New Year's Resolution

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(元旦恒例、親戚で行く某ステーキ)

だいぶ遅くなりましたが、昨年はお世話になりました。そしてあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

正月から5日間ほど祖母の家に泊まって勉強合宿していました。「何も言わなくても美味しいごはんが出てくる。洗濯もされている。ベッドメイキングもされている」という最高の環境でした。母親のいない自分には、祖母の小言さえも懐かしく嬉しく感じた。また行きたい。

 

さてタイトルのNew Year's Resolutionとは「新年の抱負」という意味である。

もちろん今年の抱負は言わずもがな、「司法試験合格」ということです。今年はチャレンジの年だ。

思えば、最近は毎年チャレンジの年だったなと思う。

2010年 大学入学、初めての海外

2011年 スタバと塾バイトの掛け持ち

2012年 カリフォルニア留学

2013年 ロー入試

2014年 ロー入学、留学選考

2015年 フィラデルフィア留学

2016年 バー受験

大学入試のときは、「これが人生で一番のチャレンジだろうな」とか思ったが、そんなことはなかった。まぁ、そういう道を選んだからかもしれないが、大人になって振り返ってみれば、大学入試なんてたくさんあるチャレンジの内の一つにしか過ぎないな、と思う。

恐らくもっとあとになって振り返れば、この5,6年間も「毎年何かしら目標があってよかったな」と思うかもしれない。目標がなくて漫然と生きているだけでは、そのときはラクかもしれないが、つまらない

司法試験後再びバーを受けるかは考え中である。就活がどれくらい続くかわからないからだ。だいぶ忘れている今、確実に合格するには2ヶ月の勉強時間が必要と思うので、ちょっとキワドイ。ただ、彼女に会いたいのと犬に会いたいという理由で、どちらにせよフィラデルフィアには行くことになると思う。

そういえば彼女が中国に帰省するついでに先月東京に来たので、久々に会った。毎日連絡しているのであまり久しぶりという感じもしないが。彼女が温泉嫌い(一人で入るのが恥ずかしいらしい)ということをすっかり忘れて大江戸温泉物語に連れてってしまった。あそこは楽しいが、ちと値段が高いですね

去年は本当に色々なことがあったが、その振り返りとかはまた今度気が向いたらさせてください

 

新年の抱負を叶えるにあたり僕も少し生活を改めた。まずはツイッターを辞めた。ツイ減ではなくツイ禁である。アプリもアカウントも削除した。

ツイッターをやっていない読者の方は「何をそんなもの」と思われるかもしれないが、僕にとってツイッターを辞めるというのは一大事である。SNSの中毒性・依存性というのは、一説では薬物にも匹敵するものであるらしい。リツイートとかされるとドーパミンがドバドバ出て、承認欲求が満たされ、多幸感が増すとかなんとか

今考えてみるとアメリカでもツイッターばかりやっていたが良くなかった。水村美苗が『私小説』の中で、アメリカでうまくいかない生活をしている中、唯一の心の拠り所が日本文学だったと書いていたが、僕にとってはツイッターだったのだ。ツイッターを通して日本や日本の友達とつながっていることが心の支えだった

しかし、いざ辞めてみるとそこまで禁断症状はでない。やはりスパッと何かを辞めてみるのはいいことだと思う。あれだけ毎日見てたのに、今のところそこまでしんどくない

実はその代わりにWeibo(中国版ツイッター。彼女に始めさせられた)を見るようになったのだが、ほとんど中国語で理解できないおかげで開いてもすぐ閉じる。天皇の平成31年退位についてはWeiboで知った

 

それから酒も飲まなくなった。去年は飲み会で結構時間が取られていたし、気分が良くなってつい夜更かししてしまう。この前はイタリアンバルに行ってジンジャエールを飲んでいた。

 

そんなわけで、今年もよろしくお願いします。

コロンビアでの日本人バックパッカー殺害事件を受けて/南米での過去の日本人死亡事件

www.nikkei.com

 

arcanaslayerland.com

今から2週間ほど前だが、大学生がコロンビアで強盗に殺害される事件が起きた。バックパッカーにとってまた衝撃的な事件が一つ増えてしまった。これを機に改めて海外での安全を考えたい。

 

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自分の経験から

僕も、初めて東南アジアに行ったときは、初めての海外で一人旅だったので、本当に気をつけていった。旅先で会う人はまず疑うようにしていた。

しかし、去年と今年にかけて南米に行ったときは、わりと気が緩んでいたなと思う。初めて友人と一緒に行って安心感があったというのもあるが、自分が旅慣れているという自信と、アメリカに1年暮らしたという海外への慣れのせいだと思う。

しかし、上のリンクの記事でも言っているように、この「慣れ」こそが一番恐ろしいと思う。「なんだ、意外と悪い人ばかりじゃないじゃん」という経験則を得ると「人を簡単に疑うなんてよくないな」と思うようになる。下手をすると、安全策を取っている人を見て「そこまで気をつけなくても大丈夫だよ」と、変に自信というか、先輩風を吹かせてしまうこともある。彼がどうだったかはわからないが、彼の死から学ぶべきなのはこういうことだと思う。

 

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中南米は危険なのか

中南米は危険というイメージがあるかもしれないが、一口に「中南米」と言っても広い。南米では今回事件が起きたコロンビア、ベネズエラ、そして中米ではホンジュラスエルサルバドルなどが最も危険と言われている。

 

実は、旅行先を考える時、中米も選択肢の一つだった。

「土地が狭くて一気に何カ国も行ける」「マイナーな国ばかりで面白そう」「中米を抜ける冒険感」が魅力で、メキシコからコロンビアまで行こうかなと思った。結局、あまり見どころが無いという理由で南米にすることにしたが、中米が本当に危険であるということも理由の一つだった。

そして、コロンビア(の首都ボゴタ)に行く案もあったが、2つの理由で却下となった。一つはエクアドルのキトから遠いこと、そしてもう一つは、「危険なこと」だ。

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http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_248.html#ad-image-0より

この外務省の危険情報を見れば一目瞭然だが、コロンビアは最低でもレベル1、そしてレベル3の地域もかなりある。

実は、中南米全体でもこれは異常なのだ。

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ブラジル、ボリビアなどは、案外真っ白である。

確かに、ボゴタや今回事件があったメデジンはレベル1であり、ここ自体は旅行で行く人も多い。しかし、陸路でベネズエラエクアドルに抜けることを考えた場合、レベル2や3の地域は避けては通れない。そして、コロンビアではバス強盗が多発しているという情報が山のようにあった。バス強盗はもう防ぎようがない。世界で色々とテロが起きている時期でもあり、怖くて行くのをやめた。

 

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南米での主な日本人の事件

南米も大都市を選び危ない場所は避けるようにしたが、例えば日本人が過去で被害にあっている場所は警戒する。やはり自分と近い境遇の人の事件は衝撃度が高い。

 

世界一周屋 ~ Go around the world!! ~: 【La Paz】 ラパスで置き引きに遭う

例えば、ボリビアのラパスは置き引き等が多発している場所である。荷物には最大の注意を払った。

 

世界一周旅行中の夫婦ブロガー死亡、アフリカでマラリア感染か? | ちほちゅう

それから、ラパスは有名な世界一周ブログ夫妻がマラリアで死亡した場所でもあった。

彼らはアフリカでマラリアにかかり、ラパスに来て発症したものの、高山病だと勘違いして(ラパスの標高は4000m)、そのまま死亡してしまった。

そういうわけで、ラパスはバックパッカーにとってはある意味で特別な場所だった。僕はアメリカで黄熱病の注射を打ち、マラリアと高山病の薬も持っていったが、少し気分が悪くなったりすると何かの病気かと思って冷や汗が出た。

 

ボリビアで邦人女性が事故死 | 2011/6/3(金) 16:01 - Yahoo!ニュース

更に、デスロードと呼ばれるラパス近郊の崖を自転車で下るツアーでも、日本人が崖に転落して死亡している。僕はツアーに参加するか迷ったが、結局命の危険を感じてやめた。

 

エクアドル新婚旅行殺人事件 - Yourpedia

そして、エクアドルグアヤキルは日本人の新婚旅行夫婦が殺害された場所である。実際、夜のグアヤキルは人通りが無く、店も閉まっていて本当に危険を感じた。入国時に「流しのタクシーには乗るな」という注意書きをもらった。もしかしたら殺されるかもしれないという危機感を常に持ってはいた。

しかし、夜にバックパックを背負って(明らかに旅行者とわかる格好で)一人で出歩いたりもしたのだから、何も無かったのは運が良かったという言い方もできる。本来ならば、夜に一人出歩くべきではないのだ。僕がもしそこで被害にあっていたら、僕にも責任があるだろうなと思う。

 

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バックパッカーの武勇伝自慢は危ない

バックパッカーはハプニングを自慢げに話しがちだ。

たしかに、「あんな危ない目にあったけどなんとか助かった」というのは冒険譚としては面白い。僕自信も、ちょっと危ない目にあったことを武勇伝的に友達に話したことが結構ある(宿で荷物を荒らされたとか)。

しかし、自分の警戒のお陰で防げたという教訓ならともかく、単に危ないことをして危ない目にあったが助かったというのは「運が良かった」に尽きる。例えば「コロンビアは危ないっていうけど俺は何もなかったからだいじょぶ。全然へーきよ」というのは本当に無責任だ。単にそいつが運が良かったに過ぎない

「きれいな場所だったし、俺は大丈夫だったけど、被害にあった人もたくさんいるから、もし行くなら本当に気をつけるべきだよ」と言うべきだろう。今回の事件は、そういう文脈で語られるべき教訓だ

 

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 今回の事件からの教訓

ただし、そういう危険な都市に行くこと自体を批判するのはどうかと思う。メデジン自体はレベル1だし、今回殺害された方を批判する気にもなれない。

確かに、

①電子機器(iPhoneタブレット、カメラだろうか)を見えるように使っていた

②ひったくりを追いかけてしまった

というのは彼の落ち度かもしれない。旅慣れていることで油断もあったのかもしれない。しかし、カメラ等を普通に首から下げている旅行者は山ほど見たし、初めから銃を突きつけてきたような強盗ならともかく、単なるひったくり(刑法的にはこれも強盗になりうるが)だったら、つい追いかけてしまうのもわかる気がする。初めての強盗犯が凶悪犯だったというのは、運が悪かったとしか言いようがない。

 

ただ、こういう事件を受けて旅行する人が減ってしまうのは悲しいと思う。確かにいくら警戒しても防げない事件はあるし、その発生度は圧倒的に日本より南米などの方が高い。ただ、気をつければ防げるものが多いことも事実だし、旅行は本当に楽しい。南米は本当に行く価値があるところだ。

ただ、こういう事件を教訓にして、日本人の危機意識が上がればいいと思う。

Matt Parker氏(Penn Law) の死に寄せて

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www.law.upenn.edu

 

8年間に渡りPenn LawのGraduate ProgramのAssociate Deanを務めていたMatt Parker氏が脳腫瘍で亡くなったとの知らせを受けた。

実は、亡くなったのはもう今から20日も前の11月6日だが、メールを見過ごしていたのと、FBをチェックしておらず、昨日ペンの先輩と話していてようやく知ることができた。

本当に言葉がない。まだ43歳だった。5月の卒業式のときはあんなに元気そうだったのに……。先月にMattが脳腫瘍でホスピスに入ったとの知らせを受けたが、それも驚きだった。まったくそんな兆候は(少なくとも僕が知る限りでは)見られなかったし、あんなに溌剌としていた彼が病にかかるということ自体もあまり考えられなかった。

彼はLLMを取り仕切っていて、本当にお世話になった。合格したときから個別にメールで書類などを送り、入学前の事務的メールも全て彼から来ていた。入学式では、ペンのネクタイをつけて、「世界で最も素晴らしい法教育機関に入れたことをお誇りに思ってください。一緒に素晴らしい将来を作りましょう」といったことを熱っぽく語ってくれた。そして「私をただのAssociate Deanとしてでなく、それ以上に思ってください。何かあったらいつでも頼ってください」と言ってくれた。

