で、新しい高層ビルが立ち並ぶエリアと廃墟だらけのエリアを見て、街の発展やら格差やらについて考えたこと。

 

3 自然

世界遺産カッパドキアとペトラで自然の奇跡ともいえる景色を見たこと。特にペトラの地層は圧巻でした。

 

 

 

 

と、得るものが多い旅行でした。

 

そもそも、仏教を除く主要三宗教が生まれたのも、三大文明の一つであるメソポタミア文明が生まれたのも、すべてこの肥沃な三日月地帯なのです。歴史の起源がここにあると言っても過言でありません。

そう思うにつけても、大学のときに行っておくべきだったなぁ、と強く思うのです。

 

うーん、どうしてもマジメになってしまいましたが、終わってみればしんどいながらも普通に楽しい旅行でした。

 

 

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今までの旅行を振り返ってみると、北米、中南米、東アジア、東南アジア、南アジア、東欧、西欧、中東、東アフリカ、を少しずつ齧ることができました。だいぶ世界全体がぼんやりとつかめてきた、そんな気がします、

それでも行ってないところはたくさんありますね。カリブ海オセアニア西アジア、北欧、南欧北アフリカ、西アフリカ、南アフリカ、、、世界は広い。

 

ということで次に行きたいところについて簡単に。

 

イタリア

大学一年のヨーロッパのときに、「見どころが多そうだから行くならガッツリ行きたい」とあえて外し、それ以来結局行けてない。スーツとかファッションを見たいし、やはりローマ帝国があったここの文化は最強だと思う。あとジョジョ5部が好きなので一番行きたい。

 

スペイン

同上の理由で行ってない。ご飯美味しいだろうし、ラテンは肌に合うから楽しそう。

 

ギリシア

村上春樹が好きだから。地中海をのんびり味わいたい。

 

ロッコ

イスラムとキリストの融合。ジブラルタル海峡渡りたい。

 

ポルトガル

おすすめする人が多い。西の果て。深夜特急

 

イラン

おすすめする人が多い。人の親切がすごいらしい。イスラムは不完全燃焼。

 

エジプト

今回のリベンジ。ピラミッド見てガッカリしたい。

 

うーん、こう書いてるとまだバックパッカー引退するわけにはいかないかなぁ?でもイタリアとかは普通に友達と行くのが楽しそうや……

 

というわけで、帰国報告でした。シュクラン、マアッサラーマ!(ありがとう、さようなら!(アラビア語))