麻布十番②

 

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麻布十番という街……皆さんは来たことがあるだろうか?

僕にとっては「大人な街」であり、住み始めるまでは夏祭りくらいでしか来たことがなかった。まさかあのときには自分がこんなとこに住むことになるとは全く想像すらしていなかった。

しかし、いざ住んでみるとなかなかに良い。

 

名前

まずなんといっても()名前がかっこいい。麻布十番。京都の街もそうだが、数字が入った地名ってかっこいい。麻布十番駅祇園四条駅には負けるがかなりかっこいい駅名である。十番と略すところも乙である。

なお、アザジュウとは略さないらしいので注意されたい。

名前の由来には諸説あるが、港区のHPによるとこんな感じらしい。

この町名の由来はいくつか説があります。江戸時代に古川の改修工事のため「第10番目の工夫を出した地域」とか、「10番目の土置き場だったから」、「10番目の工区だったから」などの説が有力です。特に最後の説は、土置き場を示す杭が後に残っていたという記録があったことからも、信憑性が高いと思われていますが、はっきりしていません。

いずれにせよ10番という区切りの良さで縁起が良さそうである。

 

雰囲気・グルメ

都会でありながら落ち着いている。六本木の喧騒が嘘のような上品な町である。石畳みの素敵な大通り。神楽坂や京都を思わせるような独特の雰囲気がある。実際に盆地にあることと、坂が多く暗いことからも、街自体が一つの隠れ家を形成している。

そもそも麻布十番は、六本木六丁目、鳥居坂、飯倉片町あたりにあった武家屋敷の坂の下、そしてそれ以後は高級住宅街南麻布の台所として発展した下町である。下町というと江東区台東区葛飾区等東京の東側のイメージだが、山の手の港区のど真ん中に下町があるというのは面白い。そんなわけで、浪花家総本店(たい焼き屋)をはじめとする老舗の名店、昔ながらの花屋、本屋、おもちゃ屋、パン屋といった商店等が現在も残っている。これが、今風のオシャレなレストランやカフェと同居している。これがまた面白い。

グルメは東京の中でも群を抜いているのではないだろうか。とにかくどこに行っても美味しい(値段は張るけど…)。和食のお店が多いが、大使館が集中し外国人が多いことからも多彩で、イタリアン、アジア料理、韓国料理等々、麻布十番で食べられないものはあまり見当たらない。

デート向けの上品な店が多いが、意外と一人でも入りやすいうどん屋や中華料理屋もあるので、一人暮らしでも困らない充実した食ライフを送ることができる。

他方で、やはり大人な街だからだろうか、ラーメンに関しては残念である。そんなに数が無いし、その少ない店もそんなにパっとしない。油そば屋がないのが個人的には辛い。泣きながら麻布ラーメンをすすっている。

 

アクセス

六本木まで徒歩圏内ということを除いて、他の街へのアクセスは正直にいって微妙である。そもそも麻布十番駅の歴史は浅く、2000年にようやく地下鉄が開業した。それまでは「陸の孤島」と呼ばれていたようだが、今でもその感は拭えないところがある(元々麻布十番の隣の南麻布は高級住宅街で車移動が多く、電車が無くても不便でなかったというのもあるらしい)。

現在、南北線大江戸線が通っている。ユーザーには申し訳ないが、南北線は特に行きたいと思える駅がない。大江戸線は新宿に行くには重宝するが、とにかく深くて乗るまでが億劫である。

僕が休日によく行くのは銀座・有楽町・新橋、新宿、渋谷あたりだ。新宿は一本で行けるものの、新宿駅に着いてから地上に上がるまでが大変で遠く感じる(しかも南口に出るので東口まではさらに遠い)。その他の場所は乗り換えがいるし、乗り換えでかなり歩く。やはり日比谷線か銀座線が通っていてほしかった、、、どこでも一本で行ける中目黒にすればよかったと思うことが結構多い。

というのも、麻布十番は生活をするには便利だが、大規模商業施設があるわけではないので休日の買い物にはどこかに行く必要があるのである。じゃあ六本木まで歩けばいいじゃん、ということだが、休日くらい違うところに行きたいし、六本木は意外と店が無い。ビックカメラセレクトがオープンして多少は便利になったようには思う。

ただし、である。バス網は意外と発達している。港区はバスが便利なのである。例えば新橋駅までは駅前からバスで18分。渋谷駅までは駅前からバスで23分。ちょっと時間がかかるが、そう考えればそんなに不便ではないかもしれない。電車を使うのは辞めよう。

 

カルチャー

僕は全く知らなかったが、麻布十番セーラームーンの舞台であり(主人公たちの通う中学校が十番中学校)、現在では駅の近くにショーレストランまである。セーラームーンはお嬢様だったのか……。

それから、新一の橋交差点の西辺りにクラブがある。商店街・住宅街の近くにクラブがあるというのも面白い。ちょうど僕が引っ越す前くらいにELEは閉店し、現在はけやき坂下の1OAKが移転し再オープンしている。今はコロナの影響で閑散としているが、またこのあたりも賑やかになるんだろうなぁ

 

見るからに金持ちそうな人が多い。マダム、金持ちそうな若夫婦、イケてる若いカップル、等が主である。芸能人もやはりチラホラ見かける。僕の生まれ故郷とは雲泥の差である。そのためちょっと気を張ってしまう(職場の同僚も多い)。

 

生活環境

以外にもスーパーは充実しており、成城石井ダイエー、けやき坂の方まで行けばリンコスもある。前述のように一人で入れるご飯屋もチラホラある(牛丼屋はないが…)。あとドラックストアもやたらと多い。マッサージ屋も多い。カフェももちろん多い。そんなわけで一通りのモノ・コトは揃うので、住みやすい街である。

 

やっぱり河原町が大好きな僕だが、十番の街並みや雰囲気は京都に近いところもあるし、なんせ古い街なので、東京の深い歴史を感じることができる。なんだか東京のこともちょっぴり好きになれそうである。

皆さんも是非麻布十番に遊びにきてください。いずれ大阪みたいな麻布十番グルメガイドも作成したいと思う。