その言葉通り、Penn Lawでの生活は彼をなくしては成り立たなかった。Quizzo(フィラデルフィア発のクイズイベント)とか、学校のイベントのほぼすべてに関わっていた。事務的なメールがしょっちゅう来て、その後に、"And one more thing, have a great weekend"というメールを送るなど、とにかくユーモアに溢れた人だった。

それから、僕はLLM Committee(LLM委員会)に属し、Yearbook(卒業アルバム)作成の責任者だったので、その件でもお世話になった。一度発注の時に急遽お金が必要になり、チェックとかが必要で支払いのトラブルになったときは、個人的なカードで建て替えてくれたりした。

熊本の地震など、学生の出身国での災害やテロなどの事件が起きると、すぐにメールを来れ、何かあったらいつでも電話してください、ということも言ってくれた。

"Matt was a beloved figure in the Penn Law community, known for his kindness, intelligence, humor, and generosity."(Mattはその優しさと知性、ユーモア、寛大さで知られる、Penn Lawのコミュニティで愛されている存在だった)

とのDeanのコメント通りの人だったと思う。Penn Lawのフレンドリーで自由な雰囲気はひとえに彼の人柄に寄るところが大きかっただろう。僕は知らなかったが去年にはPennのGSEで教育学の学位を取得するなど、とにかく教育熱心で熱意と学生への思いやりに溢れた人だった。

彼のオフィスには家族との写真もあって、二人のお子さんはまだ小さかったようである。本当に残念としか言いようがない。

1年と短い間だったけど、本当にお世話になりました。この場を借りて、Mattのご冥福をお祈りします。

FFVIIを英語版でやる。

今年の1月頃に書いて放置していた記事を今更投稿します

 

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(ゴールドソーサー。音楽が懐かしすぎてリアルに泣きそうになった)

 

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(懐かしのGバイク)

 

こっちに来てから日本への恋しさか、昔好きだったものに対する懐古の念がものすごい。去年は一番好きなドラマである白い巨塔を一気見したりしてしまった

 

今年に入って、どうしてもゲームがやりたく、でもテレビ買うのもめんどいしな、と思ってたら、なんとFFがiPhoneでできるではありませんか!!

早速買ってしまいました、IXと迷ったけど、VIIにした。

FFの中でも名作とされる本作。まぁ説明はいらんでしょう。僕も子どもの頃ハマった。僕はゲームといったらFFで、今まで1,2,6,7,8,9,10,10-2とやってきた。オンラインが嫌という理由で11をやらず、それから離れてしまったのが残念。

 

さて、普通に日本語でやろうと思ったのだが、App Storeがこっちなので英語になってしまった。まぁ英語の勉強がてら、ということで英語版でプレイ。

英語版でプレイして気づいた違いは以下のとおり

 

1.世界観によりしっくりくる

FF7の世界観は近未来の科学が発達した世界。そして、登場人物は、日本か中国ぽいユフィや動物のケットシーレッドXIIIを除いては全員欧米系の顔と名前である。ヴィンセントとかは普通にある名前だし。

てわけで、英語の方がなんとなくよりしっくりくる。

 

2.キャラ立ちが悪い

やはり日本語の方が話法というか、喋りに出る個性の幅が大きい。

例えば、バレットは江戸弁というかぶっきらぼうな男言葉で、英語でもain'tとかgoddamとかyoとかが多用されて、まぁ雰囲気は出ている。

しかし、エセ?関西弁を使うケットシーの喋りは全然再現できてない。当たり前だけども。英語の個性って訛りには出るけど、語尾とかはそんなないんじゃないか。しかも、イギリスとかのガチ方言だとアメリカ人でも理解できないだろう。関西弁って、標準語と全然違うのに日本人なら理解出来るって意味ですごい言葉だと思う。

てわけで、ケットシーのあの独特の胡散臭さが出てない。

その他、シドはまぁまぁ再現できてるけど、ユフィは微妙だし、どちらにせよ過去にプレイした記憶の脳内補完でなんとかなっている感じではある。

 

3.魔法の名前が残念

FFの魔法は主に英語を基にしている。ファイア、サンダー、ブリザドとかはその典型。

英語版だと、それぞれFire, Bolt, Iceとなっている。サンダーとブリザドはそのままthunderとbrrizardじゃダメなんですかい?

あと、ケアルはcareから来てると思うのだが、CareではなくてCureになっている。まぁ、「治す」という意味ではこちらの方が確かに正しい。

生き返らせるレイズはLifeである。Raiseだと若干意味が違ってしまうので、まぁこれもわかる。命名するとき、元の名前と英語とで苦しんだであろうことが推察される。

で、まぁ命名はともかくとして、残念なのは発展系の名前。

FFでは、原則として、

ファイア→ファイラ→ファイガ

ブリザド→ブリザラ→ブリザガ

のように、強くなると語尾がラ→ガと変化する。

 

しかし、英語版だと、なんと

Fire→Fire2→Fire3

Ice→Ice2→Ice3

なのである。これではあんまりである。

ラとかガとかのあのちょっとずつ強くなってく感じの響きがいいのに。Fire3ってなんだよそれ。

Fire→Fira→Figaとかじゃダメだったんですかい?英語話者はこれじゃ意味不明…?

 

※とか思ってたら、どうやらFF9や10は

Fire→Fira→Firaga

Brizzard→Brizzara→Brizzaga

となっているようです。

日本語を固有名詞として尊重しつつ、英語としてもわかるように苦心した結果が伺われます、はい。

  

4.召喚獣やリミットはだいたいイケてる

召喚獣は、だいたい名前も技も英語由来なので、まんまである。Mega FlareとかHell Fireとか。カタカナより英語の方がかっこいい。

そして、バハムート改はNeo Bahamutとか、バハムート零式Bahamut ZEROだとか、「あー英語だとこういうのねー」というのもあって面白い。

 

リミットもだいたいのキャラの技は英語由来なのでそのまま。ClimhazzardとかFinal HeavenとかCatastropheとかCosmo Memoryとか。

ただ、エアリスとユフィは日本名が多いので少し問題が出てくる。

まず、

癒しの風:Healing Wind

大いなる福音:Great Gospel

血祭:Bloodfest

この辺は、まぁ日本語を英語に直しただけで、読んでも「あぁあれだな」とわかるレベル。どっちでもそんなに変わりはない。

 

しかし、残念なのは、漢字使いまくりの日本語独特の技。

例えば、ユフィの最強技の「森羅万象」は、

"All Creation"

いや、そうなんだけど…そうなんだけど…あってるんだけどさ…、という感じだ。「森羅万象」という熟語の持つ全てを総合して超越した感じは出ていない。

ユフィは「明鏡止水」とか「盛者必衰」とか四字熟語が多いので、英語だとちょっと残念になる。

 

そして、みんな大好きなあの技はどうだろうか。

そう、主人公クラウドの最強のリミット技であり、15回の乱舞攻撃という爽快さとその名前の究極的厨二性から圧倒的人気を誇る、「超究武神覇斬」である。

英語ではなんというかというと…

 

"Omnislash"

 

うーん。なんか物足りない……。

"Omni"はOmnibusとかで使われるように、「全ての〜」の意味なので、直訳すれば「総合斬撃」くらいなもんだ。いまいちパンチが足りない。

超究武神覇斬」という、「ひたすらカッコイイ言葉を集めました」みたいなしつこいほどのカッコよさが出てない。

いっそ、 Ultimate Ultra Samurai Slashとかはどうだろうか。うーん、これでもなんかダサいか

 

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とまぁこんなことを言ってたら、色々忙しくなってしまい途中で辞めてしまった。なんか、色々な思い出が蘇って辛くなったのもある……

司法試験が終わって暇になったら続きをやりたいところ。めっちゃゲームやりたい……。

日本に帰ってから突然EDMが好きになった事件。アメリカにいるオジサンたちもEDMを聴こう

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このブログで度々ライブのレビューや歌詞和訳をしてることからもわかるように、僕は根っからのロック好きである

アメリカではMuse, The Jesus and Mary Chain, The Stone Roses, Franz Ferdinandとロックのライブに行き、日本に帰ってからはサマソニRadioheadやAlexandrosを見た

 

pennguin.hateblo.jp

この記事でも書いたように、アメリカはEDM (Electronic Dance Music) とポップミュージックが全盛で、ロック好きには人権は無かった。クラブ文化があるのでわかるが、レッチリとかニルヴァーナとかストロークスとかビッグバンドを輩出しといてこのザマかい、と何度も愕然としたものだ

ホームパーティやクラブでも流れるのは当然EDMばかりで、全然音楽を楽しめず、家に帰ってから逃げるようにミューズやオアシスを聴きまくってたのは苦い思い出である

 

それでも「食わず嫌いは良くない」と思い、何度か流行ってるEDMを聴いてみたのだが、途中でリアルに気分が悪くなり、全部同じ曲にしか思えず、すぐに聴くのをやめた。深刻なくらいEDMに対する生理的な拒否反応があった

 

それがどうだろうか、日本に帰って改めて聴いてみたら、なんかしれないけどハマってしまった。今では自分でApple MusicでEDMベストのプレイリストを作り、そればかり聴いている

 

何でか色々自分で理由を考えた。考えられるのは以下の2つ

 

天邪鬼

 

要するに、アメリカでは周りがEDMばかりだったからそれが嫌だったけど、日本ではそこまででもないので、むしろ日本ではやってるしょうもない曲から逃げたのだろう、と思う

 

アメリカが恋しい

 

EDMを聴くとアメリカでのパーティとか、それにとどまらず、アメリカの空気感そのものを思い出すことができる

まぁ色々苦い思い出ばかりなんだけど、往々にして思い出というのは美化されるもので、なんだかアメリカ良かったなぁ、帰りたいなぁ、と思っている

 

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さて、アメリカでクラブの音楽がちんぷんかんぷんでイマイチ乗りきれない人は多いと思う(特にローやビジネススクールに来てるオジサンたち)。そこで僭越ながら少しオススメを紹介する

とりあえず超絶初心者が押さえておくべきアーティストは以下の5つだと思う。とりあえずこいつらを押さえれば知ったかぶりできます

 

Avicii


Avicii - Waiting For Love (Lyric Video)

  


Avicii - Dear Boy

世界のカリスマDJ。ちょっと前にやっと来日を果たして、それから引退したらしい。元オアシスのノエルさんとやりあった(ノエル「ゴミ音楽大量生産しやがって」アヴィーチー「老害は黙っとけ」て感じ)ことでも知られる

ロディアスな歌ものが多く、とにかく聴きやすい

縦ノリのところが「いかにも」で、ダサかっこいいという感じである(またこうやってすぐdisる)。ロックでいえばアジカンとかグリーンデイみたいな感じかね

 

 

David Guetta


David Guetta - Play Hard ft. Ne-Yo, Akon (Official Video)


david guetta - titanium

フランスのイケメン野郎。Titaniumは日米問わずクラブで聞き飽きるくらい聴いた

この2曲からもわかるように、耳に残るパンチの聴いた曲が多い。盛り上がるには最強

 

 

Zedd


Zedd - I Want You To Know (Audio) ft. Selena Gomez

 


Ariana Grande "Break Free" (Lyrics) ft. Zedd

ドイツから来たイケメン野郎。アメリカ在住だったが、トランプが勝ったことで嫌気がさしてアメリカを脱出するらしい。セレーナ・ゴメスの元カレとしても知られる

上の二人に比べると、もう少しアーティストっぽいというか、音が素直にかっこいい曲が多い印象

Break Freeはアリアナとフィーチャリングした曲。僕はアリアナは結構好きで聴いてたのだが、この音はいい。気持ちいい

 

 

LMFAO


shots LMFAO lyrics


Party Rock Anthem - LMFAO [OFFICIAL LYRICS]

アメリカのエレクトロデュオ。それ以外はよく知らない

特にShotsのほうは死ぬほど聴いた。クラブに行って流れない日はない。Shots〜からeverybodyのところは鉄板である

 

 

Justin Bieber


Justin Bieber - Sorry (PURPOSE : The Movement)

おなじみのスーパーアイドル。この曲は去年から今年にかけてアホみたいにかかり、やはり死ぬほど聴いた。本当にアホみたいにかかっていた。アメリカでは一度も自分の意思で聴いたことはないのに、アメリカの思い出の曲となっている(ちなみに、前回の留学のときはCall Me Maybeだった)

クラブもそうだし、他のお店とかでも彼の曲はよくかかっている

 

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さて、EDM初心者が流行ってる曲を押さえるのは簡単である。僕はApple Musicを主に使った

  1. まずは「EDM 初心者 DJ」とかでググって出てくるサイトがまとめてるアーティストや曲をApple Musicで片っ端からダウンロードして、プレイリストに放り込む
  2. さらに、そのアーティストのSongsの上の方にある曲を片っ端からダウンロードして、良さそうなものからプレイリストに放り込む
  3. そして、気に入ったアーティストがあったらそのEssentialsのプレイリストをダウンロードして、色々聴いてみる
  4. とりわけ気に入ったアーティストの下に出てくるSimilar Artistsに飛ぶ
  5. あるいは、"Best EDM 2016"とかのプレイリストを聴いて、良さげな曲を見つける
  6. クラブやなんやらで曲に触れる機会があったら、SoundHoundでチェック

この方法を2週間もやると、だいたいの有名所の曲は押さえられる

Youtubeの再生回数上位から聴くのもアリだと思うが、僕は勉強しながら曲を聴いてるので、ほぼApple Musicに頼った

ロックと違って、特定のアーティストばかり聴くよりはそれぞれの有名曲をつまみ食いする人が多いと思う。Apple Musicの神っぷりに感謝

 

そんなわけで、「EDMなんてチャラいアホが聴く音楽じゃん。だせー」という気持ちはよくわかるが、アメリカでは共通言語であるので、みなさん聴きましょう

 

NY Barの反省会と、今後受験される方へのアドバイス

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ということで、少し冷静になって、敗因を検討してみる。実はだいぶ前に書いていたが、大統領選とかがあり投稿が遅れてしまった

 

思うに、バーの受験に際して合否を分ける要素としては、以下のものが挙げられると思う

  1. 勉強を始める時期
  2. LLMでのバー科目の履修
  3. 勉強時間(勉強量)
  4. 勉強の方法や効率(時間配分)
  5. 問題演習量
  6. 地頭
  7. 英語力
  8. 実務経験の有無

考えてみれば僕は半分以上が欠けていたな、と思う。以下それぞれについて書いていく

 

1. 勉強を始める時期

バーの勉強は卒業後のバーブリの開始時期から始めるのが通常と言われるが、そうすると正味2ヶ月しかない。これで足りる人もいるだろうが、僕は足りなかった

僕はファイナル終了後もエッセイを書いていたし、卒業アルバム編集の仕事があったり、友達とラスベガスに行ったり、卒業式後は父とNYに行ったりで、結局、勉強開始はバーブリ開始と同時だった。遅くともファイナル終了後、できれば在学中からこつこつやっておくべきだった

 

2. LLMでのバー科目の履修

ローの勉強とバーの勉強は異なるとはいえ、ローでやっておくに越したことはない。例えば、中国の若手はバー科目で履修を固めたりする

バー受験の要件は、①米国法基礎、②リサーチ・ライティング、③法曹倫理、に加えて、④試験科目6単位、である

僕はCorportions, Evidence, Contractsで合計10単位取っており、比較的多いほうだったとは思うが、難解なCivil ProcedureやReal Property、あるいはConstitutional Lawを履修しておくべきだった

 

3. 勉強時間(勉強量)

試験勉強を始めてからは、コンスタントに10〜11時間くらいは勉強していたので、勉強時間はまぁ足りていたと思う。メシ・シャワー・トイレ・犬の散歩以外は勉強する、という生活だった

 

4. 勉強の方法や効率

勉強の方法

僕が取った方法は、基本的に、

  1. アウトラインを読む
  2. 講義を聴く
  3. Assessment問題を解く
  4. 自分でアウトラインをまとめる・MBE問題とエッセイを解く・MEE用の論証をまとめる・適宜アウトラインや先輩から貰ったレジュメを暗記

という感じである。オーソドックスだし、特に問題があったとは思わない

自分でアウトラインを作るのは時間を食うので賛否あるだろうけど、自分でまとめないと頭に入らないタイプだったので、個人的には役に立ったと思っている

Smart Bar PrepのHighの論証を中心にMEE用の論証をまとめたのも個人的には良い勉強だったと思っている。やはり、覚えるべきことをまとめて何度も繰り返せるようにするのは大事だと思う。エッセイに関しては、知識量はこれでほぼ足りていたと考える

ただ、バーブリのAssessment問題は解かなくてよかった。認知心理学だかなんだかに基づいて記憶に定着しやすいように作られたらしいが、難しいし、調べながらだとやたら時間がかかる。「バーブリの要求にきちんと応える」ということを最低基準にしていたのでできるだけやるようにしたけど、ここは飛ばしてよかった

 

効率(時間配分)

日本人の人の多くは、「バーブリのMBE模試まではほぼMBEのみやり、それからエッセイに着手する」という方法を取られていた

僕は、エッセイに不安要素があり(何も思いつかずに何も書けなかったらどうしよう、という不安。かといってMBEが大丈夫というわけではないのだが)、エッセイにも結構時間を使っていた。もちろん、エッセイは配点の50%を占めるし、MPTも準備の有無で差が出るのでやるのにこしたことはない

しかし、MBEの方がやった分だけ得点に反映されやすいし、自習していても得点が出るため、モチベーションへの影響が多い。そもそも、MBEで最低130〜140点は無いと合格はおぼつかない

そういう意味では、もう少しMBE中心にやるべきだったかもしれない

 

5. 問題演習量

MBEは結局1400問程度しか解けなかった。結果、MBEは120点台だったので、ここは明らかに勉強量が少なかったと思う。やはり「2000問解く」というのは一つの目標としては基準になるな、と思った

Assessmentの時間をこちらに回すべきだったろうし、前述したように、エッセイよりMBEにもっと時間を割くべきだった

 

6. 地頭

地頭はあまり良くない。高校まで公立校でのほほんとしていたのもあるし、大学受験の戦績からしても、地頭が良いとは言えない

 

7. 英語力

英語力が決定的に足りていなかったと思う

一応スピーキングについては日本人の中ではそこそこできる自信があったしリスニングについても、バーブリの講義は聴き取りやすく、授業がわからないということはなかった

しかし問題はリーディング・ライティングである。特にリーディング

元々帰国子女ではなく、留学時のTOEFL103点というのが低いというのもあるが、留学先で改めて英語の勉強をすることをしなかった。リーディングも結構サボっていた。初めは、「これは訓練だと思ってケースブックもしっかり読もう」と思っていたが、内容の難しさから、ケースブリーフとかに逃げていた。これが良くなかった

日本人は読み書きは得意、とは言われるが、やはりアメリカ人には遠く及ばない。特に読む能力が欠けていた。MBEでは短時間で大量の英文を読み、理解しなければならない

 

8. 実務経験の有無

これは知識面というよりも、「法律英語に触れた量」の違いという意味である

夏に某外資系事務所でインターン的なものをしたのだが、契約書の和訳や英訳をした。内容は難しかったが、先生方は「これくらいはさっと読めるようにならなきゃだめだよ」とおっしゃっていた

大体弁護士5年目くらいで留学に行くというから、弁護士の人はこういう業務を毎日のように5年間もやっているわけである。英語で法律文書を読んで、書くということを5年もやっているのと、1年大学院で勉強しただけでは、やはり差があると思う

 

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もちろん他にも色々な要因があるし、上の要因の割合も違うだろうけど、実はバー対策の2ヶ月での違いは8つ中3つしか無い。とすれば(こんなことを言っては元も子もないが)、 対策を始める前に半分以上勝負は決まっている、とも言える

というわけで、「2ヶ月でやる」というのは、はじめから英語力などが備わっている人向けで、そうでない人は、LLM在学中からできることをやっておくことを勧める

 

具体的なアドバイは、

  • LLMでできるだけバー科目を履修する(出来たら、難解なProperty, Civ Pro)
  • 英語の読解力を上げる(ケースブックなり新聞なりを頑張って読む)
  • 英語の書く能力を上げる(練習)
  • バーの勉強を早めに始める
  • とにかくMBEの問題演習をこなす

こうしてみると、「何で僕も早くやらなかったんだろう」と思うんだけど、あのときは精神的に色々参っていたのでどうせできなかったと思う。なので、これは言い訳という意味ではなくて、今後受験する人のためのアドバイス、という趣旨です

 

さて、他にも思いついたらまた書きます。今後受験される方の参考になりましたら幸いです

アメリカ大統領選の結果を受けて、感想めいたもの


Donald Trump's victory speech in full – video

 

なんとトランプが勝ってしまった。なんだかんだ言ってクリントンが勝つと思っていたので、驚いてる

そしてそれは皆さんも同じだろう。NYTですら、開票開始時は80パーでクリントンが勝つとしてたのだ。選挙前の予想なんて信じられたものじゃないことが証明されてしまった

 

結果の原因

今回の結果の原因は色々書かれているのであえて僕が書く必要は無いだろうが、感想的な感じで書いておく

 

隠れトランプが思いの外多かった・ポリコレへの疲れ

やはりトランプ支持を表明することは自分が差別主義者と表明することにも繋がりかねないので、表立って言う人は少なかった

また、エリート白人層では、僕が以前書いたような「白人差別」を受けて、こっそりトランプに投票した人も多かっただろう

「アメリカは権利意識が高くてすごいなぁ」と僕も常々思っていたが、恐らく彼らもそれに疲れていたのだろう。人種宗教階層関係なくみんなが平等というのは理想だが、やっぱりそれは不可能だと少し諦観を感じる

アメリカ人は、周りにどんな人がいるかわからないので、普段はマイノリティとかをバカにする発言はできない。特定の国の悪口も言えない(目の前の人がそことのハーフかもしれない)。でも、人間そんなキレイなものではない。たまにはブラックジョークとかも言いたくなるだろう。そういうののガス抜きがFamili Guyとかのブラックなアニメだと思っていたが、それだけじゃ足りないということだろう。発言をするたびに神経を使っていて、擦り切れてしまった(あるいは、トランプを見ていてその必要性に疑問を感じた)のがこの結果かもしれない

 

ノリで投票してしまった

Brexitのときもそうだったけど、「まさか当選しないだろう」と思ってノリでトランプに投票してしまった人が結構いたのかもしれない

 

我々が見ていた「アメリカ」はアメリカの半分でしかなかった

確かにそうなのだ。結局、日本人が知っているアメリカというのは旅行や仕事で訪れる都会(カリフォルニア沿岸部、NY、DC、ボストン、マイアミ、オーランド、シカゴなど)あるいは、それにプラスして有名大学がある大学街(アナーバー、イサカとか)だけであって、それ以外の南部や中西部のことは、映画でくらいでしか知らなかったのだ

僕にとっても、以前留学していたカリフォルニアのYolo County、そしてこの前までいたフィラデルフィアは、どちらも8:2くらいでクリントンだった。結局、そういう「民主党的な」アメリカだけを見ていたにすぎない。ペンシルベニアは結果的にトランプで、そしてこれが全体の勝利を決定づけてしまったわけだが……

FBのフィードはアメリカ人たちの阿鼻叫喚で溢れている。冗談じゃなく、地獄のような様相を呈している。喜んでいる人はほぼいない

もっとも、こういうことを言うと「おまえはアッパー層にいることをアピールしたいだけじゃねーか」という批判が来るだろう。まぁ、ロースクールなんてその最たるものだろうから、特別否定はしない

 

しかし、これを受けて、「田舎の低学歴労働者はしょうもねー」と言い放ってしまうのは少しどうかと思う。それはやはり民主主義の否定だろうし、今までの政治がそうした人たちの声を十分に拾っていなかったのも事実なのである

しかも、投票した人の属性を見ると、高所得者層はトランプに投票していたし(法人税の引き下げを言ってるから当たり前ではあるのだが)、そう簡単な話でもない

 

 

 

今後の影響

この大統領選の結果は、アメリカだけでなく世界レベルで大きな影響がある。日本も例外ではない

ヘイトクライムが増える

トランプが勝ったことにより、「人種差別が容認された」と考える人は少なくないだろう。人種マイノリティ、LGBTQ等に対するヘイトクライムは今後更に増えると予想される。とりわけ、ミソジニーは大きく力を増すだろう。あれだけ女性蔑視をしていたトランプが女性に勝ってしまったのだから。性犯罪なんかも増えると思う

そして、司法についていうと、トランプが保守派の裁判官を指名すると、今までの歴史で認められてきた権利が大きく後退するだろう。裁判官は終身制なので、その影響は計り知れない。そして、アメリカを参考にしている日本にも影響がないとは思えない

 

日本での9条の議論の盛り上がり

トランプが発言通り日本に米軍費の支払いを要求するとすると、日本では米軍なんていらねーという声が盛り上がるはず。憲法改正の話は進むだろうし、核を持つかどうかという議論も出てくると思う

フランスやフィリピンでも右派が台頭しているようだし、グローバル化が一つの終焉を迎えて、それぞれの国家がより独立していくんだろうなぁ、と思う

ただ、これが議論のきっかけになるのなら、喜ばしいかもしれない。今日本は決断が迫られているのだ。このまま日米同盟を継続していくか、同盟は続けるにしても、日本も自主防衛力を持つべきなのか。日本人は最早平和ボケしてるわけにはいかない

 

チャレンジが増える・反知性主義の前進・倫理観(ポリコレ)の後退

トランプは元々裕福な家庭に生まれたとはいえ、いい大学を出て、自分の力で会社を大きくし、世界屈指の富豪に上り詰め、美しい妻をもらい、アメリカ各地に自分の名前を冠したビルを建て、ニューヨークの一等地に住んでいる。そして、政治経験が無いのに、アメリカ大統領に選ばれた。まさにアメリカンドリームというか、「経験が無くても、やる気と信念があれば何でもできる」という空気感になるだろう。これは喜ばしいと思う

一方で、イェールローを出て、弁護士になり、国務長官として働き、といういわゆる「エリート」の代表格であるクリントンの敗北は、反知性主義を更に進めることになるかもしれない

更に、ヘイトクライムの増加にも関係するが、トランプの勝利により「多少ポリコレに反することでもビビらずに言ったもんがち」「目的のためなら手段に多少問題があっても構わない」「本音を言うという名目があれば他人を貶めても平気」という空気感が出てくるだろう。みんな建前を捨てて本音を言える社会はいいのかもしれないが、弱者は間違いなく生きづらくなると思う

 

 

まぁ他にもたくさんあるだろうが、パッと思いついたのはこんなところだ

まさに今我々は時代の節目に生きてるんだな、という感じがする。今後もこの影響がもたらすものには注視していきたい。

 

アメリカ大統領選について思うこと②ーなぜトランプは支持されるか

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さて、前回

 

pennguin.hateblo.jp

 

は日本のことばかり話したので、今回はようやくアメリカのことについて

 

おそらく皆さんもうんざりしていることだろう。討論会を見ていても、まるで子供の喧嘩のような泥仕合になっている

この原因は、クリントンの度重なる虚言やFBI捜査などもあるだろうけど、主にはトランプのムチャクチャな発言と態度のせいだ

あれだけのあり得ない人種差別発言を見ていて「なんでこんなとんでもない奴が支持されるんだ?」というのが一般的な日本人の感想だと思う

そして、アメリカ人でもロースクール生などのわりと「まとも」な人と話していると「もうこんなことになって恥ずかしいよ」という言葉ばかり耳にする。僕の友人でトランプ支持の人を見たことがない

 

トランプ支持者に支持の理由を尋ねるとこんな答えが返ってくるようである

  • 正直で、自分の言葉で話している
  • 誰もが思っていることを恐れず言ってくれる
  • 人間味がある
  • 何か変えてくれそう
  • 実業家として実績をあげている

僕はこういうのを聞いていると、一概にトランプ支持者を非難することもできない。まぁ確かにそう思うのもムリもないよな、と思うのである

トランプに対するこの熱狂的な支持の原因を理解することは、現代のアメリカとか世界を理解する上でとても勉強になると思う

 

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トランプが有名になったのはテレビのリアリティー・ショー、"The Apprentice"である

これは、トランプからの様々な課題に一般の参加者がapprentice(弟子、見習い)として取り組み、トランプが経営者の立場からそれを評価するというもの。そして、役に立たない人材だと思われると、"You're fired!!"と言われ、退場させられる

僕は数年前にアメリカ人の友達に勧められて観たのだが、「破天荒で物怖じせずに言いたいことをズバッと言う、おもろいおっちゃんだな」と思った。まぁ今の日本のバラエティで言えばマツコみたいといえば伝わるだろうか。体がデカく自信満々、声がデカイ。そのわりに気さく。ムチャクチャだがたまに至極まともなことを言う

おそらく多くのアメリカ人が彼に抱いていた印象もこんなところだと思う。要するに、とにかく知名度と人気は元々あったのだ

 

そして、「なぜあんなムチャクチャな発言ばかり繰り返すトランプがこんなにも支持されているのか?」という疑問がそこかしこで提起されているが、これについては、「アメリカ人が持つ現状に対する不満」に尽きる

 

前回の記事で書いたが、アメリカの最高裁判例を見れば一目瞭然なように、アメリカは徐々にリベラルになってきている

これだけ見ると、「流石自由の国アメリカは違うなー」と言ったところだが、そう単純でもない。例えばObergefell判決(同性婚容認)では、5-4と僅差だった。要するに裁判官が一人変われば結果が違っていたくらいなのである

アメリカは自由の国、移民の国とは言うが、結局は白人社会であり、キリスト教社会である。こうした権利の拡張を面白く思わない人たちは、現代でも当然のようにいる。大統領選の討論会でも、中絶(abortion)の是非は大きな争点となっている(クリントンは容認、トランプは反対)

また、体面上はその社会的立場からポリティカル・コレクトネスを守っていても、内面ではそうしたリベラルな考え方に憎悪を抱えている人はいくらでもいると思う

 

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とりわけ、人種・移民・宗教の問題は根深い。これは僕も実体験としてある。若干ポリコレ的には微妙な記述になるかもしれないが、アメリカのリアルを伝える上で、あえて書きたい

フィラデルフィアアフリカン・アメリカン(AA)の割合が非常に高い。wikiによれば、2010年段階で43.6%に上る。ほぼ半分近い

そして、AAの人の大半は、貧しい。コンビニで働く人、浮浪者、物乞い、汚い格好で地下鉄に乗っている人。普通に暮らしていて目にする彼らの多くはそういう人だ

正直、浮浪者やそうした地下鉄の人は、見ていて気持ちのいいものではない(非難する意図はない)。そしてこれは僕の体感だが、他の人種に比べると感じの悪い人が比較的多い(もちろん気さくで良い人もいるし、僕がアジア人だからというのもあるだろうが、率直な実感である)

また、ヒスパニックもそれなりにいる(2010年段階では12.3%)。どういう人が多いかと言えば、タコス屋の店員とかもあるが、やはり清掃員等である

また、フィラデルフィアはそうでもないが、ムスリムはアメリカに多くいる。そして、近年起きているテロの多くは、ムスリムによる犯行である。もちろん、本来のイスラームは平和を是とするし、テロリストは、極々一部の過激派にすぎない。混同することは絶対に避けなければならない。しかし、これだけ事件が起きていれば、「ムスリム=テロリスト」という「印象」を人々が持ったとしても、それを簡単には非難できないと思う。少なくとも、「連想」をしてしまうのだから

 

もちろんこれは過去の差別の歴史があり、構造的な問題がある。本来ならこれを真正面から認識し、是正しなければならない。差別なく教育や仕事が分配されるようにならなければならない。人種や宗教と個々人を分けなければいけない。しかし、少なくとも「現状」はそうなっているのであり、それはそれで、無視できない

そして、この「現状」をよく思わない人は(とりわけ白人には)、多いのである。何度かそういう話をしたことがある

 

僕が言いたいのは、差別や偏見を助長することではない

こういう「現状」を見て、「AAやヒスパニック、ムスリムを追い払えば『かつてのアメリカ』が戻る」と(腹の底では)短絡的に思っている人がかなりの数に上るということである。それが、Make America Great Againということだろう

 

そして(これは風刺漫画でよくあるが)、AAやヒスパニック(あるいはアジア人)がそのマイノリティの権利を主張することは許されるが、白人がそういうことをするのは絶対に許されない

例えば、僕のタイの友達が"Asians are the best!!"というコメント付きで僕との写真を投稿したことがある。あるいは、AAの友達で、FBに投稿する度、毎回"Black power is strong!!"といった趣旨のことを言う人がいる。あるいは、ペンにはアジア人向けの団体があった

マイノリティは生き残るためには権利を主張しなければならない。だから、こうした言動は許容される

 

しかし、僕も「こういうの見て白人はどう思うんだろう?」としばしば考えていたものだ。"White is the best"なんてことを書いたら大変なバッシングを受けるだろう

要するに、彼らは彼らで、何もしてないのに、悪いことをしているような気になったりしないのかな?ということである。「人種差別主義者」のレッテルを貼られないように、発言や行動に最新の注意を払う必要がある

 

***

 

そして、トランプが訴えているのはこういうことだ。白人層が抱えているこうしたもやもやした思いや鬱憤。それを彼は恐れずに正直に言ってくれる

「誰も勇気がなくて言えないけど言いたいこと」を代弁してくれるのだ

 

もちろん、彼の主張はとんでもない。アメリカは移民で成り立っている国なのに。白人だってヨーロッパからの移民で、インディアンの住んでた場所を奪って作った国なのに

それなのに、多数であることをいいことに、理由もなく差別して、まともな仕事を与えず、挙句、「能力のない、国に益をもたらさない奴は出てけ」である

 

「法律を守らない不法入国者は出てけ」というのはまだわかる。しかし、人種や宗教だけに基づく差別をしているのである。たまったものではない

当事者(AA、ヒスパニック、ムスリムの人たちなど)は今どういう思いで暮らしているか、想像するに余りある

 

僕はかつてLAの全米日系人博物館を訪れたことがある。そこでわかったのは、労働力としてアメリカに送られた日本人が、戦時中に大変な差別を受けていたことである。もちろん戦争という特殊な状況下の話ではある。しかし、自分で呼んどいてあんまりだ。暮らしや仕事はどうなる。今起きているのは、これと同じようなことである

「幸い」、アメリカにいるアジア人は一般に勤勉で優秀というイメージがあるようで、今回もトランプの標的にはなっていない。単純に性格がおとなしくほっといても平気ということもあるだろう。あとは、冗談抜きで、「ご飯が美味しいから」というのも正直かなりあると思う。我々はアメリカに益をもたらしているのだ。でも、いつ標的になるかはわからない

 

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今の世界の潮流は、ポピュリズムだろう。Brexitが顕著だ

アメリカの選挙を見ていて「やはり直接大統領を選べるのはいいなぁ」と思った。直接民主制は、何より一人ひとりが国政に直接関与している実感が得られる。そして、1年半という長期間をかけて、お祭り騒ぎで選び、大々的に大統領就任式をやるのである。これだけやれば、日本みたいにトップがポンポン変わることはない。出る方も投票する方も、責任感が違う

 

しかし、ポピュリズムに流れやすく、選挙がエンタメ化している今の状況を見ていると、議院内閣制にも理があるのかもしれない。Brexitだって、冷静に国の経済や何やらを考えるとEUに残ったほうが絶対良かったという。しかし、国民は離脱を選んだ

もちろん、「経済とかどうでもいい。イギリスが好きだから、独立を選ぶ」というイギリス人の気持ちもわかるし、それを非難はできない。学が無いから〜と非難するのもあれだし、ともかく国民投票という一番民主的なやり方でそうなったのだ

 

これは対岸の火事ではない。日本でも、7月の参院選で野党が負けた時に、自民党が選挙で憲法改正に触れなかったことを受けて、某アナウンサーが、安倍総理に「憲法改正の発議をする前に国民の信を問うべきではないですか」と質問して炎上した

確かに、国会が発議をした後に国民投票があるのだから、そこで信を問えばいいわけである。しかし、このアナウンサーが尋ねたかった趣旨は「しかし、Brexitを見てもわかるように、国民は時に安易なほうに流れてしまう。国民は皆賢いわけではない。政治家がきちんと争点を明確化して説明すべきだ」ということだと思う。もちろんここまでは言えないわけだが

確かに、総理が言ったように「それでは民主主義の否定」かもしれない国民投票の内容を疑うというのは民主主義の真っ向からの否定かもしれない。これは難しい

しかし、僕は国民投票の前にきちんと説明・議論をするべきだと考えており、アナウンサーの意見に賛成だった。というのも、総理こそ国民を「愚」と考えていて、だからこそ議論無くなるべく早く国民投票にこぎつけようとしている、と僕は思うからである

 

そして、トランプが選挙の結果に従うかはわからないと言ったのも(完全に逆だが)そういうことだろう。トランプは逆に、「愚」な国民に媚びているが、それこそ正しいと考えているわけで、「賢」な国民が自分に従わないのは愚かだ、とそういう腹づもりだろう

 

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そして、もう一つの潮流は、「右傾化」だと思う

Brexitもそうだし、日本も、戦後からの脱退を目指して、憲法を改正しようとしている

僕は現行憲法がアメリカに押し付けられたとは考えていないし、どちらかと言うと左寄りだった。が、シン・ゴジラで、日本がアメリカの顔色ばかりを伺っている状況と「戦後は続くよどこまでも」という皮肉を聞いて、そういう考えにも一理あるように思えてきた。日本は日本で、第二次大戦前の「強い日本」を取り戻したいと考えているわけだ

アメリカでも、リベラルになり、イラクから撤退し、テロの被害を受け、国が「弱体化」していると感じる人は多いのだろう。その一方で中国は力を増している。これに対して危機感を持つのもムリもないのかな、と思う

 

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だいぶ話が広がったし長くなったが、最後に討論会(Presidential Debate)について

僕は3回全て見たが、とにかく酷かった

主にトランプだが、2分という時間を守らない、質問に答えない、人の話を遮る、事実を捻じ曲げる、大げさな表現を連発する……。ダメな討論の基本の教科書にしたいくらいだ

 

トランプの話法は単純で、

  • とにかく相手を貶める
  • 単純で同じことを繰り返し、印象を強める(e.g., クリントンが政治家を長年やってたのに何も行動をしなかった。クリントンが大統領になれば税が上がる。オバマケアは最悪)
  • 極端な表現を多用する(e.g., tremendous, disaster, massive, many many...hundreds of people)
  • By the wayと言って話を変え、自分が話したいことを話す

 

確かに、何も自分で勉強せずに彼の話だけを聴いていると、

「嘘つきで何も仕事をしてこなかったクリントンは最悪。トランプが大統領になれば、税金は下がり、経済が周り、不法移民は無くなり、薬物犯罪は無くなり、テロは無くなり、銃で自分の身は守れて、雇用は増え、外交もうまくいき、強いアメリカが戻ってくる」

という「印象」を持つのである

しかし彼はひたすらクリントンを叩くだけで、具体的な方策を何も提示していない。壁を作ることくらいだろう(僕は、これ自体は、不法移民や薬物流入を防ぐ意味で、実効性があると思っているが)

 

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というわけで、長々と語ってしまった。結局、僕が言いたいのは、「トランプが支持されるのはわかるが、当選したらマズイよね」ということだ

仮に当選するとすると、彼はアメリカが日本を防衛してることに対価を払えと言っているので、日本で米軍を撤退させる議論が盛り上がり、右傾化が一気に進むと思う。それが必ずしも悪いことだとは思わないが、ともかく日本と世界が大変なことになるのは間違いないと思う

もう投票が始まっており、あと半日足らずで結果が出ると思う。どうなるか、見ものである

 

 

アメリカ大統領選について思うこと①

さて、ちと暗い気持ちを払拭するために(?)旬な明るい話題を一つ

 

アメリカ大統領選があと1日に迫った。せっかくだからこれについてつらつらと書こう

……いや、まったく明るい話題ではなかった……。世界の終わりに近づいてるのかもしれないのだ。これに比べれば、僕のバーの結果など可愛いものだ

 

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実は僕は長年、政治にはとんと興味がなかった。まともに政治に関心を持つようになったのは去年か今年くらいだ

大学1年のときに、バイト先のお好み焼き屋のおばちゃんに「ぺんぎん君は法学部なのに政治に興味がないの?だって、政治って法律を作ることじゃない」と言われ、「たしかにそうだな」と思ったことをよく記憶している。確かにそうなのだ

僕だって政策や国家のあり方には興味はある。自分と関係ないとは思わない。しかし、ニュースが報じている話題の多くは、政党がどうとか、スキャンダルがどうとか、そんな話ばかりだ。ゴシップの域を出ていない。特に選挙の時の新聞なんてうんざりだ。毎日毎日各候補者の支持率を見て何が面白いのかわからない(競馬的な面白さ?それは確かにあるかもね)

国を導く立場にある公人たる政治家の動向に常に注視し、その人間性を含めて議論することは有益だろう。しかし、現状単なるゴシップばかりだと思った。「そんなのどうでもいい。暇人かよ」というのが正直な意見だった

 

あと、「政治家はみんなバカだ」、というちゃちな批判を振りかざす気は無い……と言いたいところだが、どうもその感を捨てきれない。例えば漢字の読めないassho...麻生氏にしても、とても国のトップとは思えないような器が平気でトップに座っていたりする。これでは尊敬しろという方が無理だ

なぜ1億2千万人もいるのに知性・リーダーシップ・人格を持った奴が現れないのか。純粋に疑問である

(「じゃあお前がやれば?」とかは言わないでほしい。僕は自分にそんな能力がないことを自覚している。能力がないのにこう思わず平気でなれる奴の感覚を疑う)

例えば政治家の憲法に対する理解があまりに残念なのが一例だ。なぜなのか。憲法尊重擁護義務があるやんけ。憲法理解していなければ尊重も擁護もできませんよ

ほんと、選挙のときに憲法択一試験でも出してその点数で足切りするかそうでなくても参考資料として示せばいいのに、と思うくらいだ。知名度とテキトーな演説だけで政治家になれちゃうのはどう考えてもおかしい。朝日なんちゃらさんとかSPEEDの何とかさんとか(SPEED好きだったのに…)

もっとも、それやっちゃうと普通選挙でなくなるのでそれこそ憲法違反なのだけども

 

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それから、腹がたったのは3年前の非嫡出子相続分違憲判決のときのアレである

非嫡出子の相続分についての最高裁の見解は長年批判されていたようで、立法事実に大きな変化があったことからも「やっと」という感じの判決だった。僕も判決文を読んで感動したものである。時代が動いているのを感じた

しかし、どこぞの政治家は「最高裁の非常識な判断には従わない」などと言ってのけた。司法に対する敬意はないのかしらん。非常識なのはお前の頭だ

 

このエピソードに端的に現れているように、日本では司法権が弱い

9条の問題にしてもそうだけど、最高裁違憲判断には及び腰で、憲法判断を回避したり、合憲限定解釈をしたり、よほどのことが無い限り法令違憲は出ない。いわゆる統治行為論の理屈はわからないでもないが、何だか歯がゆい思いになる

これに対して、アメリカは司法権が非常に強い。先日アメリカ人の留学生と話していると、「国のナンバー2は間違いなく最高裁長官だね。副大統領より偉い」と言っていた。果たして日本人で日本の最高裁長官の名前を言えるのはどれほどの数いるだろうか(ちなみに現在は寺田逸郎氏です。アメリカはRoberts氏です)

 

アメリカの歴史を知るためにはアメリカの憲法裁判の歴史を知ることが不可欠である

人種差別を禁じたBrown判決、中絶する権利を認めたRoe v. Wade(Presidential Debateでも出てきましたね)、プライバシー権を認めたGriswold v. Connecticut、同性愛者の性行為に関するLawrence v. Texas、そして昨年の、同性婚を認めたObergefell判決などなど。憲法判例を通じて、より権利が拡張され、リベラルになっていった

そういう意味では日本も同じかもしれない。プライバシー権が認められたり。でも、所詮はアメリカの後追いだという感じがする。アメリカほど憲法判例が人口に膾炙しているとも思えない

 

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話がそれたが、まぁそういうわけで、「政治なんて誰がやったってどうしようもない」と一見ニヒルっぽいスタンスでいた。と言いつつ、なぜか義務感はしっかりと感じており、20歳になって以来投票には欠かさず行っている。もっとも、先日の参院選都知事選は、在外投票の手続をすっかり忘れておりできなかったが……。残念でならない

が、皮肉なものだが、上記の2つの選挙を特に関心を持って追っていた。といっても、バーの準備期間だったので、ニュースをちょいちょいチェックするくらいだったけども。参院選のときは日本の右傾化にただならぬ危機感を感じ、野党を応援していたものの、その後の都知事選では野党の宇都宮氏に対するあまりの卑劣さと、どこぞのボケ老人の支離滅裂な主張に頭を抱え、主要三候補以外を無視するメディアに怒り、太平洋とアメリカ大陸を隔てて怒り狂っていたのですが……。いや、小池氏になってよかったですね

 

思えば昨年はSEALDsが頑張っていた。日本が盛り上がっているときにアメリカにいて、なんだか歯がゆい思いでいっぱいだった。同年代が行動している時、僕は何をしているんだろうという思いも無くはなかった

なお、僕は彼らの主張の骨子には概ね賛同していたが、その表現の仕方等を含め、個人的には嫌いだった

「若者はもっと政治に関心を持つべきだ」

よろしい。そのとおりだ。18歳選挙権も始まった

「みんながもっと気軽に政治の議論をできる環境になればいい」

うーん、そうかしら?

確かに表現の自由の保障根拠として民主政過程への参画とか思想の自由市場とかが語られることからも、議論を通じて互いの意見をより高めていく(アウフヘーベン?)ことは理想的である。しかし、政治的思想って、個人の思想の根幹にかかる部分じゃないですか。そして、いくら温厚な日本人とは言え、議論すれば喧嘩にもなることもある

もちろん正しい議論のあり方は、意見と人格を分け、人格攻撃は決してしないことだが、果たしてどれだけの人がこれを厳格に守れるだろうか?第一、例えば僕は、飲み会は楽しく過ごしたい。意見を熱く戦わせたいときもあるが、いつもそうではない。あまり仲が良くない人とそういうことをしても、しこりが残るだけだ。だから、こっちが望んでもないのに議論をふっかけてくるやつには鬱陶しい以外の言葉がない。お前がそんなにその話をしたいならキャバクラにでも行けよと思う。政治の議論をしたくない人もいるのだ。思想を表明しない自由、沈黙の自由も思想良心の自由の一部分なんですよ

そういえば、子供の頃、選挙のたびに親に無邪気にどこの政党に入れたか尋ねると「そういうのは人には教えないものなの」と言われ、教えてくれなかった。事なかれ主義の両親には物申したい気持ちもあるし、子供には教育上話をするべきだったとも思うが、今はそれも一つの処世術なのだなと合点がいく。無用な争いを避けようとするのは特段間違ってはいないと思う

こういう話をすると度々「アメリカでは政治の議論は盛んだよ」と言うやつがいる。確かに日本よりは盛んだし、家の軒先に平気で"I'm supporting Trump!"なんて張り紙を出す人もいる。しかし、みんながみんなそうではないし、不特定多数と政治の話をするのを避けている人も結構いる。政治とアメフトの話は人を選んだほうがよい

 

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そういうわけで、僕は今は日本の政治もアメリカの政治も追っているが、基本的には自分からは話題を出さないようにしている。こうしてブログで政治について書くのも初めてだと思う。なぜ今回書いているかというと、アメリカという他人の国のことなら許されるだろうというのと、今回の選挙はもはやネタ化しつつあるので(ごめんな、アメリカ)、まぁいいだろうというところだ

そう言いつつ、日本の話ばかりしてしまった。長くなったので続きは次回に譲る

 

NY Bar 17 - There are many things that I would like to say to you but I don't know how

すみません、日本での生活や勉強が忙しく、すっかり当ブログを放置していましたが、今回は更新しなければならないことがありました

 

7月に受けたNY Barですが、予定していた11月頭より早く、先日(といってももう1週間以上前ですが)結果が通知されました。が、残念ながら不合格でした

電車に乗っているときにメールが来て、心臓がバクバクいって、あとで見ようか迷いましたが、電車を降りてすぐに見ました。"did not pass"の文字が目に入ったときの絶望感は言葉で表現するにはあまりあるものがありました

 

なんというか、悔しいの一言です。結果は半々くらいだろうなと思っていたので。しかし、蓋を開けてみると、そこまで惜しいというわけでもなく、MBEとエッセイ、それぞれで同じくらい点が足りていない感じでした

敗因は色々と考えられますけれども、一言で言えば甘いのかなぁと。ペンにいたとき、弁護士の先生に「お前はプロの仕事を舐めすぎた」と言われたことがあるのですが、なんだか、その言葉の意味を今になって噛みしめる気分です

夢だった大学に行けて、最初は全能感で満ちていた(ように見せていた)ものの、優秀な人に囲まれ、自信を無くし、カナダやらなんやら遊び回ってしまい、しかし卒業してからのバーの勉強は辛いながらも非常に充実していて、ここさえうまく行けばハッピーエンドで終わるかな、と思っていたわけですが、現実はなかなかに厳しいものがあります

ただ、正直、自分の英語力や頭脳、米国法についての理解が十分だとは到底思えないので、ここでうっかり合格して調子に乗るよりは(これが僕の悪い癖なのですが)、一度ゼロからやり直して、英語や米国法にきちんと向き合ったほうがいいだろうな、と、結果が出て少し経った今は思っています

ペンの同期の友人はかなりの確率で合格しており、FBはその報告で溢れているし、もし僕も合格していれば、年明けにオルバニーの宣誓式でみんなで喜びを分かち合うことができたのになぁ、と思うと、何だか惨めな気持ちでいっぱいです。一緒に勉強していたドイツのあいつも、ペルーのあいつも、当日の朝ホテルで僕に弱音を吐いていたタイのあの子も、みんな受かっていた。彼らに合格の報告をできなかったことが残念です

 

それから、色々と期待してくれて、僕がニューヨークで就職の話があって迷ったときに「最初に決めた目標なんだから最後までやりきれ」と言ってくれた父に合格を報告できなかったことを申し訳なく思います(ようやく一昨日結果を伝えました)

そして、応援してくれていたであろう天国の母にも合格を報告できず、申し訳なさでいっぱいです

 

 

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そして、試験期間中支えてくれた彼女(ガールフレンドのような子は実はそれから正式なガールフレンドとなったのです)と、人間性を保たせてくれたtwo stupid dogsに合格を報告できず、本当に残念です

彼女は常々「○○は頑張ってるから大丈夫だよ」と励ましてくれたり、僕が風邪を引いて寝込んだ時にはスープやらジュースやらを買ってきてくれたりしました。勉強が煮詰まったときには一緒に犬の散歩に行き、僕がつまらない法律の話をしてもふんふんと聴いてくれました。晩御飯を何にしようか話し合うと、日本人の僕は中華を食べたがり、中国人の彼女は和食を食べたがり、大笑いして、ジャンケンで決めました。能天気であっけらかんとしている彼女を見ていると何だか気が楽になって、考え過ぎで悲観的な僕は助けられていたのです。彼女がいなければ途中で辛くて勉強を放棄していたかもしれません。お礼を言いたいと思います。ありがとう

彼女にも4日ほど前に報告をしましたが、「そっか、でもまた来年受ければいいじゃん。心配しないで。私はいつもここにいるから(I'm always here)」と言ってくれました

そして、「私と知り合うのに運を使い果たしただけじゃん。それに価値が無いと思わない限りは、フェアトレードでしょ?」と。何とも彼女らしいですね

本当に頭が上がりません。ありがとう

 

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勉強は本当に辛かったので、二度と受けたくないし、「こんな試験絶対に一回で終わらす」という気持ちで勉強していました。しかし、このまま終わらすのももったいないし、英語力と米国法理解の意味でも、留学にケジメをつける意味でも、もう一度受ける予定です。正直かなり憂鬱ですが、それは自分のせいでしかありません

来年の5月に日本の試験が終わり、その後は本来なら旅行に行ったりバイトしたりしようと思っていましたが、その時間を勉強に当てて、7月の試験を受けようと思います。まだ未定ですが、フィラデルフィアにいって、そこで試験対策をするかもしれません

 

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ブログをご覧になってくださっていた読者の皆様にも合格を報告することを楽しみにしていたので、残念でなりません。申し訳ないです

考えたら、バーについての記事も書くと言いながら更新しておりませんでした。不合格者の記述にも価値はあるかと思いますので、僕の何が良くなかったか、どうすれば良かったのか、ということはできるだけ更新したいと思っています

 

今後も(更新は減るかと思いますが)、よろしくお願い致します

 

ぺんぎん

パスポート子犬に噛まれた事件

 

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この天使のように可愛い子犬ですが、もう本当に可愛すぎて食べたくなるんですが(実際よく口をくわえてる)

まだ3ヶ月で何でも興味が出る年頃で、そこらへんにあるものを何でも噛む。今まで色々なものを噛まれてきた

まぁモノを噛めるところに置いておくのが悪いのだけど、ついに置いといてはいけないやつを置いといてしまった

 

 

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パスポートをボロボロに噛まれてしまった。まぁガシガシ噛んだもんだ

これが帰国の数週間前で、若干焦ったのだが、噛まれたのは端っこだけで幸い文字はすべて読み取れるし、まぁ大丈夫だろうと特に何もしなかった

帰国数日前に友達に指摘されて、真剣にやばいんじゃないかと思い色々調べる。ページの落丁、大幅な落書きなどの重大な破損はともかく、これくらいの軽微な破損(損傷)でも問題になるのだろうか?パスポートの最後のページにも、紛失や盗難についての対応の記載はあるが、軽微な損傷については記載が無い。

ネットでも「パスポートが見ずにふやけてしまいました。交換したほうがいいでしょうか」などという質問が散見される

役に立ちそうなページを見つけた

www.pref.gunma.jp

 

このページによれば、損傷

  1. 特に著しい損傷(重損傷)
  2. 特に著しい損傷以外の損傷(軽損傷)

の2つに分かれ、前者なら交換は必須後者なら交換も可能、ということのようである

僕の場合は重損傷には当たらない。軽損傷だ。とすると、軽損傷の場合でも交換をすべきか否か、が問題となる。

結論から言うと、少しでも心配なら交換したほうがいい

というのは、渡航者をその国に入れるかどうかは完全にその国々の自由だからだ(主権があるのだから当たり前だ)。パスポートには、パスポートを所持する日本国民を問題なく通行させるように、という趣旨のことが書いてあるが、あくまでお願いに留まるので、他国がそうする義務はない。しかも、別に理由を知らせる義務も無いはずである。究極、イミグレの担当官が気に入らないという理由だけでも入国拒否は可能である(ぺんぎんもイギリスやカナダで別室に連行されたりした)

そういうわけで、なるべく不安要素は事前に取り去っておいたほうがいい

 

そうは言っても、必要が無いのに交換するのもお金の無駄である。そこで、ぺんぎんの経験が読者諸氏のお役に立てれば幸いである

 

ぺんぎんのパスポートは、

  • 3つの角が噛まれている(数ミリから1センチほど)
  • 1ページ目(顔写真などがある欄)も噛まれている
  • ただし、文字はすべて読み取れる

という状態。微妙なところだなぁと思ったけど、どちらにしろもう交換する時間がないし、文字は読み取れるし、何より日本に帰国するのだからおそらく大丈夫だろう、と思いこのパスポートで行くことにした。ただ、経由の中国でイミグレを超えられるかはちょっと心配だった

 

フィラデルフィア

案の定、荷物預かりのところで難色を示され、マネージャーが呼ばれたが、そのいかにもアメリカンなマネージャーは、「日本に帰るんだろ?このくらいなら大丈夫だよhahahahahaha」どうにか通れた

 

JFK

特に何も言われず。「犬に噛まれちゃったんですよ〜」で済んだ

ただ、その後機内に座っていると、CAが近寄ってきて「さっきパスポートを読み取れなかったから、写真を撮ってもいい?」と言われた

 

上海

イミグレでこれを渡したら、担当者が"OMG!!!!!!!!!!!"といってパスポートを放り投げるではないか。どうしたのかと尋ねると、"This.... this passport was bitten by mouse!!!!"

あ、確かにネズミに噛まれたとしたらちょっと触りたくないわ…僕も嫌いだし。「いやいや、これはネズミじゃなくてパピー。生後三ヶ月のめちゃくちゃかわいいパピーだから」と言ったら、ほっと胸をなでおろし、無事に通してくれた

 

成田

1年ぶりに日本に帰り、早く家に帰りたいとソワソワするが、イミグレが中々通れない。「申し訳ありません…、どうもうまく機械で読み取れなくて…。手で情報を入力するのでしばらくお待ち下さい。すみません」

いや、謝りたいのはこっちですわ…。さすが日本。10分くらいかからせてしまった。申し訳ありません

 

実は、僕のパスポートは顔写真のページの下の部分(>>>>>とかがいっぱいあるとこ)が噛まれていた。文字は無事だから大丈夫だと思ったが、ここは機械で読み取るので、ここが損傷しているとまずい模様

というわけで、

機械で読み取らなければいけない1ページ目が損傷していたら確実に取り替えるべき

だと思います。今回は皆さん親切に通してくれたけど、日本から海外に行く場合、読み取れなくて強制送還、というのも十分あると思うので

しかし、それ以外の場合でも結局は係員の気分次第です。心配なら取り替えるべきというのは変わらないと思う

まぁ、そもそも最初から噛まれないようにすればいいのだけど。「命の次に大切なパスポート」というが、そうだと思う。みなさんパスポートは大切に扱いましょう

Radiohead-サマソニ2016-ライブレポ

会場まで

早速、留学とは何も関係ないサマソニについて書きたいと思う。どちらかというと一般向けに

実は僕はライブはよく行くのだがサマソニは初参加だった。この時期って毎年海外にいたり、試験前だったりしたからだ。あと金額もある

今回はせっかくいいタイミングで日本に帰ってくるし、そして何よりレディヘが来るので行こうかなと思っていた

ただ、すぐにはチケットを買わなかった。なぜかというとレディヘは7月にNYCのマディソンスクエアガーデンに来る予定で、それに行けばいいと思っていたからだ。実際、公演日である26,27日に何の因果か僕は試験でニューヨークにいたので、絶好のタイミングだった。しかし、これは色々とあり(省略する)結局観れなかった

そんなわけでサマソニに行こうと決めたのだが、帰国のドタバタですっかりチケットを買うのを忘れ、結局チケットがないまま友達と海浜幕張に向かった

 

今回はレディへが13年ぶりに出るということで二日目のチケットは売り切れ。仕方なく駅でこれをやる

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半分諦めてたけど、2.5という価格の明記が良かったのか、運良く開始5分くらいで売り手が見つかった。愛知から来た二人組、ありがとな

 

*****************

レディヘまで

タイムテーブルを眺めるが、そんなに予習してこなかったのであまり知ってるアーティストがいない。とりあえずゴールデンボンバーを見る。エンターテイメントとしてすごい

それからずっと観たかったアレキサンドロス。ようへいイケメンすぎる。めちゃくちゃいいライブだった

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それからビーチステージでビールを飲んだ後、マリンに戻り、イエモン。聴いたことなかったけど古き好きロックという感じでよかった

それからこちらも楽しみにしていたサカナクションアイデンティティアルクアラウンドは良かったが、少しダンスミュージックに寄りすぎていて、ロック好きな僕的にはイマイチだった。ベースとバスドラの音量も大きすぎた。好みが別れるとは思う

 

*******************

レディへ

開始まで

そして満を持してレディオヘッドである

イエモンは後ろから見て、サカナで前に行こうとしたが、後ろのブロックにいたので少し待たされた。結局サカナは真ん中くらい。サカナが終わって少し人数がはけ、前に勧めてだいたい15列目くらいになった

7時からだったが、準備に時間がかかり、中々始まらない。メンバーと思えばただのPAだった、というのを数回繰り返す。焦らす。会場のボルテージが上がっていく。と同時に、疲れがやばい。僕は時差ボケが治らず前日徹夜していたし、猛烈な暑さだったし、ドロスとサカナでかなり体力を消耗していた

で、30分くらいたった頃ようやくメンバーが入ってくる。案の定みんなドバーっと前に詰める。結構近くなった

 

1曲目〜

まずは最新アルバムの一曲目、Burn the Witchから。これは最初に聴いた時は地味だなぁと思ったけど、幻想的で美しい。生で聴くとまたよかった

それからDaydreaming。これはトムが別れた奥さんのことを思って作ったと言われている。これはまぁ地味というか静かな曲。それからDecks Dark, Desert Island Disk, Ful Stopとアルバム通りの曲順。曲が静かなのと多分みんなそこまでアルバムを聴いてないからだと思うけど、会場のボルテージは低い

ようやく上がったのは2+2=5から。ライブでも結構やる曲だし、後半のハードなロック調のテンションはこの日ここが初めてだったので、異様な盛り上がり。めちゃくちゃ押された。文字通り揺れる会場

そしてAirbag。これもものすごい盛り上がった。僕としてもオケコンは一番聴いたアルバムで、そして必然的に一曲目であるこの曲も相当聴いている。ずっとCDで聴いてきた曲を生で聴ける感動はひとしお

それからReckoner。これもライブでよく演る曲ですね。イントロのアルペジオで湧いたと思う

そしてNo Surprises。これは人気の曲だからなーイントロでめちゃくちゃ歓声が沸いた。個人的にはそこそこの曲だったけど、生で聴くと綺麗でよく、改めて好きになった

それからBloomを挟んで再び最新アルバムのIdentikit, The Numbers, そしてThe Gloaming。この辺はまた休憩という感じだった。多分、レディヘを知らないでスタンドで聴いてる人たちは、「なんでこんな暗いバンドがこんな人気があるんだろう?」と思ったと思うwww 実際、僕もこの辺はしんどさが勝った

というのも、上に書いた疲れに加え、喉の渇きがものすごかった。かばんはクロークに預けてきて、持ってきたのは携帯とペットボトルの水一本のみ。それはサカナの時にすでに飲み終わっていた。とにかく喉が乾く。水が欲しくて死にそうになる。こんなに喉が渇いたのは何年ぶりだってくらい

普通こうやって長時間拘束されるときはトイレの心配をするけど、それは無用。ものすごい汗をかくから。最終的にTシャツは絞れるくらい汗でびっしょりだった。邪魔になるかもしれないけど、水は2リットルくらい持ってったほうがいいと思う。例えば前の前のバンドからいる場合、5時間以上ずっとマリンにいるわけですからね。水はいくらあっても足りません

それに加えて、人の熱気、汗の匂い。そして猛烈なモッシュ。いや、半端ではなかった。ほんとに死人が出るかと思った。いや、実際に出ているかもしれない。何人か倒れて運ばれていったし、ギブアップして後ろに下がる人も多かった。戦場だった

ぺんぎんも辛かったので後ろに行こうかと思ったが、おそらくCreepをやるだろうと予想していたので、それを聴くまでは引き下がれないとこらえました

さて、しばらく静かな曲が続いた後、The National Anthem。これはライブでも定番。個人的にも大好きな曲で、あのイントロのベースで猛烈にテンションが上った。こういう時は上に書いた辛さも全て飛んで行く。幸せな時間

そしてトムのダンスでおなじみなLotus Flower。そしてKID AからEverything in its right place, Idioteque。この4曲の流れは、月並みな言葉だけど神だった。自分のためにこれを選んでくれたような気すらした。

 

アンコール

そして一時メンバーが下がり、アンコールへ

一曲目はLet Down。まぁこれは湧きますね。この辺でみんな「やべー今日は名曲大放出だわ」という雰囲気になっていた。Creepへの期待が高まる

再び最新アルバムからPresent Tense。これは静かだけど幻想的でよい。そして!そして、確かジョニーがエフェクターをいじったりしたからかな?あ、これは、と思ったら、ドラムのスティックのone two three fourが響きあたり、聞き慣れたアルペジオが始まった。Creepだf:id:pennguin:20160828170422j:plain

Creepについては説明は要らないと思うけど……。個人的にもとても思い出が詰まった曲。高校のバンドでカバーしたり…。カラオケで友達と熱唱したり…。あぁ、10年前から変わらず聴いていたなぁと。そして、こんなにシンプルなのに、聴くたびに新鮮で、二番のshe....のとこで鳥肌が立つなぁと。アメリカにいた時は路上で一人でギターで弾いて歌ったり、異国の地にいる寂しさと不安に、"What the hell am I doing here? I don't belong here"という歌詞を重ねあわせてみたり……。好きな人が出来れば、"You're so fucking special. I wish I was special"と途方に暮れてみたり……。

そういう曲が目の前で流れている。もうめちゃくちゃに泣きながらトムと一緒に大声で歌いました。なんで泣いてるのかもよくわからないけど、そういう10年分の思い出とか、アメリカでの辛い経験とかが蘇ってきた。なんだか、全ての負の感情が浄化されていく気がした。音楽っていいなぁとか。これが音楽の力なのかなぁとか。そして、今おれは伝説をこの目で目撃してるんだなぁとか…。そして、13年前と同じように日本でこれを演奏してくれたレディオヘッドに感謝して……

そんな色々なことを4分の間で思った…のかわからない、とにかく何もわからず号泣しながら歌っていただけかもしれない。ともかく、最後には手が痛くなるほど拍手して、Thank you so muchと叫んだ

てっきりこれで終わりかとおもいきや、ライブはまだ続いていた。In RainbowsからNude。もうふらふらだったけど、この綺麗な曲に身を任せた。そしてBodysnatchers。ふらふらだけど、これで盛り上がらないわけにはいかない

そしてThe Bendsの最後の曲でもあるStreet Spirit (Fade Out)。こんな曲までやってくれるなんて、いや本当にファンサービスがすごい。これほど終わりに最適な曲も無いだろう

 

ライブ後に思ったこと色々

そしてメンバーが去り、割れんばかりの拍手の中、レディオヘッドのライブは終わった

サマソニの空気感とか、疲れとか、そういうのも含めて、個人的には今までで一番記憶に残るライブだったと思う。。いや、11年前のオアシスのほうが上かな?いや、ともかくそういうレベルのライブだった

トムはMCは全部日本語だった。前の時はライブの終わりに「こんばんは」といったことがある意味伝説になっているが、今回はきちんと冒頭に言ってくれた。それ以外も「どうも」と言ったり、スタッフに向かって「どうぞ」と言ったり。あと色々MCでしゃべっていたが、日本語でも英語でも無かったと思う。トムはライブの時はいつもトリップしているような感じだが、この日はとりわけてすごかった。正直ラリッてる、イッちまってる、そんな表現が的確だった。それくらいじゃないと、あんな名曲を大量に作って演奏することは出来ないのだと思うが

ジョニーもおもむろにマイクに向かったかと思えば「今日は暑いですね」だ。ジョニーは日本が好きで日本語も勉強していたと思うけど、とにかく彼らの日本への愛とかリスペクトを感じた。彼らにとっても、この日のライブは特別だったんだろうなと。

特別といえば、Creepを演奏したのもそうだけど、それがライブの締めではなく、最後から3曲目にやったというのも異例ではないか?あまり過去のセットリストを知らないんだけども。今年はパリ、ニューヨーク、そして東京と結構演奏しているみたいだし、もしかしたら彼らはCreepの封印を解いて日常的に演奏するようになるのかもしれない、それはそれで、そういう特別な場に立ち会えたことを嬉しく思う

そして、今回はCreepばかり注目されるけど、他の曲もよかった。うーん、個人的にはAirbagが良かったかな?元々ハードなリフが好きなのもあり。そして光っていたのはNo Surprises。あとは最新アルバムをちゃんと聴いておけばよかったなと思った

一つ言うとすれば、Paranoid Androidはやってほしかった。まぁニューヨークでもCreepをやった日はこちらはやらなかったみたいなので、バランスみたいのがあるんだろう。あとJustも聴きたかったけどね。言い出せばキリはないけども

 

ライブについて

それからライブについてだけれど、あのモッシュはなんとかならないんだろうか。いや、僕もああいう雰囲気は好きなんだけど、ほんとに将棋倒しになりそうで危険だったので。人命尊重という観点からは、途中でアーティストが一歩下がらさせるとか(本気でトムに頼もうかと思った)、したほうがいいのではないかと思った

危険なモッシュを擁護するわけではないけど、一方で、周りの人に悪態を付いている人や睨む人が多かったのも残念。いや、あんなところにいれば押されるのは仕方ないし、肘も多少は当たるだろうと。前列にいるならばそのへんのことは覚悟すべきで、それは嫌ならば後ろに下がればいいじゃん、と思った(もっとも、体がでかい人が有利なわけで、前で見たい女性等には申し訳ないなとは思うが、現状どうしようもない)

それはともかくとして、押されたおかげで(?)最終的には5列目くらいのとこで聴いてました。メンバーまでほんと手が届きそうだった。やはりライブは近くで見るに限る

 

長くなりました。レディオヘッド、日本に来てくれて、そして素晴らしいライブを披露してくれて、ありがとう。ニューヨークの件は残念だったけど、こうして日本で会えることが出来てよかったです。またどこかで会いましょう。See you soon somewhere in the world!

Back in J.A.P.A.N.


THE BEATLES - Back in the U.S.S.R. - fan made Music Video - ROCK BAND / MODERN WARFARE

 

 

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えーまたまた更新が滞っておりましたが、ぺんぎん、先日無事に日本に帰国致しました

なんか、アメリカにいるうちはそんなに忙しくもなかったのだけど、Y(前回の記事のニューヨークの子)と色々なところにでかけたり、犬の散歩したりでバタバタしており、そんで書くことが多すぎて、逆にまたブログから離れていた、という言い訳をさせてください

なんだろうか、以前の留学の終わりの時はFBに盛大に帰国の弁を述べたり、自分の中で色々と思うことがあったりしたんだけど、今回は目先の帰国準備とか、帰った後どうしようとか、考えることが多すぎて、感傷にひたる暇もなかったなぁというのが正直なところである

ただやはりそういう思いを残していくことも重要だと思うので、今後書いていきたいと思う

それから、これは重要であるが、バーのことは書かなくちゃならないと思っている。受験時の注意点とか、勉強法とか、反省点とか

というのも、というか、結構当ブログはLLM関係者の方々に読んでいただいているようで、僕なんかで恐縮ですが、少しはお役に立てれば、とも考えているからです。弁護士の先生方は守秘義務の関係もありあまりブログはやられないからですかね

フィラデルフィアで、次の代のLLMの某日本人の方とお会いした時に「あなたがあのぺんぎんさんですか!!!」とおっしゃって頂き、少々恥ずかしみを覚えているぺんぎんです

こんなことならぺんぎんとかいうマヌケな名前ではなく、フリードリッヒ27世とかハインリッヒ=ヴィルヘルム・シュトラーセとかかっこいいハンドルネームにしておけばよかったと後悔しています。うそです。逆に恥ずかしいです

 

えー冗談はさておき

今後の当ブログですが、どうしようかなと思いました。もう留学終わりましたかね、留学記じゃないだろと

しかし、ひとまずバーのことと、まだ書いていないアメリカのネタはたくさんあるので、そのあたりを書いていきたいと思います

ということで、今後書きたいテーマの予告

  • バー受験記
  • バー対策の反省等
  • 改めてペンローについて
  • 改めてフィラデルフィアについて
  • フィラデルフィアレストラン情報
  • ボクシングの試合結果
  • アメリカの犬事情
  • アメリカの出会い事情
  • アメリカの映画事情
  • ワシントンDC旅行記
  • フィラデルフィア動物園
  • ランカスター(アーミッシュの村)旅行記
  • MacBookレビュー
  • AppleWatchレビュー
  • サマソニライブレポ
  • The Stone Rosesライブレポ
  • アトランティックシティの楽しみ方
  • 参院選・都知事選
  • ポケモンGO
  • オリンピック
  • 上海旅行記
  • SMAP解散
  • パスポート犬に噛まれた事件
  • 一年ぶりに日本に帰ってきて
  • Kindle Unlimitedについて
  • 飛行機一日遅らせた件
  • 中国語の勉強始めた件

 

えー、そうなんですよ、実は帰りに上海によって一泊してきました。大学の友達が偶然そっちにいたので案内してもらい

Yの影響もあり最近中国に対する興味がものすごい。これはアメリカに行って得た大きな経験則の一つだと思う。我々は絶対に中国とうまくやっていったほうがいい

そんなわけで、上海に一日いただけだけど、ものすごいインパクトだった。成田から自宅への車の中での父との会話は、半分以上がアメリカではなく中国の事だったと思う。それくらいだ

えー、それについても書いていきたいと思います

 

では今回はそんなところで。しかし日本はいいなぁ

NY Bar 16 - "So long, my friend and adversary"


The Strokes - Under Cover of Darkness [2011-06-04]

 

(この歌詞シリーズなんなんだ)

えーみなさんお久しぶりです。

「試験頑張ってくるぜ!!」と行ったきり一週間音沙汰が無かったので色々心配してくださった方もいるかと思います。

試験の解放感から飲み過ぎて救急車で運ばれたんじゃないかとか

試験の手応えが悪すぎてエンパイアステートビルから飛び降りたんじゃないかとか(村上春樹でそういう話があったな)

ポケモン狩りに熱中しすぎてるんじゃないかとか(ちょっと本当)

 

いえいえそんなことはなく、単にフィリーに戻ったり友達とお別れをしたり新しいLLMの人に挨拶したりとドタバタしていただけです。僕は元気です

いやでもブログを書くぐらいの暇はいくらでもあったので、単なるいいわけですな。書こう書こうと思うほど筆不精になるというあれですね。またまた僕の悪い癖ですが、書きたいことが多すぎていっそ書くことを拒否するという

タイトルは冒頭に上げた動画、またまたストロークスのUnder Cover of Darknessという曲のサビです。これもYou Only Live Onceと並んで鬼リピしてました。ポップで2本のギターが楽しくて、いい曲ですよ。

"So long, my friend and adversary"(さようなら、友と敵よ)

友というのは試験後慌ただしく国へ帰ったりニューヨークに行ってしまった友人たち

そして敵というのはもちろん我らが?NY Barである

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試験2日間、12時間、特にトラブルもなく無事に受けてまいりました

肝心の手応えはどうなんだろう

簡単にまとめると、

MPRE okay

MEE so so

MBE午前 okay

MBE午後 not okay

 

という感じでした。まあ細かくはまた書きますね

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試験会場で印象に残ったわりとどうでもいいことをいくつか

①大学ロゴ服を着てる人多数

ニューヨーク出発前、「おまえPENNのパーカー着て威圧していけよ」とか友だちに言われ「いやーそんなん恥ずいっしょ」と一笑に付して普通の服で行ったんですけど、行ってみれば大学Tや大学フーディの嵐

で、これ、じゃあ大学の名前でいわゆる学圧をかけてきてるかというと違うんですよ。なぜなら無名ローの人も普通に着てるから

NYC(マンハッタン)会場はNY州、特にNYCのローの卒業生が多いわけで、コロンビアとかNYUをたくさん見たし、右隣はコーネルだったが、左隣はブルックリンローとかいうとこだった。つまり、威圧するとかそういうしょうもない話ではなく、各々が大学に誇りを持ってその代表としての自覚を持ってきている、というとこだろう。アメリカでは日本のように学校の自虐ネタは聞いたことないしね

ま、さすがにYALEを見た時は「お前ドヤってんじゃねぇよ」と思いましたがね

 

②男子トイレに群がる女子たち

圧倒的受験者数の前ではおまけ程度にあるトイレなど無力です。当然試験直前は長蛇の列ができます。ディズニーランドもそうだけど、こういう時ほど男に生まれたことに感謝する瞬間はない

で、大も小もない女子と違って男の大は比較的空いてるわけで、見かねた女子たちが「あーもう恥ずかしいとか言ってる場合じゃねぇ、緊急事態だわ」と言わんばかりに男子の列に並ぶわけでした

これ、逆は認められんのか?とか思ったけど、逆だと時間を短縮するという大義が無いので認められないでしょうね。合理的関連性がありません

それから、「そういやアメリカは有事の時は大統領が強大な権限持ったり人権がある程度制限されたりするんだよな。こういうとこにもアメリカ人の『緊急事態は多少のことは許される』っていう発想が出ているのか…?」とかどうでもいいことを考えたりした。日本もそうなろうかとしているわけですけどね、どうなんでしょうね

 

③試験後が完全に囚人の解放

2日目の試験後、答案用紙を集めて数を確認している間は受験者はまだ座っていなければならない。なのだが、みんなもう終わってそわそわして早く帰りたいので誰も守らない。アメリカ人よ、お前らの規範意識はどこへ行った

で、みんなもう席を立って出口のところに向かうわけですね。しかし出口にはシャッターが降りている。試験場は半地下なので、シャッターの向うにはエスカレーターがあり、一階へ、そして建物の出口へと続く

もうまずその待ってる光景が笑える。みんなガヤガヤと喋りまくってシャッターが開くのを今か今かと待ち構えている。押しくらまんじゅう状態。疲れきってる姿はどう見ても囚人。そして、、、、"YOU ARE DISMISSED"のアナウンスとともについにシャッターが開く。囚人たちは歓声を上げ、怒号を上げ、口笛を吹き、手を上げ手を叩きながらエスカレーター(止まっている)を駆け上がり、光に溢れた建物出口へ突進する

まさにバーイグザムという2日間の過酷な試験、いやJDに取っては3年間という長い時間の真の終わりなのだ。その姿はどう見ても懲役3年の刑期を終えてシャバに戻る囚人たちの姿だった。ものすごい高揚感だった

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試験後、同じホテルに泊まってたタイの子とお互いの健闘を讃え合い、慰めあい(卑猥な意味ではない)、そして近くのホテルの友達と合流してそこでフリードリンクを頂いた。こんなにもビールをうまく感じたのはいつぶりだろうか。解放感と寝不足で酒は瞬く間に回った

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その後ちょっとした事件があり僕は悲嘆に暮れブチ切れることになる。これを思い出したくなかったのもブログを書きたくなかった理由の一つだ。まぁ、Radioheadのライブに行きそこねたということなんですが

 

それからまた友達(ベルギー、タイ、イスラエル、中国、カナダ、ぺんぎんという構成だ)と合流し、マンハッタンの洒落た店でどうしようもない下ネタで大笑いし(こんなに腹を抱えて笑ったのはいつぶりだろうか)、お互いの健闘を讃え合い、今後の活躍を誓い合い、1時頃解散した

体は疲れきっていたが、まだ興奮は冷めていなかった。ホテルに帰るのも惜しく、一人でふらふらとタイムズスクエアに向かった

タイムズスクエアに来るのは1ヶ月ぶりくらいで大して懐かしくもなかったし、今まで何度も来ていたが、どこかいつもと違った感じがした。結果はまだわからないにせよ、どうにかこのニューヨークで戦い切って、ニューヨークが少し自分に近く感じられたのかもしれない。バカみたいに明るいビルボードと品の無い喧騒が心地いい

初めてここに来た時のことを思い出した。ちょうど4年前だ。恐ろしい人の数に圧倒されたっけか。oasisを聴いてたなぁ。あれから自分は少しは成長しただろうか。なんだか、日本のことを放り出してアメリカに来たという意味では何も変わっていないし、英語は相変わらずだし、だらしない性格も変わってない。相変わらずoasisばかり聴いている。でも、あの時に感じた興奮とは違った興奮がそこにはあった。景色はなんだか違って見えた。多分僕も色々と変わったのだろう

 

翌日は事前にフィリーからホテルまで来るように頼んでおいた(コールガールじゃないんだから(失礼))ガールフレンドのような子(うまい表現が見当たらない)に叩き起こされた。彼女にも色々と世話になった

昼ごろからニューヨークをぶらぶらした。ヤンキースの試合を観たかったが、10連戦くらいしてたのになぜかこの日だけ試合が無かった。つくづく運がない。彼女に何かしたいことはあるか訊くと「あなたと一緒ならどこでもいいわ」的なことを言った。As long as it's with you, anything would be perfect for me. そういう子なのだ。あとで文句を言うわけでもない。とてもいい子なのだ

 

そういうわけでだいたい僕が行きたいところに行った。とにかく歩いた。West 38thから初めてEast 82ndまでいった。電子レンジの中にでも入ってるような暑さだったが、太陽に当たっていると、試験で失われた人間性が体に戻っていくような気がした。満を持して一風堂に行き(若干茹ですぎだった)、セントラルパークでポケモンを捕まえ(イーブイだ)、メトロポリタンに行き(やっぱりマネはいい)、紀伊国屋に行った(村上春樹を買った)

それからエンパイアを遠目に眺めながらわけのわからない寿司を食った(うまかった)。そして夜遅くのメガバスでフィリーに戻った(寒かった)

 

それからの1週間は別れの挨拶や初めましての挨拶をしつつ、ガールフレンドのような子と遊んだり犬と遊んだりしている

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実はこのブログでは触れていなかったが、ここしばらくガールフレンドのような子の友達(帰省中)のヨーキーを預かっている。試験勉強でしんどいときに支えてくれた僕の相棒である。寂しい時は膝に乗せて勉強し、煮詰まった時は一緒に散歩した。彼には感謝してもしきれない

それから右の子犬はガールフレンドのような子の犬である。マルチーズパピヨンのハーフ、通称マルパピだ。彼以上に可愛い犬に会ったことがない。生ける天使である

そういうわけで、今は読みたかった本を呼んだり犬と遊んだりという非常に牧歌的な生活をしている。この生活がずっと続けばいいが、そうはいかない。2週間後には彼らにも別れを告げて日本に帰ることになる

 

と、ネタが溜まっているので色々と書いていきます。ふぅ。とりあえず。ほんとに試験終わってよかったな。受かってるといいな。おつかれぺんぎん

NY Bar 15 - You Only Take Once

 


The Strokes - You Only Live Once (subs español) HD

 

ご無沙汰してます。ぺんぎんです。

さて、あれから音沙汰なく、ツイッターも一時的に垢消しをしたため生きてるかどうか心配になった方もあるいはいるかもしれないが、なんとかかんとか生きております

 

早いもので明日が試験

勉強しながら、何度「あーもっと早く初めときゃよかった」と思ったかしれません。2ヶ月でこれだけの量詰め込むなんて、正気の沙汰じゃないんだもの。そしてお前そんなことは最初からわかってただろうと

が、卒業まではどうせメンタル的にとても勉強に取り組める状態ではなかったので、まぁこれが必然だろうと思っております

やりたかった勉強が全部出来たわけではないけども、この2ヶ月死にものぐるいで勉強したし、まぁそこそこ清々しい気分です。よくやったよほんと

しかし、当たり前だけど英語で勉強すると二倍疲れる。なんか、ずっと頭痛に苛まれていた気がする

 

そういうわけで今マンハッタンの会場近くのホテルです。

2ヶ月の成果をバンと2日間にぶつけてまいりたいと思います。

 

*********

 

上に挙げた動画は最近ずっと聴いてるストロークス(ニューヨークが地元なのでゲン担ぎというのも少しある)の中でも元気が出ると評判のこの曲

You Only Live Once、略してYOLO。人生一回きりだから後悔のないように精一杯生きろってやつですね

この時期になると、「あーこれ無理だわ。おれ2月の受けるわ」(注:NYバーは年2回、2月と7月とある)という弱音が聞こえてきますがそれじゃあダメなんですな。そういう予防線を張るのはよくない。やっぱり一回で決めるという気概を持たないとアカンのです

そういうわけで、You Only Take Onceの精神でやって参ります

あんまうまくないな?笑

 

NYバーを受験する皆さんの健闘を祈ります。YOTO!!!